ハイスクールDxD〜駒王学園の一年副担任〜   作:みおなん

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お久しぶりです。いつにも増してかなり長い時間投稿しなくて申し訳ないです。覚えている人がいてくれたら有難いです。
いつも通りサブタイトルは適当です。



四話 代償と彼女と節約と

「ん?朝……か?」

 

窓から差し込んできた光を浴びてボケーッとした頭が少しづつ覚醒し、体を上げる。

今俺のいる場所は自分の家にあるソファー。いつもと変わらない朝……なのだが、昨日何かとあった気が……。

思い出せなくてモヤモヤする。……かと言って気にしても仕方がないので今日の仕事の準備をするために立ち上がる。

 

「……えっ?」

 

視界が反転する感覚に思わず変な声が出てしまった。否、感覚ではなく本当に反転しているようだ。

 

「あ、あ〜昨日確か全力出して疲労が溜まってたんだな」

 

ここでようやく昨日の出来事を思い出し納得する。

これはあれだ、筋肉痛というやつだ。ほら、昨日は良く動いただろ?だからだよ。

それに俺の場合は普通の運動だけではなく、最近全く使ってなかった天使まで使ったのだからこのぐらいの倦怠感は当たり前か。

 

「っても、学校には行かないといけないしな」

 

力の入らない足に鞭を入れて無理矢理立たせる。

そして、台所に洗ってある食器を見て綺麗に片付いていることに気づき不思議に思う。

 

数秒、唸るがすぐに思い出した。

そういえば、昨日塔城小猫さんがたまたま通って助けてくれたんだっな。そのお礼で料理振舞って……洗ってくれたのね。

 

──別にそのままでも良かったのに。

 

「っとと、無駄な考え事は後回しだな。どうせ学校で会うんだし、お礼はその時でいいだろ」

 

時計を見て時間がないことに気づき、スーツを着ようと思ったが、地面を這いずった時にできたのか、かなり大きい穴が空いていた。

ハァとため息を吐き、予備のスーツを急いで取り出す。

 

「にしても、悪魔か。前の世界にもいたけどアイツらは本物のバケモノだったからな……」

 

問題児がいる世界の悪魔達を思い出し軽く身震いする。周囲の被害考えずに暴れ回るからアイツらホント嫌い。

そんなことを考えている間に準備も終わり、テレビを付けて朝食と共にコーヒーを飲む。

 

「んー、まあ変わりはなさそうだな」

 

結局はいつもと同じ時間。

天気予報を聞き終えると家の鍵を閉めて学校へ向かう。

 

ふらふら〜と学校への道を歩いていると覚えのある気配を感じたので振り返る。

 

「おはようございます、先生。……よく気付きましたね」

 

気配の正体は昨日お世話になった小猫さんだった。

 

「俺の嗅覚は直径3kmにある全ての物を嗅ぎ分けることが……あの、冗談が過ぎたことは謝るので変な人を見る目は止めてくれるとありがたいんですが」

 

段々と温度が下がっていく小猫さんの目に耐えきれなくなりオドオドする。

 

「先生がいきなり変なことを言うからです」

 

「俺の場を盛り上げようという精一杯の配慮だったんですけど」

 

「なら、やらないでください」

 

バッサリ切り捨てられた!?清々しいまでに見事に否定された!?このチビ……

 

「……えい!」

 

ブオッ!と拳が空を切る音が聞こえ真横を通り過ぎた小さいが殺傷力抜群の拳を凝視する。その有り得ない威力にツーと頬に冷や汗が滴る。

 

「お、おっふ。ごめんなさい」

 

遠慮なく、思いっきり振り切った小猫さんに恐怖を覚え思わず謝る。

 

「次、変な事を考えたら当てますよ」

 

「あい、承知いたしました」

 

そう脅した小猫さんは学校内に入って行った。

まったく、危ない危ない。いくら何でも空気を切るえげつない音が出るほどの拳を食らったら痛いじゃ済まないだろうからな。

 

「ところで先生は何故あんな所で倒れていたんですか?」

 

ふと思い出したのか急に振り返った小猫さんは俺に質問する。

 

「ん?まあ、変な奴に絡まれてな。返り討ちにはしたんだが普段の運動不足が祟ってあのザマさ」

 

「その変な奴と言うのは……?」

 

「聞かない方が身のためだと思うので言いません。

一応言っておくがこれ以上の詮索は止めといた方がいいですよ」

 

少し、重たい雰囲気を出しながら小猫さんにそう言う。何故なら小猫さんが悪魔?とかってのに関わってもらっても困るしね!

 

「さて、他に質問はあるかな?」

 

重い空気が解放され、俺はいつも通りの表情と口調で小猫さんに話しかける。

 

「っ!いえ、もう大丈夫です。ありがとうございました」

 

……まぁいいか。

 

───────────────────

 

〜時は流れ〜

 

学校での書類整理などなど、色々と終わらせ学校を出た時には既に日は落ち、真っ暗になっていた。

街灯と月明かりに照らされた夜道を気怠げに歩いていると、コツンと何かが足にあたる。

 

「なんだこれ?」

 

しゃがみ込み、足元に転がっている何かを拾い上げる。

 

「チェスの……駒?」

 

何故こんなものがここに?という疑問が自然と湧いてくる。月明かりに照らされた駒は兵士(ポーン)の様だ。

 

「うお!?」

 

駒を調べているとバチッ!と指が突然弾かれる。それに驚き、駒をまた地面に落としてしまう。

コロコロと地面を数センチ転がった駒はパキッという音を立てて壊れてしまった。

 

「えっ?」

 

突然壊れた駒を見てオドオドと取り乱す。何とか直そうと思い手に取ってみるが、サラサラと砂になって風に飛ばされてしまった。

 

「あれ?消え……た?」

 

一体感今のチェスの駒は何だったのか。疑問が残る……が、それ以上に何故か嫌な予感がする。

こういう不可解な現象が起こる場合、トラブルが付き物である。それ故、また何か起こるのでは?とつい不安になってしまう。

「……いや、考えすぎ……か?やっぱり疲れてるだけか?」

 

ポツリとそう呟く。

まあ、昨日から続いている気怠さも未だに残っているし幻覚が見えるのは……やっぱりおかしいよな。

 

「んー、でも周囲には誰もいない。気のせいですかね?」

 

ブツブツと独り言を言いながら家に向かってあるいていく。

この時の俺はまだ知らなかった。赤髪の悪魔が魔法陣越しで見ていたことを……。

 

────────────────────

 

〜何事も起きず数十日後〜

 

今日もキャーキャー言っている女子生徒の間をすり抜けて教室へと向かう。

この悲鳴をあげる理由は三通り程ある

 

まず誰もが憧れる二大お嬢様のリアス・グレモリーさんと姫島朱乃さんが廊下にいたのか。

 

次に学園一のイケメンの木場祐斗が手を振ったか。

 

最後がこの学園を代表する変態三人組が女子の体を触ったか。

 

どちらにしても俺は関わりたくはない。関わったところでブーイングの嵐が俺に飛んでくるだけだ。

小猫さんに近づいた全男子の敵として知れ渡っているようにね。

 

どうしてこうなった……。

 

弁解しようと試みては見たのだが誰も取り合ってくれず、結局俺は諦めちまったよハハッ。

 

「ドアの前で立ち止まらないでください」

 

「おや、すいません塔城小猫さん」

 

いつの間にか後ろで立っていた小猫さんに一言謝り教室に入る。

それにしても殆どの生徒が廊下で悲鳴を上げているというのに小猫さんは興味が無いのかな?……いや、無いのだろう。両手で抱えている物を見れば誰でも分かる。

 

「昼からそんなに甘い物……大丈夫ですか?」

 

「大丈夫です」

 

さいですか。今後の成長的に大丈夫だとは思わないのだが……本人がそう言うのなら大丈夫なのだろう。

 

「ところでそのお菓子少し分けては「嫌です」……ですよね」

 

小猫さんのお菓子を少し分けてもらおうと思って言ってみたのだが、言葉の途中で拒否されてしまった。……残念。

実は俺の手持ちの金額いつかのデートと同じぐらいピンチなのだ。思い出すだけでも寒気がするのでこれ以上は話さないが昼飯を抜きにしないと給料までモヤシが主食になってしまう。

 

しかし、こうして見ると小猫さんからな何とも言えない威圧感を感じる……が、今は腹がっ減っていてそれどころではないので思考を止めて項垂れる。

 

「何度も私をチラチラと見ないでください。不快です」

 

……グスン

 

先生である俺に対して態度が冷たい。何故かのかさっぱり分からんがとりあえず冷たい。

「おはよう」と声をかけると何故か避けられるし男子には殺気を向けられる。俺変なことしたかね?

 

 

────────────────────

海斗、節約生活二日目。

 

一誠に彼女が出来た。何を言っているのか分からないだろうがあの兵藤一誠に彼女が出来た。しかも、かなりの美女。

んで、当の一誠はよっぽど嬉しかったのか何故か俺にわざわざ紹介までしてくれた。

 

名前は確か……天野夕麻だったかな?大人しそうでいい人だなとは思ったんだがね。何故一誠を選んだんだろう?

まったくもって不思議でならない。なにか裏があるのでは?そう、例えば一誠は実はお金持ちのお坊ちゃまだった!的な?

いや、それはないだろうな。もし本当にお坊ちゃまなら例え変態だろうと女は自然と集まってくるもんだ。多分……。

 

「あの、先生?聞いてます?デートプランを一緒に考えてくれると言ったのは先生ですよ?」

 

はい、現在兵藤一誠と天野夕麻さんとやらのデートプランを一緒に考えさせられてます。

確かに、俺が力になれることは何でしてやるとは言ったが、他人のデートプランを考えるほど俺は偉くもないし究極の三択の選択肢も俺は持ち合わせていない。

 

「……まあ、なんだ一誠。その相手のことはまだあまり知らないんだろう?なら、相手の事を知ることができるような場所に行ってみたらどうだ?」

 

「そうっすね……なら────」

 

 

 

 

「────はぁ、これでいいだろ?まったく無駄に時間かけやがって」

 

やっと、一誠の納得いくデートプランを完成させ、愚痴を零す。初心丸出しのデートプランではあるが、まあ誰でも嬉しい、楽しいと感じるようなプランを作ってやった。

 

「ありがとうございます!では、俺は明日の準備があるので!」

 

「さっさと行け。お前の顔は暫く見たくないわ」

 

何時間も俺の目の前でキラキラしながら喋りやがって。

自慢か!?彼女がいるって俺に自慢してんだろ!?悪いな俺もいるわ!

 

 

 

海斗、節約生活三日目。

 

「休日の昼間っから公園の水を飲んで食費を浮かしている俺はなんだんだ?」

 

ふと、疑問に思ったことを呟く。

何を隠そう俺は腹が減りすぎて公園で水を大量に飲んでいるのだ。

休みのため、子供たちがいるが気にしない。プライドで腹が満たされるわけないからな!

 

「てか、給料日はよ……俺が野垂れ死ぬぞ。この生活をまだ続けるのは流石に地獄だ」

 

さて、水腹で腹もちょっと膨れたことだし、日当たりの良い場所で節電モード(昼寝)に入るか。

 

いや、子供たちにイタズラされそうだから寝るのは止めておこう。無心になる程度にしておこう。

まあ、家に帰ればいいんだろうけど、やっぱり家だと何かと電気とか使っちゃうからね。

 

「それにしても……、先日の戦闘で溜まった疲れが未だに取れないのがおかしい」

 

全てを絞り出したという訳では無いはずなのだが、疲れが一向に消えないことに疑問に思う。

手を閉じたり広げたりして体の調子を確認する。全体の約6割だろうか。こうして数字にして見ると回復しているように見えるが残りの4割も相当な量だ。

 

「おいガキども!俺な触るな!疲れてんだよ。筋肉痛がヤバイからマジやめっ……あああああぁぁぁぁ!!!」

 

考え事をしているとどこからとも無く子供が現れて俺の体の上にドスンっと乗ってきた。タダでさえ痛い体に更に衝撃が加わり筋肉が悲鳴をあげる。

その後、その子の母親が謝りに来て、何かを言っていたが……俺には聞き取る余裕はなかった。

 

 

 

「はぁ、酷い目にあった……」

 

痛みが引くまで霊力で少しずつ回復しているといつの間にか夕方になっていた。

流石に夜まで公園にいるつもりは無いので家に帰ろうと立ち上がる。

 

「……!?」

 

瞬間、何処から殺気が漂ってきた。

周囲を探知すると範囲内に人の気配を感じた。人数は2人のようだが片方は人間ではない歪な気配を発している。

急いで気配の感じる方に走る。本気で走ったため一瞬で到着をしたが、到着した場所には目を疑う光景が広がっていた。

 

「おいおい、何かの撮影だろ……これ」

 

公園の噴水近くで一誠が光の槍で貫かれ血を流し、そして光の槍を持った女性……先日、一誠が紹介した彼女が背中に羽根を生やし立っていた。

 

 




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