ーーーーーーSIDEtoセレナ
うぐぅ…あ、頭が…痛い…‼︎
あの写真を見てから、息も苦しくなって来た…‼︎
たった一枚の写真で…如何して⁈
『…レ……ナ!…セレ…セレナ!』
⁉︎私の名前を呼んでいる?
⁈此処は何処⁈
私は混乱していた。其処は全く知らない筈の場所だから。
そうしていると、
『起きて、セレナ!』
不意に聞こえてきた声に私はその声がした方向…後ろを振り返る。
其処には先程の写真に載っていた2人の少女がいた。
ピンクの髪の少女が、オレンジ色の髪をした少女に話しかけていた。
如何やら起こしているようだった。
『う〜ん…あともう少し…zzz…』
『駄目よ。セレナ。もう直ぐお母さんがやって来るわよ』
セレナ?…私の名前? あの子は私の事を知ってるの…?
そうするとオレンジ髪の少女がこのまま寝続けるのを諦めたのか、目を擦って起き上がった。
そしてその子はピンク髪の少女にこう言った…
『むぅ〜…まだ寝足りないよ〜…
マリア…姉さん?
容姿は、あの歌姫『マリア・カデンツァヴァナ・イヴ』と同じ。敢えて言うならそのまま小さくなっていたような姿をしていた。
すると突然、周りの景色が真っ暗になった。
何が起こったの⁈
『大丈夫だよ。私』
え?
そして不意に聞こえて来た声に私は辺りを見渡す。しかし其処は何も無い、黒で染められた無の世界…
すると何かの気配を感じた私はそのまま後ろを振り返ると、其処には先程のオレンジ髪の少女が其処に立っていた。
それと同時に頭の痛みもすぅ〜…と消えていた。
「貴方は…」
『まだ記憶が思い出せていないんだよね。もう1人の私』
もう1人の私…それだけで、彼女が私自身である事を悟っていた。
そしてそれが幼い頃の自分だと言う事も。
私はその事実を突き付けられて、何故か「ごめんなさい」と謝っていた。
だけど、其処にいたもう1人の私は首を横に振った。
『大丈夫だよ。仕方が無いもの。
でも、貴方と言う存在を取り戻せるのが今しか無いの。
だから…よく見てて欲しいの。
貴方が無くしてしまった記憶を…思い出を…!』
そう言われた少女は私の隣に来た。
するとまた今度は別の視点からの思い出を見せてくれた。
其処には先程の写真に載っていた紅と蒼のオッドアイをした女性と
幼い頃の私が言ったマリア姉さんなる存在と一緒に楽しい食事をしていた。
そしてそんな3人の所に1人の女性がやって来た。
その女性には私も見覚えがあった…ジャンヌ義母さんだった。
私はジャンヌ義母さんの事は知っていたので、代わりにあのオッドアイの女性の事を知ろうとした。
「あのオッドアイの女性は?」
『ソロ・カデンツァヴァナ。私…この場では貴方もだけどね。
それと、マリア姉さんの本当のお母さんだよ。
そして、貴方がの義理の母であるジャンヌさんの…妹なの』
そうか…その人が私の本当のお母さんなんだね。
そしてジャンヌ義母さんは、実は私にとっては叔母さんで、ジャンヌ義母さんにとっては私は姪っ子だった。謂わば親戚同然の関係だったんだ。
私はそう思っていた。けど、隣にいたもう1人の小さな私は深刻な顔をしていた。
「…如何かしたの?」
その問いに幼い私はどう説明すれば良いのか、困惑していた。
だけど知りたい。何故、自分の実の母親を見て、なぜそんな顔しかしないのかを。
すると意を決してくれたのか、幼い私は口を開けた。
『…お母さんは、私が10歳の時に…亡くなったの』
亡くなった…?
だ、だって、まだ記憶の中ではあんなに活き活きとしているじゃ無い⁉︎如何して⁈
『当時流行りの不死の病にこの時から既に侵されていたの。
その頃の私は全く知らなかったの』
…そうだったのね。
不死の病か。もしこの場にジャンヌ義母さんがいたら、どれだけ心強かったのか。
『マリア姉さんはこの事を知っていた。
だから、お母さんとの別れの際に、私を抱き寄せて一緒に泣いてくれたの。自分が無力だったばかりに。それは私も同じ事だったんだけどね』
そう言われながら、周りの景色はいつの間にかその母親の埋葬が行われていた。
因みにこの際に父親が誰なのか聞いたら、『憶えていない』と言われた。なんでって聞いたら、『自分を産んだ直後に、戦争地に赴いて、帰らぬ人になってしまった』と、幼き頃の私がそう告げた。
つまり、当時の私とマリアさんは両親が居ない…身寄りの無い孤児になってしまったと言う事であった。
そして周りの景色はまた別の場所へと映し出されていた。
其処には先程の風景よりも何やら機械的な施設内にいた。
其処には少し背丈が大きくなった幼い私とマリア姉さん。そして、写真にも写っていたアイパッチをした女性が、電動車椅子に乗って、話をしていた。
『彼女はナスターシャさん。お母さんとジャンヌさんの事を娘のように可愛がってくれた存在。そしてそれは私達姉妹にも愛情を注いでくれた人…』
ナスターシャ。小さい私はそう言ってくれた。
そうか…この人が…
そう思って横に目を向けると、其処には私がいるのだが…何故だろう。やけに大きくなったのではと錯覚していた。
『あ、これ?
周りの景色と同じ時系列の体型にしないと、私維持できなくなるから』
と、言ってきたので私は何故か納得した。何故だろう?
それは兎も角、私は景色の様子を見た。
そしてとある日の風景にて、ナスターシャさんが私に赤いペンダントを渡された。
「あれは…聖遺物のギアペンダント?」
それは翼ちゃんやクリスちゃんが持っているギアペンダントだった。
『うん。貴方も昔は、響ちゃん達と同じ《シンフォギア》装者だったんだよ。それも先天性のね』
そう言う中で、景色の中の私は聖遺物を起動する為のパスワードなる物…聖詠を詠った。
『Seilien coffin airget-lamh tron…』
そしてそれと同時に幼い私は聖遺物を纏った。
『アガートラーム。私の力を最大限に発揮できる聖遺物。
尤も、今は手持ちには無いんだけどね』
そう言う中で私はその様子をじっくり見ていた。
そして今度はあくる日の様子が映し出されていた。
其処には大勢の男の子が小さい私を相手に虐めをしていた。
マリアさんはその時は不在だった。
『今の私にしては可笑しいかもしれないけど…この日、私は運命と出会ったの』
…運命…Destiny…響きは良いかもしれないけど…不安でしかない。
そう感じて俯いて居たら、先程までの暴力していた男の子達の1人が私の足下に飛ばされてやって来た。
其処で顔を上げると、其処には1人の少年が私を庇って、そして拳から血が流れていた…!
『お前等!レディーファーストって言うのを知らないらしいな?
だったら、俺が教え込ませてやる…掛かって来いよ』
その少年の挑発をまんまと掛かった男の子達は一斉に拳を振り上げた。
だけど、少年は動じる事も無く、寧ろ全ての攻撃を受け止めて、そしてそのまま反撃した。
それを見た私は胸が焼ける様な痛みをし始めた。
ううん…この感覚…前にも味わっている…
…そうだ…この時からだ。
すると男の子を退治した少年はそのまま、懐に忍ばせていた絆創膏で小さかった頃の私が受けた傷口に張った。
『あ、ありがとう…///』
『気にするなよ。『漢たる者、弱き者を救え』なんだよ』
少年が言った台詞…私はその言葉で摩耗していたであろう記憶が磨かれていた…
そうだ…この子だ…この子は私にとって、初恋の相手だったんだ…
そう思っていたら、当時の私がその子に自己紹介した。
『私…セレナ。セレナ・カデンツァヴァナ・イヴ』
『俺の名は
『⁉︎///…うん!』
そうだ…あの子の言動、態度。…そして何よりもその笑顔に私は惚れたんだ…
その日を境に虐めは無くなっていた。
実は彼はこの施設内の男の子達を統率する兄貴のような存在だった。
だから迂闊に手を上げられなかったんだ。
その後、マリアさんと零が出会って、賑やかな生活になって行った。
そしてそんなある日、彼は1枚の石で出来た板を持ってきていた。
そうだ…あれは間違いない。『英雄石板』だ。
当時の私の時から『英雄石板』は貴重だったんだ。
すると零はその石板に触れて、感じたのか…詠唱を放った。
その『英雄』の軌跡をなぞった物語を。
『「詠唱開始。
『その者は全てにおいて興味を持たない少年だった。
それ故にその者の中に眠りし力は『無』の力となる。
やがて大いなる野望が訪れた…
少年は自らの幼馴染である存在…
赤き炎を灯した少年,青き水を留めた少年,翠の風を纏う少女と共に、その野望を打ち壊さん。
しかし、悪戯し神の仕業により、『英雄』と言う名の鎖に繋がれん。
しかし少年は幼馴染を、仲間達を守る為に行動せん。
その身に『無』の力が有り続ける限り…』」
…はっ⁉︎俺は何を言って…⁉︎うわぁ⁈』
すると、石板が光輝き、それが一点に集中し、そしてその光が消えると同時に一枚のカードが現れた。
それを見た零はそのカードに手を触れた。
その瞬間に眩い閃光が襲いかかった。それは記憶を巡っている私達も同じだった。
やがて光が消え、零はカードがあった場所を見て凝視した。
其処に居たのは、
焦げ茶色のフード付きダウンジャケットに、黒のズボンを履いた…
銀と黒が交じった髪を生やした少年だった。
『お前は一体…?』
『ギンジ。そう呼ばれている』
それが零と『英雄』ギンジとの出会いだった。
まるで義理の弟の憑友とキリトのような関係になっていた。
そしてその日から時間の流れが過ぎて行った。
時間の流れが速くなったのは私にとっては逆に良かったのかもしれない。
当時の私はそれを見て欲しく無いとの事だったけど、時間の流れを速くしている際に一瞬だけ見た景色を見て、それは納得してしまった。
たくさんの子供達がこの施設に入ったのは良いが、この施設から出て来た者は1人もいなかった。何故なら其処で何かの実験をしており、私達はその実験のサンプルになっていたから。
それをみた私は当時の私が見て欲しく無い理由も分かった。
確かに今の私ではその光景を見れば、そのまま嗚咽や吐き気に襲われてしまうからだ。
只でさえかつての私でさえも苦しんだのに、記憶が欠けていた私がその光景を見れば間違い無く精神的にも体力的にもどっちも持って行かれる事に変わりは無かった。
そして最悪の日が訪れた。
研究者が実験にしていた物…『"完全聖遺物"ネフィリム』と呼ばれていた存在が暴走を始めたのだ。
これは『歌を介さず、強制的にネフィリムを起動させてしまったせい』だと当時のナスターシャさんが言っていた。
それを聞いた当時の私は、『私、歌うよ』と突然言い出していた。
その一言で今の私は気づいた。それは人体にかなりの負担をかける『絶唱』と呼ばれる《シンフォギア》の切り札を使おうという事に。
『やめて、セレナ!
下手をすれば絶唱は命にも関わるかもしれない!』
当然、マリアさん…ううん。マリア姉さんは私を止めようとした…、しかし、私は…。
『私の絶唱でネフィリムを起動する前の状態にリセットできるかもしれないの!』
『そんな賭けみたいな!
もしそれでネフィリムを抑えられなかったら……!』
『…その時は、マリア姉さんと此処には居ない零がなんとかしてくれる。
『F.I.S.』の人たちがなんとかしてくれる。
私だけじゃない、だから、なんとかなる!
ギアを纏う力は、私が望んだ力じゃないけど、この力でみんなを守りたいと望んだのは、私なんだから…』
私はマリア姉さんに向けて微笑み、それでも姉さんは私の腕を掴んで引きとめた。
『心配してくれて有難う。
でも、ここにいる人たちを、救うためだから。
みんなが死ぬのは、嫌だから…。
だから、大丈夫だよ?』
『…っ』
私は今にも泣き出しそうな姉さんの頬を撫で、そして近くには零とのパートナー契約を果たしたばかりの『英雄』ギンジさんが立っていた。
『必ず、生きて帰ってきてくれ。お前の事を待ってくれている人がいる。お前の帰る場所が此処にはあるんだから』
ギンジさんがそう言ってきたので、私は頷きつつ必ず帰ってくる事を約束し、私はそれに笑顔で頷くと“白銀のシンフォギア"である聖遺物『アガートラーム』を纏ってネフィリムのもとへと向かった。
そして私は歌った、ネフィリムを止めるために『絶唱』を……。
ーGatrandis babel ziggurat edenal…
Emustolronzen fine el baral zizzl…
Gatrandis babel ziggurat edenal…
Emustolronzen fine el zizzl…ー
その歌は力強く…同時に悲しい気持ちになる唄だった…
結果、『絶唱』の力でネフィリムは起動する前に狙い通りリセットされた。
だけど、『絶唱』の威力で周辺が破壊され、私の周りには炎が巻き起こっていた。
『『セレナ……!!』』
マリア姉さんとギンジさんがセレナのもとへと駆け寄ろうとするが、炎で中々近づくことができなかった。
マリアは助けを求めたが、研究者たちは『貴重な実験サンプルが自滅したか!』『実験はただじゃないんだぞ!』『無能共め!!』と心無い言葉しか吐かず、ギンジそんな研究者たちを睨みつけた。
『どうしてそんなこと言うの!! あなた達を守るために血を流したのは私の妹なのよ!!』
『お前達の方がよっぽどの屑じゃねえかよ‼︎ふざけんじゃねぇ!』
そんな中、私は目や口から血を流しながらマリア姉さんの方へと振り返り、マリアとギンジは私の元へと行こうとするが、瓦礫が2人の元に降り注ぎ、それをナスターシャが身を呈して庇った。
色が見えず、ただ白と黒と灰色の謂わばモノクロのような光景。
そんな中で、周りは火の海になっていた。
そして瞳から…血が流れていた…
『セレナーー!』
…マリア姉さんが私の名前を言ってきた。
そうだ…これはあの時の悪夢だ。
そう考えていたら、天井が崩壊しながら此方に迫ってきていた。
怖かった…けど、足が動かない…!
まるで金縛りに遭っているかのように。
すると私の天井もとうとう崩れてきた。
もう此処までなんだ…そう思っていたら、何かに引っ張られた。
『大丈夫か!セレナ!』
男の声だった。心が安らかになっていた。
よく見ていたら、かなり身長が短いけど、目先は私とほぼ同じ。
何方かと言うと男の子と言う感じが一番適当だと思う。
それは私が惚れた存在…零だった。
何故零が此処に居たのかは定かでは無かった。
そう考えていたら零が当時の私の手を握り、一緒に歩く。
悪夢では拒絶反応が無かったけど、今思い返せばそれは当然の事だったんだ。
私はこの人の事が…好きだったから。
すると零の前方で天井が崩壊した。
周りはもう火の海。逃げ場なんて無かった。
だけど、零は私をそのまま身体の方へと引き寄せると、そのまま私を崩壊した天井の抜け道らしき物に目を向けて、私をその中へと入れさせる。
『貴方はどうするの⁉︎』
『後で必ず追いつく!
だから、それまで…生きててくれよ』
そう促すように言われ、私はそのまま先に行ってしまっていた。
そして抜け道から出られたと同時に、抜け道が完全に塞がれてしまった。
『!…レイーーー‼︎』
私は愛している人の名前を叫んだ。
もう会えなくなったなんて…嫌だった。
そんな中でも私はその施設から抜け出し、
そして施設から抜け出て約300mを歩いた所でそのまま倒れた…
そして…
『女の…子?…⁉︎
…血が出てる!』
其処にはまだ幼さが残っていた私の義理の弟…憑友が其処にいた。
そして時の流れが消え、周りが黒くなった。其処から先は『セレナ・カデンツァヴァナ・イヴとしての記憶』としてでは無く…
『人絆セレナ』としての記憶になっていたから。
『…これが貴方が今の今まで無くしていた記憶の欠片…
ごめんなさい。もう1人の私。
本当はもっと速く教えておかないといけないと思ったのに…!』
そう言いながらもう1人の私は涙を流していた。
それを見た私はそっともう1人の私を胸に引き寄せて抱き寄せた。
そして言いたかった…
「ありがとう」って。
『……え…?』
「昔の私が今の私に教えてくれた事は決して無駄じゃないから。
そのおかげで、今の私と昔の私が結び付いたんだよ。
それに今の今まで私はずっと1人だと思っていた。
だけどそれは間違いだった。
マリア姉さんと言う大事な家族がいる。
私の事を娘のように可愛がってくれた人がいる。
私はずっと1人ぼっちだと思っていたけど、そうじゃない…
私の周りにはちゃんと私の事を大事にしてくれている人達がすぐ目の前に居たんだって」
『もう1人の私…』
「だからこれだけは言わせて?
これからは一緒に歩もう。
セレナ・カデンツァヴァナ・イヴ!」
『‼︎…うん‼︎』
そう言うとすぅ〜と『人絆セレナ』である今の私の魂と、
『セレナ・カデンツァヴァナ・イヴ』である幼い頃の私の魂が1つになっていった…!
それと同時に光が入り込んだ…
彼処に私の帰る場所がある…!
今度はもう置いて行かないよ。もう1人の私…!
そう言うと私はその光の先へと走って行った。
ーーーーーーSIDEtoジャンヌ
突然倒れたセレナを見た私はすぐに居間の方へと向かい、寛いでいた彼…玄也に頼んで、ソファにセレナを寝かせた。
そして激しい頭痛のような痛みに悶え苦しむセレナに私は何も出来ないかと思っていた。
けど、如何やらそれは杞憂に終わってしまった。
何故ならその後、セレナの容態は安定して、そして目を覚ましてくれたから。
私はそれだけで嬉しかった。
するとセレナを抱き締めていた私にセレナは耳元でこう言った。
「私…記憶が戻ったよ…」と。
その一言を聞いた私はその発言に対して、嬉しさ半分、寂しさ半分になっていた。
記憶が戻ったと言う事は、この子はあの子…ソロの娘であり、マリアの妹に戻ったと言う事を意味していたから。
その後、詳しい話を聞いた私。
セレナもやっぱり大変な目にあっていたと言う事が何よりも知れたし、何故発見当初にあんな大怪我を追っていたのかもこれで理解が出来たから。
そして今の自分はジャンヌが義理のお母さんである事を誇りに思っていると言ってくれた事に私は涙を流していた。
それに気付いたダーリンはさりげなく懐からハンカチを渡してきて、私はそれを受け取ると涙を拭いた。ソロ…貴方の娘はちゃんと成長しているよ。
それとさりげながらも、セレナの瞳の奥底には、「誰かを守りたい」と言う強い意志を見せてくれた。
それを感じたのか、私のダーリンである玄也は、「2人で話し合いなさい。僕は尊重するから」とやや投げやり的言動にちょっとイラつくも、彼なりの気遣いであると言う事は確かだったからそれは有難く受け止めた。
そして玄也が居なくなり、居間には私とセレナの2人きりとなった。
そして私はこうなる事を予感していたのかもしれないと思うと、そのまま胸から赤いペンダントを取り出し、セレナに手渡した。
「…これは…」
「ナスターシャ…マムが私を逃す為に託してくれた聖遺物《アイギス》が入ったペンダントよ。
尤も、私はその力を上手く扱えなかったんだけどね」
《アイギス》
又の名を《イージス》とも呼ばれる"女神の盾"の代名詞。
その性質は『防御』…要するにこの聖遺物は他の聖遺物にはあまり無い機能
マムの話では、セレナはヌアザが使用していた聖遺物《アガートラーム》を『防御』として使っていたと言っていた。
なら、この生粋の『防御』を誇る《アイギス》はまさにセレナにとって不足は無いのである。
「…アイギス…
心の底からこの子の聖詠が聞こえてきた…!」
!…そっか。そんな時期になったのね。
そう言うと私はマムが今度行くであろう場所が描かれた地図を作り、それをセレナに渡す。
「…行って来なさい」
「え?」
貴方のその瞳から私は感じたよ。
「貴方の思い…マリアちゃんに届かせて!」
その言葉を聞いたセレナは涙を浮かべながらも必死に堪えてそして元気いっぱいに、
「はい!」
と返事をするとすぐに身支度を済ませて、玄関に立った。
「行ってきます」
「気をつけてね」
「うん。…必ず帰ってくるね!
憑友と一緒に!」
!
そう言うとセレナはそのまま玄関のドアを開けて出て行ってしまった。
…ごめんなさい。セレナ…
憑友の命はもう…
ーーーーーーNO SIDE
玄関から出たセレナはそのまま走ろうと思ったら、そのまま風が吹き、セレナは髪を抑えると上空から翠の竜が降りてきたのだ!
「!レイアさん!」
それは憑友のピンチに助けてくれる火竜・リオレウスの妻にして、セレナの相談役である者…
リオレイア…又の名を【陸の女王】がセレナの元へとやって来たのだ!
するとレイアは翼を地面に付けた。
「〔乗って!ダーリン程じゃないけど、飛ばして行くわよ!〕」
「ありがとう!」
そう言うとセレナはレイアの背中に生えている棘よりも上…首根っこの所に跨がる。
そしてレイアはそのまま助走を付けて飛翔した!
セレナはそのまま地図に書かれていた場所・フロンティアへと目指すのであった。
その間に事件は一刻と過ぎていた。
セレナはまだ気付かない…
己が…3日も眠っていた事に…
記憶を取り戻したセレナが向かう先…
そこに赴いた時、彼女の顔から浮かび上がるのは…
喜びか、悲しみか…
希望か、絶望か…
次回
英雄故事
2016/6/30までに出たキャラが一応参戦してますが、7/1以降のキャラが今の所、出ていません。なので、以下の作品から選んで下さい。 1位のタイトルは外伝として投稿しようかと思います。
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けものフレンズ(2017)
-
バトルガールハイスクール(2017)
-
はたらく細胞(2018)
-
SSSS.GRIDMAN(2018)
-
盾の勇者の成り上がり(2019)