戦姫絶唱シンフォギア〜とある戦士の物語〜   作:かもめカメ

171 / 202
その者は1人の武士だった。

幼名の頃から父と兄と共に暮らし、そして戦を生き抜く為に生まれた。

彼は後に親方様なる者に忠誠を誓い、その2振りの槍を用いて、常に戦場を一番槍として奮闘せん。

そんな者の前に現れんは生涯いや、未来永劫続く事となる若き独眼の男。

彼とは幾たびに於いても、生涯の全てを捧げる程の熱き戦いをしてきた。捧げてきた。それは相手方も同じだった。

後に親方様を失った武士。だが、それでも、
人々の魂と言う名の「こころ」を届ける為に、

ただ1人、戦地に赴く。

その威はまさに『虎』の如く…

その背中に『六文の銭』を掲げて…


(英雄石板『天覇絶槍の軌跡』より)


♪37 『Commited RED』

翼が首を斬られそうになるところへ、霊風の熱血を込めた怒りの一撃を馬燈にくらわせた!

その光景を見ていた一同は、驚きを隠せなかった。

何せ、自分達が相手でも、馬燈が悉く刀で斬り伏せたのだから。

そんな馬燈が、霊風の拳により、吹き飛ばされたのだ。驚く他無いのである。

 

「くっ!…お前は…精妖霊風!」

 

「俺の大事な仲間に刀を向けたんだ。

覚悟は出来てるだろうな…馬燈!

例え、憑友の友達(ダチ)だからって、容赦する気は毛頭も無いぞ!」

 

「情け容赦はこちらから願い下げだ!

本気で来なければ、こちらから行くまでだ!」

 

そう言うと馬燈は脚と腕を巻くし上げる。

すると手首・足首に水色のリストバンドが嵌められていた。

すると馬燈はそのままリストバンドを外していく。

 

そしてそのままリストバンドを地面に落としていく…

 

…地面にクレーターをつけながら。

 

『‼︎』

 

「…」

 

「このリストバンドは俺と馬燈の特別製でな。

1つにつき50kg…計0.2t(200kg)を付けていながら、お前達を相手に圧倒していた」

 

そのリストバンドの重さの中で、馬燈は霊風と奏,そしてレグルス以外のメンバーをたった1人で相手していたのだ!

化け物なのも大概にしろと言わんばかりに。

 

だが、霊風は逆に冷静だった。

それどころか…

 

 

「(それ…何気にフラグだぞ)」

 

と、内心そう感じている始末であった。

 

すると馬燈が先に攻撃を仕掛ける!

その速さは先程のレグルスと相対していた霊風と同等いや、それ以上の速度だった!

 

そのあまりの速さに霊風は目を追いつけていなかった。

そして馬燈はすかさず背後に入るや一閃を…

 

 

シュンッ!

 

ガキィンッ!

 

「何⁉︎」

 

「…」

 

止められてしまった。

 

馬燈の素早さでは視認する事すら出来なかった筈の霊風が、攻撃を槍で受け止めたのだ!

馬燈は「(紛れに決まってる!)」と内心呟くと、そのまままた一気に駆け巡る。

 

そしてすかさず一閃…

 

シュンッ

ガキィンッ!

 

「⁉︎」

 

なんとまた受け止められたのだ…槍で。

 

それから何度も何度も同じように霊風に向けて攻撃を仕掛ける馬燈。

だが、そのどの攻撃も霊風には悉く受け止められてしまった。

 

「(一体何故⁉︎)」と、焦りを始める馬燈。

それに気付いたのか、霊風は不敵な笑みを浮かべながら語り始める。

 

「馬燈。俺がなんで、お前の攻撃が読めるのかがわからないだろう。

至極当然だ。俺の属性は『風』だ。

 

『風』は、空気の流れが生んだ現象だ。

そして俺はそんな風の流れを、この目で視認する事が出来る。

しかも、ご丁寧に色分けまでされててな。

その風の流れを感じる事で、お前のそのスピードの乗った一閃を全て防ぐ事が出来るという訳だ」

 

「!…無茶苦茶だ…!」

 

霊風のあまりのチートさに馬燈は驚愕の顔をみせる。

 

「聞かせてやる…俺の生涯(生き様)を‼︎」

 

そう言うと霊風はなんと歌を口ずさみ始めたのだ!

 

(挿入歌『Committed RED』 T.M.revolution)

 

そう言いながら霊風は2振りの槍で、馬燈に攻撃をし始めた!

そのあまりの2槍の巧みな槍捌きの前に馬燈は攻撃から急変、一気に防御に徹しなければいけない状況にまで追い込まれてしまった!

本来、2槍を扱う者は早々いない。

どちらか片方でしか対処出来ないのである。

しかし、霊風が纏っている『英雄』…【天覇絶槍 真田幸村】は、槍はまさに自分の手足同然でもあるのだ。

 

そして霊風は長柄武器(主に両手斧や、両手棍,太刀等の両手で持つ武器の事)の中で特に槍を扱う事に長けた者。

2つの槍を扱う事が出来ないなどありえないのである。

 

すると霊風は2本の槍を連結させて馬燈に向けて一撃を放った!

 

"一本気"

 

更にそこから2本の槍に携え直すと、そこから一気に連続突きを仕掛けていく!

 

"烈火炎"

 

そしてそのまま槍を豪快に薙ぎ払いながらの回転攻撃を馬燈にお見舞いさせる!

 

"閃風"

 

「くっ!」

 

霊風の連続攻撃を前に馬燈は何も出来ずにいた。

だが、馬燈は内心驚愕していた…

 

 

「(この『英雄』は、そんな攻撃を仕掛ける様な事はしない筈なのに⁉︎)」

 

そう。それは、霊風の纏っている『英雄』がこんな戦い方をする様な事を聞かされてはいなかったからだ。

 

霊風の纏っている『英雄』…【天覇絶槍 真田幸村】は、2振りの槍を巧みに扱う武将(もののふ)の1人。

馬燈は一度、手合わせとして、霊風と対戦した事がある。

その際に霊風は幸村の力を使っていた。

 

だが、どの攻撃も、霊風が今してきた攻撃には無い物ばかりだった。

そんな馬燈の焦った顔を見た霊風は威風堂々と語りだす…

 

 

「確かに、俺の纏っている『英雄』は真田源二郎幸村の魂だ。

だが、その2槍のアクションは常に進化し続けている事を忘れては困るんだよ‼︎」

 

そう言うと馬燈に槍をぶつけ、そのまま上空へと放り投げ、

そしてそれよりも高い場所に跳躍するなり、ライ○ーキックよろしくの蹴りの一撃を馬燈にぶつけた!

 

"噴天"

 

「せいっ!はぁ!はぁっ!」

 

すると霊風が瞬時に馬燈へと近づいた!

その速さに馬燈は目を仰天させた。

 

これが、真田幸村の生涯をかけて得た技にして、『英霊』で言う所の必殺技もとい『宝具』とも言える空中アクション…

 

"天羽"

 

が発動した!

 

その風に乗る速さに馬燈は目を閉じる事すら忘れてしまっていた。

それ程までに、霊風が風と一体になっていたのだ。

 

そして霊風は馬燈の懐に入った!

 

「これで…」

 

「な⁉︎しまっ…⁉︎」

 

「終わりだーーーー‼︎」

 

そして一気に炎…いや、それでは緩すぎる。強いて言うなら…「爆炎」とも呼べる炎を纏ったアッパー攻撃を繰り出し、馬燈はそのアッパー攻撃を前になす術無く、吹き飛ばされた!

その威力は、幸村の生涯の主君にして、越後を統括し、『毘沙門』を唱えた名武将…上杉謙信の最大の好敵手…

 

【戦国覇王 武田信玄】。

その者を彷彿させる一撃…

 

"風林火山"を放った。

 

その力は信玄…甲斐の虎を継承したかの様な一撃だった!

 

'疾きこと『風』の如く'

 

'静かなること『林』の如く'

 

'侵掠すること『火』の如く'

 

'動かざること『山』の如く'

 

武田信玄が唱えた名言「風林火山」

 

その力はまさに幸村に熱き魂と共に受け継がれていた!

 

そしてその力を今度は身体を纏わせていた霊風にも与えられていたのだった。

 

そしてそのアッパーを受けた馬燈はなんとか持ち堪える。

だが、その内に霊風はドライブボタンを叩いていた!

 

『スピリット・幸村!フルドライブ‼︎』

 

「"天に吼えよ!我が2槍!

地に吼えよ!我が炎‼︎"」

 

そう言うと霊風は2本の槍で天高く舞い上がる!

その姿…不死鳥の如く!

 

そしてそのまま霊風は2本の槍で上空からの連続突きを地面に向けて放った!

そして、その連続突きが発生した場所には、真田幸村の代名詞であり、三途ノ河を越える為に必要な額…

 

六文銭が描かれていた!

 

真田幸村の生涯を体現した必殺技

 

"真田ノ六文銭"が馬燈にヒットし、

そして馬燈はその攻撃を食らったと同時に地に伏した。

 

「…くっ…!

…熱き魂を込めた男が放つ一撃は…

如何して此処まで俺の心を溶かすのだろうか…」

 

ーーーーーーSIDEto馬燈

思えば、俺と逝都が初めて出会った時もこんな感じだった。

 

相手は拳と蹴りのみ。

対して俺は木刀のみ。

 

あの時は揉め事があって、こんな事になった筈。

今となっては如何でも良い痴話喧嘩だったがな。

 

そんな中で、あいつの蹴りの一撃には感服したな。

 

あいつは拳を交える事は幾度か会ったけど、

彼奴は「大地に直接触れているこの脚が原動力」と当時はほざいていたな。

 

だが、それは結果としては最適な言葉だった。

 

彼奴の蹴りは「鬼の脚」そのもの。

その威力を前に、悪魔も聖者もなす術無しと警められていたからな。

 

彼奴…逝都のあの一撃を受けた事で、当時の俺の心を突き動かしたな。

当時の俺は文字通り、何を考えているのかよく分からない「鉄仮面」「氷の男」とも呼ばれていた。

当時は感情を露わにする事は無かったからな。

 

そんな俺の感情を豊かにしたのが、逝都だった。

其れから俺は逝都と行動する様になったな。

 

 

 

そんな中、俺と逝都が転校した学校にいたいじめられっ子な男の子。

これが後の俺達の親友(ダチ)になる男…

 

人絆憑友との出会いだった。

 

憑友は本当に弱かった。

そのあまりの弱さと、異性を魅了する何かが災いと化し、

同性から虐めに逢い、教師達は知らない振り。

そんな中でも、彼奴は懸命に生きていた。

だけど、転校して数日の内に、その行為はエスカレートし過ぎていた。

 

そしてその行為をただ見ていた逝都はついに堪忍袋の緒を切り、そして行動に移した。

その時、俺も無理やり連れて行った事を今でも鮮明に憶えている。

最も、俺ももうすぐで怒りに身を任せそうになっていたのは否めないけどな。

 

そして憑友を助けた俺達2人はそんな憑友の事をいつの間にかほっとけなくなっていた。

そして俺は…いや、俺達は憑友に言った。

「友達になってくれ」と。

その時の彼奴の笑顔は心の底から笑顔を出していたのかもしれない。

其れぐらいにまで、俺達は改めたんだ。

「憑友を虐める奴は俺達が許さない」と。

その時に、憑友の手を握ったんだが、

その手はまるでその冷たさの中にも微かに存在する暖かい魂のような物を。

 

彼奴の手を穢す訳にはいかないという思いがこの時、生み出された。

 

 

逝都の蹴り,憑友の冷たくも暖かい手。

 

そして、今俺が受けた…霊風の熱い拳。

その熱さ…「熱血」の如し。

 

俺の心を溶かしたのはこれで3人目だ。

 

そう思いながら、俺は辺りを見渡していく。

そこには、風鳴翼が、ファラと呼ばれるオートスコアラーをいつの間にか倒していた。

 

…如何やら俺は此処までの様だな。

済まない…サモン博士。

あんたの計画の成功率を低くしてしまって。

 

「…如何してこんな事を…」

 

そう言いながら、俺の視界に霊風が入り込む…

こんな事をしでかしたのか…か。

やらなければならない事があるとしか言えない。

もし、この計画が失敗すれば…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界が滅ぶから…

 

ーーーーーーNO SIDE

馬燈と霊風とのバトルの間、翼はファラと戦いそしてファラを倒す事に成功した。

その頃、クリス一行がいる「深淵の竜宮」では予想だにしない出来事が発生していた…

 

「何がどうなってやがる⁈」

 

「久方ぶりの聖遺物…

この味は甘くとろけて癖になるぅ~」

 

そう言いながら、その者はクリスが放ったミサイルを左手で押さえ、更にはそのミサイルを…喰っていた…!

その光景を見た一同は驚愕する…!

 

「嘘…」

 

「嘘なものか。僕こそが真実の人~」

 

それはかつて、マリア達と共に行動をし、そして終いにはフロンティアを起動させて、『英雄』になろうとした…

狂った科学者…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドクター・ウェルウウウウウ!!」

 

 

 

 

ドクター・ウェルが現れたのだった。

 

 

ーーーーーー

そんな最中、響は入院している時、響は携帯の着信履歴を見た。

其処には、響の父・洸からの着信が無数にあった。

けれど、どの着信履歴にも、響は一切取っていなかった。

 

「…壊れた物は元には戻らない」

 

そう呟きながら、窓から照らし出される月の光を浴びる響が其処にあった…

 

 

 

そんな響のいる病院とは別の場所。

其処はかつて、響と憑友と共にやって来た流星群を見た場所。

 

「…」

 

「…」

 

其処に「歪鏡」のシンフォギア装者・未来と、

「騎士」のオートスコアラー・ジィスが、

風が通りながら静かにその場に居合わせていた。




次回

義兄妹喧嘩

感想お待ちしています。

2016/6/30までに出たキャラが一応参戦してますが、7/1以降のキャラが今の所、出ていません。なので、以下の作品から選んで下さい。 1位のタイトルは外伝として投稿しようかと思います。

  • けものフレンズ(2017)
  • バトルガールハイスクール(2017)
  • はたらく細胞(2018)
  • SSSS.GRIDMAN(2018)
  • 盾の勇者の成り上がり(2019)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。