戦姫絶唱シンフォギア〜とある戦士の物語〜   作:かもめカメ

202 / 202
前回まで
任務から帰ってきた一同は新たな英雄 尚文を歓迎するが尚文がそれを拒絶し、なんと逃走を始めてしまった。
そんな中、街では1人の女の子が現れ、
牛乳(ミルク)の牧場にて新たな石板が現れたのだった。


NEXT2 亜人

一行は尚文の後を追うかのようにそれぞれが蜘蛛の子を散らすかのように散開し、尚文を捜索し始めていた。

 

其々のペアとなって尚文を捜索していく一行。

連絡係は憑友達導師一同だ。

そんな中、憑友&響ペアは街中を捜索していた。

 

「街中なんだから、あの身ぐるみは分かるもんね〜!」

 

と、呑気に言う響。

だが憑友は先程の発言をものの見事に粉砕する。

 

「言っておくけど、キリト師匠達だって普通に服着て街中でうろうろしている時あるからな?」

 

「なんデスと⁈」

 

「それ、切歌の台詞だから極力言うなよ」

 

そう言いながら2人は捜索を続ける。

が、やっぱり見つからない。

仕方ないと思った憑友は霊風の元に連絡を入れた。

困った時は転生者でもある霊風が一番に分かるからだ。

本人曰く「前世はアニメやゲームに特撮のキャラが出る奴は大半を見たからな!」と豪語する程のオタ博士でもある霊風。

現に今まで確認されてきた英雄達は霊風が前世で見たキャラ達ばかりだと言っていたくらいだから。今回も知ってるだろうと思って連絡した。

 

「もしもし霊風先輩?」

 

『如何した?』

 

「尚文って言う人物に心当たりは?」

 

そう質問したら予想だにしなかった言葉が飛び出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『知らねぇ』

 

「はい?」

 

まさかの無知発言‼︎

いや、知ってるだろと反論するが…

 

『俺は前世の日付で2016/06/30に死んだんだよ‼︎

だからそれ以降に登場したキャラは俺は知らねえんだよ‼︎

因みに死亡した原因は過労死な。此処テストに出るから』

 

「役立たず‼︎しかも最後のは全く関係ないじゃないですか‼︎」

 

と怒鳴りながら発言をするものだから周りの目が集まる。それを見た響はなんでもないですよ〜と手を動かしながらなんとか周りの目を誤魔化した。

と同時に憑友が耳を手で抑えて電話を切った。どうやら切れたようだ。

それにしてもまさかの展開。

霊風でも知らない英雄が顕現した事に2人は気が気ではない。

 

実の所、尚文が活躍するアニメ作品を作者は勿論、今この物語を読んでくれている読者諸君も分かるだろう。

 

作品名は『盾の勇者の成り上がり』。

 

某小説サイト発のファンタジーものなのだが…

実は霊風は小説をあまり見なかったのだ。

それどころか、漫画や情報雑誌などもあまり見ないのだ。

まぁ、攻略本とかはよく見ていた様なのだが…。

つまり霊風はTVに映ったキャラしか()()()()のである。

作品自体は2012/10/29に投稿開始してあったのだが、

アニメ化されたのが2019/01/09。霊風の死後にアニメ化された作品だったのだ。

 

それ故に霊風は尚文の事を知らなかったのだ。

 

「如何したものか…頼みの綱の霊風先輩がお手上げじゃ…」

 

そう言うと憑友は頭を掻く。するとそんな憑友達の所にやってくる人影有り。

 

「随分とお困りの様だね?」

 

「え?」

 

そう言われて憑友と響は声のした方に顔を向けるとそこには1人、マフラーを巻いた青年が現れた。

そして片手には本が携えていたのだが、見た事ない本だった。

怪しいと警戒しつつも、憑友は対応する。

 

「貴方は?」

 

「私はソルヴ。先導者…英雄の人達の言葉を借りるなら『ヴァンガード』と呼ばれる呼称を持つ者です」

 

「はぁ…」

 

そう憑友が呆然とし、響も首を傾げる。

すると青年は本を開いた。

 

「この本によりますと…

 

『探し人の在り処は水面が張る場所に在りけり。

青き竜の乙女と同行せん。

語り交わす為には小さき獣耳の女の子を見つけん』

 

と、書かれていますな」

 

「は、はぁ…。

でも、水面が張る場所なんて…そんな所色々あるしな…」

 

「皆んなに聞いてみようよ。

それに獣耳の女の子が居ないと話をするつもりは無さそうだし。

竜の乙女って言うと…レヴィアタンさんの事かな?」

 

無いよりはマシだと思ったのか、憑友は響と相談し、その2つを探す事にした。

 

「無いよりマシだな。ソルヴさん!ありがとう…って、居ない⁈」

 

「うぇ?…いつの間に⁈」

 

憑友がソルヴに感謝しようにもその場にはソルヴの姿は何一つ無かった。

そんな中で、ソルヴはいつの間にかビルの屋上に立っていた。そして懐から1枚のカードを取り出した。それはタロットカードだった。

 

「"運命"の正位置。チャンスですか…。

私の発言が新たな出会いを生む事になる事を願って…」

 

そう言うとソルヴと呼ばれた青年はマフラーをひらりとたなびかせるとそのマフラーが彼自身の周りを包み出し、そして終いには彼自身が消えたのであった。

果たして彼は一体何者なのだろうか?

 

 

ーーーーーー

一方、その頃。

調&切歌&陰陽兄弟達は牛乳(ミルク)副司令の実家である牧場へと足を運んでいた。

その理由は実は散開していた際、牧場近くの郊外に赴いていた4人は森の中に潜んでいるのでは無いのかと思った。理由は単純に「木を隠すなら森の中デス!」と切歌が言った事から始めた事だった。

おそらく初めて会った時に見た緑のマントを連想しての事だと思うのだろう。

まぁ、確かに物を隠すには同種の物の群がりの中に紛れ込ませる方法が最適であるとは思うので、切歌の言った事は強ち間違いでは無い。

そう思って調べたが案の定居なかったので、トホホと落ち込んでいると弦十郎から連絡が入り、牧場に行って石板を回収するように言われた4人は現在進行形で牧場にやって来たのだった。

 

「御免下さ〜い!」

「失礼しますデス!」

「「お邪魔しま〜す」」

 

「おや?ミルクの所の嬢ちゃん坊っちゃん達じゃねぇか?」

 

そう言うと1人の男性がトボトボと歩きながら切歌達の所にやってきた。

この人は此処牧藁牧場の主人であり、牛乳(ミルク)の実父・牧藁牛角(オックス)である。名前とは裏腹にひょろひょろ体型なんだが、若い頃は筋骨隆々だったそうだ。

 

「今日は何しに来たんだ?」

 

「あの実は…」

 

そう言うと調が事の状況を説明すると、牛角が「こっちに来てくれ」

と言うと先行して歩き、兄弟達も一緒に同行したのであった。

 

そう言われて付いていくと、一室に招かれ、ソファーに座って待って貰う事になった。

暫くしていると牛角が石板を持ってやって来た。

密閉容器に入れて保管していたようだ。

ただ…

 

「2枚デスと⁈」

 

「そうだな」

 

なんと石板を2枚持ってやって来たのだ。

事情を聞くと昨日の夜までは普通だったのだが、今朝のいつもの作業中に飼育員の1人が見つけたらしい。

それを見た牛角はミルクに連絡をした次第なのであった。

だが、切歌達が来る事は予想外だったらしい。

 

そんな感じで調達は石板を預かり、帰路に着く事にした。

 

「この中にどんな英雄が居るんだろうな〜♪」

 

「楽しみデス‼︎」

 

「なんだか2人が楽しそう…」

 

「俺もそう感じてる…」

 

 

ーーーーーー

一方、此処はフィーネがまだ櫻井了子として存在していた際に使用していた別荘跡地。

その近くに広がる湖…そこの桟橋に目的の人物・尚文が腰掛けていた。

 

「…ッ!」

 

そう言うと尚文は近くに備えていた石を湖に投げる。

 

ゴツンッ!

 

「あ痛ッ⁉︎」

 

「は?」

 

尚文が投げた石…その放物線上にはなんといつのまにか顕現していたレヴィアタンがそこにいた…頭を抑えて。

 

「うぅ…」

 

「…悪かった」

 

そう言いながらもレヴィアタンに手当している辺りは優しい奴の尚文。

するとレヴィアタンは疑問に感じた。

 

「あ、あの…」

 

「?」

 

「私は良いんですか?」

 

「お前…人間じゃねぇだろ」

 

「は、はい…私は竜人の種族に分類されます」

 

「人じゃないなら俺は普通に接するだけだ」

 

そう言うと手当を終えたのか尚文はレヴィアタンに対しては普通に話し始めた。

 

「俺はこの姿…勇者として異世界から選ばれた。

俺の他にも別の地球から3人が勇者に選ばれたんだが、

他の3人は剣,槍,弓と王道的武器を使えるのに対して、俺が使えるのは盾だった」

 

「じゃあ、他の武器に変える事は?」

 

「出来なかった。いや、寧ろ武器共がそれを拒んだ。

武器の姿を変える事は出来ても、そのものを使う事すら出来ない。

ましてや武器のジャンルを変える事すら不可能だった。

弓は遠距離とデバフ…状態付与が得意。

剣は近距離と属性攻撃力。

槍は中距離と効果範囲と攻撃面が強かった」

 

「じゃあ盾は…防御面が強かったんですか?」

 

「ああ。だが、その分…攻撃力は実質の0。例え堅い奴だろうと攻撃面が最低なら戦えない。

尤も回復能力が豊富だったから後にサポート面でも重宝される事になるとは思わなかったがな」

 

「回復も出来るんですか!凄いです!

私は普通に槍を使って、少しの水だけでいろんな攻撃パターンを生むんですけど…それっきりなので」

 

そう言うとレヴィアタンは槍を具現化させて、湖の湖面に矛先を付け、そして引っ張るとそこから水が吸い上げられ、水の球が出来、槍を前に突き刺すと、そこから水が激流の様に放出された。

 

「す、凄いな…」

 

「私に出来るのはこのくらいなんです。

私の友達は炎を放ったり、斧を普通に豪快にぶん回したりするのが凄いので…」

 

「そ、そうか…」

 

これには流石の尚文も驚くだろう…

「(君の方が凄いと感じているんだが…)」と心の中で言っていたのはこの際、どうでもいい。

そう言う話をしているとレヴィアタンが話を折って、別の話へと切り替えた。

 

「話の腰を折ってしまいますけど…」

 

「?…どうした?」

 

「どうして私には普通に接してくれるんですか?

もしかして女の子だから?」

 

「それは断じて違う。お前が亜人だから、俺は普通に話せるんだ」

 

「亜人だから?」

 

「まぁ、これはこの盾にも大きく関係している。

俺が戦った場所は俺を含めた四つの武器を持つ勇者達を崇める四聖教と俺の盾以外の3つの武器を持つ勇者を崇める三勇教があるんだが、その内、後者の三勇教が派閥としては当時強かった。

それ故か俺の事を認めない輩がごろごろいた。召喚先の国王すら他の3人を優遇して、俺だけ不遇させる程にな」

 

「酷いです…」

 

「そんな絶望の中で出会った奴がいる。奴隷商だ。」

 

「奴隷商⁈」

 

「俺自身では倒せない敵も奴隷に任せて倒せる。俺はそいつから1人の女の子を奴隷にした。

それはタヌキ系の亜人種だった」

 

「た、タヌキですか…」

 

そう言われてレヴィアタンはタヌキを彷彿した亜人種をイメージしたのだが、それを読み取ったのか、尚文が

「想像してるのとは一切掛け離れているからな?」

と一蹴され、気恥ずかしくなった。

 

「最初は幼女だったから役に立つのかと思った。けど、メキメキとその成長ぶりを発揮させた。

そんな最中、俺はその亜人種を解放しようとする馬鹿と決闘を申し込まれた」

 

「結果はどうなったんですか?」

 

「負けたよ」「え⁉︎」

 

「実際には相手側の横やりによる敗北だ。

流石に怒り狂ったな」

 

「許せません!」

 

「…分かるのか?」

 

「私のパートナーである霊風さんの受け売りなんですけど…

 

『男の決闘は一体一(タイマン)。そこに首を出す奴は女だろうと容赦しない』って、前に言っていました」

 

「…熱苦しい奴だな」

 

「本人は風の使い手なんですけどね。

因みに貴方と握手を交わそうとした男の子が炎の使い手ですよ?」

 

「何⁈

…って、話が脱線したな。

そんな中でアイツは…俺を見捨てなかった。

俺の奴隷でなくなったにしても、そいつは俺の元に来て俺を見捨てないと決めていた。

それ以来、俺は信頼できる仲間に漸く出会えた気がした。

それ以前までは激しい怒りで味覚不全に陥っていたが、その一件以降から味覚が戻った。

それ以来、俺は亜人に対しては普通に接する様になった」

 

「そんな話があったなんて…。

石板には書かれていなかった事ですね」

 

「何?それは本当か?」

 

「あ、はい。前半までの話はそんな感じでしたが、それっきりでしたので…」

 

「そうか…」

 

そう言いながら尚文は目を瞑る。

今までの自分の対応は保身の為だったが、この世界の人間…取り分け彼女が信頼できる仲間達なら信頼しても良いのでは無いのかと思い始めた尚文。何せレヴィアタンのあの信頼における笑顔を見れば、少なからず尚文にもその影響が出た為だ。

 

(俺…この世界の奴となら信頼できる気がする…

 

だから、お前も早く俺の元に来い…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラフタリア)

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーSIDEto???

 

…っ!

 

尚文様の声が聞こえる!

私を探して…!

 

 

「可愛い嬢ちゃん!」

 

「⁉︎」

なんでしょうか…このドス黒い感じ。

まるで尚文様の事を罵倒した者達に似た何かを感じます。

 

「俺達と遊ぼうぜ?」

 

「痛い目に遭いたく無ければ…な!」

 

私は今のこの状況を打破しようとしたのですが、剣はまともに振り回されるのがオチ。ましてやナイフすら持っていない。

どうすれば…そう思ったその時でした。

 

 

「とぉうりゃぁ!」

 

「せいやぁー!」

 

ボコスカッ!

 

「ぐはぁ⁉︎」「がばしっ⁉︎」

 

ドサドサッ!

 

「な、何事だ⁈」

 

突然、敵の一部が倒れて、私も困惑していると1組のペアが拳を構えていました。

見た目だけではまだ尚文様よりも一回り小さいので、尚文様よりも年下なんだと思いますけど、この人達から闘気らしいものが見えています。

 

「お前らロリコン?」

 

「悪い大人は鉄拳正妻です!」

 

「いや、響…せいさいの字が違う。

アスナさんから聞いたろそれ…」

 

「何故にバレた⁈」

 

「モロバレだ!

…と、どうでも良いけど。大人しくしててくれよ。大人らしく」

 

「あ?ガキが…大人にお節介かくんじゃねぇ!」

 

そう言うとなんと乱闘が!と、思ったら…

 

 

ヒュ〜ドスンッ‼︎

 

 

「ぐへぇ⁈」

 

「また大胆な登場だな…」

 

「漢ならこう言うのもありだろ?」

 

「少しは私の事も考えなさい」

 

「あ、マリアさん」

 

なんか物凄く場違いな空気感が漂っています…。

だって空から1人の男が落ちてきて、そこから1人の女性が落ちてきてお姫様抱っこされて登場してきたら、それはもう場違いすぎます。

 

そうしていると1人の男が発言しました。

 

「せ、世界の歌姫…

マリア・カデンツァヴァナ・イヴ⁈」

 

「ま、まさかご本人⁈」

 

「本人以外誰がいるのよ…」

 

「まぁいいさ。さて、暴君番長の久しぶりの腕慣らし…

一殴り…付き合えよ!」

 

「いや、そこで刑事さんの台詞をパロディにして使うんじゃないよ」

 

「何故にバレた⁈」

 

「モロバレだ!」

 

…なんでしょうか…物凄くついさっきまで言っていた台詞がまた聞こえた様な気がしたのですけど。と言うより明らかに場違いの空気しか感じません…。

そう感じていると、男達は完全に分が悪いのか、尻尾を巻いて蜘蛛の子を散らすかのように消えて行きました。

…何がしたかったのでしょうか。

 

「ところで、貴方はどうして此処に居るの?」

 

と言って来たので、顔を向けるとそこには先程の男の1人が言っていたマリア・カデンツァヴァナ・イヴが私と対話を求めていました。

同性とはいえ、先程よりも安心感があるのは何故でしょう?

母性の塊と言えばいいのでしょうか?

 

「あ、これ…」

「間違いないな」

 

「?どうしたの?」

 

「「「流石、オカン」」」

 

「誰がオカンよ‼︎それはアーチャーの領域でしょ⁈」

 

…またもや場違いの空気感…。

この人達も怪しそう…。

 

「それにしても…彼奴ら、こんな子供を何に使おうとしていたのか…」

 

「大抵の場合は○○○が目的だろうな」

 

「何でそこで隠すの⁈」

 

「普通にアウトな発言だからだ」

 

「さて、貴方はこれからどうしたいの?私達が手伝ってあげる」

 

私は…あの人に逢いたい!

 

尚文様の所へ!

 

ーーーーー

「私は…あの人に逢いたい!

尚文様の所へ!」

 

そう言うとフードを纏っていた女の子が顔を上げたと同時にフードが後ろに落ち、その顔を見た4人は驚かされた。

それは丸い形の獣耳を生やした女の子だった。

 

この女の子こそ、先程ソルヴが予言した獣耳の少女にして、

尚文が全幅の信頼に値する奴隷と言う名のかけがえのない存在…

 

 

 

 

 

【亜人の奴隷少女 ラフタリア】だった。

 

ーー

そんな中、尚文は目を瞑り、そして目を開けた。

そこにはレヴィアタンがそばにおり、ニコニコと笑顔を向けていた。

それを見た尚文は少し微笑んだ。

だが、何かの気配を感じたのか、建物の跡地を見た尚文はレヴィアタンに「ついて来い」と示唆する。

それを聞いたレヴィアタンも一緒に同行し、現在は廃屋敷と化したフィーネのアジトでもあった屋敷跡地に侵入する。

尚文は何かを感じたのか、奥へと進むと、瓦礫に目を通した。

 

「済まないが、これを退かせるか?」

 

「やってみます」

 

そう言うとレヴィアタンはマイ水筒の蓋を開け、その場に置くと少し離れ、槍を使って水筒の中の水を使って瓦礫をウォーターカッターの様に切っていく。そして切れた瓦礫は尚文が撤去するとその下から屋敷の庭に似つかわしくない木製の扉があった。それを上に上げるとそこには地下へと続く階段があり、それを見た尚文はレヴィアタンと共に其処から降りていく。

そして螺旋状の階段を降り、その先には長い通路があった。

そのまま奥へ奥へとその道を歩いていくと、空間が広がった。

 

すると2人は中央に点在している建造物に目を向けた。

それは形が何処と無くある物に似ていて、尚且つ、とても大きく…

その中に砂が少しずつ落ちていた。

 

そう…それはまさに…

 

「砂時計?…大きい」

 

「…そんな…馬鹿な…‼︎」

 

「尚文さん?」

 

そう…それは尚文が英雄に至れた由縁に関連せしモノにして…

彼にとってはこの世界では絶対に有り得ない物がそこに点在されていた。

その物の名は…

 

 

 

 

「"龍刻の砂時計"だと⁈」

 

 

そしてそれが意味する物は…

 

「龍刻の砂時計?」

 

「不味い…」

 

そう言うと尚文の視界に時間が掲載された。

それを見た尚文は驚愕した。

それを見たレヴィアタンは語りかける。

 

「何が不味いんですか?」

 

「もうすぐ来る…」

 

「?」

 

「"波"が…」

 

「波?」

 

「魔物の群れがこの世界を襲ってくる…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3日後に!」




尚文の言った衝撃発言をきっかけに対策を施す面々。
そして迎えた決戦の時!
尚文は遂に掛け替えの無い存在と再開を果たす。

だが、そんな彼等を引き裂く奴等が現れん。

次回

再会と災厄

「尚文様…漸くまた会えました!」


感想お願いします。

第2弾。ゲーム版です。以下の中から選んで下さい。1位の作品とのコラボ回を作ります。 尚、一部ですが、略称名で入っているので注意下さい

  • ペルソナ5(2016)
  • ゼノブレイド2(2017)
  • アズール・レーン(2017)
  • アリス・ギア・アイギス(2018)
  • リリスパ リリフレ(2019)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。