目覚めは最悪だった。腹が減ってお腹のなる音と共に目が覚めるのは久し振りだった。
「…………っくはぁ……はぁわぁあ……」
あくびが出る。
「…………………」ジー……
「うおっ!?」
ベッドの隣にマリーが座ってこちらをみていた。
想像してみてくれ、朝、目が覚めると美少女が目を見開いてこっちを見ている。怖いぞ。
「…………おはよう…?」
「はい、おはようございます」
俺が挨拶をするとにっこりと微笑む。
「……えっと、なんでこの部屋に…?」
「それは、その……少し、タローの顔が見たくなりまして……」
「………そ、そうか…」
顔をほんのり赤く染めてした向く。なんかこっちも気恥ずかしくなる。
ぐ~~
腹がなる。
「と、とりあえずご飯かなにか食べないか?」
自分でいってみて気づいた。この家に転がり込む。お世話になる。俺、なんもしてなくね?これ、ヒモ……じゃないか?
「はい、ご飯にしましょうか」
「マリー……」
「はい?」
「……何か、手伝わせて下さい」
ベッドの上で土下座をする。自分で言うのもなんだがこのままだとただのヒモである。それは少し、というプライドがある。
「……ええ、お願いします。二人で台所にたつ……………はぁ…!!」
「……………」
少し扱い方というか、マリーの特性的なものがわかってきた気がする。
「「いただきます」」
ベッドから解放してもらった俺はリビングに降りる。
手を合わせて食事を始める。余談だが、こちらの世界にもいただきます、ごちそうさまの習慣があるのは驚いた。村にいったとき………あれ、やってたっけ?
「それでさ、マリー、昨日の話なんだけどさ」
「!!ゲホゲホ…!は、はい……」
むせる美少女。
「大丈夫か?」
「問題ありません!!そ、それでお話とは……」
「その、王子様ってのは慣れないけどさ、友達からどうかな?結局俺はこの冬を乗りきるにはマリーに頼らないといけないからそのために仲を深めるのもいいんじゃないかな?まぁ、全部俺にしか得がないし、下心がないと言えば嘘になるから嫌なら断ってくれてもいい」
……そう言えば、何か、やらなきゃいけないことがあったような、確か村の事で……まぁ、いいか。覚えてないってことは大したことないんだろ。
昨日考えて決めた。この冬はここでマリーと過ごす。村のみんなには心配をかけるかもしれないけど、一人ぼっちのまま彼女をこのままここに残すのは少し躊躇われた。
「…………」
「そういうのも含めて友達からどうかな?」
マリーの顔をみる。食事をいったんやめ、下を向いてなにかを堪えるように震えている。
「……友達に………なりたいです」
顔をあげるマリーは泣いていた。その顔は一番美しかった。
「うん、友達になろう。よろしく。マリー」
手を差し出す。その手をみてパチクリ。
「握手、知ってる?」
「!は、はい!」
両手でギュウッと掴む。
「よ、よろしくお願いいたします!!」
涙目で顔を真っ赤にしてこっちをみるマリーを見てこのままここで過ごしてもいいかな、と考えている自分がいた。
※※※※※※
「マリー」
「はい」
「ありがとう」
「どういたしまして」
俺とマリーが友達になって3日が過ぎた。最初はぎこちない関係だったけど今では会話もよくするし普通に仲のいい関係を気づけていると思う。
誓っていう。手は出してない。それどころか身体的な接触はほとんどない。マリー自信が触れそうになるとわりと過剰な反応を示すからだ。
「マリー…?なにかいているんだ?」
「わ!こ、これはだめです!」
昼、リビングでなにかを書いていたマリーを後ろからのぞきこむ。とっさにマリーが俺の体を押す。
「「あっ!」」
ガシャン!
押した反動でマリーもバランスを崩す。二人で重なるように倒れ混む。
「「……………」」
顔が近い。目が綺麗だ。睫毛長いな…。なんかいい臭いがする。
「きゃあっ!」
「うおっ!!」
立ち上がって走って書いていた何かを手にリビングから出ていった。
「………」
右手を動かす。……あの柔らかい感触は、一体……。
「……ふぅ………」
この家に来てから一週間がたった。最初の事は触れないまでも常に目の届くところにいたマリーだけど今は多少離れていても平気になっていた。
「お風呂わきましたよ?」
「ああ、これができたら入るよ」
「ありがとうございます」
「いえいえ」
俺とマリーの関係も寂しがって常に近くにいる妹みたいな立場から普通の男女の様な関係に変わっていった。今まではしょうがないなぁといった母性的な気持ちだったのが今はドキッとするような男の気持ちに変わっている。
このまま二人でゆっくりと暮らしていくのもいいな。
「マリー……」
彼女のことを幸せにしたい。
トントントン
玄関のドアを叩く音がする。
「ん?」
この家を訪ねてくる?一体誰が?マリーの知り合いかな?
「マリー!誰か来たみたい。少し対応する」
「まって!私も!!」
トテテテと風呂場から走ってくる音がする。
トントントン!!
「はいはい、どちら様ですか?」
ガチャ
「おー!!おにーさん!!やっぱりここにいたんだ!!」
扉を開くとそこにはコスプレしたような格好の女の子が立っていた。この子は、確か。
「…えっと………久しぶり、キマ」
「ひさしぶり~!……ひさしぶりってなに?」
キマの隣にはマカラが浮いていた。マカラ、海じゃなくてもいけるんだ。浮いてる……いや、空を泳いでいるのか?ヒレとか動いているし。
「タロー!まだ開けて………どちら様ですか?」
「あ、マリー……」
何故か木のしゃもじを手にエプロンをつけて走ってきたマリーはキマを見ると真顔になって訪ねる。
「キマ?キマはキマだよ!だんなさんのおよめさんにだよ!!おねーさんは?」
「旦那さん……?それは一体誰の事を指しているんでしょうか?」
「…………」
何故かここら一体の空気が冷えてきた様な気がする。笑顔になったのに笑っていない。そう言えば、マリーのエプロン姿を始めてみたなぁ、似合ってるなぁ……。
「?だんなさんはだんなさんだよ?」
「………タロー……?これはどういうことでしょうか?私という"友達"がいながら……」
「お、落ち着け!とりあえずなかに入ろう?その説明とかはなかでするから!」
マリーの手をとる。ビクッ!とマリーが反応する。
「あ、ごめん」
「いや、べ、別に大丈夫でます。こ、これくらいで騙されませんから…!」
「いや、そういうつもりじゃ」
「おにーさん!おねーさん!おじゃましまーす!!」
キマ、少しは遠慮を覚えなさい。修行してきたんじゃないのか……。
「えっと、まずはキマ。彼女はマリー、俺の友達だ」
リビングに三人で座る。マリーは俺の正面。キマは隣に座る。マカラ?
「よろしくお願いします。キマさん。タローの"友達"のマリールーです。マリーと読んでください」
「マリーおねーさん?」
「おねっ!……マリーで大丈夫です」
「そして、マリー、この子はキマ、えっと………」
「およめさんだよ!」
「自称、な」
改めてキマとの関係を考えるとなんだろう?友達?夫婦、はないな。近所のお兄さんとなついた子供。………それだな。
「お嫁さん……ですか」
「マリーおねーさんはおにーさんのおともだちなんでしょ?だったらキマのおともだちだね!!」
「えっ……!?」
少し不機嫌だったマリーの顔がビックリしたように変わり、徐々に赤くなってくる。
「しょ、しょしょしょうがないですね。私も友達になってあげますよ」
「………」
「タロー!なに笑っているの!」
ゴトンッ!
マリーの手に握っていたしゃもじが落ちる。…………今、マリーの手が透けてなかったか?
「おい、大丈夫か……?」
「……………うん」
「おねーさん?だいじょうぶ?」
「うん……まだ、もう少しだから」
マリーはしゃもじを拾うとリビングから出ていった。その後ろ姿はいつかの日のように儚かった。
「……それで?キマ、お前は何をしに来たんだ?」
「おー!おにーさんのそばでおよめさんをしにきたんだよ!」
「…………」
頭が痛い。
読んでいただきありがとうございます。短めですがマリールーの話はあと少しで完結します。お付き合いください。基本的に書き置きをしていないのでその日その日で文字数にかなりさがでますが気にしないで下さい。
これからもよろしくお願いします。
感想などいただけると興奮します。
※今回はそれほど話題もなかったのですが一言、ラーヴァナと女王のコンボはほんとに固い。自分は新しいカードをほぼ引けていないので昔のでがんばっているんですが、女王アーツこみのラーヴァナの固さといったらなんだあれ、気持ち悪いわ。友達がサブカでテルミーのatk385を作ってました。あんなことをするから初心者がいなくなるんですよ!全く(°Д°)