キマたんが可愛すぎてprpr   作:ゆいりょく

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十三話「風呂は命の選択、ってね」

 

「タロー!!今日はどんな話してくれるんだ!?」

 

「おにーさん!!きょうはキマのばんだよね!?」

 

「…………わたしも……」

 

 

二人がこの家に住み初めて二週間、子供が三人に増えました。

 

 

「そうだな……だったら今日は、ある果物の中から生まれた男の子が成長して鬼を倒す話をしようかな?」

 

「果物から男の子?なにいってるんだ?」

 

「わー!!きょうはキマのばん~~!」

 

「テオちゃん……」

 

 

最初の一週間は大変だった。人に慣れない野良猫を扱っている感覚だったな。餌付けして、こっちからはあまり積極的にいかず、向こうが興味を示したときだけこっちからも気持ちを向ける。

二人の警戒心がキマのお陰で若干緩んだのも大きいな。無邪気って言うのはどの世界においても大きな武器になる。

まぁ、こんな考え方をしていたらダメなんだろうけど……。

 

 

「なぁなぁタロー、今日のご飯はなんなんだ?」

 

「なんだテオ、もう腹へったのか?」

 

「はぁ!?べ、別に腹減ってなんかねぇし!!……て、テレーゼがお腹減ったって言ってたから………」

 

下を向いてボソボソと徐々に小さくなる声、テオは典型的なツンデレタイプだ。こうやって反抗的になるけど心の中では割りと乙女が入ってる。

今までの環境が言葉遣いを変えさせた。

 

 

「テオちゃん………わたし、いって、ない……」

 

テレーゼ、基本的にはしゃべらないのがデフォだ。無表情だけど、心の中はかなりの激情家だ。そして、テオのことが大好き。

 

 

『………もし、あなたが、テオちゃんを………うらぎったら…………ころす』

 

『わたしは……バケモノ………あなたを殺すくらい……かんたん』

 

初めての夜。俺の部屋に来て俺の首を掴んだまま人にはあり得ない力で持ち上げて俺にいった言葉。

あんな言葉を言わせてしまう。言わなければを考えてしまう環境に置かれていた二人、想像はできない。

 

 

「うーん、今日はポトフ、かな?テオ好きだったろ?」

 

「うん!……あ、いや、しょ、ひょうがねぇな。まぁ、せっかく私のために作ったんなら食べてやってもいいけどな」

 

噛んだな

 

「わーい!キマ、ぽとふだいすきぃ!」

 

「キマ、人の頭にわざわざ張り付くな……」

 

「はーい!」

 

「今日は外で遊んでこないのか?」

 

「えっとね!いまはゆきがつよくてあんまりはなれちゃうとマカラがまいごになっちゃうの」

 

「………………」

 

マカラがと言うよりは自分がかな?

 

確かに、外を見てみるとかなり強く雪が降っている。しばらく止みそうにないな……。

 

「トランプでも作ってみるか……」

 

 

 

 

 

 

 

二日間、外の大雪はやむ気配がない。既に窓の下半分まで積もってる。

 

「……ふぅ……」

 

リビングでマリーの手帳を閉じる。ここには書斎があり、暇なときにはそこから本をとって読んでいる。けど、俺にとってはこの手帳が何よりも心を震わせる。

 

 

「わー!!いまのなし!!ダメだよ!」

 

「へ、そんなことを誰が聞くか!食らえ!!」

 

「…………これ」

 

「テ、テレーゼ!?それは!」

 

「あ!わーい!キマのかちだね!!」

 

 

「あーー!!」

 

リビングの暖炉の前ではキマ、テオ、テレーゼの三人が仲良くトランプをしている。余りにも暇だったからせがまれて作ったんだが、なかなか好評のようで何よりだ。三人とも和気あいあいとした様子でゲームしてる。

 

俺は手帳をてにもつと一旦自分の部屋に戻るために立ち上がる。

 

「おにーさん!どこかいくの?」

 

「ん?ああ、お風呂に入ろうと思ってな、着替えをとってくるところだ」

 

「お風呂!?キマもキマも!一緒にはいる!!」

 

「…………まぁ、たまにはいいか、じゃあ先いってるから、キマも準備したらこいよ」

 

「うん!」

 

ぶつちゃけ、もはやキマとお風呂に入ることに抵抗はない。気分は完全にお父さんだ。キマは手のヒレを洗ってもらうのが好きらしく、テオやテレーゼと一緒に入っているときもよく洗ってもらっているそうだ。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……あぁー、いいなぁ………」

 

「ふぇ~……ふぁあああ~~♪」

 

ちゃぽーんと二人で湯船に浸かる。この家の風呂は結構広く、大人数人で入ってもまだ余裕があるくらいのスペースだ。

 

「風呂は命の選択、ってね」

 

「ねぇねぇ!キマのからだ洗って!!」

 

風呂に浸かっていたキマがばた足でこっちに泳いでくる。

 

「わかったわかった。ほら、そこ座れ」

 

仕方ない。風呂から上がるとキマを備え付けの鏡の前に座らせる。

 

「ほら、水かけるぞ?眼をとじろー」

 

「はーい!」

 

ぎゅう、と眼を閉じたキマの後ろにたち、頭からお湯を被せる。これも結構好きらしく、せがまれることも多い。

 

「それじゃあ洗うぞ~」

 

 

 

ガチャ

 

 

風呂場のドアの開くおとがした。

 

 

「ん?」

 

「………?」

 

いつまでも洗わない俺をキマが見上げる。

 

「どーしたの?」

 

「いや、誰か来たかな……?」

 

 

 

 

 

 

「た、タロー……」

 

 

 

お風呂場に現れたのは前をタオルで隠したテオとテレーゼだった。テオの方は顔を真っ赤にしているのにたいしてテレーゼの方は胸を張って堂々としている。

 

「ん、なんだ二人とも、結局来たのか?」

 

「べ、別に来たくて来た訳じゃねぇよ!勘違いすんな!!た、ただちょうど私たちも風呂に入りたかった気分なだけだ」

 

「そうか……」

 

「……テオちゃん、嘘……」

 

「う、嘘じゃねーし!」

 

 

「おにーさん!まずキマのばん!」

 

振り返ったまま二人と話す俺の足をペチペチ叩くキマ。

 

「ん、お、おう悪いな。二人とも洗ってほしかったらそこ座ってお湯でも体にかけててくれ、先にキマを洗うから」

 

 

実はこの三人とも入るのは初めてではない。慣れてきてからはテオとテレーゼは髪を洗ってもらうのが好きなようでたまに一緒に入っている。

いまさらロリボディに発情もしないし、こいつらにたいして邪な想いを持つには世話を焼きすぎた。

 

「っち、早くしろよな!」

 

「………そのつぎ、わたし」

 

「おにーさん!早く!早く!」

 

子供三人が急かすのを暖かい気持ちで受け止めた。

 

 

 

「わかったからほら、眼、つぶれ」




読んでいただきありがとうございます。開いたわりにこの短さなのは、すみません。
展開に関してはホントに行き当たりばったりなので話によって文字数がかなり変動するんです。そこら辺は許していただけると嬉しいです。

駄文ではございますが、まだよんでいただけたら幸いです。
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