ヘカテーたん!!
「あー!!おにーさん!!」
ギュッ!!
風呂場に入ってきた俺に気づいたキマが俺に飛び付く。すぐに背中によじ登っていつもの定位置につく。
「うおっ、どーした」
「おにーさん!!てきだよ!!てき!!たたかわないと!!」
俺の頭の上で何だかハイテンションなキマを見る。
「……急にどうしたんだよ……」
キマは俺の頭に張り付いたまま腕を振り回す。あしで、足で首が……。
「だーかーらー‼︎てきだよ、キマたちのてきだよ…ぬー!」
「えっと……敵って、あの二匹?」
俺はさっきまでキマがいたところでこっちを見つめている二匹を指差す。片方は頭巾つきのコートの様なものを着ていて、もう片方は腰巻きを巻いている。頭巾つきの方は若干紫色の入った毛色をしている。腰巻きの方は明るい茶色だ。モンスタ◯ハンターのアイルーをよりデフォルト化した感じを思い浮かべてくれればいい。
というか、この二匹、たぶん、俺がここに来るまでにあった二匹かな?
「そうだよ!!あいつらはこのいえをのっとるつもりだよ!」
「……えっと……そうなの?」
「失礼なの!そんなこといってないの!ルールーさんは少しだけここ家におせわになろうとしただけなの!」
頭巾を被った方が堂々とした態度で要求を述べる。相変わらず可愛いんだよなぁ…。
この二匹もゲームのキャラクターだ。改めて説明すると、それぞれ頭巾を被っている方がルールー、腰巻だけの方がポポ。どちらもブラウニーと呼ばれる妖精の一種で、種族は人獣。根元、と呼ばれるデッキの屋台骨を担う役割を持つキャラクターだ。もともと人獣は初心者向けの種族でシンプルながらも強力な効果を持ったキャラクターが多い。
「そんなこといってキマとおにーさんの"あいのす"をこわすつもりなんだよ!」
「キマ……そんな言葉どこで覚えた?」
「え?うーんと……おかーさんがいってた!!」
「……まぁいいや」
いずれ、キマの母親としっかりと話をしないとな。
「そんなことより!おにーさん!あいつらはダメだよ!ダメダメだよ!」
「何で?別にこまってるなら助けてやるべきじゃないか?」
「そ、それはそうだけど……」
「キマは優しいから助けてやると思ったんだけどなぁ……」
「うぅ………」
俺の言葉に頭をかかえてどもるキマ、見ていて可愛らしいがこれ以上いじめるのもそんな趣味ではない。
「とりあえず、リビングで話そうか、テオとテレーゼの二人も待ってるだろうし、ここに住むにしてもみんなと顔合わせってのは必要だろ?」
キマの頭を撫でながら抱え直し風呂座を出る。
「お前らも、ここに住み着くにしてもとりあえずこい」
「ルールーさんにめいれいするな!!なの!!」
「………だ、だめだよ……そんなこと言ったら……」
「まぁ、気にしないから。ミルクもあるぞ?」
俺の言葉に大きな耳をピクピクさせて反応する二匹。
「………ぐ、ひ、卑怯なの……!!おまえはだいまおうなの!」
「……ルーちゃん!だめだって……」
「じゃあ、先に言ってるから来たらミルクを用意してやるよ」
これだけ言っていれば来るだろ。止めてる方も止められてる方もこっちをチラチラ見ていたし、何でそんなにミルクに惹かれるのかわ知らないけど。
「………というか俺、何でこの家の管理人的な立場になってるんだ……?」
「それでは、第一回住人会議を始めます」
「「わーーー‼︎」」パチパチパチパチ
俺の掛け声に暖炉を囲むみんなのうちキマとルールーだけが拍手をしてくれる。ありがとう後で何か甘いものでもあげるよ。
「「まねするな!!」なの‼︎」
キマとルールーはお互いに顔を付き合わせる。お前ら本当は仲良しだろ。
「とりあえずそいつらは放っておいて、ルールーとポポについてだけどここに住むことに関しては俺はいいと思う。もともと俺も助けてもらったし、困ってるなら助けてあげるのがいいと思う」
「………別に私は、構わないわ………貴方がそうしたいのなら……いいと思うわ…」
「だーかーらー!」「ちがうの!」「ちがわない!!」「ちがうの!」
「………」
眠っているテオを膝に乗せ、頭を撫でたままこっちを見ずに返事をするテレーゼ。幸せそうだな、その位置変わってくれよ。ポポは出されたミルクをゴクゴク飲んでいる。キマとルールーはさっきから言い合いをしている。
「あー………何だ。じゃ、みんな仲良くってことで、第一回住人会議を終了します」
だーれも聞いてくれない。
「うーん、どうしようか」
雪の降り積もった翌日、俺は自室で悩んでいた。
「どうしようかなぁ……」
「……どうか…したの?」
「テレーゼ、か?勝手に人の部屋に入るんじゃありません。テオはどうしたんだ?」
「テオちゃん………キマちゃんと…外に、出てる…」
寂しそうな声で答えるテレーゼ。この娘も、はじめにあった時に比べたら随分と感情的になってきた。お父さんも嬉しいよ。
「そっか、じゃあ俺たちも行くか?」
「?」
「最近、運動も全然してないからな。テレーゼも運動してないだろ?」
「私は……タローほど…………運動、できなくない……」
そうでしたね。貴方、こう見えても半妖でしたね。俺に比べたら圧倒的に強いですね。
「と、とにかく久しぶりに雪合戦でもしようか。よし、決めた。そうしよう」
俺はテレーゼの手を取ると一緒に外へ出た。
「た、試される北の大地ってこんな感じなのかな……」
「…………タロー?」
「いや、気にしないでくれ」
玄関開けたら別世界でした。
扉を開くと外には白銀の世界が広がっていた。雪が降り積もり、周りの雪腰まで積もっている。ここまで雪が積もっているとは。
「あ、おにーさん!」
「タロー!?テレーゼまで」
雪の少し開けた場所にはキマとテオの二人が何かを作っている。
「キマ、とテオ………それ、何だ?」
二人の近くに立っている雪のオブジェは雪だるまのような形をしているがひどく不恰好だ。
「こ、これは……タロー」
「ダンナさんダルマ!!」
キマが胸を張って自慢げにこっちを見る。
「あ、ありがとう」
ダンナさんダルマ、か………。
読んでいただきありがとうございます。相変わらずの短さですがこれからもグダグダ続いきますので見捨てないでくれるとうれしいです。
これからはある程度ストーリーを持たせられたらいいなと思ったり思わなかったり。
駄文ではありますが、これからもよろしくお願いします。
ぬーーーーーーーー!!!!あーーーーーー!!!ぎゃーーーー!!!
ニドオオオオオ!!
決めたクイドラワグナスステアップもりもりしてぶっ◯す!!あいつらだけは許さない。死んでも◯す。
…………ふう。少し落ち着きました。絶対殺す。
ありがとうございました。