森の中を歩く。現代日本人であった頃の自分では考えられないことだ。こっちの世界に来て半年、結構な肉体労働をしていたお陰で体はかなり引き締まってる。ウホッ、良いカラダです。
暫く歩いていて感じたことは、森の中になにかいる。みられてる気がする。いや、そんな視線を感じるみたいな超能力は持ってないけど、何となく視線を感じる。
チラッ
サッ!!
「…………」
たまに振り返ってみると何かが木の裏にサッ、と隠れるのが見える。なーんかみたことある、いや、ゲームの中でね?何となく知ってるフォルムなんだよなぁ……。
「…………よ、よーし、暫く歩いて疲れたし、ここらで少しばかり休憩でもしようかな~…」
少し不自然なくらい大声で呟いた俺は近くの木に背中を預け、眼を閉じる。いや、ほんとに寝る訳じゃ無いんだけどな?
「………!……!」
「……!!……!」
何かの声がだんだんと近づいてくる。薄目を開ける。二等親のネズミが二匹、俺のすぐ近くにいた。
「……うおっ!」
「「わぁっ!」」
ビックリした。どのくらいビックリしたかというと衝動的に二匹ともを両手で捕まえてモフモフする位にはビックリした。やわらけぇ!あったけぇ!
「キャーー!ルールーさんやっぱりもう帰る!!」
「うわーーー!!エミリアおばあちゃん!!」
「ルールーとポポだぁ!うわぁ!本物だぁ!可愛い!小さい!声高い!」
「「わーーー!!!」」
「ごめんごめん。ほら、怖くないから、な?もう少し近くによっていただけませんか?」
俺の腕をほどいて二匹はダッシュで離れる。改めて見て確信する。間違いない。ルールーとポポだ。ブラウニーという妖精の一種で、種族は人獣。使ったことがある使い魔だ。ルールーはフードのついた子供サイズの洋服を来て、背中に本を結びつけている。ポポはズボンだけ穿いて手に木の枝を持ってそれを俺に突きつけている。
「「……………」」
「ハハハ……」
二匹ともジトーとした感じで俺をみている。警戒されてるなぁ…。やっばりファーストタッチが抱き締めるのは良くないな。仲良くなってから、だな。
「えっとー、君達はどこからきたのかな?」
とはいえ、せっかく会えたこの縁を無為にするわけにもいかない。やっぱり友達くらいにはなっておきたい。手遅れにも程があるが。
「「…………」」
「俺はこの近くの村に住んでいたんだけど、もしかして君達もそこにいたのかな?」
「「…………」」
「実はさ、住むところがなくなってしまってしょうがなくこの森に来たんだけども、君達は巻き込まれなかった?」
結構自虐的なネタを降ってみる。
「「…………」」
「……この近くに何か建物があるって聞いたんだけど、それについては何か知っていたりする?」
「「…………」」スッ
ルールーの方がポポの後ろからスッと指をさす。うわぁ手ちっちゃい。赤ちゃんみたい。
「あっちの方に赤いやねの家はあったの。でも、何かいやな感じがするの」
「そっか、教えてくれてありがとう。俺はそこまで用事があるんだよ」
「気にするな、なの」
「それでさ、俺は出来れば君たちとも交流を「うわぁああああああ!」………ん?あ!」
ポポとルールーに少しでも警戒をといて貰おうとゆっくりと近づくと遠くから何かの叫び声が聞こえた。その声に気をとられてると気づくとポポとルールーはいなくなっていた。
「………まぁ、またどっかで会えるだろ。それよりもなんだ?あの声。向こうの方から聞こえたよな」
声が聞こえたのはルールーが指差した先、ちょうど良いし、探しにいってみるか。……なーんか聞いたことのある声なんだよなぁ……。
声のした方向へ歩いていると川を見つけた。
「こんなところに川があるのか。川があるってことはここら辺で暮らす分には大丈夫ということだよな?」
「………そ、そうだね」
川に着いた俺の視線の先には芸術的な角度で木から垂れてる蔓に絡まっているクイミとその下で眠っている白熊がいた。なにやってんだ………。
「え、えっとー、このつるをはずしてくれるとうれしぃなー!!」
「…………」
「はずしてくださいーー!!」
涙目のクイミの懇願に何かゾクゾクするものを感じながら体に絡まった蔓を外す。何でこうも芸術的に絡まるかなぁ?そして熊、お前ほんとになんもしないな、おい。
暫くして蔓から解放されたクイミは俺の前にたつとエヘンと胸を張る。無いけど。
「ありがとう!おにーさん!」
「どういたしまして」
「でもね!いつもはこんなのないんだよ!きょ、今日はたまたまクマゴローがちょうしが悪くてからまってしまったけど、いつもならちょちょいのちょいだからね!」
どうでもいいけど今のクイミの言葉でクマゴローの耳が動いたぞ?
クイミは寝そべっているクマゴローの背中に乗ると得意げになった。そのクイミに別れを告げて赤い屋根の建物を探しにいこうとする。
「あ、じゃあ俺いくから。もう絡まるんじゃないぞ?」
「あ!まっておにーさん!あのね、おねーさんなクイミは知ってるよん!ケッコンするときには、よめいり道具がひつようなのだ!おこちゃまキマはこういう大人のほーを知らないからおにーさんもきっと大人なクイミにメロメロなのだよね~」
「…………」
「べ…べつにクイミはケッコンなんかにきょーみはないけど キマに先をこされるのがイヤなだけなのだからな!」
あーー!可愛い!なんだこれ、なんなんだこの気持ち!こう、体の中心の奥からわき出てくるようなムズムズとしたキューンと気持ち!
「……クイミの嫁入り道具、ってのはなんなんだ?」
あくまで冷静に、クールに返す。そう、俺は紳士、変態ではない。
「えっとね!クイミのよめいり道具はこれ!クマゴローだそ!」
それで良いのかクマゴロー!
寝そべっていたクマゴローはパチクリと瞬きをすると大きなあくびをひとつ、そして立ち上がる。
「道具…っていうか友達だけど、便利だからいいのだ!クマゴローはつよいし、もふもふしてあったかいし、あとおさかなもとれるすぐれものなのだだからきっとおにーさんも気に入るにはずだよね~!」
「…………」
いや、クマゴローの眼が怖い。笑ってないよ。もとからだけど。クイミさん、残念だよ……。
「さぁ クマゴロー!おにーさんのところへ向かうのだ!」
「ちょっ!こっちに突っ込むのか!?その熊ごと!?」
クマゴローは四足歩行で走り出した。実際、熊の足ってメチャクチャ早い。それが自分の方に向かってくるとメチャクチャ怖い。……向かってくると。
「お~!さすがはクマゴロー足もはやいぞ!さすがはクイミのよめいり道具…って、あ…あれ?クマゴロー!?そっちじゃないからもどるのだ!ちょ…はやっ!はやす…ぎああああああああ!リタァアンヘイストォオオオ…………!!」
「……………」
次の、クイミの出番は何時だろうか?走り去っていったクマゴローを見て俺はふと、そんな事を思った。
川からはなれ、暫く歩く。もうすぐ日も暮れる。夜までに見つけきらなければ野宿になるが、この季節に野宿は辛い。足も重くなってきた。その矢先だった。
「………見つけた。赤い屋根の建物」
俺の目の前に、木が少し邪魔で見えないが、確かに赤い屋根の、洋風の建物がたっているのが見えた。木々の隙間から見える建物の上の方には明かりが見えた。
「……誰かいるのか?こんなところに?」
そう言えば、ルールーがいっていたな。「何かいやな感じがするの」って。俺の頭の中にさっきの光景が浮かぶ。「おじいちゃんがしんじゃったときもいつもその前にあいつがいたもん」……ア・プチ。
「いや、ここまで来て怖じ気てるわけにはいかない。どっちにしろこのままじゃあ凍えて死ぬ」
俺は赤い屋根の建物まで歩いていった。
近づけば近づくほど、かなり立派な建物だということがわかる。どちらかというと洋館的な感じで、今までこっちの世界で見てきた建物とは違い、ひどく現代的な家だ。
二階建てでなんだろう、昔みたフリーホラーゲームの青鬼の館みたいな感じだ。
ふと、何かを感じて目線をあげる。
「!」
俺の視線の先には洋館の恐らく二階部分、そこに開いた窓があった。
そして、窓の先には恐ろしく白い、銀髪の美少女がこちらを見ていた。目線が会うと、彼女はニコリと微笑んだ。
「……マリールー…………」
美しき不死のお姫様がそこにいた。
マリーちゃぁあああああん!!パンツ見せてぇえええ!!太ももさわらせてぇえええ!!はぁはぁ、マリーちゃん可愛いよぉ!イラストも声もかわいすぎい!いや、浮気じゃない。キマとマリーちゃんは別バラ!浮気じゃない!どっちも抱き締めたぁああい!!
読んでいただきありがとうございます。自分で前の話を読み返してみると間違ったところなどもあり、そこら辺は随時修正していきたいと思います。キャラクターがわからない方はGoogle先生に聞いてみてほしいです。ほんとにすばらしいイラストばかりです。今後ともつたないものではありますが、よろしくお願いします。
感想などいただけると興奮します。