4月17日
彼と会ったのは友達の紹介だった。
そんな言葉が合うのだろうか。確かに初めて会ったのは友達の紹介だった。けど、たぶん……。
好きになったのは初めて会ったときから。
それが、世に言う恋と言うやつで、人生で初めてで最後の恋だった。
彼の後ろ姿を見てそう思った。確信に変わった。
「やっぱり水族館っていいよな」
水槽の中を泳ぐ魚をを見て心を癒されていた。
今何年ぶりかの水族館にやってきた。
沼津には二つの水族館がある。一つは深海水族館。
そして今もう一つの水族館、三津シーパラダイスに来ていた。
「まさかまたここに来るとはね」
隣のいる彼女は水槽の中を泳ぐ魚たちを見てつぶやく。
今日彼女の服装は白い服に青いスカート、紺色の帽子と言った服装をしていた。特に帽子にYが目立つ。
魚は水槽の中を優雅に踊るように泳ぐ姿は綺麗だった。
「そっか、ここに来たのは今回で二回目か‼」
忘れていた。今日の事しか考えてなかった。
今日という楽しみにしすぎて毎日カレンダーの日付を消す動作をしていたよ。毎日が日めくりカレンダーのように過ぎて行って、とうとう今日になったのだ。
歩きながら話し、くらげの水槽にたどり着く。
「でも、ここに来たのは二年前なんだよな」
二年前。彼女が一番輝いてた、誰よりも。
ここにいるイルミネーションのくらげたちよりも。
「まさか皆と来たのが、もう二年前なんだよね……」
悲しくつぶやく。
「あの時は楽しかったね」
無理に笑っているのがわかる。
「そして、あの時はごめんね」
そう言ってまた笑う。
「そうだ。今から、イルカのショーがあるみたいだよ」
彼女に手を捕まれる。
「さあ、イルカショーに全速前進!」
これはもしかして、
「走るのは、勘弁してくれー!」
俺の声が水族館に木霊した。
まさか、自分があそこまで早く走る事ができるとは思わなかった。
初めてではないだろうか。自分に秘められし力があると実感したのは。
いや、中学二年にそんなことを書いたノートという今では思い出したくない思い出があるではないか。
「はい、飲み物」
「あ、ありがとう」
彼女から紙コップを受け取る。
「いやー、まさか少し走っただけなのにそんなに疲れるとは」
少し飲みながら言う。
「今のを少しと言うのか?」
君のスピードについて行くのは少しの距離かもしれないが、平凡な自分にとってはかなりの距離になってしまうのですが。まあ、そんなことより、
「まさか、イルカのショーが観たいなんてね」
「なに、その顔は」
「いや、可愛い部もあるんだなって」
「なに、いきなり!」
「なにって、いつも言っている事なんでけど」
「そうやって、詐欺のようなことを」
「詐欺って。俺は素直な事を言っているだけなんだが」
「いつも、そうやっていろんな女に言っているでしょ」
「そんなわけないよ」
「どうだか、この前も言っていると報告があったよ」
「なにその怖い情報法網」
「女はすごいんだよ」
「それは……知っている」
そのことはこの人生で存分に教えてもらいました。
「仲いいなお二人さん」
突如知らない、見た目からして柄が悪い二人組みの男たち。
この場にはなんとも合わない二人組みだ。
「ちょうど、俺たち二人で暇していたんだ」
「彼女、ちょっと俺たちと付き合ってよ」
わー、いるんだ。本当にこんなことを言う人。漫画とか、フィクションの世界だと思っていたよ。
それで、彼女の答えは。
「え、やだ」
一言。お断り。やだ、だった。
はっきり言うから男二人組みは驚いているよ。本当なら嫌がるところを無理やりでも連れて行くところなんだろうな。
それなのに、俺の連れは。
「いや、そこは他に言う言葉があるだろう」
とうとう一人の男が補足する。
「えーと、今からイルカショーを観るから無理です」
わおー、どんだけイルカを観たいんだ。
そんなこんなでイルカショーが始まる。
「マジかよ。もういいから俺たちと来い」
彼女の腕を掴み、引っ張る。
「あっ」
「「「えっ」」」
すると、彼女の手から紙コップが落ちる。
ふたが外れ中身がこぼれる。
オレンジ色の液体。
終わったな。
「手、離して……」
彼女は低い声で言う。
「俺は悪くない。お前が俺の言うこと聞かないからだ」
男が何か言うが今の彼女には関係ない。
「私の……」
手を振り解き、
「私の!」
右拳をつくる。
「オレンジジュース!」
男めがけ振り下ろす。
鈍い音がなった。
「え」
驚く声が聞こえる。
「お前がこいつらを殴るな」
俺は左頬を押さえて、彼女の右手を握る。
「お前の手はこんな奴を殴るためにあるわけないだろ」
俺は振り向き、右拳を振り下し、殴る。
男たちはイルカショーの水槽にぶつかる。
「俺の彼女に手をだすな!!」
俺は叫ぶ。
イルカショーの目玉の水掛を頭からかけられ、呆然とする二人。
イルカショーどころではなかった。
あの後周りから拍手が包んだ。
「うー、恥ずかしい」
顔を隠して俯く彼女。
「俺も恥ずかしいよ」
まさか、あの場のノリっていうのか雰囲気と言うのかわからないが、とにかく恥ずかしい。
俺たちはイルカショーの終わりと同時に水族館を出た。恥ずかしいがる二人は人波に紛れて。
俺たちは水族館の後、海辺を歩いていた。
波の微かな音。
カモメの鳴き声。
遠くの船の汽笛。
なにもかもが新鮮で楽しい。
彼女といるだけで楽しい。
「あー、もう!」
彼女は走り出し。
「この瞬間がずっと続くといいのにね」
彼女は靴を脱ぎだし裸足になった。
「まだ、海は冷たいか」
海に入って遊びだした。
「風邪ひくよ」
「大丈夫大丈夫!ほらっ」
水をかけてきた。あぶな!
ギリギリでよける。
「いや、濡れるから!」
「もうだらしないなー」
笑いながらも水をかけてくる。だから危ないの!
そんなやり取りをしてるとだんだん、日が傾く。
彼女の動きは止まり、夕日を見る。
「ねぇ、なんで私なの?」
「どういうこと?」
こっちを向かず答える。
「他にも、幼なじみの千歌ちゃんとか果南さんとか、善子ちゃんとかいたのに」
「アイツらはただの幼なじみだ」
「それじゃダイヤさんや鞠莉さん、梨子ちゃんにルビィちゃん、マルちゃんは?」
「先輩後輩と同学年?かな」
「それで、私は……なんなの」
「初めて好きになった人」
「…………」
すぐに出てきた言葉に、彼女からの返事はなかった。
これが俺の思い。
やっと言えた答え。
あれから何日この空を見たのだろうか。
あれからどれだけ時間が過ぎたのだろうか。
あれからこんなにも心が苦しく、暖まったことか。
俺は言う。
「初めて会ったとき好きになった」
何回も言う。
「出会いは知り合いの紹介だったけど」
この気持ちを言う。
「今一緒にいられて楽しい」
前からの思いを言う。
「これが好きだって気持ちなんだと」
そして、最後の言葉を言う。
「こんな俺だけど付き合って欲しい。曜」
届くかわからない。
それでも、届けたい。
叶えたい、思い。
「まったく……」
彼女は振り向き。
「言うのが遅いよ。先に言いそうになったよ」
夕日と同じように紅くなった顔でいった。
曜ちゃん!誕生日おめでとう!
突然すいませんでした。今日は曜ちゃんの誕生日!なので特別小説を投稿してみました。
始めの文章は曜ちゃんの日記から始まったのですが、少しわかりにくいとおもいます。すいません。
セカンドシングルの舞台が三津シーパラダイスと実際にある場所なので、今回は書いてみました。
いつもと違う始まりを試みたはいいが難しですね。今回の曜ちゃんの服装はG’smagazineの5月号に掲載されていた服装を書いてみました。
4月はサンシャインパーティーですね。曜ちゃんの誕生月にセカンドシングル!
サンシャインパーティーより、曜ちゃんパーティーですね‼このまま行くと沼津店ゲーマーズかんばん娘も曜ちゃんになりそうですね。
けれど、ごめんね曜ちゃん。俺は善子推しなので。
これから Aqoursのメンバーの誕生日に投稿していきたいと思います。
これからも前速前進ヨーソロ (^-^)ゝ゛