輝け!イチ・ニ・サンシャイン‼   作:N応P

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BS 奏でる桜色

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 今日の出来事は忘れない。

 

 あなたの笑顔とあの景色。

 

 私がしらない事を教えてくれる。

 

 終わらない、これは始まり。

 

 

 

「ふぅー、テスト勉強は休憩」

 図書館で腕を伸ばす。

 二時間も机に向かっているなんて、初めてで体が痛い。

「お疲れ様。頑張ってたね」

「少し頑張らないと」

「関心関心」

 あー、こんなに頑張ったことがないから今は癒しがほしい。

「でも、疲れたー」

「そうだよね」

「よし、ひとっ走りしてきますか」

「うん。そうしよう」

 おいおい、頭は疲れても身体は元気なのか。どうなっているんだあの二人の体力は。

 俺はもう無理だ眠いよ。

「それじゃ、少し走ってくる」

「行くよ!千歌ちゃん!」

「あ、待ってよ曜ちゃん!」

「おーい、図書館内は静かにしろー」

「「はーい」」

 本当にわかってるのかあの二人は。

「でも、珍しいね勉強会を開こうなんて」

「いやー、少し梨子に聞きたい問題があって」

「へー、優等生の誠さんにも苦手な教科があるんだ」

「ここの問題がどおしても解けないんだ」

「あぁー、それはここの数をここにいれるんだよね」

 か、顔が近い。

「おぉー、なるほど。ありがとう梨子」

「ふふっ、これぐらいの事ならいつでも教えてあげるよ」

「よし、お礼をさせてくれ」

「いいよ、大したことしてないから」

「それじゃ、問題」

「次はどこがわからないの?」

「違うよ。勉強じゃないよ」

「それじゃなに?」

 か、顔がまた近い。

「いや、たいした問題では……」

「なに?はっきり言って」

「はい。いいますから」

「ならなぜ顔をそむけるの?」

「だって、梨子の顔が近いから」

「あ……」

 元の位置に戻る梨子。これでエビ反りになっていた体制を変えることができるよ。あと少しで椅子からずり落ちるところだった。よかったよかった。

 

「それで、私に聞きたい問題って」

 

「ああ、本当にたいしたことではないけど」

 

「いいから言ってみて」

 

「いや、この沼津って楽しい?」

 

「…………」

 

「まさかの無言!」

 

 だから言いたくなかったんだ。だけど言わずにはいられなかった。どうするかこの空気、『やっぱりさっきの無しで』って、いやこれはなにか俺が感じ悪いな。『梨子にこの沼津を好きになってほしいから』まあこれが本当に俺の気持ちだけど……まさかの無言。

 

「え、あ、ごめんなさい」

 

「いや、いいよ。無理しなくって」

 

「違うの。まさかそんなこと言われるとは思わなかったから」

 

「ほんと?」

 

「うん。ほんと」

 

「ほんとのほんと?」

 

「ほんとのほんと。千歌ちゃんにも言われたことがないから」

 

「千歌にも言われてないの?」

 

「千歌ちゃんには『沼津が好きになった?』っとは言われたけどね」

 

 ああ、千歌には言われそうだな。あいつ東京から来た梨子のことすごく気にしていたからな。

 うん?俺は千歌と同じ考えなのか?

 

「それじゃ、沼津はもう案内してもらった感じ?」

 

「そうだね、ほとんど」

 

 そうだよね、沼津のほとんどは千歌たちが案内しているよね。

 

「それじゃ、沼津から離れた少し遠い場所に行かないか?」

 

 

 

 

 

 土曜日の朝。

 いつもよりはやい待ち合わせ。いつもより遠いため早めに集合しなければならない。

 それなのに――。

 

 

「なんで俺は遅刻してんだよ!」

 

 

 自転車をもう急ぎで漕ぐ。

 信号で息を整える。十分の遅刻だ。いつもならありえない。

 なのに今日に限って時計が遅れているなんて。

 

「着いたら謝ろう」

 

 青になりまた全速をだす。

 

 

 

 自転車を駐輪所に止め急いで駅に走る。

 10分も遅刻だ、もしかしたらもういないかもしれない。

 それならしかたない。

 

 

「やっぱり、いないか」

 

 

 待ち合わせの記念石碑前には人はおらず、鳩が首をふっていた。

 そうだよな、待ち合わせには遅刻はするし乗る電車はもう出てしまっている。

 なんで俺はこんなにもダメなんだろう。

 

「はあー」

 

 

「ごめんなさい。お待たせしました」

 

 

「あれ?梨子」

「出かける準備をしていたら遅れてしまって」

「なんだ、よかった。今来たところなんだ」

「よく聞くセリフだけどまさか言われるなんて」

「いや、本当に今来たんだ。俺も遅刻してね」

「なんだ、よかった」

「どうするかー」

「どうするって、なんか困ったことでもあるの?」

 

「いやー、電車の時間が過ぎてしまって後一時間後なんだよね」

 

「え、一時間……」

 

「御殿場線だからな。本当にあそこは本数が少ないんだよね」

 

「東京ではありえない」

 

「はははっ」

 そうだよな。東京ではありえないよな。

 だけどここは東京から離れた田舎だぞ。本数も限られた数しかないんだよ。山本線のように五分に必ず来るものではないしな。しいて言って、バスもそれほど多くはない。

 

「さて、すぐ近くの喫茶店で休憩するか」

「それかすぐ近くのゲームセンターに行きませんか?」

「ゲーセンですか?まさか梨子からゲーセンと言う言葉が出てくるとは……」

「最近皆で遊びに行って面白かったので」

 

 え、最近?ここ最近は皆と一緒にいたよね?

 

「あれ、それ俺呼ばれていない気がする」

 

「あ、それは……」

 

「今目を反らしたね」

 

「いいえ、反らしてません」

 

「いやいや、今更そのような言葉を言われても」

 

「さあ、ゲームセンターに行きましょう」

 

「はいはい。わかりました行きましょうか」

 

 なんだかんだで流された気がするけど、そう言うことで南から北へと移動することにした。

 

 

 

 

 

 確か俺が沼津にいるときはこの何でも施設「BIVI」は一度しか入ったことしかない。

 隣にいる人は何度か来たことがあるようだが。

「さて、どうしますか」

「あれ?ゲームセンターに行くんじゃなかったの?」

「いやー、なんだかんだ来てみたが時間のようなので」

 

「え、ここまで来たのに!」

 

「そうなのです。本当になんだかんだで一時間が過ぎてしまいました」

 

 施設のネタが思いつかないとかではなく、来るまでの間で喫茶店で梨子が持って来た手作りお菓子を食べながら一休みしいたからである。

 

「では、御殿場に行きましょうか」

「うん」

 

 御殿場線は沼津駅から出ている。そこから神奈川県まで繋がっている。

 つまり、寝過ごしてしまうと静岡県から神奈川県へと少し旅ができてしまうのだ。

 それでは御殿場線に乗って遊びにいきましょう。

 

「なんか車両少ないね」

 

「御殿場線だから」

 

「料金も少し高いね」

 

「御殿場線だから」

 

「窓の外も殺風景だね」

 

「御殿場線だから」

 

「さっきからその答えしかないの」

 

「御殿場線だから」

 

「そう、なの……」

 

「まあ、今から向かうのは少し山にあるから」

 

「海の次は山なんだ」

 

「静岡県は海も山も、東京には負けるけど町もあるから」

 

「けど、東京にはなかった輝きがあそこにはあった」

 

 そっか。東京からなにもない沼津にやってきて、大変なことになってないか心配だったけどそんな心配はいらなかったみたいだ。

 

「輝き、か……」

 

 輝くことは難し。俺にとってその輝きは眩しく、手を伸ばすことしかできなかったけど彼女は、梨子はその輝きに手を伸ばして自ら輝くことができた。

 

 電車に揺られがら一時間。会話も電車の揺れのように弾んで一時間は三十分に感じるくらい。

「えーと、確かバスがあるはず。ああ、あれだ」

「次はバスに乗るの?」

「だから、集合時間が早かったのだ」

「な、なるほどー」

 無料シャトルバスに乗り、目的地はすぐそこだ。

 

 

「さあ、着きました。ここが御殿場が誇る大型ショッピングモール!」

 

 

「おお、人がたくさん」

 

「そこなの、驚くのは」

 

「え、ごめんなさい。内浦との人の差がすごくって」

 

「はははっ、それでは気を取り直しておもいきり楽しもう!」

 

「うん!」

 

 

 

 

 俺は忘れていた。女子という生き物を。

 

 

「あ、この服可愛い!」

 洋服屋に行くと可愛いと言って、長い時間を過ごすことができる。

「どうでしょうか、この服は?」

 そして必ずと言ってもいい。なぜ男子に女子の服を質問するのだろうか。

 

「このバックいいな」

 ブランド店に行きたがる。ここも長い時間を過ごすことができる。

「あ、けど値段が……高い」

 そして必ずと言ってもいい。ブランド店なのだから高いだろ。

 

「うーん、このアイス美味しい!」

 甘いものを食べて幸せな顔をする。

「誠さんのほうのアイスも美味しそう」

 そして必ずと言ってもいい。なぜ人が食べてるものを欲しがる。

 

「すごい富士山が見える!」

 初めて見たものに目を輝かせていた。

「一緒に写真を撮りましょう。あの写真をお願いします」

 携帯を通りすがりの人に預けて、富士山を背景に写真を撮ってもらった。

「フフフッ」

 携帯を見て笑った。

 よほど、いい写真が撮れたのだろう。

 

 

 帰る時間になってきた。

 帰りもバスに乗って帰る。帰りは人がたくさんで座って行くことができないか。

 2人立って行くことに。

 

「私こんな楽しい時間を過ごすことができたのはいつぶりかな」

 

「楽しいっていつも皆と遊んでいるのに」

 

「そうではなく、2人で楽しむのは久しぶりで」

 

「そっか、いい思い出ができたかな」

 

「はい。楽しい思い出ができた場所から離れるのが寂しくなるほど」

 

「今度はまた皆で来ようよ。いつでも行くことができるから」

 

「はいまた、来ましょう……2人で」

 

 思い出は記憶だけではなく、心にも残る。

 そしてまた来たいと思う。欲を言えばまた、2人で。

 

 

 





梨子誕生日おめでとう!!


そして、皆さま1ヶ月お待たせしました!

九月は誕生日の人が2人いるようで、今回はその1人目です。
少しネタを考えることがつらくなってきそう。いや、でもネタが沢山沸いてきて不思議に書くことできる予定です。
最初はスクールアイドルになることを拒んでいたけど、スクールアイドルたちの歌が梨子に勇気をくれた。次は梨子が勇気をあげる番。
大丈夫、地味ではないよ。その笑顔は可愛いから。

今回は沼津から少し離れて御殿場プレミアム・アウトレットに出かけてみることにしてみました。いやー、遠くまで出かけましたね。
小説で出てきましたが、梨子の沼津案内は千歌たちが案内してそうなので沼津ではなく、沼津から出ている電車を使い行ける御殿場を選びました。
今回も実際にある場所であります。本当に山の中にあるのに人が沢山なので不思議です。多くのお店と沼津とは違うまじかに見ることができる富士山は格別です。

今セブンイレブンでおこなわれてる投票。今回はイメージガールに選ばれたメンバーが立体になるなんて、それも書き下ろし。本当にすごいことになってきましたね。
アニメに登場した場所が有名になって、自分も実際に聖地巡りをして小説を書いてるので多くの人達に会います。
今回はこれほどで、梨子が奏でる音楽にいやされたいです。


私の音楽、みんなに聞いてほしいです(* ̄▽ ̄)ノ~~ ♪


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