「合宿ですわ!」
部室で大声をだすダイヤさん。その理由はたぶんこの暑い夏のせいだろう。
「なんですか突然夏の暑さに頭がやられてしまいましたか」
「ダイヤは昨日から騒いでいたね」
「熱いお茶飲んだせいずら」
「なんですの!誠さんはどうでもいいけど、なんで同じユニットの人たちにそんなにキツク言われないといけないのですか!」
「だってねー」
「ずらー」
果南姉とマルさん二人は顔を合わせて言う。
てか、俺が言ったのはいいのですか。スルーされるとそれはそれでなんか。
「そう言えば昨日のユニット練習でなんか喧嘩していたような」
「喧嘩?珍しいこともあるんだ」
梨子から話しを聞きそんなことあるんだな。いや、千歌と曜から聞いたな三年生組が喧嘩して仲が悪くなっていたけどお互い仲直りしたって。
それでなんか千歌の一括が聞いたって曜が笑って言っていたっけ。
「それで話しを戻すけどダイヤ、合宿って何をするの?」
「合宿は合宿ですわ!はいあなた!」
「は、はい!」
「夏と言ったら」
千歌と鞠莉さんが助けを求める顔を向けてくるが残念俺もルビィさんに助けを向ける。
「たぶん、ラブライブ!」
「さすが我が妹、可愛いでちゅね~よくできた妹でちゅね~」
「ガンバルビィ!」
「なにこの姉妹コント」
「コント言うな!今回わたくしが極秘に見つけたスクールアイドルの練習メニューですわ!」
「遠泳10キロ」
「ランニング10キロ」
「こんなの無理だよー」
マルさん、善子、千歌たちよ心配する必要はない俺も無理だ。
「まあなんとかなるね」
ここにいたよ脳筋バ果南姉が!?この人なら確実にやりかねない。
「あれ?千歌ちゃん町内会の海の家の手伝いが」
「あ、忘れていた。ですのでこの練習メニューでは……」
「あ、私もだ」
おおと、曜と千歌、果南姉三人が海の家の手伝いがあることになると練習できなくなるぞ。
うん?海、夏休み。
「あ、俺も海の家の手伝いがあったんだ」
「「「「「「「「「そんなの知るか!!!!!!!!」」」」」」」」」
なぜか皆から冷たくはなたれた。
『明日の朝5時に集合!』
ダイヤさんから朝一の呼びだしがかかった。皆から元気ない返事が返ってくる。
俺はと言うとなぜか4時には来るように言われた。4時とか太陽が昇ってないぞ。
なんだかんだ言いつつ俺は……。
「あ、やべ4時半だ」
起きたのは4時半。寝ぼけた頭を無理やり起こして支度してバス停でバスが来るのを待っていた。
「……ま……くん、まこ……」
「……だ……どう……」
「すうー、誠くーん!」
「「うわっ!!」」
突然大声で目を開けると驚いた顔をする善子とドヤ顔する曜がいた。
なぜだ俺はバスに乗ったのではなかったのか。
誰もいない砂浜で太陽が昇るのを待っているはず。
ぞろぞろやって来る皆を迎えている。
これらがすべて夢だったとは。いやこれが夢なのかもしれない。
「ゆーめーかーらーさーめーろー」
頭を振って夢から脱出を試みるが、夢から覚めることは無く頭がクラクラしてきた。
「なにしているの?」
「大丈夫?」
二人に心配されながら俺は問う。
「俺なにしていた」
「えーと私たちが来たときにはバス停横でうずくまって寝ていたかな」
「それを見かねて声をかけたのよ。それも大声でヨハネにも被害が」
「曜ちゃんは応援で大声もだせるんであります!」
「だからってヨハネにも被害を与えなくってもいいじゃない!」
「それは、ごめんなさい」
「まあ、とにかく二人が俺を起こしてくれたのはありがとう。おかげで目が覚めたよ」
「それは良かった。あ、バスが来たよ目指すは海の家へヨーシコ!」
「だからヨハネ!」
「朝から元気ですねお二人とも」
バスに乗ってからも元気な曜と楽しく話す善子。
二人はこうして朝も帰りも帰っているのだろうか、それは楽しそうだ俺も混ざりたい。
「それで昨日の配信はこれまで以上に盛り上がったわ、さすがヨハネね」
「はいはい、よしよし善子」
「あーもう頭を撫でないで!」
「懐かしいなこの感触、肌触り、このくだり」
「ヨハネには苦い思い出よ」
「誠君と善子ちゃんは仲良いね、長馴染みなんだっけ?」
「そうね地獄の窯から生まれて間もない頃ねこの悪魔と会ったのは」
「だれが悪魔だ、小学校の低学年のときが出会いだな。なぜか出合ったときに泣いていたんだよね」
「あ、それで慰めるためによしよし善子なんだね」
「もーう、いいでしょ!」
「ごめんな、ほらよしよし善子」「ごめんね、よしよし善子」
「もーうだからヨハネよ!」
朝のバスは賑やかになりながらも目的地に到着する。
「朝早く来たのはオラだけだったずら」
「当ったり前でしょ。そんな時間に来るわけないでしょ」
「ずらー」
花丸さんと善子がパラソルの下で休んでいた。
「まったく今回は千歌さんたちの海の家の手伝いを手伝いに来たのに」
「その後は練習があるのにあんなに遊んでいいのかな」
「まったくです、梨子さんからもなにか言ってやってください」
「私が言ってもどうにもなりませんよ」
千歌と鞠莉さんはビーチボールで遊んで、曜とルビィさんは仲良くぷかぷか浮かんでいるし。果南姉にいたっては一人波乗りを楽しんでる。
「それでその海の家は……はて?どこにあるのやら」
「現実を見るずら」
花丸さんが言うように千歌たちが手伝う海の家は歴史を感じる建物だ。
「それにしても隣は繁盛しているね」
「未来ずらー」
海の家の隣に立つ現代風の新しい海の家は繁盛している。
「はい焼きそば2、カレー3できたよ」
厨房からできたての食べ物を席に座ってるお客さんに届ける。
「お待たせしました、焼きそばです」
「カレーはこっち」
「はいカレーお持ちしました」
「すみませーん」
「はーいただいま」
このように大忙し。俺が頼まれた海の家は千歌たちのライバル店だったようで、今なぜか暑い中執事服を着せられ恵と共に働いてる。
「ねー誠、買い物頼まれたから一緒に来て」
「わかった」
恵とともに買いもに頼まれたために支度して外に出る。
仕事のために外の席に食事を提供して外に出るのと買い物のために外に出るのでは太陽の暑さが全く違う。今すぐ帰りたい。
「あれ、まー君?」
外に出たらさらに暑苦しい奴に出会ってしまった。
「よう千歌。そっちの海の家はどうだ?」
「こっちはお客さんが全く、それもこれもぜーんぶあの海の家のせいだよ」
「それでその格好は?」
「あ、恵ちゃんこの格好はダイヤさんが」
「それで梨子ちゃんは隠れているんだ」
「だって恥ずかしいだもん」
そりゅそうだ。少しダイヤさんのセンスを疑いたくなる。
「誠さんなにやら失礼なことを思っていませんか」
あ、ダイヤさん。あなたは人の心を読む力を持っているのですか、黒澤家怖い。
「去年もあなた方が働く海の家に負けているみたです。ですが今年はわたしたちが勝ってみせますわ!」
高笑いしながらダイヤさんは離れていった。
あれ、なんだかイヤな気がする。
「なるほどー、これは勝負なんだね」
「勝負なら負けないよ」
「ち、千歌ちゃん」
「恵なんでそんなヤル気なんだよ」
千歌と恵の間に火花が散っている。なんでこうなるのかな。
それから日が暮れるまで両海の家の売り上げ対決が続いた。
「それで勝負は?」
「まだですわ!まだ終わってませんは!」
「そうだそうだ!」
「ふふん、それじゃ明日もやる?」
「まだ続けるかよ」
お互い互角の戦いだったのようである。
「それより練習だよ」
「そ、そうですわよね。それでは練習を始めますわよ!」
Aqoursの練習が始まる。
「ほへースクールアイドルって大変なんだね。海の家で働いた後に練習をしないといけないなんて」
「そうだな、スクールアイドルは大変だ」
けど海の家後の練習は千歌たちの手伝いとダイヤさんのどうしても合宿でこのような結果になったんだけど。
恵と二人で夕日の浜辺を練習をしている姿を見守っていた。
「……さて夕飯を食べに変えらないと」
「そっか、気をつけてくれ」
「あれ誠は帰らないの?」
「ああ、今日はこれから打ち合わせがあるんだ」
「そうなんだ……そっか。それじゃまた明日もよろしくね」
「ああ、今日はゆっくり休んでくれ」
バス停に向かう恵の後ろ姿を見送りへとへとになったメンバーの元に向かった。
「おーい、大丈夫?」
「こんな特訓をあの方たちはしていたのですか……」
「うゆー百回」
「我慢してまだ砂落ちてないよ」
「まったくお湯はないのでうか」
うわー寒そう、いくら夏だからって水を頭からつかるのは。
「オーウハングリー。夕飯はまだー?」
「それが……ヨキソバは売り切れたんだけどシャイニと堕天使の涙が売れ残って」
「「ごめんなさい」」
残った食材を皆で食すことに。
「なにこれ!シャイニ美味しい!」
「なんでこんなに美味しいのに売れ残るんだろう」
「なんでだろう全世界の高級食材で値段もお手軽の10万円なのに」
「「「「「「「「「ブー!!!!!!!!」」」」」」」」」
値段が馬鹿げてる。だけど美味しい、どうしよう10万でこの味……。
そうすると堕天使の涙は、ごくっり。
「ぴぎゃーからいからい!」
「え、そんなに辛い?善子なに入れたんだ」
「え、タコの代わりにタバスコを」
「美味しいじゃん」
「う、そうよねこれぞ堕天使の力!」
「そう言えば千歌ちゃん歌詞は?」
「うーんまだー」
「そう言えば曲は?」
「やっぱり歌詞がないと」
「そっか。あ、千歌ちゃんソース切れちゃった」
「わかった、家から持ってくる」
昨日は千歌旅館の空き部屋に泊まって今日も朝から海の家に働いて夕日を浴びた今に至る。
「今日も勝敗はつかずか」
「くー、明日こそ!」
「ええ、明日こそ!」
ダイヤさんの負けず嫌いはわかったけど恵もなんで勝負するかな。
「それで歌詞はできたのか千歌?」
「えーなんでまー君も言うの!」
「ははっ、梨子を待たせるなよ」
「もー……そうだよね、梨子ちゃんを待たせるのもね」
海の家のあと練習をして恵と練習を眺めて解散。その後は皆で残った食材を食べる夜。
「できたー、船乗りカレーウィズシャイニーと堕天使の涙。はい梨子ちゃんから」
「うっ、うん。あ、美味しい!」
「本当に!パパから教えてもらった船乗りカレーはなんだって合うんだ」
「ふふふっ、これなら明日は完売。わたくし達の勝ちですわ」
「お姉ちゃん」
「うん?わっ!どうしたの千歌ちゃん?」
「うんん。なんでもないよ……」
「あ……」
「ふー今日も疲れた。明日も早いけど今日は星が良く見えるな」
「まー君……あのね」
「どうした千歌?そんな顔して」
千歌が珍しい顔をしてる。
「あのね梨子ちゃんのことなんでけど」
それから梨子にピアノコンクールの話しが来ていること、それがラブライブの大会と重なっていること。
「それで昨日聞いたんだ」
「うん。それで」
「コンクールに出ないいて、だけど」
「千歌が無理やり巻き込んでそれで梨子の夢を潰しているかもって思っているんだろ」
「うん……」
「梨子の曲聞いたことあるか?」
「そう言えばないなー」
「だったら聞いてみたら」
「うん。わかった!ありがとう」
なにか悩みが解消した顔で戻って行った。
「だからって女子二人で夜の学校に行くなよ」
「「ごめんなさい」」
夜遅くに抜け出す千歌と梨子を見つけて追いかけて校門前でお説教。
「まったく、ほら音楽室行くんだろう」
「うん!」
夜の学校は暗く怖い。けどなにかワクワクする。そんなこんなで音楽室。
「はい梨子ちゃん。気づいたら梨子ちゃんの曲聞いたことないなって。ここだったら思いきり引いて大丈夫だから、気持ちを込めた曲聞きたっくて」
「俺も聞きたいな」
「もうまったく、そんないい曲じゃないよ」
梨子はそう言って引くピアノの音は悪くない。
「いい曲だった」
「千歌ちゃん」
「梨子ちゃんAqoursが大切って言ってくれたのに……ピアノコンクール出て欲しいな」
「……私が一緒じゃいや」
「違うよ!始めは一緒にスクールアイドルを初めて梨子ちゃんの中の何かが変わってピアノのが変わってくれたらって思っていたの」
「千歌ちゃん」
「私にとってこの町は大切な物だから、梨子ちゃんにとってのピアノも一緒じゃないの。私待ってるからこの町で待ってるから、梨子ちゃんが帰ってくるのを」
「ほんと……変な人」
朝日が二人を優しく包み込む。
千歌、俺も言わないとな。
お待たせしました!ラブライブ!サンシャイン!!2期第1話が始まりましたね。
沼津はまだ放送されてませんが、どうやら楽しいかったですね。
今回の話しはあの話題の回。梨子が東京にこの後向かいます、そして次は曜回です。
話しが今回は長くなったので後書きは短めで、あとはツイッターでお話しします。
では今回はこの辺で、一体今回を何回言っているんだか。では寒くなってきてますので風邪には気をつけて。話しはまだ夏なのに……いつ終わるのやら。