輝け!イチ・ニ・サンシャイン‼   作:N応P

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第26話 妹です

 

 

 昨日は梨子と東京観光をして今日は一人大都会を歩いていた。

 目的は待ち合わせ場所に向かってるためである。待ち合わせはいいが人を待つのは苦手だ。

 俺が一人待ち合わせ場所に来て、周りの人は待ち合わせの人と会うが俺の待ち合わせの人が来ない。本当に待ち合わせ場所はここに合っているのか?本当に待ち合わせの人は来てくれるのか?時間を間違っていないかなど心配になる。そんなこんなで待ち合わせ場所で人を待つ。

 待ち合わせはUTX高校、大きなスクリーン下。なぜそんな場所が待ち合わせなのかは今から来る人。

 

「おーい!お待たせ!」

 

 向こうから走ってくる背が小さい少女が待ち合わせ人なのである。

「久しぶりー!」

 走ってくるが躓いて倒れそうになるのを受け止める。

「大丈夫か?気をつけろ」

「う、うん。ありがとう……よし」

「どうしたニヤニヤして、頭でも打ったか?」

「なっ失礼な!久々に会って言うこと!」

「はいはい、ほらさっさと行くぞ」

「うん!」

 今日は久々に会った妹と東京観光しに行く。

「それで制服なのは今まで学校にいたのか?」

「うん。だから学校に近いここで集合なんでしょ」

 妹-沢田 明日香(さわだ あすか)は笑みをみせその場でクルリッと回った。

 顔をみると「どう可愛いでしょ?」と言いたげな顔である。

「はいはい」

 俺はそれでけ言って頭をぽんぽん撫でる。言葉にするのはなんだかシャクだからなにも言わない。

「東京にいきなり来るなんてどうしたの?」

「友達がこっちでピアノの演奏があるから一緒に着いてきた。なんだか心配だから」

「ふーん、仲いいんだね」

「そりゃな、俺はなんだってあいつらのプロデューサーだからな」

「なにがプロデューサーだか、このダメダメな兄に何を求めているのやら」

「失礼なことを言う妹の口はこれか」

「いっー、ほへんなさい!」

 まったく誰がこんなことを吹き込んだか……一人思い浮かぶ人物が身近にいたな。

「それで明日香は元気にしているのか?」

「元気も元気!」

 顔を見ればわかる。だけど晴れて暮らす妹に聞く言葉は決まっている。

「それで前電話したことだけど覚えている?」

「電話?」

 妹と電話はしょっちゅうしているから内容なんて覚えてない。

「やっぱり忘れてるー」

 頬を膨らませて怒る。

「今度東京に来たらのっぽパン買ってきてって言ったのに」

「あーそう言えば言っていたな」

 すっかり忘れていた。

「のっぽパン沼津でしか売っていないんだから」

 あーわかる。なんでのっぽパンは沼津でしか売っていないんだろう。あんなに美味しく種類豊富なのに日本の首都東京に売ってないとか本当になんだか。パンなんだから日本どこでも売っていればいいのに。

「今度来るときは買ってきてよねのっぽパン」

「クリーム味」

「そうクリーム味、あと期間限定味」

 さすが俺の妹、わかっている。のっぱパンはクリーム味が一番美味しい、だけど忘れてはならない期間限定ののっぽパン。期間限定味も美味しいのにまた食べたいと思ったときにはもう売り切れ、期間が過ぎてもう売っていないことがある。できれば期間限定味をまた復活してほしい。

「あとみかん!やっぱり生のしぼりたてみかんジュースは美味しい!」

「お前そんなにみかん好きだっけ?」

「最近好きになったの」

「また変な影響を受けたな」

「うぐっ……」

「今度は何を見て影響受けたんだ」

「影響とかじゃないもん。この前見た動画が良かっただけ」

「ほーう、どんなの」

 少し気になる。

「えーと、これ」

 明日香はスマホ出し動画サイトの動画を見せてきた。

『どうも!今からマルのおすすめ沼津の一品を紹介するね』

 クレヨンで書いたような背景に人形が出てきて人形劇のように動いてる。

 人形がの足元からみかんが出てくる。

『このみかんは沼津が誇る寿太郎みかん』

 背景がみかん畑に変わる。

『このみかんは甘くいろんなスイーツに使われているんだ』

 上手からみかんのスイーツが沢山でてくる。

『このいろんなスイーツの中からマルの好きなスイーツはこれ!』

 ばばんっ!と効果音と共にでてきたものは俺もものすごく知っているスイーツだった。

『みかんどら焼き!』

 そう、みかんどら焼きである。

『このみかんどら焼きと一緒に寿太郎ジュースを飲むのがマルのおすすめずら』

 ずら?

『え、えーと、沼津にお越しのさいには是非!以上マルのおすすめでした』

 人形が手を振って動画が終わる。

「どお!この動画この一本しかないんだけどすごく人気なんだよ」

 確かに動画はすごい視聴数であり、評価もすごかった。

「コメント欄も反響がすごくって」

 コメント欄には『他の沼津品は!』『可愛い声で紹介ありがとう』『次はこれを紹介して』などコメント欄を見るだけでもすごい人気がわかる。

「ねえ?これみたらみかん食べたくなるよね」

「う、うん」

 知っている。この動画を上げている人物を。

「次はどんな動画をあげるんだろう」

 知っている。次の動画が上がらない理由を。

「この人形も可愛いんだよね」

 知っている。この人形を製作したのが誰か。

「お兄ちゃんがいる沼津で人気じゃないの?」

 沼津で人気か?そんなの人気だよ。

 だってそれうちのスクールアイドルが作成した動画だから。

 俺が知らない間になに作っているんだ!声マルさんでしょ!背景はたぶん千歌!人形は曜とルビィさん!音楽は梨子!動画編集は善子!たぶん三年生もなんだかんだで関わっているな。

 この動画が想いのほか人気が出てしまいマルさんが緊張してしまい。善子が自分のサイトより人気度が良いのが気に食わないとかなんとかでやらなくなったんだろうな。

「沼津に帰ったら見るよ……」

 確認のために。

 

 

「さて、なんだここまで来たら」

「歌いますか!」

 なので兄弟そろって秋葉まで来てカラオケに行く。

 入ってすぐ歌う。それもアニソンを。

「~~♪」

「~~♪」

 熱唱!

 その結果履歴画面四面もアニソンで埋めてしまった。

 二時間歌って喉が少し痛い。

「喉痛い……」

「頑張りすぎたね」

 二人そろって疲れて外に出る。

「お腹空いたしランチと行きますか」

「それなら秋葉と行ったら」

 明日香に連れられて行った場所は……。

 

「いらしゃいませ、なんで来たのですか」

 

「ここは……」

「一度は行きたかったけど勇気なく来れなかったんだよね」

 勇気があっても俺はこれないな。

「さてお兄ちゃんの財布だから沢山食べよう」

「俺の財布なのかよ」

 明日香は人の財布だからって沢山頼んで、「美味しくなーれ」ってケチャップで何とも言えない絵を描かれて「はーあなんでこんなことしないといけないのですか」なんて言われるんだ。

「おい、なんでここに来たんだ」

「なんかこのお店最近人気なんだよね」

 こんなドSの店員にツンデレ属性、妹属性、お姉さん属性、アイドル属性など多くの個性豊な店員がいるんだな。まあ俺のまわりのさらに個性が豊かすぎる人物がいるからな。

 確かに面白いお店ではあるな。

 

 ~~♪

 

「おっと、悪い電話がかかってきた」

「え、ちょっと」

「戻ってくるから」

「えー」

 電話に出るために外に出る。

「どうした?」

『ごめんね、突然……』

「いや、大丈夫」

『うんあのね――』

 千歌からの電話の内容はこれまでの千歌から聞いたことが無いほどか弱い声だった。

 

「うーん、これも美味しい!あ、お兄ちゃん」

「悪い俺沼津に少し行くことになった」

「え、ちょっと」

「ここで別れるけど「私も行く!」お前はって来るのか!」

「うん、だってやっと一緒に会えたのに」

「わかった。このお店の料金は割り勘だからな」

「うん!」

 会計を済ませてお店を後にする。最後の最後まで「もう二度と来ないでください。塩をまかないと」なんて言い本当に塩を撒きやがって。

 駅に行きタクシーを拾う。

「タクシーで行くの」

「電車を待ってられない!」

 急いでくれ!

 

 

 タクシーで沼津まではかなり時間かかった。

 曜の家に着くとなんか千歌と曜二人が抱き付いていた。

「なんだ解決したのか?」

「あれまー君」

「これはどう言う状態だ?」

「いいの!」

「なにが!」

「さっきから曜ちゃんこれしか言わないの」

「おーい、曜。風邪引くぞ」

「バカ曜だから風邪ひかないもん!」

「すごい解釈だな!バカ千歌どうにかできないわけ」

「うーん、こんな曜ちゃん珍しいからな、わからない」

「そっか。やっと、自分の思いに素直になれたのか」

「うん。そうみたい」

「なんか、さっきから二人だけの空間つくってる」

「そんなことないよ曜ちゃん!」

「やっといつもの調子に戻ったか」

「うん。千歌ちゃん少し恥ずかしいところ見せてごめんね」

「ううん、少しじゃないよ。いっぱい見させてもらった」

「うう、そんなに」

「けど、それで曜ちゃんの新しいことが知れて嬉しい!」

「千歌ちゃん……!」

「そうだぞ、これからは周りに辛くなる前に打ち明けろ」

「誠君……はなんでここに?」

「千歌から電話受けて急いで東京から来たんだよタクシー使って」

「そか、ありがとうね誠君」

「おう」

 なんか解決したみたいだし帰るか。

「あれ、解決したの?」

「なんかな」

「さて東京に帰るか」

「うん帰ろう」

「おのーお客様言いにくいのですがお金のほうはあるのですか?」

「お金?ちなみにいくら?」

「68.410円です」

「あのーもう一軒寄ってほしい場所があるのです」

 

 

「で、私にお金の工面してほしいと」

「「はい……」」

「わかったわ。はい」

「「ありがとうございます」」

「帰るタクシーも無くなったし、時間も時間だから今日は泊まっていきなさい」

「しかたない。また明日東京に戻ろう」

「……しかたない」

「さあさあ、今日は家族三人で楽しく過ごしましょう。誠ちゃん、明日香ちゃん」

 今日は沼津で聖来姉と明日香三人の久々で家族で過ごす夜になった。

 

 

 

 




メリークリスマス!
サンタさんからのプレゼント貰えましたか?自分は良いものが貰えました。
そして今日はクリスマス。どんな生活を送っていますか?今回の沢田家のように家族で過ごしていますか?自分もクリスマスを楽しく過ごしますのでこのへんで失礼します。
どんどん後書きが短くなてきますね。ではまたお会いしましょう

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