この話のみ、非常に暗いお話になっております。
過去編の回収回だからです。
カナさん編の最終回だったりもするけど。
この話だけです。後は普段の雰囲気に戻ります。
そして、演出を重視した関係上、
分かりにくいことが多いと感じました。
私の力不足で、大事なことも書き忘れてたりね。
なので、最後に解説を着けました。
そして、意味が分からなくても本編に何の問題も出ません。
読みにくい! 暗い! 跳ばしていい?
はい、跳ばしていいです。
私の癖ですね。こういう話書いちゃうの……。
今回だけ! 今回だけだから! 先っちょだけ!
ゆーるーしーてー。
ねぇ、知ってる?
嘘ってね。
なんて。これも、嘘。
◇☆◇
熱く、熱く、煌々と。
赤く、赤く、茜色に。
世界が、燃えていた。
私にとって、大切なものが。
俺から全てを奪ったものが。
泣くことも出来ずに、燃えていた。
私には、何も、出来なくて。
罵声と共に首を絞められた。
息が出来なくて、苦しくて。
どこにも行けない私が、死んでいった。
後を追うように。
か細い腕が赤く染まって。私を呪った。
だから、俺は。私は。
もう、
…………………………………………だ。
◇◇☆◇◇
赤い夢を見た。
遠い昔の記憶だった。
それがいつかなんて、もう覚えてないけど。
とてもとても、大事だったんだと、そう思う。
頭を振って、顔を洗った。
おはよう、今日も良い天気だ。
今は冬だ。11月の後半。
肌寒い風が吹いていて、寒い日だ。
理子と朝食を食べて、学校に向かう。
「かーたん、今日の放課後、いつもの所ね」
「うん、分かってるよ」
まずは、第一段階だね。
「ねぇ、遠山くん。どうして私を避けるのかな?」
「本当に身に覚えがないって言う顔をするな!」
お前は自分が何をしたかわかっているのか!?
と、叫び出した遠山くん。いつものことだ。
「あら、私はCVR所属なのよ? 知らなかった?」
「知ってたよ! ちくしょう!」
と言って彼は逃げ出した。
後二歩ほど踏み込めばヒスってたね。
けど、逃げられたのは悪いことではない。
これ以上話していると殺される。白雪に。
ーーー
放課後になった。
とある高級マンションの一室に入る。
そこには理子がいた。イ・ウーの、理子が。
「さて、かーたん、どうするの?」
と、理子が聞いてきた。
どうして、理子に主体性が無いのか。
理由は簡単だ。
遠山金一、カナさんは
GGGG作戦。フォージー作戦。
クアドラプルは言いにくかったらしい。
本来はGGG作戦だったが、私がGの血族(遠山家のこと)を勧誘するということで、名称が変わった。
とはいえ、遠山金一、面倒くさいな。
これからはカナさんで統一しよう。
カナさんは強い。化け物みたいに強い。
私一人では、搦め手を使おうが厳しい。
なので理子たちに協力して貰うことにしたのだ。
さて、カナさんをどうやってイ・ウーに勧誘するのか。
普通に勧誘しても良い結果は有り得ない。
ここは、私らしく、CVRらしく。
情熱的に。燃えるように、誘惑しないと、ね。
まずは、招待状を送らないと。
もう計画は決まっているんだ。
私が起こす、最初で最後の、大事件。
ねぇ、カナさん。教えて?
貴女はいったい誰を助けるのかしら。
◇◇◇☆◇◇◇
携帯が鳴った。
仕事の帰り道。歩いているときだ。
今日の仕事は早くに終わった。
いや、仕事を入れなかったのだ。
何か、嫌な予感がしたから。
そんな時に、携帯が鳴った。
メール? 誰からの、メールだ?
From: AnaTahAWatAsHinOmONoDayO……
Subject: し ょ うた い じ ょ う
本文:
おめでとうございます!
あなたは、当選いたしました!
イ・ウーのメンバーに、選ばれました!
12月24日の聖夜に!
素敵な一夜を過ごしましょう!
私と一緒に、過ごしましょう!
私と一緒に、遊びましょうよ!
私と一緒に、落ちましょうね!
楽しいたのしい、映画の世界。
私と一緒に、楽しみましょう?
まずは
挨拶を、お送りしますね。
えっ、と思って。
「うわぁぁあぁあああ!
バ、バイクがっ、いきなりっ、なんでっ!?
とまれ、止まってくれよぉおおお!!」
バイクが、突っ込んできた。
っ、荒っぽい、挨拶だな!
まずは救助をしないと。近くにあったバイクを借りる。キーは万能キーを持っていた。
並走すると、機械音声が聞こえた。
『この、ばいく、には、ばんだんが、しかけて、ありやがります。
とまったら、どかん、で、ありやがります。』
まあ、やっぱりそうなるよな。
「君、飛び移れるか!?」
「無理です! そんなことできません!」
「分かった! なら、俺がサポートする!
ゆっくりでいい、こっちに来るんだ」
少しずつドライバーを移動させる。
時間がないな。もうすぐ曲がり角だ。
「目を閉じるんだ。いいね」
「はい!」
一気にドライバーを引き寄せる。
その体重移動を利用して、無理矢理に曲がる。
ふう、何とか曲がれた。
爆弾バイクは曲がり角で爆発した。
そこまで大きな爆発でもない。
怪我人も居ないだろう。
ーーー
バイクジャックには裏がある。
イ・ウーからあんなメールが来た後に事件が起こったのだ。偶然ではない。
そして、バイクジャック事件には微弱だが、特殊な電波が使われていた。
それを追えば、犯人の足取りは辿れるが、
相手はイ・ウーだ。そんな単純な相手ではない。
だが、それも12月24日、クリスマスイブの日までだ。恐らくはそこが決戦の舞台。
それがどこかは分からないが。
当日には連絡が有るのだろう。
……俺は、その提案に乗るつもりだ。
内側から、イ・ウーを潰すために。
クリスマスは、デートか……。
いいだろう、乗ってやろうじゃないか。
◇◇◇◇☆◇◇◇◇
12月の中旬の、東京。
私は、ここに来ていた。
理由は、あの特殊な電波が、この近くで観測されたからだ。
世間から『武偵殺し』と呼ばれている、
連続武偵襲撃事件の犯人が使う、電波を。
今の私は、ヒステリアモード。
カナよ。宜しくね。
私がここに来たのは、当然武偵殺しを捕まえるため。
だけど、きっと無理でしょうね。
相手はイ・ウーのメンバー。
そんなに簡単な相手じゃない。
それに、きっと本人は出てこない。
24日の、私とのデートの準備に掛かりきりでしょうしね。
私もクリスマスデートには、期待をしているの。
きっと、一筋縄では、いかないでしょうから。
電波が走って、悲鳴が聞こえる。
「きゃぁああああああ!」
その声の出所を探して、見付ける。
車だ。武偵高の演習車。
私も持参した車で追いかける。
「そこの演習車! 応答して!」
「は、はい! 状況を伝えます!
車体のどこかに爆弾が仕掛けられました!
既に小型爆弾でエンジンをやられました。
このままじゃ、5分持ちません!」
不味い状況ね。取りあえず救出。
「分かったわ! 貴女、こっちに飛び移れる?」
「やってみます!」
「待って!」
と言って、後ろに迫る無人のルノーのタイヤに、
バックミラー越しに照準を定める。
発砲。ルノーは回転しながら止まる。
もう一台。同様に発砲。止まった。
「今よ、乗り移りなさい!」
「はい! きゃっ、」
制服の少女がバランスを崩した。
「っ、くっ。掴まりなさい!」
片手で運転。もう片方で少女を掴んで。
無理矢理に車に引き戻す。
何とか、なったわね……
「大丈夫? 怪我はない?」
「はい、大丈夫です。ありがとうございました!」
演習車は海に飛び込んで、爆発した。
私は車を止めて、安全を確認。
「災難だったわね。貴女、名前は?」
「あははは、でも、良い経験になったと思います。
あっ、名前でしたね。茜、和菜と言います」
もう一度、ありがとうございました。
と言って、彼女は去っていった。
ーーー
クリスマス・イヴ。
その当日の朝に、招待券が届いた。
クルージング船、『アンベリール号』
日を跨いで航行するイベントの、招待券が。
出発は昼間から。
成る程、素敵なデートだ。武偵殺し。
ヒステリアモードの為にカナになる。
さて、今日はパーティーね。
◇◇◇◇◇☆◇◇◇◇◇
七面鳥。理子が焼いてくれた。
一日早いクリスマスを祝った。
失敗すれば、私は犯罪者だ。
イ・ウーは
用意は終わってるよ、と理子が言った。
チケットは送った。爆弾もおっけー。
通信機も完璧だよ! と両手を挙げて。
「後は、かーたんが説得するんだよね?」
最終確認を行った。
ぶーぶー、理子も乗りたかったのにー、と口を尖らせていた。
「タイタニックに乗りたいの?」
「うん? もしかしてかーたん、ちょっとピリピリしてる?」
生理? と理子が聞いてきた。
私は男だ。
「大事な作戦前だもんね。
理子はバックで通信してるから、ガンバだ!」
……ごめんね、理子。
ーーー
豪華客船、とまではいかない。
だが、充分に巨大な船だった。
アンベリール号、と名付けられたタイタニック号に乗り込む。
暫くして、カナさんも乗り込んできた。
さあ、航海の時間だ。
後悔のない、航海にしようね。
カナさんはパーティー料理にすら手を付けていない。慎重だね。
でも、料理には、何もしていないよ?
船は揺られて、進んでいく。
深夜になって、波が出てきた。
食堂からワインを貰って、甲板で飲む。
船の輪郭沿いに、小さな爆発が起こった。
次いで、機関部で爆発が起こる。
轟音がして、船が傾いた。
ーーー
熱く、熱く、煌々と。
赤く、赤く、茜色に。
船が、燃えていた。
叫び声が聞こえた。
操縦士達が慌てて指揮を執ろうとして、
全員が昏倒した。時間差発症の、劇毒。
誰とも連絡が繋がらないことに気付いて、
喚き散らす声が騒動を引き起こした。
子供の泣き声が響き、親の怒鳴り声が聞こえて。
老人の呟きが、殴られた呻き声に変わった。
人の、音だ。本当の声。建前の無い声。
自分についた嘘を脱ぎ捨てた、叫び声。
私の、俺の、無くしてしまったもの。
もう、どうでも良いけど。
『ちょっと、かーたん、どういうこと!?
聞いてないよ! おい、何とかい──』
ブツっ、と通信が切れた。もう繋がらない。
理子の声すら聞こえない。
この行動は実は理子にも言っていない。
全ての情報網をシャットダウン。
イ・ウーも含めた、全てだ。
ワインを飲む。アルコールが喉を焼いて。
飲みすぎないように注意をしつつ、グラスを──
砕けた。バラバラに。グラスが。
ガンっ、と手摺に何かが当たった。
そう言えば、もう声が聞こえない。
随分と、早かったね……
「ようこそ、タイタニック号へ」
「違うわね、アンベリール号よ。
ねぇ、どうかしら。犯罪者になった気分は?」
茜、和菜ちゃん。と、
私の真後ろから聞こえた。
◇◇◇◇◇◇☆◇◇◇◇◇◇
やってくれたわね、と呟いた。
バイクジャック、カージャックと来て。
クルージングの招待券が届いた。
当然、私はシージャックを警戒していたわ。
だけれど、イ・ウーに取り込まれる予定の私は、派手には動けない。
本当は武偵であることを明かす気もなかった。
お陰で、機関部には入ることができなかったわ。
恐らく、機関部にあるだろう爆弾を処理したところで、第二の爆弾が爆発するだけだろうけど。
操縦席にあった気体状に広がる毒は処理した。
他にも、所々にある罠は解除した。
けれど、一人では手が回らない。
動きがないまま深夜になって、唐突に。
小さい爆発音が聞こえた。
次いで轟音が聞こえて、船体が揺れた。
チャフね、いや、多分もっと高性能な何か。
通信を遮断された。どういうつもり?
これじゃ、イ・ウーとも連絡なんて……
それより前に、船が沈むわ!
乗客を逃がさないと。
その為には武偵であることを明かしても良い。
私は、誰も。
遠山として、武偵として。正義を掲げる限り。
それだけは、できないの。
ロビーでは、騒動が起こっていた。
連絡が繋がらないからかしら。
けれど、それだけじゃなかった。
乗組員が、全員倒れていた。あの毒は囮!?
容態を確かめる。時間もないから詳しくは分からないけど、命に別状はない、と思う。
『武偵よ!』と大声を出して、皆を誘導。
救命ボートに乗せて、脱出させる。
けれど、私は乗らない。まだ一人、残っているから。
武偵殺しが。ここに、いる。
音を立てずに、気配を消して、歩く。
甲板に一人で座っている人物の真後ろに立って。
グラスを撃ち抜いた。
貴女だったんだ。茜、和菜ちゃん。
ーーー
頭に銃を突き付けて。問う。
「イ・ウーのメンバーね。
チェックメイトよ、和菜ちゃん」
私をイ・ウーに案内しなさい、と言おうとして。
「そう、チェックメイト。
私の勝ちだよ。カナさん」
ふふ、と笑っていた。
「分からないって雰囲気だね。でも、もう遅いよ?
カナさん、貴女はミスを犯したの」
「ええ、分からないわね。私がどんなミスを犯したの? 説明して欲しいわ」
「ふふ、欲張りだなぁ。カナさんは。でも教えちゃう。
ねぇ、カナさん。乗客をどうしたの?」
「避難させたわ。救命ボートで……っ、まさか!」
「そう、
貴女、何てことを!
「当然、時限式よ?」
何が当然なのかは分からないが、当然時限式らしい。
「でも、止める手段はあるわ。ねぇ、知りたい?」
振り返って、和菜ちゃんは上目遣いで私を見て。
がくっ、と視界がぶれた。これは、毒?
そうか、カージャックの時にやられたのね。
指が私の頬をなぞって、口付けられる。
「私のモノに、ならない?」
なったら、止めてあげる。
「断るわ」
「あら、残念」
そう言って、唇を舐めた。
「じゃあ、
「……そうすれば、救命ボートの爆弾は止めてくれるのね?」
ええ、止めてあげるわ。と唇が動いて。
「なら、イ・ウーに加入するわ」
「う・そ」
「……どういうつもり、和菜ちゃん」
違うわ、と冷たい声。
「
そんな、捜査目的の
それとも、本当にイ・ウーに入ってくれるの?」
「…………」
無理だ。犯罪組織には、組みせない。
「そんな貴女にチャンスをあげる」
上から、目線。
仕方ないわね。主導権が握れない。
流石、腐ってもSランク武偵ね。
「実はね、解除方法はもう一つあるの」
唇が歪んだ。
「生体センサー。
あの爆弾ね、私の状態に依存してるの」
つまり。
「
ねぇ。
「そのピースメーカーで、平和を作れるわよ?」
「私を、殺せば、ね」
殺すの?
犠牲を容認してでも、誰かを救うの?
正義の名を掲げておいて。人を、殺すの?
ピースメーカーがカタカタと、音を立てて。
和菜ちゃんの頭を。こめかみを。
平和の作り手が、狙って。
引き金に、手が、指が。
震えて。
カチッ、カチッと、静寂が。
砕け散ったグラスの破片が。
私を、犯して。
それでも、私は。
どうしても、私は。
──でき、ないっ。
ガタン、と音を立てて。
私は膝から崩れ落ちた。
「おね、がい。爆弾を、止めて。
貴女のモノに、なるから……!」
◇◇◇◇◇◇◇☆◇◇◇◇◇◇◇
出来るわけが、ないじゃない。
ヒステリアモードになんて、ならなければよかった。
常人よりも早い思考回路が、弾き出してしまう。
彼女の目的を、理解してしまう。
ああ、何てこと。何てことを。
私は、きっと、根本から、間違ってたのね。
彼女の対面の席に座る。
和菜ちゃんは私を見据えた。
「酷いわ、本当に、酷い。
貴女、本当は私なんて見てないじゃない」
ずっと、自分だけしか見ていないわ。
そう続けて。
「私はね、武装と名が着いていても、探偵なの。
なら、私に推理くらいはさせなさい」
ねぇ、和菜ちゃん。
「この勝負、本当は貴女の負けなんじゃない?」
「…………」
ほら、何も言えない。
「だって、この事件は。」
貴女が引き起こした、壮大な。
「貴女の、
否定、しないのね。
そう、この事件は、
私のイ・ウーへの勧誘なんかじゃない。
「私は、ただの口実。切っ掛けに過ぎない。
貴女、誰かに殺されたかったのね。違う?」
貴女にとっての勝利は、
「理由までは、分からないけれど。
貴女はもう、生きたいと思ってなかった。
貴女の行動の節々には、違和感があったわ。
変装において世界でも屈指の、貴女が、ね。」
それだけ、貴女は焦っていたのね。
そして、それと同時に。
「本心を隠すのが天才的ね、貴女。
この事件の本質を騙して、仲間を騙して、
自分を偽って、全部偽ってここまで来ちゃった」
「私も、根本から騙されたわ」
和菜ちゃんが、笑った。
見たことがない、きっと、本当の笑顔。
『もう生きていくのに疲れた』という顔。
空虚な、笑顔。
「そうでもないよ? 打算もね、あったの」
「私は、卑怯ね。本当に、卑怯だわ。
本当の人質はね、乗客じゃないの。
そして、人質を助けたければイ・ウーに入って。
人質を見捨てたのなら、貴女は、きっと。」
イ・ウーに入ったわ。教授を、殺すために。
「違う?」
私は、その問いには答えられない。
その沈黙が、例え肯定を示していたとしても。
ほら、建前上の目的は達成しちゃった、と。
彼女がちょっとおかしそうに笑って。
「でも、貴女も酷いわ。本当に、酷い。
ねぇ、そこまで分かっているなら、」
どうして。
「私を殺してくれなかったの?」
その問いに、返す言葉は決まっている。
和菜ちゃん、私はね。
「私は、武偵よ。武偵憲章第一条」
『仲間を信じ、仲間を助けよ』
「和菜ちゃん。貴女は、武偵よ」
その言葉に、彼女は。
「武偵憲章第四条」
『武偵は自立せよ。要請なき手出しは無用のこと』
「私は、一言も、助けてなんて言ってない」
ここだ。ここは、絶対に、譲らない。
「いいえ、貴女はずっと叫んでいるわ。
こんな馬鹿げた自殺を敢行しておいて。
どうして、私とここでお喋りをしているの?」
あるでしょ? 隠し持ってるでしょ?
「貴女の目的を鑑みれば、もう沈めても良いのよ。
なのに、貴女はここでお喋りをしてる」
それは。
「助けてって、叫んでいるようなものよ!」
和菜ちゃんが、目を閉じて。
「それでも、私は口に出してない。
公言していないものには、意味はない!」
強情ね。
「武偵憲章第十条」
『諦めるな、武偵は決して諦めるな』
「私は、絶対に。
彼女が、驚いたように目を開けて。
「私は、遠山の血族なの。義の一族よ。
だから、要請なんて要らない」
彼女が、怒鳴った。
「余計なお世話だ!!
私は! 俺を! もう、お願いだから……」
でも、その感情はね。きっと、本物よ。
「どうして、私に執着するんだ!」
彼女が立ち上がって叫んだその台詞に。
「理由ならあるわ!」
だって。
「私は、貴女のモノなんでしょう?」
和菜ちゃんが、崩れ落ちた。
「そんな顔を、しないで」
そんなに、みっともなく、泣かないで。
「貴女は、間違いなく、ここに居るのよ?
ちゃんと、その心臓は動いているのよ?」
だから、私が。
「
私ね、戦うことより、治す方が得意なのよ」
この事件は、終わっていない。
貴女の自殺は、終わってなんかいない。
貴女が、ちゃんと自分の足で。
生きていきたいって思えるまでは。
それまでは、私の敗けで良い。
「報酬は、イ・ウーの壊滅に付き合うことよ」
「報酬、取るんだ」
「あら、私は武偵よ。武偵は、報酬で動くの」
酷い人、と聞こえて。
「それより、救命ボートの爆弾。
ちゃんと解除したわよね?」
「ああ、それね、実は──
──真っ赤な、嘘なの」
爆弾は、この船にしか載せてないよ、と。
和菜ちゃんが、綺麗に笑って。
私はうまく笑えなかった。
あなたはこの勝負、勝てましたか?
ガールズラブ(両方男)。どういう……ことだ……
女王様系かーたん。多分見納め。
因みに自殺は推理できるようになっています。
難易度は凄い高い気がするけど。
主に私の力不足が原因。
それかかーたんの実力。Sランクだから(震え声)
理子やイ・ウーと通信遮断はおかしいのです。
そして、イ・ウーの壊滅に興味がない、
といいながら潜入はダメ。矛盾してます。
煽って、自分を殺させようとするのが決定打です。
[解説!]
・謝罪。
まずは謝罪いたします。本当はもっと明るい話だったんだよ?
私のゴーストがね、ゲンガーに進化したいって。
そう、囁くんだ。
でもね、友達居ないから、進化できなくって。
そんなゴーストの闇がこの話を作ったんだ……。
・茜和菜(本物)
昔に色々あって、生きていたくなくなってしまった子供。
もう、生きていたくなかったんだ。
が、冒頭の点線部分。
実はちゃんと過去の設定があります。
次辺りの後書きで箇条書きするか(エグすぎて、ちゃんと書くとR18になりかねないのです)、番外で書くかしますね。
感想等で番外で書いて欲しい、とあれば番外になるでしょう。
本編では言及しません。
理子が生き抜くことを選んだのに対して。
生きていく根幹を失ってしまったのです。
理子が自由を失ってしまったのに対して。
誰よりも自由に
意図して、対比してキャラ付けしました。
同じように、仮面を被って。
ピエロを選んじゃった子達。
これは、生を、自由を。取り戻す物語。
……の皮を被った娯楽小説。
楽しく陽気なストーリーに出来てます。
なので、ちゃんと次から戻ります。
・便利な毒
本当に便利です。コンビニぐらい便利。
時間差、温度差、アルコールに反応します。
乗組員さんは時間差。
カナさんはアルコールです。わいーん。
・アンベリール号事件。
ちょっと真面目な解説になります。
○前日に爆弾を仕掛け終わって、クリスマス会。
かーたんはこのときから焦ってます。
○当日の朝にカナさんにチケットが届く。
パーティー会場をここで知ります。
でも、イ・ウーに勧誘するなら、まさか沈めはしないよね。
○当日の昼に船でクリスマスパーティー。
リア充への恨みの力を溜めて、解放まで、もう少し。
カナさんはブービートラップの解除です。
やっぱり、シージャックね……。
○深夜。まずは超技術のチャフ(イ・ウー製)を撒きます。
これで数時間は電波が届きません。衛生電話系は全破壊。
次いで致命的な爆発。まだ持つけど、このままじゃ沈む。
乗組員をノックダウンさせてパニックを助長。
カナさんはシージャックというより、爆破が目的だと看破。
隠していた武偵の地位を明かして、避難誘導。
計算に合わないもう一人が武偵殺しだと思う。
甲板に出て、グラスを威嚇射撃。アルコールだばー。
この時にはかーたんは変装を解いてます。
○沈み行く船の甲板で最終決戦。
かーたんが殺すようにカナさんを煽っています。
カナさんは目的を看破して、殺さない。寧ろ助ける。
かーたんは、本当は生きて戻る気はありませんでした。
○裏話
生体センサーは本当にかーたんに着いています。
繋がっているのは船の爆弾。爆発すれば全て沈みます。
そして、殺されれば止まります。本当に。
任意で停止、起爆出来る装置も隠し持っています。
こんなものかな。
後は全部解決編でカナさんが喋ってる。
それでは最後に問題です。
かーたんの