SHOW BY ROCK!! 〜白猫と赤いギター〜 作:ノヴァ
前回から投稿期間をだいぶ空けてしまい、申し訳ありませんでしたm(_ _)m
オリジナルバンドのメンバーの設定練り直しに、本家アプリでバレンタインデー阿ちゃんをゲットしたことによる狂喜乱舞(←おい)、表現の仕方で四苦八苦したりと、いろいろあって遅れてしまいました。
お詫びとして今回は2本連続投稿&オリキャラ3人登場しますので、楽しんで読んでいただければ幸いです。
「新規の……バンド?」
俺が聞き返すと、社長は首肯で答えた。
「うむ。実は君と同じように僕がヘッドハンティングした子達が他に3人いてね、その子達でバンドを組んでもらったんだよ。まぁ、まだバンド名も決まっていない生まれたてホヤホヤですが」
社長のその言葉に一瞬「驚いた」と思ったが、よくよく考えれば当然だ。
弱小レーベル(社長談)であるBRRが業界を勝ち残っていくためには、優れた人材の確保を他のレーベルよりも迅速に行わなくてはいけない。それは当然他のレーベルも同じだろうから、少しでも才能のある人が見つかった場合、数多のレーベルの人材奪い合い合戦となる。音楽で全てが成り立つこの世界なら、それが更に熾烈なものになるのは明らかだ。
現に俺をヘッドハンティングしているのだから、勝ち残る為に社長は常日頃から、街で人材探しに精を出しているに違いない。つまり俺以外に人材を見つけていても、おかしな所は微塵もない訳だ。
しかし、当の社長の表情は芳しくない。
「でも、音に厚みが出ない事をメンバー全員悩んでいてね……もう1人ギターをやってくれる子を探していたんですよ」
嗚呼、と俺は心の中でポンと手を叩く。
確かに、バンドにとって演奏者の数は重要な物だ。多過ぎず少なすぎず、どれだけの人数と楽器でそのバンドメンバーの個性と音楽性の魅力を両立させ、発揮させるか。それが鍵となる。
思えばバンドというのは、プロになると4〜5人が大半で、たまに3人編成のバンドがいるくらいな気がする。
それに3人編成のバンドは、個々の個性と音の厚み、音楽性の調和が上手く3人で取れているからそうなっているので、業界ではそうそう居ないはず。現に
まぁ、単に俺の知識が片寄ってるだけかもしれない。ミュージックス○ーションとか、母親から「風呂入れ」と言われてほとんど見れてないし。その辺はネットでかじった位しか知らない。
それでも、3人編成で音が薄くなるのは些か仕方のない事なのかもしれない。それほど3人でのバンドは難しいのだ、多分。バンド初心者なら尚更だ。
「それで、君がギターで入ってくれたらその子達の悩みも解決すると僕は思うんですが──どうですかな?」
「え、えっと……入りたいのは山々なんですけど……。私にそんな大役務まるでしょうか……?」
「心配しなくても大丈夫ですぞ。僕も全力でバックアップしますから、大船に乗った気でいて下さい」
「は、はぁ……」
本当に大丈夫だろうか? この人言動とか行動とかが前向きというかポジティブすぎて、「失敗した時のこと考えていないんじゃないか?」とか思ってしまう。
そのせいもあって、俺も中々Yesと言い出せない。もし期待に応えられなかった時のリターンが怖い。
──と、その時。
「あれ、社長? その子新入り?」
突然、予想だにしなかった方向から聞こえた、気怠げな声。見ると、事務所の入り口に3人の男女が立っていた。
1人はドラムスティックを持った男性。歳は18とかそこらだろうか? 白のメッシュが入った肩まで届く黒髪と鋭い眼光が、クールなイメージを湧かせる。少しばかり刺々しい犬系の耳と尾からすると、多分オオカミ族。
後の2人は俺と同い年位の女の子。1人はギャル風の格好をしたキツネの女の子。小麦色に焼けた肌に映えた金のロングヘアー、ピアスや爪のネイルなど、その姿はまさに「現代のギャル」と言って良いだろう。
もう1人は……なんの動物なのか分からない。
特徴を挙げるとするなら、頭のてっぺんから生えた異様に長いアホ毛と、小柄な体格に似合わない太くガッチリとした尻尾。アホ毛は何故か先端がトカゲの頭の様になっていて、古代の恐竜や首長竜を思わせるけど……。普通の人間の頭から生えてるってことは、アホ毛のあれは偉い人には分からない飾りの様な物なのだろうか? まさかアホ毛が本体じゃあるまいし。
「おお、君達でしたか! まさにその通りですぞっ。あ、よければこっちに」
社長が手招くと、3人はこちらに近寄ってきて俺の座るソファーの傍らに立った。
──それにしてもキツネの女の子…………デカい。
同年代からしてみれば大きい部類に入るであろう今の俺の胸の大きさを完璧に超えている。比率で言えば、俺がソフトボールのボールならあの子は
「へぇー、まーた可愛い女の子口説いて連れてきたんだ? いくらダンディでカッコ良いからって、こんな可愛い女の子を事務所に連れ込むなんてキモがられるよー?」
「失敬な! ナンパじゃなくてヘッドハンティングと何度も言ってるでしょうが! ちゃんと君達と同じ様に事情を説明して連れてきましたぞ!」
「へっ、だと良いが?」
弁明するも、ドラマーのオオカミに鼻で笑われる始末の社長。普段周りからどんな目で見られてるのかが気になる。どうせセクハラ親父としか見られてないだろうが。
しかしそれより……。
「あ、あの、社長……もしかしてこの人達が?」
「ええ、ミオンちゃんのお察し通りですぞ。彼女達が、さっき言った名もなき新規バンドのメンバーですぞ。ささっ、君達。自己紹介しちゃってくださいな」
「はーいっ。ギター&ボーカルのナリーだよーん♪」
「ベースのロホネーです。よろしくです」
「ドラム担当のウォルフだ」
3人の自己紹介が終わると、急いで脳内で顔と名前を一致させる。
キツネの爆乳ギャルの子がナリー。
種族不明のちっこいのがロホネー。
クールなオオカミがウォルフ。
──よし、覚えた。
昔から人の顔と名前を覚えるの苦手だったからな……。こうでもしないと覚えられない。中学まで人見知りが酷かったから尚更だ。
でもキャラは濃そうだけど、3人とも人柄は良さそうだし、案外早く溶け込めたりするかも。
「え、えっと……ミオンです! 初心者のギタリストですが、今日からこの事務所のお世話になることになりました! よろしくお願いしますっ!!」
苦手な自己紹介を少しでも早く終わらせる為、勢いよく立ち上がると最低限の情報を告げて、素早く深めのお辞儀をする。初対面だから礼儀は大切だ。
しかし緊張しすぎたのか、既に汗がダラダラ……。もう16なんだし、いい加減こういうのに慣れておかないととつくづく思う。
「ああそうそう。どうやらミオンちゃん、君達のバンドに入りたいそうでっ」
「ちょっ……!? 社長何勝手に──むグッ!?」
「ええっ!? それマジィ!?」
突然の社長の発言に異議を申し立てようとした瞬間、顔が何か柔らかいものに包まれたせいで口を封じられる。おまけに身体をがっちりとホールドされて身動きが取れなくなった。
「んもぅ、こんなに可愛い子なら全然OKって感じぃ〜? ミオンちゃん初心者って言ってたっけ? だいじょ〜ぶっ! ナリー達といっぱい練習すればぁ、すぐにプロレベルになるから順風満帆的な? とにかく安心してねっ! あ、ところで好きな食べ物はなに? ふむふむ、稲荷寿司? 奇遇だねぇ、ナリーも稲荷寿司大好きなんだよ〜。もう毎日食べてても飽きないよ稲荷寿司は〜。五目稲荷寿司も良いけど〜、やっぱ1番は酢飯オンリーだよねっ! あの適度な酸味が堪んないんだよ〜。あれが飽きることなく何個も食べられちゃう秘密だったりするのかな? あとご飯の代わりに蕎麦をぶっ込んだ蕎麦稲荷も美味しいんだよね〜。麺つゆかけてパクっ、てやるのが美味しいんだよっ! ちょっと薬味を入れるとこれがまた美味いこと美味いこと! 一度で良いからミオンちゃんにも食べさせてあげたいよ〜! 駅前の蕎麦屋で食べられるから、今度一緒に行こうねぇ〜♪ ところでミオンちゃんの推しメンって誰? ナリーは結構迷うんだけど、やっぱトラクロのシュウ☆ゾー君は外せないよねっ! あとはおっとり系なガウガのキンタウルス君も良いよね〜。一度で良いからキン君に甘い言葉をかけてもらいたいよ……。曲がり角でぶつかったりとかして、『大丈夫? 怪我とかしてないかな?』とかもう最っ高!! ああもう萌え死にそう……! あ、それから──」
長い長い長い長い長いっ!!
1分近くノンストップ&ほぼ息継ぎなしで喋り続けるって、一体どんな口と肺活量してるんだこの人!? 入ってくる情報量が多過ぎて頭が痛くなってくる……。どれだけ話のネタがあるんだこの人。
しかも自分の世界に完全に入り込んでしまっていて、終わる気配が全くしてこない。最高にハイってやつだ。
……というか、さっきからのギャルトークガトリングが聞こえてくる方向が気になる。
頭の上からだ、聞こえてくるのは。
──よし、ここで1つ人体の構造について考えてみよう。
人間の発声器官である声帯があるのは喉だ。
仕組みとしては、肺から吐き出された空気によって声帯が振動、吐き出された空気を「声」に変換する。そこから咽頭、気管を通って口から声は放たれる。
音楽生命体ミューモンという人に似て非なる生物とは言え、姿形は人間のそれだから恐らく発声器官の構造は同じだろう。
そして口は、人体の中では上部に位置する器官。脳、眼、鼻、と来て4番目だ。
そんな上の方にある口。そこから発せられる
さて、人間の身体で口より下にあり、口に一番近く、そして今俺の顔を包んでいる柔らかい物が付いていそうな場所といえば……?
そこまで考えて、思考が戦慄する。
──まさか、俺の顔を包み込む
……
夢見ることは易けれど、その身に直に感じるは甚だ難しき桃源郷。
数多見た夢を現実に求め、散っていった男達が絶望の
その手を伸ばせば届けど、在るは遥かなる星の河の中。
その中で永遠に輝き続ける究極の
──O☆PPA☆Iだというのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!??
次は1時間くらい後に投稿します。
それにしても阿ちゃん可愛い(*´ω`*)