古来より人類の歴史が何かしらの戦いの歴史であるように、今なおも刻まれる歴史からも戦いが消える事は無い。
それが、人類が己の住む天体の人間である事を証明する『地球人』という呼称から、果てなく広い銀河の人間である『銀河人』を自称するようになった時代でもだ。
地球の人口飽和を解決するべく各国家政府が結合されUG――政府連合(United Government)が設立し、その政府連合を元に銀河連邦(United Galaxy)が編成され、同じ人間同士の争いが表向きには消えたとも言えるこの時代での人類の共通の敵は、外敵……外宇宙からの未知なる脅威であった。
二二四三年、銀河連邦宇宙軍(United Galaxy Space Force)――UGSFは、未確認知的機械種(Unknown Intellectual Mechanaized Species)――UIMSと遭遇。交戦に入り、新型特殊航宙機を投入し撃退をする。
続く二二四五年には、その派生種であるUIMSΔとの戦闘に入る。戦いには勝利したが、その代償として一つの惑星を失う事になった。
UIMSとの二度の戦いの後、UGSFは一つのプロジェクトを発動した。
また新たに襲来するであろう外敵に対抗するべく、その外敵が発見された時点でどんな手段を使ってでも外敵に対抗できる航宙機を即時開発する為の、特殊航宙機開発計画。
最初の特殊航宙機の名称から名前と取られ、D計画と呼ばれた。
このD計画は、外敵であるUIMSの技術すらも貪欲に取り込み、多くの技術を投入した結果、航宙機の小型化・高機能化を達成する。これが、小機体でありながら大威力を兼ね備えているという先鋭された兵器開発の流れを生み出す事になった。
この流れは銀河の歴史において必然であったのかもしれない。
何故なら、人類は新たなる脅威と出会い、そして永劫のような時の間、敵と戦い続けるからだ。
永遠に繰り返されるかもしれない、終わる事の見えない、長い長い時の間を。
これから記述される内容は、銀河人――ギャラクシアンの戦いの記録、いや『記憶』である。
歴史の事実は消えずとも、その事実以外の不必要な物事は忘れさられ、消えていく。
しかし、物語という記憶は語り継ぐ者がいる限り、形を変えながらも人々の間に語り継がれていく。
そう、これは果てない銀河の歴史の中で、人々の間でいつか忘れ去られていくかもしれない、戦いの『物語』である。
United Galaxy Space Force SS
Galaxian 2279