ある程度リンゴを食べさせた所で、頃合いだと思ったのかルイズが定助に質問をした。
「……で、あの精霊はなんなのよ。キッチリ説明して貰うわよ」
齧ったリンゴを飲み込んだ定助は、細かな欠片の残る口内をモゴモゴとした後に一言確認を入れた。
「精霊……『スタンド』の事で良いんだよね」
「『スタンド』? あの精霊の名前がそれなの?」
「いや、あれは『ソフト&ウェット』って名前」
「んん?」
こんがらがってしまったようだ、顔を顰めて首を傾げる。まずは、『スタンド』と言う群と、『ソフト&ウェット』と言う個を分けて話さなくてはならないようだ。
魔法に関しての先生に、定助はスタンド先生になる。
「『スタンド』って言うのは、種族の名前かな。で、『ソフト&ウェット』は個人の名前」
「ややこしいわね……」
「それは君、横で考えているからだ。簡単だよ、君は『人間』と言う種族の中の『ミス・ヴァリエール』」
「……あぁ、そう言う事。『スタンド』の中の『ソフト&ウェット』って意味よね」
「その通り」
そこで定助は、百聞は一見にしかずと『ソフト&ウェット』を自分の背後に発現させた。いきなりの事なので、ルイズは間抜けな悲鳴をあげてベッドから飛び上がって離れた。
「ぴゃぁッ!?」
「これがオレのスタンドの『ソフト&ウェット』で……」
「いきなり出ないでよ!? 心臓止まるかと思ったじゃない!?」
『ソフト&ウェット』を一個体だと勘違いしているのか、胸を押さえながらそれに向かって怒鳴っている。
「…………ごめん」
勿論、謝るのは定助である。しかしその際でもルイズの視線はベッドの上でふわふわと浮く『ソフト&ウェット』に向けられていた。
妙な感覚だ、存在しているのに消え入りそうな、儚い印象をルイズは受けた。
「…………うーんと……」
「………………」
「ぅ……こ、こんにちは……」
円球を縦に半分に割ったような目で黙って見つめる『ソフト&ウェット』に、耐え切れず普通に、ポツリと小さな挨拶をした。だけど『ソフト&ウェット』は喋らない。
「……じょ、ジョースケ、どうすればいいの……? 怒らせてないわよね……?」
未知との遭遇、日常からの解離。頭脳明晰なルイズと言えど存在しない知識、スタンド。
勝手が分からず狼狽えているようで、縋るような目付きで定助を見つめる彼女だった。見兼ねた彼は、次の説明に移行させた。
「怒っていない……と言っても、『ソフト&ウェット』に明確な意識はない」
「……意識がない?」
「うん。ギーシュのワルキューレみたいなもの、本体の意識……つまりオレの意識がこいつの意識なんだ」
定助の説明が分かりやすいお陰か、元々理解力の高いルイズはすぐに勝手を理解した。
しかし、理解をしても全て解決はさせていないが。
「じゃあ、余計に分からないわよ……確かにゴーレムっぽい見た目だけど……」
ジロジロと、そろそろ『ソフト&ウェット』の存在に慣れて来たルイズは頭から爪先まで、スタンドを良く観察した。細く、儚げながらもシンプルで洗練された見た目、果たしてこれを再現出来るメイジは存在するのだろうかと思うほど、単純で複雑に見えたのだった。
「……ゴーレムと違ってこれは物質じゃないわ。寧ろ……精霊と思っていたから……幽霊みたいだなぁって……」
物質的ではないと言ったが、こうして具現化している姿は非常に物質的だ。質量があり、存在感もある。しかしそこにいながらも存在していないような雰囲気を持っていると言う矛盾かギャップが困惑の理由なのだろうか。追っている存在が近くにいるのに、追っても追っても到達出来ないような不条理的なもどかしさまで感じる。
「……幽霊」
定助の表情は何処か、面白がっているようにも見えた。
「確かに幽霊、間違いじゃあない。スタンドとはそんな存在だ」
「ん? どう言う事よ?」
「そのまんま、スタンドは『自分自身』」
「え?」
まだハッキリと理解し切れていないようで、視点を『ソフト&ウェット』と定助とを行ったり来たりさせていた。
「つまりスタンドって?」
ルイズの問いに、定助はハッキリゆっくり説明する。
「通説では、『魂のヴィジョン』らしい。スタンドは、その人を守る『守護者』であると同時に、その人自身の『精神の具現化』って事」
「え、じゃあ……」
「つまりぃ?」
それを聞いた途端、『ソフト&ウェット』をかなりデリケートに見てしまうようになってしまった。ルイズの理解力は、「つまり」を察知してしまう。
「じゃああんた、自分の魂出してるって事ぉ!?」
「ご名答、だいたいそんな感じ。スタンドが傷付けば、オレも傷付く」
なにも心臓を出している訳じゃないのだが、聞いた途端に生々しさを感じてしまうのは自然な反応だろう。目の前に浮かぶこの存在は、本当に『幽霊』だった。
そしてサラリと肯定する定助の感覚にも、ズッコケそうになる。
「ひ、引っ込めなさいよ! 心臓よりも大事な急所を晒しているって事じゃない!?」
「大丈夫大丈夫。オレよりは丈夫だから」
「そう言う事じゃないでしょ!? ぶつけたりしても命に関わるわよ!?」
お皿片手にオタオタとするルイズをよそに、定助は至って普通な様子で補足した。
「スタンドはぶつからない。決闘の時見たハズだよなぁ、ご主人。ワルキューレは『ソフト&ウェット』を掴もうとしていたけど……?」
「し、していたけど……あ」
思い出した光景は、『ソフト&ウェット』に踏み付けられたワルキューレがもがいて、足を掴もうとしていたシーン。確か、掴めていなかった……いや、『すり抜けた』の方が正しい表現だ。
「スタンドは、他のスタンドでしか接触する事は出来ない。しかしスタンドからは、一方的に物を触る・掴む・破壊が可能」
「……なるほど、『幽霊』って事ね……」
「幽霊かは微妙だけど、近い存在かも」
「はぁ……何でもござれってね……」
「それは魔法だってそうだ」
ともあれ、『ソフト&ウェット』を出していても、ただ単に魂を雨風晒す事になっている訳ではない事は分かった。生々しさは、軽減されただろう。
「……んで、ギーシュを滑らせたのもそれ?」
「うん」
「あれの原理が理解不能だわ……魔法?」
「明言しておくけど、スタンドは魔法と関係ない」
ここに来て、魔法との繋がりが切られた。余計に混乱してしまうのは、魔法脳な彼女としては当たり前の事かもしれない。
「ま、魔法と関係ないぃ? じゃあそもそもスタンドって……」
「似たようだけど、顔見知りみたいな?」
「ますます分からないわよ……」
「……これは難しいから、棚上げしておこう」
膝に置かれていた花束を下ろし、ベッドから立ち上がった定助は『ソフト&ウェット』を引き連れてルイズの傍まで来た。
「あ、背中の捻挫も治っている」
「何する気?」
「実践。『ソフト&ウェット』の魔法とは違う能力の」
するとルイズが定助からバァッと急いで離れた、危険を察知した猫のような身のこなしだ。
「ちょっと!? 滑るのなら家具を避けて、あんたが滑ってよね!?」
「……………」
どうやら、自分が滑らされると勘違いしているようだ。
「あ、ご主人、滑らせるのが能力じゃないから」
「じゃ、じゃあ何する気なのよ?」
「ここの壁にしよう」
首筋の痣に指を持って行くと、ポワッとシャボン玉が痣から吐き出されるように現れた。フワリと痣から離脱し、定助の手の指と指の間で停止する。
「痣から泡が出るの!? どんな体内構造なのよ!?」
彼女には、シャボン玉が何処から出たのかを良く見せていなかったか。
「『ソフト&ウェット』の力だ、オレの体内から出ているんじゃないからなぁ…………気持ち悪がらないでね?」
変な生理的嫌悪を起こしたルイズに軽く傷付きながら、腕を軽く振ってシャボン玉を前へ飛ばした。ふよふよと浮かんで進み、壁に当たってパチンッと割れた。
「………………」
何も起こらない。
「……シャボン玉飛ばしただけなの?」
少しだけ疑いが生まれたルイズは、シャボン玉が割れた辺りから定助へと怪訝な眼差しを移した。定助の表情に狼狽えとか困惑とかの色はなく、確信したようなしたり顔だった。
「いいや?『ソフト&ウェット』の能力は確かに行使された」
とは言うが、壁にもルイズにも定助にもその他全て、何の変哲もなく存在している。
「……何も起きないけど?」
「起きる事じゃなくて、起こす事だ。シャボン玉が弾けた辺りの壁を叩いてみて」
「叩く?……変な事しないわよね?」
「キミに対して起こる事じゃないってのを、約束しておくよ」
そこまで言うなら本当に何もしないと信じたルイズは、お皿を小テーブルの上に置いて恐る恐る壁へと近付く。
「……何もしない?」
「うん」
「……始祖ブリミルに誓う?」
「……分からないけど、誓っとく」
ルイズのしつこい念押しを受ければ、とうとう決心つけたのか拳を作り、壁をノックしようとした。出っ張った中手骨を軽く当てるように、コンコンと。
「……あれ?」
叩いてみれば、違和感が出来た。
もう一度ノックをしてみる、今度は少し強めに。それでも起こらないので、拳の側面で強く叩いた。しかし、起こるハズの現象が起こらないのだから、ルイズは困惑している。
そして縋るかのように、その様子を楽しむように見ていた定助へと顔を向けた。
「……『音』が鳴らない……!」
またしつこく、再確認するように叩くのだが、壁からは何もないように音が響かないのだ。手にはぶつけている感触はする、でもうんともすんとも言わない壁。無音室の壁でも叩けば鳴る、常識だ。
「なにこれ!? さ、『サイレント』の魔法!?」
「重ねて言うけど、魔法とは関係ない。『ソフト&ウェット』の能力は、『何かを奪う』のが能力」
「何かを、奪う……?」
「そう」
驚き顔のルイズの前で、定助は続けた。
「今、この壁から『音』を奪った」
「お、音を奪うぅ!?」
それでもまだ困惑しているルイズに、更に説明を付け加える。
「『ソフト&ウェット』が放ったシャボン玉が対象近くで弾けた時、そこから何かを奪う事が出来る。物質なり概念なり……兎に角、何かを奪う事が出来る」
「え、詠唱もなしに使用なんて……それに形のない物を取るなんて、そんな魔法聞いた事がないわよ!?」
「魔法じゃあない、別の能力。これによって壁から『音』を奪い、何をしても響かなくしたし、ギーシュの時は『摩擦』を奪ったから滑らせる事が出来た」
『ソフト&ウェット』は依然として、ふわふわ漂っていた。ジィッとルイズを定助の背後から顔を出して、眺めていた。大体理解はしたものの、聞けば聞くほど不気味な存在だと言う事には変わりないだろう。
(一体、何者なのよ……ジョースケは……)
妙な能力と、妙な存在『スタンド』。魔法とは一線を成す、メイジと張り合える強力な能力。
そうだ、この『スタンド』は能力だけではなく、青銅を木っ端微塵にする強力なパワーを有していたのだった。まさに人間離れした能力である。なので、必然的に「東方定助」と言う人物への謎が深まって行く。
(……まさかジョースケのって……『先住魔法』……?)
とある仮説を考え、確認の為にチラリと定助を見やる。特に『耳』に注目したが、丸いカーブを描いたルイズと殆ど変わらない形状の耳。
(…………エルフには見えないわよね……でも……)
考え事をしていて黙り込んだルイズを、訝しむように見る定助の視線に気付き、言葉を急いで構築させた。
「あー……なんと言うか……途方もないわね…………思考が追い付かない……」
「とりあえず、『ミス・ヴァリエールの使い魔』として恥じない技量……って事だけは認めて欲しいなぁ」
「……認めるわよ、ヴァリエール家からの太鼓判よ……」
能力の善し悪しで言うなら、文句無しの……寧ろ、有り余ってしまいそうな能力だった。定助を認める一方、少しだけ恐れに似た感情さえも出ていた。
「認めるけどジョースケ、あまりその……『ソフト&ウェット』?……それ、衆目に晒さない方が良いと思うわ」
「ん? それはなんで?」
「…………剣を鞘から抜いたまま歩くような物よ、警戒されて攻撃されても文句言えないわ」
なるほどと、定助は頷いた。言えど定助は、あまり晒すつもりはないのだが。
ただ本人としては、ルイズに認められた事に対しての嬉しさが先にあった。
「善処しておくよ」
理解した旨を言葉にして伝える間、出していた『ソフト&ウェット』を消した。
「……いたっ」
傷が少し痛んだので、さっさとベッドの上に腰を下ろす。その間にルイズが壁を再度叩けば、何事もなく音が鳴った。
「無理したら駄目よ? あんた、立っているのが不思議なほどの大怪我だったのよ」
「それほどだったの?」
「……えぇ、正直立った時、人間じゃないかと思ったわ……あ」
そこまで言って何かを思い出したようで、新たな質問として放った。その間、ナチュラルに定助の隣へ座っている。
「ねぇ、『ソフト&ウェット』は何で出せたの?」
ギーシュの攻撃を食らい、体を強く壁へぶつけた彼だ。もう意識もフワフワしているようだったし、誰が見ても再起不能の状態のハズ。しかしその時に『ソフト&ウェット』が出現、水を得た魚のように定助は立ち上がったのだった。
「それに、『ソフト&ウェット』出した時に元気になったじゃない。あれも能力なの? ほら、『痛みを奪う』とかして?」
「あー……うーん……」
その問いに、定助はとうとう首を傾げた。
「いや……アレはまさに理解不能……いきなり痛みが消えたし、体も軽くなった」
「だから、『ソフト&ウェット』でしょ?」
「……『ソフト&ウェット』の能力は自分に対して使えない。物事は都合の良い事ばかりじゃあないみたいだ」
「そ、そうなの? じゃあ……うん?」
可能性を広げる。何者かの介入か……いや、これはあり得ないだろう、メリットがない。貴族はまず、損得で動く者が殆どなので、一平民を助けるなんて事は意味がない。それに、一時的に痛みを消すなんて魔法を使う者なんか記憶にない。
それとも、定助の気付かない『ソフト&ウェット』の能力か……これだったらもう、ルイズの入る隙間はない。彼女に『スタンド』と言う未知の能力の知識なんか持っていない、ここでストップだ。
「……何で立てたかは良いわ、何で出せたの?」
「あぁ……それは……」
今度、思い出したのは定助の方だった。彼が『ソフト&ウェット』を思い出した要因と、その瞬間がフラッシュバックする。
「……クワガタ……あ!」
ポケットに両手を突っ込む。
中身は空っぽ、弄ってみるも布を擦る触感のみ。頭だけのクワガタは何処かへ行った。
「ない……あ、多分、倒れた時に落としたまんまなんだ」
「どうしたのよ? 無くし物?」
「クワガタの頭」
「………………」
思わずルイズは口を噤んだ。何か大事な物と思ってはいるのだが、クワガタの頭だけなのでどう反応すれば良いか分からないのだ。
「……あんた、変な儀式にハマったりしてないわよね?」
「……そんな事しないよ。誓う誓う」
とは言うものの、『スタンド』の性質的にも悪魔の儀式染みている節があるので疑ってしまうだろう。しかし、本人がこう言うのだから、信じてあげるのが主人としての役目だと考え直した。
「でも……なんでクワガタの頭なんて持ってたのよ」
「……いや、これは思い出せない。だけど、持っていたし、お陰で『ソフト&ウェット』を思い出せた」
フワリと、『ソフト&ウェット』が出現する。定助の隣に、やや猫背の状態で座っていた。
左から『ソフト&ウェット』、定助、ルイズの順番でベッドに座る様は、客観的に見たら凄まじい光景だなとルイズは苦笑いをした。
「クワガタの頭で、何で思い出せたの?『ソフト&ウェット』の姿形がクワガタに似ていたら良いけど、ツノすらないじゃない」
「ご主人、クワガタのハサミは『ツノ』ではなくて『顎』だ」
「いちいち良いわよそんな知識ッ!!……で?思い出せた要因ってのは?」
すると『ソフト&ウェット』の肩が少し前へ出された。面長いハート型をした肩の装甲部分には大きく黄色い星が描かれている。
「クワガタの額の所に、『星マーク』が貼られていて、痣の事を思い出した……それと、洗濯した時に見た『シャボン玉』が頭の中で繋がったんだ。決定事項と言えるほど、二つは自動的に頭で合致したんだ」
「ふーん……さしずめ、意識化したって事?」
「そう言う事。クワガタがポケットから出て、オレの目に写らなかったら死んでいたよ……」
膝に乗せていた薔薇の花束を持ち上げて眺める。
「……死にかけたとは言え、あいつも反省したみたいだし……」
「あいつ、あんたに友情感じていたわよ……大事な事を教わったのなんのって」
「ははは……なら許す。根までは悪い奴じゃないみたいだし……『終わり良ければすべて良し』だ」
何処までもお人好しな定助。自分を死の寸前まで至らしめた相手に対してでも、和解をするなら許してやる彼の寛容さが羨ましくもあり、同時に嬉しくもあり。
しかしお人好しなだけではない。敵に果敢に挑む勇敢さを兼ね備えた一人の戦士でもあった。両方の強さを持つ、彼女の使い魔である。
「兎に角、クワガタに疚しい事がないなら良いわ」
「だから儀式とかじゃないって……」
「で、どうするの? クワガタ」
定助は『ソフト&ウェット』を消すと、立ち上がった。テーブルの上に花束を置き、帽子を被り直す。
「探しに行くの? 別にいいけど……あんた、さっき痛がっていたけど怪我は大丈夫?」
「うん、もう平気。それにクワガタ、なんか大事な物の気がするから」
「あれから三日経ったんだけど、あるのかしら?」
「軽く探すだけ、みんなとの挨拶も兼ねるし……見つからないなら諦めるよ」
それに合わせてルイズも身支度を始めた。どうやら彼女も付いて行くようだ。
「じゃあ私も……午後の授業もあるし」
「行こうか」
扉を開けて、ルイズに先を譲る。この動作もやっと、板に付いてきたようだ。出会った時のドタバタが早くも感慨深い。
身支度を終えたルイズが、廊下に出ようとするが、定助の隣でピタリと止まる。
「あと、シエスタから聞いたけど、昼食抜きを破ったって?」
「……あ」
記憶が三日前のお昼に戻る。定助はヒヤリと、背筋が凍ったような。一瞬で凍て付く超低温の世界を味わったような気分だ。
「…………はい」
「………………」
「………………」
「……怪我人に罰は出来ないわよね。私はそこまで鬼じゃないし」
それだけ言ったら廊下へツカツカと出て行った。彼女を背中を眺めて、怒られる物だと思っていた定助はポカンとしているだけだ。
「ほら、何してるの? 早く来なさいよ」
「あ、うん……今行く……」
ルイズを待たせた定助は、急ぎ足で出て行ったのだった。
「代わりに、私の言う事に従って貰うから」
「……それは今までと同じじゃあ……」
「言うほど聞かないじゃない、ジョースケ?」
「……すいませんでした」
申し訳ない気持ちのまま、扉に施錠をする。
説明回でしたが、次回はムフフにしたいもんですね(外道)
5/11→修正と加筆を少し