「………ありえない。何かの間違いではないのか?」
「どうしたんだ海人。おかしな作戦指令でも届いたのか?」
前線に設置された臨時鎮守府で引き続き第二次作戦に関連した執務作業を行っていた僕は新たに届いた作戦指令を読んで顔をしかめた。
読み終わったからその書類を出番がなく若干ふてくされ気味の長門に手渡す。
『第二次マレー沖海戦参加要請
敵東洋艦隊の主力、Z部隊が港湾要塞を出撃、北上を開始した。
同部隊は強力な戦艦二隻を主力とした我が方への大きな脅威である。
海孤島鎮守府艦隊は「連合艦隊」を編成、展開を進める基地航空隊と共同し、これを洋上で補足、撃滅せよ。
また、可能であれば同方面の敵橋頭堡、港湾要塞も破砕されたし』
「お、おお!!ついに艦隊決戦というわけか!………胸が熱いな!」
「………なんでまだまだの新米のはずの僕らがかり出されるのさ。前線はそんな切羽詰まっているの?」
「そんなことか?どういうわけかうちは一部に限れば十分前線でやれる戦力があるからじゃないか?」
「ほんとなんでとんでもない練度の人がいるんだろうね」
特別なことをした記憶は全くないのに。
「まあ作戦への参加要請が出ているんだ。まずは連合艦隊を編成するところから始めよう。輸送護衛部隊は今回の作戦に適していないから論外として」
「それ以前に連合艦隊って何?」
「………海人ぉ………」
だから仕方ないでしょうが。連合艦隊っていう単語は聞いたことはあっても運用したことがないんだから。
『連合艦隊編成』
作者メモ:E-3突入時の編成がこちら。海人も同様のものを編成しました。
第一艦隊
摩耶改二:Lv75
長門改:Lv97
陸奥改:Lv61
瑞鶴改:Lv48
蒼龍改二:Lv82
赤城改:Lv83
第二艦隊
夕張改:Lv68
夕立改:Lv52
霞改:Lv48
吹雪改:Lv42
利根改二:Lv70
最上改:Lv41
機動部隊で出撃。ちなみにこれ以外艦娘のレベルは基本的に低い。
「………むう」
「ほんとごめん、長門。旗艦は艦隊司令部を使う兼ね合いもあって摩耶さんにしたくって」
「別にいいさ………お前が艦隊司令部の運用を考えているだけで私はうれしいんだからな………はぁ」
落ち込みっぷりが半端じゃない………連合艦隊として出撃するみんなが集まっている中でただ一人落ち込んでる。
「というか奇跡だな。こんな大規模作戦直前にアタシの練成が間に合って改二になれたと思ったら、しかも対空能力が重要な作戦だったとは思いもしなかった」
「本当に奇跡だと思う………みんな。この作戦に参加する以上、厳しい戦いになると思う。僕からは頑張って、としか言えないけど………絶対に生きて帰ってきてよ」
「はい、一航戦の誇りにかけて、みなさんを守って見せます!」
「海人さん何か悪い物でも食べたの?」
「瑞鶴それどういうことかな………?」
「いや、海人さん普段まじめにやっている印象がないから」
失礼な!まじめにやっても知識不足だから空回りしてるだけなんだけど!
「それすっごいたちが悪いっぽい」
「………帰還後に用意しようかと思ってた甘味、全部後方待機でいじけてる大和と加賀にあげちゃおうかな」
「なにぃ!?海人、それは横暴すぎるのじゃ!」
「はいはい、甘味が欲しかったらさっさと出撃する!だけど焦り、慢心は禁物だよ!作戦が無事に完遂できるようにみんな頑張って!………連合艦隊、出撃!」
「「「「「「「「「「「「了解っ!!」」」」」」」」」」」」
みんなは、力強い返事とともに母港をはなれ、作戦海域へと向かっていった。
………その後。帰ってきた報告は。決して喜ばしい物ではなかった。
『戦果報告』
「敵の艦隊には十分な被害を与えられた。だけど………被害が大きすぎる」
作戦報告書には敵の撃破数や与えた被害。そして受けた被害が記されている。
敵にはあの戦艦棲姫と泊地型の深海棲艦が確認されている。敵も本気みたいだ。
問題は被害だ。大破4名中破4名。作戦参加者の三分の二が大きな被害を受けている。正直不味い。
このまま作戦を継続すると資源を大きく減らすことにもつながる上に、いつか絶対作戦が破綻する。
「………編成は変えるのは難しいよね、瑞鶴?」
作戦に参加した正規空母の中で唯一無傷だった為僕の作戦報告書制作を手伝ってくれた瑞鶴に尋ねた。
「一応あの編成がこの作戦ではベストメンバーだと思うし、変えるとしてもせいぜい長門さんか陸奥さんを大和さんに変えるくらいだと思うけど、被害を受けたときを考えると………」
「大きな被害を受けて修理って考えると頭が痛い」
「そうよね………となると装備を見直すのが最適でしょうね」
「………うち、ろくな装備ないしなぁ」
うちは艦娘は割といる。だけど装備となると壊滅的だ。電探くらいしか性能の高い装備は整っていない。
艦載機は悲しいことに性能が高い艦上戦闘機が紫電改二がわずかしかない。他の種類は悪くないんだけど………
「というか、相手の航空戦力が本当に高すぎるわ。うちでも性能の高い方の艦戦の零戦52型を全員配備してるけど数か足りない。彗星も流星もかなりの数が落とされたし、制空権も劣勢だった………くやしいけど、空母は今回艦隊を守ることに専念した方がよさそうよ」
「………やっぱりつらい?」
前に赤城さんが艦載機は自分の子供みたいなものと例えていたのを思い出して尋ねた。
「当たり前よ。敵の艦載機から艦隊を守れないなんて、正規空母の名が泣くわ」
「………そうだよね。艦載機の搭載数を見直そう。みんなには悪いけど空母の攻撃力は今回当てにできない。艦隊を守らないと生きて帰ることすらできなくなる。艦爆や艦攻を下ろしてすこしでもみんなを守るための零戦を積んでほしい」
「わかったわ。他の二人の搭載機データもここにあるからみんなが入渠中の間、一緒に搭載する艦載機のバランスを決めましょう。それにここで開発を行って艦戦をつくるというのも手の一つね」
「………え?ここそんな設備あったっけ」
「海人さんはどこへ行っても海人さんだった」
………ちなみに、瑞鶴と一緒に開発を行ったところ。
「全部九九式艦爆ってどういうことなのさ幸運艦」
「だ、ダメなときはとことんダメなだけなんだから、多分!」
………そういえば。蒼龍さんって前に胸を押さえて「九九艦爆がはみでちゃいます」とか言ってた気がする。
「………瑞鶴の胸からはみでちゃった?」
「爆撃されたいんですか!?」
「思わず言っちゃっただけだから勘弁してください!………そうだ。爆撃と言えばこっちも大変だったんだよ?敵の戦闘機が空襲しかけてきたんだ」
「え、そんなことがあったの!?被害は!?」
「ほとんどなし!誰かが艦載機飛ばして迎撃を開始してくれたから大きな被害が出なかったんだよ」
「………それ、基地航空隊じゃないんですか?」
「何それおいしいの?」
「あんたって人はぁぁぁ!!!」
なんで怒るのさ瑞鶴っ!?
『基地航空隊』
「………というシステムなんです。先ほどまでは予備の零戦を配備して対空待機させていました」
入渠が終わって帰ってきた吹雪ちゃんから説明を聞いた。
基地航空隊と言ってもぶっちゃけ妖精さんがレゴとかで作った空港のおもちゃみたいに見える。
だけどこれがさっきは鎮守府を守ってくれたんだ。侮ることはできない。
「しかし誰が配備したんだろう」
「海人さんですが」
「えっ」
記憶にないんだけど。
「まあ私が作った書類に海人さんがサインしただけですが」
勝手に何やってんの………でもよくやった。おかげで助かったんだし。
………ところで。
「基地航空隊の滑走路なんか見覚えあるんだけど」
「大和さんが以前踏み抜いた戦艦タイルの床を再利用しました」
大和ェ………
E-4一応攻略中。資源足りてくれよ………?