艦隊の指揮をとれますか?   作:あおい安室

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明日から修学旅行で関東に遠征してきます。横浜の赤レンガ倉庫を見てみたいなーとぼんやり考えていますが飛行機で行くので落ちないよな?落ちないよな?と不安です。

それと先日京都から帰ってきた弟からは艦これのスタンプラリーの台紙をもらえました。
なお景品の吹雪バッジは品切れだったとか。12月までキャンペーンやるらしいのにそんなんで大丈夫なのか。


悩みを抱いてカレーを食べる

葉っぱのない桜の木の下。そこに僕と一人の少女がいる。

少女のことは良く知っていた。

 

「私が海人くんに関わると、迷惑をかけるから………もう、海人くんには会わないことにしたいの」

 

僕はうろたえる。そんなことはない、と彼女の言葉を否定する。

しかし………

 

「もう、いいから………そんなことを言わないで。ごめんなさい、海人くん………さよなら」

 

彼女に向かって手を伸ばす。その手は届くことはない。

彼女は遠くへ歩いていく。

彼女の姿が見えなくなったところで………

 

 

目が覚めた。

酷い悪夢だった。

情けない。少し前の話とはいえまだあの出来事を引きずっていたとは。

みんなには話せないな………

 

「………はぁ。本当に僕って弱いなぁ」

 

「私はそんなことはないと思うぞ?」

 

「うわっ。な、なんだ那智さんか」

 

目を覚ますとそばに那智さんがいた。

あれ?この部屋は………どこだろう?見覚えがないようなあるような………

それに今は夜だ。青葉さんと話した時はまだ夕方くらいだった気がする。

 

「ここは鎮守府の寮、木造校舎。その重巡部屋だ。衣笠と利根は見回りだ。昏睡したお前をハンモックで放置するのは不味いからな」

 

「なるほ………待って。この布団誰の?というかいつ買った?」

 

「それは私の布団だな。買ったんじゃなくて妖精が作ってくれたんだ。あいつらに頼めば簡単な服や家具なら作ってくれる。お前も利用するといい」

 

「わかった………それで、僕は土下座すればいいのか首を吊ればいいのか」

 

「どうしてそうなる」

 

女の人の布団で寝るとか何やってんのって話じゃないか。

罪悪感がものすごいんだけど………

 

「それはすまなかった。だが疲労をため込みすぎるお前も考え物だぞ?」

 

「疲労のため込みすぎ?」

 

「そうだ。吹雪たちが呉であまりにもお前が遅いから様子を見に来たら死んでいるかのようにぐっすりと眠っていたんだ。それで海孤島に連れて帰ったんだ。医者の診断では精神的に強い負荷がかかったせいでため込んだ疲労がどっと出たらしい。提督は性質上精神に何かの影響が出ることが多いと聞く。気を付けるといい」

 

「わかった………」

 

………『ここまで艦娘のことを思っているとは思いませんでしたよ、本当に馬鹿ですねあなた!』、だって?

………じゃあそんなことを思っている僕がおかしいのか?だからこんなに疲労がたまっていたのか?

 

「………はあ。なんだかお腹空いたな。伊良湖さんは起きてる?」

 

「いや、もう眠っている。だがお前が起きたとき用に何か作ってくれているはずだ。とりあえず食堂に行ってみろ」

 

「わかった。いろいろとありがとう、那智さん」

 

僕は部屋を出て少し自分の部屋へ寄り道してから食堂へ向かった。

ところで那智さんはもう少し恥じらいを持ってほしいと思う。

多分僕大人の女の人には弱いし………

 

 

 

「………家からランタン持ってきておいてよかった。明かりをつけなくて済むし。こんなことに使うとは思わなかったけど」

 

食堂に入る。たぶんどこかの部屋で伊良湖さんが寝ているはずだ。起こさないようにしないと………

冷蔵庫は厨房のはず。何かあるとしたらそこだろうか。

厨房に入って確かめる。

 

「あった。これだな。というかまたカレーがメイン?先週も出てた気がするんだけど………ま、おいしいからいいけど」

 

「動かないでください」

 

「っ!」

 

冷蔵庫に気を取られている隙に誰かが後ろに回り込んでいたようだ。

女の声………誰だ?まさか、あの青葉?

 

「………ふふっ。油断するのは提督にとって悪い癖ですよ、海人さん」

 

「ふ、吹雪ちゃんか………脅かさないでよ。それにどうしてここにいるの?」

 

「夜中に目が覚めたらのどが渇いていたので飲み物を取りに来たんです。そうしたら冷蔵庫の前に人影があったので怪しいと思って後ろをとったんです」

 

なるほど。しかし本当に気配がなかった。影が薄いのだろうか………

 

「怒っていいですか?何を考えているのか予想できましたので。私は別に影は薄くありません!」

 

「ごめんなさい」

 

僕は考えていることがよっぽど顔に出やすいのだろうか。

 

「謝ってくれるなら別にいいです。海人さん、体に変なところはありませんか?心配したんですよ?」

 

「今のところ体に特に異変は感じてないかな」

 

「………本当ですか?あるはずのないものが見えたりしていませんか?」

 

「それはわからないかな。艦娘にしか見えないものとかもあったりしそうだし」

 

「それは一理ありますね。とにかくどんなことでもいいですから変わったことがあったらちゃんと報告してください」

 

「わかった。ところで今って時間あるかな。一人で夕食をとるのはちょっと寂しくて………」

 

「ふふ、しょうがないですね。私も夜食をとりましょうか」

 

冷蔵庫にあったカレーとおかずをとって適当なテーブルに座る。

 

「そういえば、なんで夕食がカレーなのか知らない?提督になってからやたらとカレー食べているような気がするんだけど」

 

「ああ、海軍カレーですね。やっぱり知らなかったんですか?」

 

やっぱりって………

 

「かつて海軍では海上生活においての食事の偏りによる栄養不足が問題となっていました。そこで当時同盟関係だったイギリスの食事を元にしてカレーライスを制作するようになったんです。それが海軍カレーですね」

 

「………イギリスって吹雪ちゃんたちが軍艦だった頃って敵だったんじゃ?」

 

「はい。ですから明治時代の頃ですね。海軍カレーが日本のカレーのスタンダートを作ったと言っている人もいるそうですよ」

 

「か、海軍ってすごいな………」

 

「まあ、そのせいか艦娘にはカレーが好きだったり作れる人が多いんですよ。艦娘には建造した提督によってある程度個性があるそうですがカレーが嫌いな艦娘はまれらしいです」

 

「なるほど。まあ、カレーは嫌いじゃないし別にいいかな」

 

それにおいしいし。伊良湖さんって何を作ってもおいしいけどカレーはなんというか格別な感じなんだよね。

海軍ゆえだろうか。

 

「あとカレーは肉じゃがと材料が同じなので流用できるのも評価点ですね」

 

「ジャガイモ玉ねぎニンジンとか結構同じだね………なんか食べたくなってきた。白滝とグリーンピースも入れて触感を楽しみながら白米を食べるのが最高にうまいんだよね」

 

「やめてくださいこっちもでお腹がすいちゃいます」

 

「わかった。今度作るよ」

 

「あ、みんなの分も作らないといけないので海人さん頑張ってくださいね」

 

「艦娘のみんなと僕の分で………16人くらいか」

 

「そういえば妖精も食べるかもしれませんね」

 

「妖精いっぱいいるから数えようがないんだけど!?それに絶対100単位でいそうだし!吹雪ちゃんもにくじゃが作るの時は手伝ってよ」

 

「すみません私料理したことがありません」

 

「いや、大丈夫だよ。僕が教えるからさ。ゲテモノ作ったりはしないでしょ?」

 

「その点は大丈夫ですよ………たぶん?」

 

どうして自分のことなのにわかってないの?

 

「艦娘にはどこをどうすればそんなものができるのか突っ込みたい料理を作る人が割といまして………」

 

「艦娘ってなんなんだ」

 

僕らはしばらく談笑した。

 

………確かに僕は馬鹿なのかもしれない。いや、提督としての知識のなさにはあきれるどころじゃない。

それでも………僕は、考え方を変えることはないだろう。

僕は、こうやって誰かと話していたりするのが好きだ。

できることなら、ずっとこうしていたい………

こんなことを考えるのは提督失格なのだろうか。

提督をできることならすぐにでもやめたい僕が願っていいことなのかはわからないけど。




吹雪は好きなんですよ。ただどうも格好いいのが似合わない気がする。
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