なんかすっごくひさしぶりに投稿しますのでちょっと記憶があやふや。
作品読み直さないとなぁ……
それはつい先日のこと。
夜の執務室。部屋のソファには僕と那智さんがいた。
「ほう……海人。お前、綺麗な鎖骨をしているな。それに無駄な脂肪もほとんどない。が、筋肉も少ないな。まあそこはこれから改善していけばいいだろう」
そういって那智さんは僕の肩から肘までをなぞる。くすぐったい……
「いやいやそうじゃない。鎖骨とかどこを見てるんですか那智さん、って痛い!!」
「ふむ。もう少し力を抜け。でなければもっと痛いぞ?」
「もう既に痛いから!これ以上はもう無理だって!!」
「何、まだいけるさ……!」
「いやらしいことをしている様に聞こえたんですが、いったい何してるんですか二人とも……」
ドアの開く音とあきれた吹雪ちゃんの声が聞こえて目を向ける。
那智さんが僕にマッサージを施しているだけなんだけど。
「間接の曲げ伸ばしですか。無駄ではないとは思いますけど、どうして那智さんがしているんですか?」
「この学校の図書館にあった本を工廠の倉庫に移しているのは吹雪も知っているだろう?あの図書館は厳密には島民用の図書館だったと知ってな。様々な本があるのなら海人のトレーニングに役立ちそうな本もあるのではないかと思って探してみたらこいつを見つけた」
そういって那智がテーブルにある本を指さす。『入門!間接リラクゼーション』と書いてある。
「訓練を見ていたが、海人は体がやや固めだったからな。もう少し柔らかくなければ今後の訓練で怪我をする可能性が高い。しっかりと体を調整しておかないとな」
「そ、それはいいんだけど……もう、限界っ……!!」
ゴキャリィ!!
「っ、うあぁぁぁ!痛い痛い痛い痛い!!」
「あっ……しまった、曲げすぎた」
「今思いっきりヤバい音がしましたよ!?何やってるんですか那智さん!?」
……なんてことがありまして。海孤島を離れて呉の病院で診察を受けた結果。
レントゲンから判断すると関節の軟骨組織が損傷を受けたらしく、一週間ほど入院することに。
退院後は激しい運動、もちろん訓練も1ヶ月ほどは控えることに。なんてこったい……
それで僕は呉鎮守府内の病院にいる。海軍関係者だから多分普通の病院に入れられないんだと思う。
鎮守府内に病院があるのは驚きだけど。
海孤島は吹雪ちゃんがなんとかしている。書類とかを任せてしまい申し訳ないと思う。
帰る時は何かお土産でも買っておこうか。まあそれはともかく。
「あなたが柱木提督ですか?先日はチョコレートありがとうございました!」
「は、はぁ……」
この展開何度目だろうか。入院して初日だけどこれで防湿を尋ねてきた艦娘は16人目くらいだ。
そんなに呉の艦娘は暇なんだろうか。
「阿賀野さんから聞いたんですけど、なんでも友達が少なくてまともにチョコレートがもらえないかわいそうな人なんですよね?大丈夫ですか?」
……うん。やっぱり阿賀野はぶっとばす。少なくとも海に突き落とす。
会った艦娘からやたらと哀れむような目を向けられるこっちに身にもなれ。
みんな悪気は無いんだろうけど、泣きたくなってくるんだけど。
「それでは、私もそろそろ仕事がありますので。お体にお気をつけて」
「うん、ありがとう。君も頑張ってね」
来客が出て行ったのを見届けて、一息つき、島から持ってきていたバッグから数枚の書類を取り出す。
すでに仕事で処理した物のコピーかつ、機密資料でもないので持ってきていることに別に問題は無い。
持ってきていたのは龍田さんが配属されることについての連絡の書類だ。
以前処理したときは普通の書類だと思っていたけど、龍田さんについて知った今では数少ない情報源だ。
部屋を訪れた呉の艦娘に呉の龍田さんについて聞いてみたけど、怒ったときは怖いけど仲間を心配してくれるいいお姉さんらしい。そんな様子はこっちの龍田さんには全くない。一体過去に何があったんだろう。
プライバシーに触れることになるけど、それでもいいから僕は知りたかった。
なんというか、放っておけないのだ。僕は昔、精神的に傷を負っていた時期があった。
あの時僕の傷を荒療治で治してくれた親友がいた。あの一件がなかったら今の僕はいない。
そんな彼女の姿を見てきたから、放っておけないのだろう。
きっと彼女が僕の立場なら、無理矢理にでもその傷を治そうとするだろうし。
……余計なお世話よ、とか言われて龍田さんに殺されるか痛めつけられる可能性があるけど。
ああ、背筋に寒気が!
その時。僕の病室にある内線が鳴った。誰からだろう。
「はい、柱木です」
『柱木少佐ね?私は呉鎮守府司令長官の秘書艦を勤める加賀です』
加賀……?知らない人だ。いや、知らない艦娘か。
というか司令長官の秘書艦?すごく偉い人っぽいけどなんでそんな人が……
『申し訳ないのだけれど、後で司令長官室まで来てくれるかしら?あなたに少し報告があります。そちらで話せるような内容ではないのでこちらに来てもらいたいの』
「は、はぁ……報告が届いてるかどうかはわかりませんが、今ちょっと足を壊してまして。時間がかかりますけどいいですか?」
『大丈夫。報告は届いてるから、そちらに案内役を向かわせたわ。では、後で会いましょう』
そう言って電話は切れた。司令長官室か……場所わからないんだけど。まあ案内役が来るんだし大丈夫だよね?
「こんにちはーっ!最新鋭軽巡の阿賀野でーすっ。案内役としてやってきましたぁ。ところで海人さん元気?」
「海に落ちて風邪でもひけこの馬鹿軽巡洋艦。それと病院では静かに」
「いきなり罵倒!?」
自分のしたことを反省しろあがのん。
「はい、ここが司令長官室。私は外で待つ様に言われてるから、終わったら呼んでね?」
「うん。完治したら本気で海に突き落とすから覚悟しておいてね」
「ええええ……妹の能代にたまに落とされるから勘弁してほしいんだけど……」
妹に普段から落とされるとか普通に行いが悪いんだと思う。さて、行くか。
ノックしてからドアを開き、司令長官室に入る。そこには書類をかたづけている一人の若い提督と、サイドテールで弓道着を着た女性がいた。
……どこかで見たような気がする。
「やあ、呼び出してすまないね。君が柱木少佐だね。僕は坂本博樹(サカモト ヒロキ)中将。この呉鎮守府の司令長官を勤めている。こっちは加賀さん。僕の秘書艦だ」
「どうも。怪我をしているというのに呼び出してすみません」
「い、いえ、別に構いません。はじめまして、柱木です……」
やっぱり緊張する。道中で阿賀野さんに司令長官って何?と聞いたら絶句された。
なんでも大規模な鎮守府には提督が一人だけじゃなくてかなりの人数いるらしく、その提督をとりまとめるのが司令長官で、日本には両手で数えられるほどしかいないらしい。
僕のような離島の場合は基本提督は一人だけらしいけど。
でも、そんな偉い人がどうして僕を呼び出したんだろう……
「はは、そんなに緊張しなくてもいい。それに、君と僕は前に会ったことがある」
「え?」
「覚えていないのかい?ほら、君が吹雪や夕張を建造した試験の日、建造を行う君を見ていたんだけどな」
「……あっ!?」
そう言われて思い出した!確かあの時いた男の方の提督だ!
「それ以前に、私も会ったことがあります。気付きませんか?」
「き、気付くって……本当にその……加賀さんとは会ったことが無いと思うんですが」
「……先生にも見抜いてもらえないとは。本当に加賀という名前に聞き覚えはないんですか?」
な、なんで先生って呼ぶんだろう……あ。
加賀っていう名前に該当する人が一人だけいるんだけど……まさか……
「その、失礼かもしれないんですけど僕ネットゲームやってるんですよ。そのゲームで僕の知り合いの名前がKAGAさんなんですが……」
「それが私です。お元気そうですね、ウミトラ先生」
「ええええ!?」
「ちなみにそのKAGAさんと結婚してるもみじが僕ね。先生がまさか年下だとは思わなかったよ」
「ファー!?って、あなたがもみじさん!?ということはこの前のチャットの気になることができたってまさか僕に気付いたからですか!?」
「うん。リアルで会えて嬉しいよ、先生」
……なんで。こんなに偉い人がゲームでの知り合いなのかなぁ!?
ちなみに。司令長官室に僕を呼んだ理由は防音だから僕が驚いて大声を上げても問題ないかららしい。
驚くこと込みで配慮しないでください。
ん、夏イベ?
前段でやめましたよ。あれはきつい。