艦隊の指揮をとれますか?   作:あおい安室

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ちょっと忙しくて短いです。済みません。


発端を僕は知った。

「………なるほど。ここの鎮守府の状況についてはよくわかった」

 

「そういっていただけると幸いです。それにしてもやりましたね、海人さん」

 

「ん、何が?」

 

吹雪ちゃんが入渠中の間、とりあえず僕と那智さんは工廠の修理を手伝っていた。

書類仕事は吹雪ちゃんがいないと何もわからないから放置していた。

………はぁ、情けない………

 

………おまけに屋根の修理を手伝っていて、落ちかけたのを那智さんに助けてもらったりしましたよ。

あの人の力すごいな。艦娘とはいえ本当に女性?僕男なのになぁ………

まあ、それは本当に悔しいけど置いておいて。

僕らは夕食を食べていたところだ。伊良湖さんが作ってくれた定食風にまとめた感じで、和食でさっぱりしていて少し疲れた体には本当に優しかった。ありがとうって言うとちょっと伊良湖さんが笑ってくれた。

食事中に吹雪ちゃんも入渠から帰ってきた。怪我をしていたとは思えない感じだった。

入渠ってすごいな。

 

「那智さん、つまり重巡洋艦を建造したことがですよ。普通に珍しい方なんですよ?」

 

「へー。それって戦艦より強いの?」

 

軍艦なんてヤマトしか知らないからわからない。

 

「いや、それはどうだろうな?どんな艦種にも適材適所や一長一短な面がある。一概に戦艦より強いとはいえないが、そこをうまく掴めば重巡洋艦でもやれるかもしれないな」

 

「ふーん………ん?ちょっと待って。どんな艦種ってどういうこと?吹雪ちゃんとかって戦艦じゃないの?」

 

………空気が凍り付いた。吹雪ちゃんは頭を抱えた。

え、違うの?

 

「………提督。いや、海人と呼べばよかったか?」

 

「あ、はい………」

 

「はっきり言わせてもらう。貴様、馬鹿というか無知のもほどがあるぞ!」

 

「すいません………」

 

怒鳴られてしまった。

 

「それに。秘書艦の吹雪!それくらい海人が知らないのなら教えておかんか!」

 

「着任したのが昨日の夜なんですよ!?しかも事故で海人さんが気を失ってその処置で大変だったんです!」

 

「それなら仕方がない………といってやりたいが。さすがに艦種を把握していないのはありえないだろう。海人。艦種といわれて、何がわかる?戦艦だけか?」

 

「戦艦だけ………だと思います」

 

「はぁ………いいか?軍艦だった頃と同じように、私達艦娘には艦種がある。この場にいるのはこの鎮守府全員ということでいいか?」

 

「いや夕張さんがいない。他にいるのは確か、伊良湖さんと吹雪ちゃん、電ちゃんだったはず」

 

夕張さんは工廠で修理を続けているらしい。

 

「誰がいるかを把握しているのはいいぞ。この鎮守府には私を含めて合計四種類の艦娘がいることになる。まず私は重巡洋艦という艦種になる。能力としてはバランスがいいから基本的にどんな状況でも戦えるのが特徴だな。伊良湖さんは給糧艦といって戦闘ではなく食料面でのサポートをつとめる艦だ。出撃もできるが、戦闘はできない………ふむ、この話は長くなりそうだな」

 

ちらりと吹雪ちゃんに那智さんは目配せをする。なんだろう?

 

「書類仕事もたまっていますから、この話は執務室で続けてもらえますか?一応書類は分けておきましたから。私も夕食をいただいたら向かいますね」

 

「了解した」

 

なるほど、アイコンタクトか。

僕と那智さんは執務室に向かうことにした。ちなみに電ちゃんは伊良湖さんと料理を練習しているらしい。

いつか食べさせてもらえたりするのだろうか。しかし………

 

「………?私の顔に何かついているのか?」

 

「いや?ただ………那智さん身長高いなあって」

 

僕がなんとか那智さんより身長が上なくらいだし。

 

「なんだ、そんなことか。ちなみにお前の好きな戦艦は私よりも高いぞ」

 

「マジですか」

 

僕これ以上身長伸びるんだろうか………というか身長が低い提督ってどうなんだろう。

歴代の有名な提督について調べてみてもいいかもしれない………

………うん………?っ!!

 

『………カエレ……ッ!』

 

「うわぁぁぁ!?」

 

「ど、どうした海人!?」

 

「こ、声が聞こえた………」

 

「声………?いや、そんなものは聞こえなかったぞ?」

 

そんな馬鹿な………。

確かに聞こえたんだ!とっさに窓越しに外を確認した。

 

 

あの時、見えたものは。きっとこれからの僕の運命を決めていたのかもしれない。

執務室の反対側に立つ木造校舎。あの上に僕は。

 

赤い目をした少女を見た。

 

それは那智さんにも見えていたようで。

 

「まさか………っ、敵だ!!」

 

「敵!?あんな少女が!?」

 

僕らの声が聞こえたのだろう。少女は校舎から飛び降りて僕らから見えない位置に行ってしまった。

那智さんは驚いている僕を引っ張って工廠に向かわせた。工廠には那智さん達の装備があるからだろう。

僕はまだ、驚きから立ち直れなかった。

 

結論を言おう。あの少女を那智さんや吹雪ちゃんは捜索してくれたけど、見つかることはなかった。

僕はただ工廠で惚けているだけだった。

周りのみんなが忙しそうだったからっていうのもある、といわせてほしい。

いや………言い訳になるかな。ごめん。

 

僕は生きていく。このよくわからない戦争の中で。

それから物語が少しづつ動き始めるのは、春になった頃になる。

ただ、今はここに書いておこうと思う。

 

二XXX年、一月二八日。

柱木 海人 少佐

海孤島鎮守府に着任。




「お待たせしました。大淀のミニコーナーを始めます………というか。今回色々と計算が狂っていたことの報告ですね。ゲストはいません。まずはこれですね」

・『海孤島について知った。』の描写変更

「『さて、そんな海孤島は無人島だ。無人になったのは大体10年程前』と現在はなっていますが、以前は20年前と書いていました。これはいくらなんでも20年も戦争を続けていたら世界はとっくに終わっているのでは無いかと考えた為です。これに伴って様々な設定を変更せざるを得ませんでした。更新遅延の原因でもありますね。本当に申し訳ありません」

・イベント編

「実はイベント編は作者の実体験に基づいたものとして書いていました。が。とある艦娘がやらかしたため本編に組み込むこととなりました。すみません………」


「そして。もしかしたら次回の話はここから少し時系列が飛ぶかもしれません。それでも読んでいただけたら幸いです。それでは、また次回。」


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