その片鱗と艦娘になれている理由についての話。
ちなみにサブタイトルはバレンタインラプソディー。
海弧島のバレンタイン?みんな忙しいので忘れていたそうです。
今年の作者?もらえるわけがなかった。
三月に入って最初の週。この海孤島鎮守府にいる艦娘も増えてきた。
「………よし、海人書けたぞ!」
「ありがとう利根………さん?うーん。なんかしっくりこない」
「あー。利根さんは身長が小さいからなぁ。かといってしゃべり方は駆逐艦とはかけ離れてるし」
「聞こえとるぞ望月。海人、吾輩が板を押し付けておくから早く打ち付けるのじゃ」
………といっても三人だけだけどね。重巡洋艦の利根さんと駆逐艦の望月ちゃん。
なかなか個性的な二人だ。夕張さんは利根さん建造したときすっごく驚いた顔してたけど。
利根さんってもしかしてすごい艦娘なのかも。
ちなみにもう一人の建造した艦娘の白雪ちゃんは………
「海人さんの成長ぶりには本当に驚いたんだよ!私が少しやり方を教えたら結構すごい勢いで書類を片付けていったの」
「ふ、吹雪ちゃんも結構速かったと思うけど………」
なんと吹雪ちゃんの妹ともいえる姉妹艦だった。吹雪型二番艦なんだって。
僕もはじめて姉妹艦を見たけど、どことなく顔つきが吹雪ちゃんに似てる気がする。
それにふるまい方も。親しみやすいタイプだと思う。
あと建造した艦娘がみんな日本人っぽいのにかなり安堵してる。
それはさておき。
「えーっと。旧海孤島中学校木造校舎第一教室もとい、現海孤島鎮守府寮一号室。無事修理完了!みんなありがとね」
とりあえず今は修理が終わったことを喜びたい。
最後の作業は一号室って文字を利根さんに書いてもらって柱に打ち付ける作業だった。
利根さんはしゃべり方が古風だから文字とか書くの上手いかなーと思ってせっかくだから頼んでみたら結構達筆だった。今後も頼もうかな?
「んー?望月何もしてないし。というかこれほとんど海人さんが直したんでしょ?」
「まあね。でも妖精さんの協力も大きいよ?………正直アルバイトの経験がこんなところで生きるとは思わなかった」
「一体何をしておったのじゃ?」
「おじいちゃんが建設業やってるからその手伝い。日給で三万円くらい?」
「地味に高い!?」
「いや、命の危険があるから。あの時は安請け合いしたことを後悔した」
「………何を建ててたんですか?」
白雪ちゃんに聞かれたのでトラウマ倉庫からなんとか記憶を引っ張りだす。
「確か倉庫を建ててた………なんか爆発事故が起きてたけど。十回くらい」
「「「「は?」」」」
「そういえばきれいな女性が多かった気が………今思えばあそこ鎮守府だったのかも」
「え?海人さん。鎮守府の施設を建てたりする人ってかなり厳選されてた人だけですよ?」
「あ、そうなの?でもあの時おじいちゃんが僕を助手として無理やりなんか門番の人に通させてた気がする………あれ?確かあそこの門番の人あきつ丸さんにそっくりだった気がする」
「………海人さん、一体何者なんですか?」
「元普通の男子高校生の提督じゃないかな」
普通じゃないと思う………と何人かに呟かれた気がする。僕は何もしてないのに………
「さてと、みんなが荷物を部屋に移している間にのんびり書類仕事でも………」
「海人、本土からの補給物資が来たぞ」
「補給物資?離島のここにどうやって届いたの?ドラム缶に詰め込んで流れてきたとか?」
「いえ、普通に私達遠征艦隊が運んできたんですが!?」
やってきたのは那智と………誰だろう?なんか6人知らない人が来た。
「こほん。私は呉鎮守府の阿賀野。呉鎮守府から補給物資を持ってきた遠征艦隊の旗艦です!」
「呉鎮守府の阿賀野………知らない子だ」
「むしろ他の鎮守府の艦娘を今のお前が知っていたらそれはそれで疑問なんだがな」
「はぁ………とりあえず、あなたがここの提督さん?受け取りの書類にサインとかもらってもいい?」
「あ、はーい」
差し出された書類にサイ………補給物資の項目の一つに目がとまった。
「あのー。阿賀野さん。この『提督の親類からの物資』って………」
「あ、それ?大丈夫。私達は中身は知りませんが、中身はすでに本営の方で検閲されているはずなので問題のあるような物は入っていないと思います」
「送り返してもらってもいい?」
「なぜ!?」
「………嫌な予感がするといいますか………」
多分僕の親類が友達に頼まれて送ってきた物だから。
「どうして嫌な予感がするっぽい?」
「あー。多分中身はバレンタ………え、夕立!?なんで目赤いの!?」
「呉鎮守府の夕立だからあなたの夕立とは別人っぽいー。目が赤いのは改二だからっぽい!」
「改二とかなにそれ」
書類仕事をするからって付いてきた吹雪どころかその場にいる人のほとんどから怪訝な視線を向けられた。知らないんだから仕方ないでしょ………
「柱木提督。改二というのは、艦娘は練度を上げると艤装を改造できるんだけど、その二回目の改造のことをいうんだ。外見が大きく変わることもあって夕立は結構変わるタイプなんだ。わかったかい?」
「なるほど………えっと………黒夕立さん?」
「僕は時雨だよ。ちなみに僕も改二だね」
なるほどなぁ………もしこの場に夕立がいたら混乱してたかも。夕立を警備に割り当ててよかった。
しかし、結構見た目が変わってる。赤い目に、身長も少し伸びてる気がするし、髪型もなんというか不思議な感じだし。ぴょこん、って犬耳みたいなものが生えてるし。時雨さんも同じだし。
………あ、なるほど。
「改二になると艦娘って動物になるの?」
「「それは違う(っぽい)」」
「え、夕立なんてなんか狂犬病にかかった感じにしか見えないんだけど」
「噛みつかれたいっぽい?」
ますます犬じゃないか。八重歯も見えるし。
「まあ他の鎮守府の夕立が犬なのはおいといて、本当に送り返せませんか?」
「そんなに受け取るのが嫌なんですか?」
「だって、多分中身は大量のチョコレートだし」
「………チョコレート?どうしてそんなものが送られてきたんですか?」
「友人から前にバレンタインのチョコレートを送ったっていう連絡があったので中身がそれしか考えられない。しかもだいたい70人分くらいから送られてきたらしいから量も多いだろうし………」
「へえー。海人さんって結構モテるタイプだったんですね」
「………いつも通り調理して送り返そうとしても離島から送るのが難しそうだからめんどくさいんだよ」
「「「「はぁぁ!?」」」」
全員から驚かれた。まあそうだよね。普通はバレンタインチョコはもらったらおいしく食べるものだし。
「ちょ、その発想はおかしいですよ!?」
「そうだよ!柱木提督に好意を持って送られたチョコレートなんじゃないのかい!?」
「食べずに送り返すとか酷い人っぽい!」
「………全部………とは言わないし、認めたくはないけど。僕宛のチョコレートのほとんどははホワイトデーのお返し目当てのチョコレートなんだけど?」
「え?いやいや、そんなことは………」
「じゃあさ。みんなで荷物、開けに行こっか。僕の予想が正しければ中身ほとんど調理しやすいようにって中にドライフルーツとか入ってない板チョコだから」
補給物資は全部工廠に置いてあると阿賀野さんが教えてくれたので、みんなで工廠に行った。
そしてそこに置いてあった親類からの補給物資を開封した。
「………段ボール一箱の中にみっちり板チョコが詰まってるっぽい」
「あ、送り主の人のリストと住所が書いてある紙が入ってる」
「ご丁寧にどんなお菓子を所望してるかも書いてある………」
「………海人さん」
「やめて。本当に哀れむような目で見ないで。本当につらいのは男なのに誰からも恋愛感情を向けられていないのに報酬目当てのチョコレートは大量に送られた僕だから………提督になったら届かないと思ってたのに」
「そもそもどうしてこんなことになってるんですか?」
「昔………学校に女の子のみんながあこがれてた先輩がいたんだけど、バレンタイン直前にある女の子との交際を宣言しちゃって」
「はぁ………それと海人さんにどんな関係が?」
「その人に送られるはずだったたくさんのチョコレートが捨てられそうになったんだ。恋人がいるとわかっていて出すのは無謀だし。それを僕の友達が全部回収して僕に渡してきちゃったのが事の始まり」
「え、他人宛のチョコレートをもらっちゃったんですか!?」
「うん。僕そんなに友達とかいなかったからその友達からは善意だったんだろうけど………他の人に好意100%込められて作られたチョコレートなんて食べられると思う?」
「ああ………それでそのチョコレートはどうしたんですか?」
「ぶち切れて料理がうまい叔母さんに協力してもらって全部溶かしてチョコチップクッキーやらケーキにして送り主の女子に全部送り返した!」
「酷っ!?」
「ま、その後みんなに『こんなお菓子食べさせてくるとか海人くんは私達を殺す気?』って言われたけど」
「叔母さん何者なんですか!?」
世界一の料理人とか言われてた気が。なんかトロフィーとかもいっぱい見た気がする。
あと間宮殺しとか言われてたと思う………ん?間宮?そういえば艦娘にそんな人いたな。もしかして………艦娘の間宮さんを殺した?今度聞いてみようか。
「そもそもやりすぎっぽい!そこまで言われるくらいのおいしくないお菓子を作るのはどうかと思うっぽい!」
「あ、違うの。不味いんじゃなくておいしすぎて食べ過ぎて太っちゃうっていう意味。食べる様子を見てたら泣きながらお菓子を口に運んでる女の子もいてとんでもない罪悪感に襲われた」
「それ変なお薬とか盛ってませんよね!?」
「それはないと思う。むしろ普通の食材しか使ってないはずの料理であんなレベルの料理を作った叔母さんがおかしいだけかと………問題はそのお返しでたたきつけたお菓子目当てでのチョコレートが来年から僕宛にわりとすごい量で送られてくるようになったことかな………」
………そういって遠い目をした僕のことを吹雪ちゃんは後に「女の子に利用されきって女の子を信じることができなくなってしまった悲壮感背負う男」と語った。いや、信じてはいるんだけど。ただ頼まれると断れない性格っていうだけで。
ちなみに、大量に届いたチョコレートは送り返すことも難しく。
お返しのチョコレートは料理人としての叔母さんに頼んで送ってもらうことにした。
「女子のみんなを森〇中みたいにしてもいいかしら?」って言ってきた叔母さんに軽く戦慄しながら全力で止め。
支払いの代金をなんと二月に支払われてた僕の給料から全額出せたことに驚愕した。
いやちょっと待ってよ。僕二月ほとんど提督としての仕事してない。叔母さんが割り引きしてくれてたとしてもおかしいって。給料多すぎだって。
後届いたチョコレートは半分位を阿賀野さんに頼んで呉の方で配ってもらい。残りの半分は工廠の妖精の皆さんに配った。あまったチョコレートはその日の午後に建造した響という艦娘が一気食いした。何やってんの!?
後日………
補給物資を届けに来た阿賀野さんから呉のみんなからお礼っていうことで大量のもみじまんじゅうをもらった。おいしくいただくことにする。
そして妖精さん。気のせいでなければ木造校舎がかなりきれいになってるんですが。
老朽化で壊れてる箇所が多かった一階はほとんど修復されてるんですが。
苦労して修繕した僕の苦労は何だったんだ………
いや、那智さん。慰めてくれるのはありがたいんですがなんでお酒装備?
僕まだ未成年だから飲めません。
海人はチョコレート事件のせいで女の子になれてしまっているので。
艦娘に囲まれても基本的に動揺はしません。
普通はあんなに美人な人たちに囲まれても平然としてるのがおかしいと思いこの設定を制作。しかしそのせいで海人が割とすさまじい人になっていったのは驚き。
………え?大淀?キャラ紹介で忙しくなるからリストラしました。
キャラ紹介
夕立:ゆうだち
白露型駆逐艦の四番艦。駆逐艦の中でもかなりの人気を誇り、アニメでもなかなか出番が多い部類に入った。
口癖の「~ぽい」や改二の「お前のような駆逐艦がいるか」な能力とグラフィックで多くの提督をぽいぽい教の信者に………
作者の親戚の提督さんはぽいぽい教に入信している。
実は作者のミスの近代化改修の餌食にあっており、正確な入手時期は不明。
初ドロップだった気がする………
現在はちびちびと練成していることもあり、Lvは43。狂犬病感染まで後すこ………
ギャアアアアアァァァァァ!!!
利根:とね
利根型重巡洋艦の一番艦………なのに身体的にはどう見ても二番艦の筑摩の方が姉っぽいし、言動も子供じみてる………でも艦これにそういった艦娘は割といるんだよなぁ。
おじいちゃんみたいなしゃべり方をする。
作者の鎮守府には10番目くらいに着任した。
今になって考えると当時全くレシピの存在は知らなかったのでALL30のレシピで建造をしていたはず。
それで銀背景で重巡洋艦の利根を建造したのはかなり凄まじいレベルの建造運である。
ちなみに初期の海域攻略の前線を担い、2-5での明石を探し続けさせたので、現在はLv70!改二となり今も前線で戦い続けている。
望月:もちづき
睦月型駆逐艦の十一番艦。艦これでは数少ないメガネっ娘の一人。
なんというかひきこもりというか常に疲れている感じの印象。
作者の鎮守府においておそらく6番目くらいに着任した。
人数の足りない時期には前線でとても頑張ってくれた。
現在は遠征艦隊で日々頑張ってもらっている。その甲斐あって改造済み。
白雪:しらゆき
吹雪型駆逐艦の二番艦。最初期の任務達成でもらえるため、ほとんどの提督が初期艦、初めての建造した艦、白雪の順で入手しているはずである………
が。作者は近代化改修に使ってしまっていた。本当に当時なにやっていたんだろう。
60番目くらいに再入手しているが、実際は初期に手に入れているはずなので。
実は白雪さんはかなり家事スペックが高いという公式設定がある。
『主計学校』という戦時中実際にあった学校に通っていたとか。
艦娘なのになんで通っていたんだろう………
気になった人は調べてみることをおすすめします。