リューさぁぁん!俺だーっ!結婚してくれぇぇ━━っ!   作:リューさんほんと可愛い

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この小説を創作したのも3年前。芸風が衰えてきた感が否めない。
作者もそれなりに落ち着いてきたので、まあそれはそれ。

いろんな沼にハマってダンまちの設定、忘れかけつつあるけど未だその心は不滅也。みんなの感想があるかぎり俺は止まらねえからよ…


戦乱の予感

 

 

ロキファミリアは既に遠征へ赴いている。この18階層よりもさらに奥、深層と呼ばれる場所で未知への開拓を進めているのだろう。

 

ファミリアの主力である自分が遠征に参加していないのには、いくつかの理由がある。いや自惚れではなく。敵に触れられさえすれば確実に殺すことができる能力は事実相当に強力だ。発現した理由ェ……って感じだけれども。

 

まず一つ。俺が遠征嫌いだということ。そらそうよ。遠征なんかしたら50行って直帰しても半月は掛かるからね。その間にリューリウムが体内で不足して死に至るからね。白血病も真っ青になって青血病になるレベル。青血ブー。ピッコロかな? 指規制で5本になりますよ。極めて生命に対する侮辱のようなものを感じます。

 

というか、冒険者の皆はよく耐えられるなって。その間、風呂は入れないみたいなもんだし。たまにダンジョンで温泉か湧いてる所は見かけるけど、モンスター来るしマッパで応戦するのもなんかなあ。モテる男は身だしなみに気を使うものなのである。戦う時も常に余裕を持って優雅たれ。こらそこ、この世全ての脱糞しない。クソも野グソだしね基本。変態糞どおっと自重。優雅優雅。

 

でも実際野グソって自然に還る行為だよな。水に流して川に捨てるとか人間が編み出した訳わからん文化に騙されちゃいけないのかもしれん。エルフは自然を大切にするっていうし、自分も自然の輪の中に還っていくべきなんじゃないだろうか。むしろリューさんへのポイントを上げるためならそうするべきなのでは? 還るか、自然に。産まれろ、俺のクソから生命よ……。実質的に俺はママ?

 

バブリなさい。オギャリなさい。主は全てをお許しになられるでしょう。申し訳ないが宗教はNG。燃えるぜ。爆散。

 

二つ目。俺が転生者であることはロキに話している。転生者に付き物なのは転生特典。それをくれるのは誰か、神様である。いや俺、特典級のはもってても特典じゃないんですけどね。

 

俺が神から転生させられたのか、というのは正直曖昧だ。目が覚めたらオラリオにいて偶然ロキに拾われただけだし。ロキは神威は感じないって言ってたけど、小さい時にミノタウロスに追いかけられたことがあったけど、あれ、完全に普通のミノタウロスじゃなかったんだよなあ。目を潰されたくらいで怒りすぎだろ。モンスターに感情があるとは思えないが、あれほどの憎悪を俺に向けてきたのはあのミノタウロスだけだ。

 

だから、これはあくまで仮定の話でしかないが。下界にいる神ではない神に転生させられた俺は、神嫌いのダンジョンにも等しく嫌われている。という可能性。要は、普通よりも強力なモンスターが襲いかかってくるということ。爆破を覚えてからはマトモにモンスターを相手していないから、この説は考えるだけに留まっているのだが。

 

まあそんなわけで、強力な50階層のモンスターを下手に刺激してファミリアが壊滅の危機に陥るよりも、上層でぷらぷらしていてくれた方が良いってことだろう。それくらいなら俺一人でも処理できるしね。

 

ということで、以上俺が基本的に遠征に参加しない理由でした。拍手。

 

でもお兄ちゃん、仲間と一緒に強敵を打ち破る的なこと出来なくてさみしい。くすん。胸熱できなくてさみしい。

 

18階層前には階層主のゴライアスがいるはずだが、多分ウチのファミリアが突破している。しばらくは湧かないだろう。

 

リューさんの頼みごとという事もあって、今回は早めに仕事を終わらせたい。安心させてあげたいしね。だが白兎、テメーの顔は覚えるぞ。無事には返すが古参マウントを全力で取るからな。覚悟しておけ。絶対だ、絶対に俺の方がリューさんの好感度高いからな。絶対に。うん。そうだよ。多分。うん。たぶんそう部分的にそう。

 

「なぁーんでここにキルが来るかなあ!?」

 

あ! 野生のナイチチゾネスがあらわれた!

 

「ワオ。17階層を抜けたら、そこは雪国でした。栄養に貧しいという意味で」

 

なぜかいるウチのファミリア。なぜかいる魔剣作る人。名前は有名だよね彼。喋ったことないけど。

 

うーん。今は遠征途中では? まさか18階層から先に進めないというわけでもあるまい。帰って来たとしても早すぎるし、何かしらのトラブルがあったのだろうか。

 

「ぬぐっ……、今は堪える。とりあえず、早く団長のところまで来て! 一人でも多く戦力が必要なの!」

 

「はいやっぱりトラブルですね。本当にありがとうございます」

 

「うん。今回ばかりはちょっとまずいかな。ロキファミリアきっての失態だ」

 

キャンプの中から団長が現れる。目の下にはクマができていて、モテる男ナンバーワンの気風は見る影もない。何日も寝ていないのだろう。この安全な18階層に来てからすら。その疲弊ぶりはなにも団長だけじゃない。よく見ればロキファミリアのほとんどが雑魚寝で睡眠を取っていた。

 

「話してくれ」

 

「時間があまり残されているわけではないから手短に。僕たちは50階層より下を目指して進んでいた。これはいいかい?」

 

「新記録って言っちゃえばアレだけど、深層の調査ね」

 

「そうだ。でも、50階層に到達した時点で問題が起こった。今までのモンスターとは一線を画すほど厄介なモンスターが現れたんだ。そのモンスターの大群により、僕たちは撤退を余儀なくされた。全滅の危機だってあったんだ」

 

団長は、ぽつりぽつりと語り出した。虫型のモンスター。体液が酸で出来ていて、その酸を吐いたり、或いは切ればその酸が飛び散ったり。剣は酸に触れた瞬間に溶けるほどの強いもの。それが人体に当たればたちまち皮膚、肉、骨まで溶けてしまうらしい。片腕を欠損した団員もいる。

 

しかしまあ、所詮はモンスター。本来のロキファミリアならばいくら大群で来ようとも時間稼ぎしてリヴェリア姉さんの魔法で事なきを得るだろう。

 

しかし、不意打ちの襲撃だったため、反応できずに襲われた団員をかばいリヴェリア姉さんは戦闘不能。綺麗な顔や体は焼けただれ、見る影もないくらいひどい有様だという。

 

次にモンスター達が狙ったのはレフィーヤちゃん。モンスター達がまるで、優先順位を付けて僕たちを襲っていると団長は言った。

 

レフィーヤちゃんは姉さんほどではないが、身体の魔力を通すラインに詰まりがあるらしい。無理に消費の激しい魔法を使えば、内側から破裂してしまう。

 

二つの巨大な殲滅火力を失ったロキファミリアは、下層での殲滅を諦め上層へ帰還。虫達は認識阻害の魔法でなんとか撒いたが、偵察隊の報告では徐々にこちらに近づいているという。追いつかれるまであと5時間と言ったところか。

 

団長は、18階層以降の冒険者を全て上層へ押しのけて、ここに最終防衛ラインを作った。ギルドへは既に一番足の速いベートが向かっていき、増援を依頼している。しかし、まあ開戦には間に合わないだろう。

 

「君も一度に爆破できるのは一匹のみ。巻き込めたとしても4匹程度が限界だろう。何か策を講じておかないとね。……モンスターがダンジョンから出ないとは限らないんだ。僕たちがやられればそれこそオラリオが危ない」

 

「姉さんの容体は?」

 

「見ない方がいい、彼女も人に見られたくはないだろう」

 

「……そうか」

 

「君も休んでいてくれ。ここにいる冒険者達全員に戦ってもらわなきゃいけない」

 

わかった。とだけ言って、その場にぺたりと座り込んだ。団長がテントの奥へ消えていくと、なんとも言えないような感情が喉からせり上がってきた。

 

団長への怒り。もちろんある。よくもまああそこまで淡々と語れたものだ。姉さんは死にかけているというのに、語るのは戦力の確認と敵の情報のみ。

 

だけど、ここで俺が怒るのはお門違いだろう。団長だって悔しいはずだ。いますぐにでも一人戦場に赴いて、虫達へ報復をしたいだろうさ。それをしないのは、先を見据える団長としての責任だ。

 

それがわからないほど俺も子供じゃない。だが、家族を傷つけられて黙っていられるほど寛容でもない。わかっているとも。ぶつかるべき相手は、もうすぐ来る。

 

だから、押し込めろ。

 

「わかってる」

 

数時間後に備えて仮眠を取る。このまま時間が過ぎていくのも気分が悪い。まぶたを閉じると、すぐに俺の意識は落ちていった。

 

 

 

 

 

 




ケリンすこ。爆発するから。(小並感)
ケリンの存在でこの小説の存在を思い出した。爆発するから。
エルフ好きだしねケリン。ガチ恋ケリンすこだあ……爆発するから。

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