リューさぁぁん!俺だーっ!結婚してくれぇぇ━━っ!   作:リューさんほんと可愛い

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後半はネタ注意です。

リューさんが出てねぇ………!


青年達は罰を受け、少年は爆弾を授かる。

「ウェイ!?……い、生きてた……」

 

謎のオンドゥル語を発した直後、俺はあることに気付いた。

 

あれ、ここ俺の部屋じゃねぇ。

 

誰の部屋だ?……いや、部屋って言うより……牢屋?ブタ箱?

 

俺の部屋じゃねぇでリューさんの部屋を想像した奴、挙手。俺です。

 

「やっと起きたかよ」

 

「おお、その声はベート!テメーどこにいやがる!まだ殴り足りねーぞコラァ!」

 

「チッ……話を聞きやがれ。まず、昨日俺たちはあそこで乱闘をした。その末にロキから処罰を下された。三日間、独房での反省だとよ。あと俺はテメーの隣の部屋だ」

 

「ファッ!? おいそれマジか!?」

 

「マジだマジだ大マジだ」

 

「なんてこったい……謝罪に行かねぇと……」

 

「あぁ、その心配ならいらねぇ。テメーの懐から殆んどの金が消えたってよ。勿論俺もな」

 

「………すいませんもう一度」

 

「テメーの懐から殆んどの金が消えた」

 

「なぁ、ベート」

 

「なんだ」

 

「俺、今度アイズにジャガ丸くん好きなだけ奢るって約束しちまったんだけど………」

 

「…………あァ、そりゃあ………気の毒だな」

 

「もう終わった………破産だ破産」

 

「なぁ、キル」

 

「………なんだよ」

 

「…………こんなことガラじゃねぇとわかってるが……その、なんだ。悪かったな」

 

「……え、お前どうした」

 

もしかして昨日の乱闘で頭打ったのか?マズいぞ、非常にマズい。

 

「………言っとくがロキに言われただけだ。テメーが思ってるような事じゃねぇ」

 

「なんだよ……ビビっちまったじゃねぇーか……」

 

「失礼だなお前」

 

「というか、俺に謝るんじゃあなくてよ、アイズに謝りやがれこの馬鹿野郎が」

 

「………あぁ、そうだな……」

 

「そんでもってアイズにボロクソに言われて来いや。女にボロクソ言われんのも男の仕事だぜ?」

 

「………そうか」

 

「俺の持論だけどな……さぁーて!辛気臭い話はヤメだ!テメーとこんな話してると違和感しかねぇ!」

 

「だな。 なぁ、キル」

 

「なんだよ」

 

「しりとり、しねぇか?」

 

「おま、懐かしいな……よくやったよな、ガキの頃」

 

「なんだかよくわからねーがよ、こうやって静かな所にテメーといるとあの時の事を思いだしちまってしょうがねぇ」

 

「はは、いつも俺に負けてた奴が何を言ってんだ」

 

「うるせぇよ。今度は負けねぇ」

 

「じゃあテメーからだ。しりとりの『り』からな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フィン」

 

「どうしたんだい?リヴェリア」

 

「こうやって見ると、あいつらの仲は良好に見えるが……どうしてあんな事が起きたのだと思う?」

 

「そうだね……キルは、許せなかったんじゃないかな。たとえ酒の勢いでも、親友が妹を貶めたのは。 昔からベートには厳しいからね、キルは。 まあ、それだけ気にかけてるって事かな」

 

「………そういう物か」

 

「男の友情、って言うのかな? 僕にはよくわからないけど」

 

「誰がママだ」

 

「いや言ってないけど」

 

 

◇◇◇

 

 

~三日後~

 

「………Good Morning Aiz.」

 

「おはよう、キル」

 

「I'll take a bath.《今から風呂に入ってくる》」

 

「………?」

 

「あー、要するにだ。風呂行ってくる」

 

「わかった」

 

「そんでもって豊穣の女主人に行ってくる」

 

「………あ、ジャガ丸くん……は?」

 

「………後でダンジョン行ってくるから待っててくれ。今本当に金がない」

 

「………今がいい」

 

「アイズ、頼むから」

 

「今」

 

「………しょうがねぇ。ベート、金貸せ」

 

「残念だが俺も無いな」

 

「………ティオナ」

 

「持ってないよー?」

 

「………ティオネ」

 

「残念ながら」

 

「………アイズ」

 

「「「いや、そこから借りんのかい!」」」

 

「冗談だよ。仲良いなお前ら」

 

 

◇◇◇

 

 

 

~三年前~

 

「トムくん、手ぇ繋いであるこっ?」

 

「あぁ、うん」

 

冬のオラリオを、二人の若い男女が通る。

 

「………」

 

それを刺すように見つめる冒険者が一人。

 

「あぁ……リア充爆発しろ……ちくせう……」

 

負け犬──ベートではない──が、一人の男が道の端で泣いていた。いや、俺だが。

 

「リア充多すぎんよ………!」

 

今なら視線だけで人を殺せる気がする。だって今日は俗に言う『性なる夜』だからな。あちこちで男女がよろしくやってんだろコノヤロー!オラリオにそんな風習あるか知らねぇがよぉ!

 

「今日は、ダンジョンで荒稼ぎになりそうだな……リア充爆発しろ」

 

ストレスをモンスターへぶつけるためにダンジョンへ赴く冒険者は中々いないと思うのだが、どうなのだろうか?

 

「しかし、アイズも魔法を発現してる以上、そろそろ俺の所にも来ていいと思うんだけどなぁ………あぁ、くそっ、リア充爆発しろ」

 

リア充を見る度、げんなりとしていく俺の心はすでに百八十度折れている。

 

「リア充爆発リア充爆発リア充爆発リア充爆発リア充爆発…………」

 

「爆破爆破爆破爆破爆破爆破爆破ァァァッ!!」

 

ゴブリンの頭を握り潰し、魔石を取らずに放り投げる。

 

「爆破爆破爆破爆破」

 

ミノタウロスの頭を握り潰し、魔石を取らずに放り投げる。

 

「何が性なる夜だよコノヤロー!あァ!?爆発しやがれぇぇぇ!!」

 

ゴライアスの頭を握り潰し、魔石を取らずに放り投げる。

 

「非リアの俺を嘲るように手を繋ぎやがって!今なら何でもぶったぎれる気がするぞコノヤロー!」

 

補足すると当時のレベルは4。ゴライアスの頭を簡単に握り潰して放り投げられる強さは無い。無い、筈なのだが。

 

「オラッオラッ!コノヤロコノヤロ!」

 

なんだか怒りで何とかなるらしい。

 

「畜生!爆発しやがれェェェェェェ━━━━━━ッ!」

 

 

と、こんな感じで怒りの収まるまで潜って、流石に疲労が出てきたので帰った。

 

「ロキ、ステイタスの更新を求む」

 

「あぁ……どないしたんやキル……目がイッとるぞ……」

 

「リア充が……あぁ、リア充がこっちに来るよ………!」

 

「…………大方理解したわ。ほな、背中出しぃ」

 

「リア充爆発しろ……リア充爆発しろ……」

 

「………あの、キル? 怖いで?」

 

「リア充爆発しろ……」

 

「………ま、ママ……」

 

「誰がママだ」

 

「あぁ、待ってリヴェリア!うちを一人にしないで!」

 

「ロォォォキィィィイ…………!! さっさと更新しろォォ…………!」

 

「あ、ああ………ほれ!じゃあな!」

 

紙を投げ出してすぐに部屋から出ていくロキ。

 

その紙を拾い上げ、目を落とす。

 

 

キル・セウラ

 

Lv.4

 

力:A 898

 

耐久:A 898

 

器用:A 898

 

敏捷:A 898

 

魔力:A 898

 

【魔法】

 

爆発一途(ドカーンフレーゼ)

 

・任意発動。

・右手で触れたものを爆弾へ変化させる事ができる。

・爆弾化させた後、右手のスイッチを押すことにより発動。

・込める魔力に威力依存。

・リア充への思いの丈を魔力へ変換できる。

 

 

『スキル』

 

 

【爆破衝動】

 

・ステイタスが800を越えた時点で898に設定される。変動はそれ以降起きない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだこのキラークイーン……」

 

なんだよ爆発一途って。………あ。よし、今からリア充を爆発させに行ってこようそうしよう。

 

 

 

 

 

 

その日、オラリオでは謎の爆発が相次いだと言う。

 

「へぇー、アイズ、新聞見たか?」

 

「………見た。昨日から怖くて眠れなかった………」

 

「誰だよそんなひどいことしたやつ!」

 

「………見つけ次第斬る」

 

「いよっ、流石剣姫!」

 

昨日の謎の爆発ねぇ………一体なんなんだ?アイズを不眠症にさせるとは………犯人は見つけ次第爆破だな。

 

俺はリア充の爆破に勤しんでたからそんな奴を見つける暇は無かったしな………クソッ、一体どこのどいつなんだ!

 

 




Q.ドカーンフレーゼってなんですか……?(困惑

A.リア充への思いの丈が詰まったささやかなプレゼントです(ニッコリ


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