Dream Trigger   作:handsome

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秋葉原支部①

 

迅さんとの話の後、浅見隊は本部での会議に呼び出され、尋問された。まるで裁判みたいに。だけど処分についての話が始まったところで迅さんが部屋に入ってきてうまくまとめてくれた。

 

処分の結果

・浅見隊は秋葉原支部へ異動

・秋葉原支部の運営の補助

・ボーダーの広報活動への積極的取り組み

 

の3点が課された。この処分はかなり緩い。鬼怒田さんなんかはトリガー剥奪とか言ってたし。迅さんがいなかった時のことを考えると怖いな。でも『俺のサイドエフェクトがそう言っています』の一言で周りの雰囲気が全く変わった。どうやら迅さんのサイドエフェクトの噂は本当らしい。

 

翌日さっそく秋葉原支部への顔出しに行くこととなった

 

「着いたね!扉を開ければ楽園が待ってるよ!」

浅見くんははしゃいでいる

「よし!早く開けよう!」

関口も声のトーンが高い

「行くぞ!」

俺の心も踊っている

 

「「「こんにちは!」」」

 

「…」

 

誰もいない。

3人で見渡すが人はいないみたいだ。

「あれ?誰もいないみたいだな」

と関口が言うと

「誰かしら?」

と言いながら奥から金髪美女が現れた、女神かな?

 

あれは…A級隊員の絢瀬先輩?

 

「こんにちは!B級の浅見隊です!昨日秋葉原支部所属が決まり今日は挨拶に来ました!」

浅見くんの社交性が発揮された。こういう時でも話せる浅見くんは頼りになる。

「あら、話は聞いているわ。秋葉原支部の所属になったA級隊員の絢瀬絵里よ、よろしく」

そう言う絢瀬先輩の表情は少し硬く見える

「こちらこそよろしくお願いします!」

「じゃあこっちに来てもらえるかしら、座って少し話でもしましょう」

 

俺が先頭で部屋に入るともうひとり女の人がいたので挨拶をする。

「こんにちは」

「こんにちは、浅見隊の阿部くんやね」

自分のことを知ってくれていたため少し驚き、また嬉しくもなる。確かこの人もA級だったよな、東條希先輩だな。

「東條先輩…?初めましてのはずですよね…?」

「そうやね」

にこやかに返してくれる、かわいい。

 

その後互いに自己紹介が終わり、みんなが座ると絢瀬先輩が話し始める

「あなたたちのことはよく耳にするわ。良くも悪くもあなたたちは有名人だもの」

今度は表情が柔らかい、かわいい。

「やっぱ俺たち有名人なのか!」

浅見くんが元気になる

「悪くもって言ったのがきこえなかったのかしら…」

なぜか喜ぶ浅見くんに呆れたように言う

そこで関口が口を開く

「聞きたいことが。本部ではC級隊員の面倒を見るための隊員が欲しいと聞いていたのですがなぜA級隊員の2人がいるんですか?あっ、ありがとうございます」

東條先輩がお茶を出してくれる

「ウチが答えるね。ウチと絵里ちはこの支部の運営業務みたいなことをしてるんよ。だからC級隊員の面倒までは手が回らなくて…それで人手が欲しかったっていうわけ」

「そういうことだったんですか。そういえば支部長は外出中ですか?」

 

「はぁ…あなたたち何も聞いてないのね。まだ支部長はいないのよ…職員の方は何人かはいるけれどね。だからまだ支部としての本格的な活動はしていないの。今は正式な運営をする前段階、準備期間中と言った方がいいかもしれないわね。大した仕事がないのはいいのだけれど…」

聞いてないところまで詳しく話してくれる。これが今日話したかったことなのかもしれない。それにしてもかなり困った様子だ。何も聞いてなかったんだけどそんな状況だったのか…

「まあ今日のところは来てた隊員も帰っちゃったし、仕事もないから何もすることはないのよね」

「まあ、ゆっくりしてったらええよ」

そう言われたのでゆっくりしていくことにする。

 

「さっきも言ったけどあなたたちけっこう有名なのよ、主に悪い意味で」

絢瀬先輩が浅見くんの方を向いて言う

昨日のようなことは一度や二度ではないからそれなりに名前は知れ渡ってしまっているのだと思う。

「でもあなたたちはB級隊員にスピード出世したことで有名でもあるわ。だから私はあなたたちがB級下位で止まっていることが疑問なの…私はあなたたちならもっといいところまでいけると思っているわ」

俺たちは少し黙ってしまう。ここではさすがに浅見くんもすぐには答えない。

少し間をおいて話し始める。

「俺たちもB級にすぐに上がれたため自分たちはA級を狙えるとも思っていました」

 

俺たちはB級にすぐ上がり、周りからも大きな期待をかけられた

 

「でも、それは思い上がりで、B級のランク戦では思うような結果は出ませんでした」

 

なんとなくでボーダーに入り、B級になった俺たちは目標もなかったためB級ランク戦で壁に当たった。

 

「そして今まで何もしてきませんでした…」

 

俺たちはB級隊員になれたという現状に満足し努力をしなくなった。

 

「それで、君たちはA級になることを諦めてしまったん?」

東條先輩に問われるが何も言えない

「私はそれがもったいないと思っているわ。あなたたちには私が見ても分かるくらいの才能がある。ボーダーに入った以上その才能を生かす義務があるの。あなたたちは本当にわかっているのかしら?」

絢瀬先輩は強い口調で言う

 

自分たちがどれだけ甘えているかをつきつけられる。ボーダーに入っているにも関わらずその責務を果たしていない。市民の安全を守るための大事な仕事なのに。

浅見くんも関口も思うことがあるようだ。そこで会話は完全に止まってしまった。

 

 

そこでひとりが会話を繋ぎ直す

「絵里ちは何も君たちを責めてるんやない。才能を認めてるからこそ先輩として厳しく言ってるんよ。な、絵里ち!」

絢瀬先輩の方へ向く

絢瀬先輩は困った顔をしているがこちらに向かう

「希が言ったように私はあなたたちに一目置いているの。私は努力をしない人間は嫌い。けれどあなたたちがB級隊員になるのに努力を重ねたことは知っている…だから本当にもったいないと思っただけなの…努力をできる人たちだから。別に責めようとして言ったわけではないのだけれど…」

絢瀬先輩が黙ってしまう

「絢瀬先輩、東條先輩、ありがとうございます。おふたりのおかげで今までの自分たちの愚かさに気づくことができました」

俺が答えると2人とも笑顔を向けてくれる。あまりにかわいくて、こちらまで頬が緩んでしまう。

「どういたしまして。目を覚ます助けができたなら良かったわ」

 

会話が一段落したところで東條先輩が話し出す

「なんともなさそうにしてるけど本当は絵里ち、浅見隊がお気に入りなんよ。秋葉原支部所属の連絡の時なんかすっごく喜んでたんやでー」

ニヤニヤしながら絢瀬先輩の方を見ている

「なっ…!希!それは今言わなくてもいいじゃない!」

絢瀬先輩が慌てると東條先輩はわざとらしくとぼける。その光景はとても微笑ましい。

それにしても絢瀬先輩が見ていてくれたっていうのは嬉しいな。たぶん見せていたのは情けない姿だけど。

 

雰囲気が和やかになったところで浅見くんが調子を取り戻す

「絢瀬先輩見てくれてたんですね!ありがとうございます!」

嬉しそうに、でもちょっとからかうように言う。チャラい。

「さっきまで説教してたのが恥ずかしくなってきたわ」

白くて綺麗な頬が赤くなる

「せっかくだしこれから親睦会でもせえへん?ウチと絵里ちで料理をご馳走してあげようと思うんやけど」

「ぜひ、お願いします!」

関口が素早く反応。嬉しいんだな。でも2人の料理を食べられるなんて嬉しすぎる。

 

「じゃあ買い出しとか行ってきますよ!」

さすが気が利く男、浅見くん

「実は最初から歓迎会みたいなことはするつもりだったからいろいろと買ってはあるんよ」

準備までしてもらってあると何も準備をしていない自分たちがかえって申し訳なく思えてきた。

「少しの間まっててちょうだいね、なるべく早く用意はするから」

そう言って違う部屋へと向かって行った

 

 

「絢瀬先輩、最初怖そうだなって思ったけど優しいしかわいいね」

俺が言うと

「「うん、かわいい」」

「気に入ってくれてるとかびっくりだよね!」

浅見くんが言う

「うん!あんな人に見られてるならもっと頑張らなきゃいけないな!」

関口は単純だ。

「でも、東條先輩は最初から和やかだったし、かわいい。絢瀬先輩からかってる時のニヤニヤ見た?」

俺が言うと

「「見た、かわいい」」

「これから一緒にやっていけると思うと毎日がパラダイスだよね!」

浅見くんが言う。

「一緒にやっていけるならがんばれるよね!」

関口は女の子のためなら頑張れるんだな。

「2人ともかわいい」

「「かわいい」」

 

 

そんなばかな話を続けていると意外と早く料理が運ばれる。匂いにさそわれついつまみたくなるが我慢する。みんなが席に着きそれぞれ飲み物が用意される。

そこで浅見くんが立ち上がる

「俺に挨拶させてもらっていいですか?」

2人ともうなずく

「今日は俺たちのためにこんな用意までしてもらってありがとうございます!これから長い付き合いになると思いますがよろしくお願いします!秋葉原支部の繁栄祈って…乾杯!!!」

「「「「乾杯!」」」」

カツンという音がなり食事が始まる

 

料理はどれもとても美味しい。絢瀬先輩は食べてるところをじっと見て何度も感想を求めてくるけど。そんな心配する程の腕前ではないと思うんだけどな。

「そういえばこの支部には何人C級隊員がいるんですか?」

関口は絢瀬先輩と東條先輩に慣れたらしく普通に話しかける

「3人よ。みんな私たちの高校の後輩なの。まあ知り合いってほどではないのだけれどね」

意外と少ないな!ってか浅見くんの読み外れてない⁉︎まあ絢瀬先輩と東條先輩がいるだけでも来て良かったとは思うけど。

「そうなんですか。じゃあその3人の訓練を見てあげればいいということですね」

「まあ当分の間はそうなるわね。それとひとつ聞きたいことがあるのだけれど…あなたたちはA級を目指すのよね?」

3人ともうなずく

「わかったわ。そうしたら私たちがあなたたちの稽古をつけてあげるわ」

「先輩達2人で3人を見るんですか?」

「あ…そうなのよね…私は浅見くん、希は関口くんに教えられると思うけれど…阿部くんは…ちょっと私たちじゃだめかな…」

「いや、俺はたまに見てもらったりしてもらえればいいですよ」

少し寂しさがあるがしょうがないと思う。

しかし絢瀬先輩は難しい顔になってしまう

 

そこで東條先輩が提案してくれる

「阿部くんの師匠にぴったりの子がいるからウチが連れて来てあげる」

「本当ですか⁉︎」

東條先輩はうなずく

「誰なんですか⁉︎」

一気に嬉しくなって聞く

「それは会ってみてのお楽しみや♪」

しかしはぐらかされる。

いたずらっぽい笑みええなぁ

と思いながら東條先輩を見ていると注意される

「阿部くん、希を見過ぎよ。じゃあ阿部くんの師匠については希に任せるわね?」

それに東條先輩が返事をする

そして絢瀬先輩が浅見くんの方を向き直す

「浅見くん、私は中途半端なことは嫌いなの。やるからには厳しくいくからね」

「はい!よろしくお願いします!」

 

「関口くん、ウチがスナイパーとは何たるかを叩き込んだるで!」

「お世話になります!」

 

俺だけ何もないので一人二役をやってみる

「阿部くん、君を最強のオールラウンダーにしてあげよう。このわしに任せるのじゃ!」

「Yes, boss」

 

四人がやばい表情をしていた、後悔した。

 

 

それからパーティーは夜まで続いた。

途中で東條先輩がタロット占いをしてくれたけど、それによると浅見隊は今大きな分岐点にいるらしい。まあ占いは占いだよな。朝の占いとか見ると1日引きずっちゃうけどさ。

 

「私たち本部にいてこっちにいないことが多いけど、何かあったら連絡をちょうだい」

「はい、わかりました。じゃあ、さようなら!」

浅見くんが挨拶をする

俺と関口も挨拶をして別れる

 

帰りは料理の上手な女の子について熱く語り合った

 

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