―――その杯を手にした者は、あらゆる願いを実現させる。
聖杯戦争。
最高位の聖遺物、聖杯を実現させるための大儀式。
儀式への参加条件は二つ。
魔術師であることと、聖杯に選ばれた寄り代である事。
選ばれるマスターは七人、与えられるサーヴァントも七クラス。
聖杯は一つきり。
奇跡を欲するのなら、汝。
自らの力を以って、最強を証明せよ。
ーーーーーー
――――なんて戦いをするのが聖杯戦争だ。そしてその戦いをするアニメがfateだ。
主人公の名前は衛宮士郎でヒロインはセイバーことアーサー王(女)でファンの間じゃ確か青セイバーって呼ばれてた気がする。
俺はアニメしか見たことないがたしかゲームが元だった気がする。
しかもアニメにしてもゲームにしても確か凄まじい人気で様々な派生品がありファンも根強くいる人気の作品だ。
まぁそれはいい、面白いんだろうよ。魔術師と時代を駆け抜けた英雄達のしのぎ合い面白いだろうよ。
だって見てて面白かったもん。fateZeroとかウェイバーとイスカンダルの友情とか衛宮切嗣の正義に対する哀しみや怒りや憧れとか苦悩とか見てて良かったよ。
アニメfateのubwルート。あのアーチャーと衛宮士郎の戦いは熱くも悲しいものを感じたしかっこ良かったよ。
でもなー……でもな……。
「この世界に行って戦いたいだなんて思った覚えなんぞねーよ。しかもよりによって衛宮士郎とかマジでねーよ」
よりによって主人公だよ……。
俺は死んだ。衛宮士郎になる前の■■士郎の前の自分だ。
ちなみに前世の自分……士郎となる前の自分に目覚めたのは切嗣と士郎の月の下での呪いであり始まりであった約束の夜の切嗣の「あぁ――そうか。なら……安心した」のすぐ後だ。
びっくりしたな。士郎になる前の自分の記憶が唐突に蘇ったあの瞬間をあの時、自分が衛宮士郎になりfateの世界に何の理由かは分からないが転生したとは。
そのせいだろうか? 切嗣との約束も余り大事に思えずにいるのは……。
まぁ当たり前だ。俺は衛宮士郎だが衛宮士郎ではないんだ。
衛宮士郎にはなれない。
そして現在、俺は高校二年生で原作開始まで秒読み段階となっている。
だが俺は生憎だが冬木市にはいない。そして遠坂凛と間桐桜がいる高校には通ってもいないしあの屋敷は手離した。
藤ねぇには家に居るとじいさんの事思い出して悲しくなると伝え高校に上がると同時にアパートに移り住む約束となり俺は約束通りここにいる。
藤ねぇには悪いが俺が死なない為には必要なことなのだ。
こうして俺は死亡フラグまみれの戦いから身を遠ざけたのだ。
完璧だ。もう完璧だ。魔術は本物の衛宮士郎と同格ぐらいだがもう魔術師なんぞ関係ないのだ。
聖杯戦争も恐らく遠坂凛がアーチャーと共にどうにかするだろう。
ギルガメッシュもアーチャーがアンリミテッド・ブレードワークスとやらで片付けるだろう。
多分だがな。
そして冬木市に関してはガス漏れ事件と一家惨殺事件があったのを確認した。
もう話は始まったころだ。
冬木市は修羅の町となったということだ。
だがもう他人事だ。俺には関係ないのだ。学校の結界も遠坂凛がどうにかしてくれる事だろう。
故に俺はアパートの一室でテレビを見ながら風呂上がりにアイスをかじる生活をしても何の問題もないのだ。
そう思っていた。
自分の手の甲に令呪が浮かぶまでは。
そう今、アイスをかじっていたら令呪が浮かび上がってくるまでは……。
そう今の俺の心境を述べるのならばこうだろうな。
「これが――――fateだ」
読んでくださいね