小町「世界線変えたら遊戯王世界になった」   作:ジョニー03

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【戦士族ビート】VS【DD】

「ヒッキー、《光天使セプター》と《光天使スローネ》のコンボの裁定が何度説明されても分からないんだけど、教えて?」

「……」

「……ヒッキー?」

「……お、俺にもよく分からん……!」

「えー……。じゃあゆきのん、教えてー?」

「……」

「……ゆきのん?」

「……」

「……」

「……」

「……わ、私にも、わからない事くらい、あるわ!!」

「あ、ちょっと、どこ行くのゆきのん!ゆきのーん!!」

 

 

※現在セプスロコンボはスローネ規制のため使えません。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「「決闘(デュエル)!!」」

 

「先行は俺だ!俺は《戦士ラーズ》を召喚!!」

 

 

・《戦士ラーズ》

星4/地/戦士族/攻 1600/守 1200

(効果)→召喚、特殊召喚時、デッキトップに《戦士ラーズ》以外でレベル4以下の戦士族モンスターを置ける。

 

 

「《戦士ラーズ》……。ほぇー、初めて見たぁ……」

「確かに古いカードではあるな。効果も微妙だし。……まあ、弱いとは言わねえけどよ」

 

デッキトップ操作は今の環境では些か遅い効果と言えるが、弱いわけではない。

しかし、アドが取れる効果じゃないしなぁ……。

 

「そんな粗末なモンスターを私の前に出すなんて、随分と舐められた物ね」

「……っ!舐めてるのはそっちだ!見せてやる、戦士族のシナジーを!俺は《戦士ラーズ》の効果発動!デッキトップに《ゴブリンドバーク》を置く!!」

 

 

・《ゴブリンドバーク》

星4/地/戦士族/攻 1400/守 0

(効果)→召喚時、手札のレベル4以下のモンスターを特殊召喚する。その後、このカードは守備表示になる。

 

 

「ほう、展開札を確実に引けるようにしたか。でもまあ、逆に言えば次のターンは《ゴブリンドバーク》しか引けなくなったとも言える」

「それって、悪い事なの?」

「まあ、一長一短だな。そのまま放っておけば全く使えないカードを引くかもしれないし、《増援》なんかを引けるかもしれない。……結局、運になっちまうんだけどな」

「うーん……。難しい……」

「……お前、一応決闘者なんだよな?」

「ば、馬鹿にしないでよ!!」

 

だって馬鹿じゃんお前……。

こいつがどんなデッキを使っているのか、このデュエルの結果より気になっている自分がいた。

 

「……俺はこれでターンエンド」

 

柔道部長がターンエンドする。随分短いターンだ。

 

雪ノ下は落胆した様に目を伏せ、深いため息をつく。

 

「はぁっ……。私を倒したいと言うのなら、せめてもう少し強くなってから来ることね。……ドロー」雪乃手札5→6

 

まず、雪ノ下は手札二枚を重ねる様に片手の指で挟み、そのままディスクの墓地ゾーンへ送った。

 

「私は《DDスワラル・スライム》の効果を発動するわ」

 

 

・《DDスワラル・スライム》

星2/闇/悪魔族/攻 200/守 200

(効果)→①手札からこのカードを含む『DDD融合モンスター』の融合素材を送ることで、融合召喚ができる。

②墓地のこのカードを除外する事で、手札のDDモンスターを特殊召喚できる。

 

 

「私は《DDスワラル・スライム》と、《DDバフォメット》で、融合召喚」

「《融合》を使わず融合召喚だと!?」

 

「……いや、そんな事で驚くなよ……」

「《融合》魔法を使わずに融合召喚!?」

「……何でお前も驚いてんだよ……」

 

この世界の平均的な決闘者の戦力はどうなってるんだ。

 

呆れて呆然としていると、雪ノ下の目の前が光の渦に包まれ出し、その中から赤き鎧を纏った戦士が這い出してきた。

ほう、あれが三次元で見るDDD……。結構格好良いじゃないの。

 

「……自在に形を変える神秘の渦よ、異形の神を包み込み、今一つとなりて新たな王を生み出さん!!現れよ、《DDD烈火王 テムジン》!!」

 

「……ぶっふぉ!?」

「ヒッキーどうしたの!?」

 

口上言うんかい!!

 

 

・《DDD烈火王 テムジン》

星6/炎/悪魔族/攻 2000/守 1500

(効果)→①このカードが場にいる時で、自分が『DDモンスター』を特殊召喚した時に発動する。墓地の『DDモンスター』一体を蘇生する。

②このカードが墓地に送られた時、墓地の『契約書』一枚を手札に加える。

 

 

「くっ、いきなり攻撃力2000のモンスターを……!」

「このカードの注目する点は攻撃力じゃないのだけれど……。はぁ、やっぱり弱過ぎるわね」

「なにぃ!?」

 

雪ノ下の顔は完全に冷え切っていた。最早、あの部長に何も期待していないのだろう。

 

冷たい目でどこか遠くを見てる様な表情で、雪ノ下はディスクにカードを置く。

 

「私は《DDナイト・ハウリング》を召喚。……そして効果発動」

 

 

・《DDナイト・ハウリング》

星3/闇/悪魔族/攻 300/守 600

チューナー

(効果)→召喚時、墓地の『DDモンスター』を攻守を0にして蘇生する。そのモンスターが破壊された場合自身は1000のダメージを受け、この効果を使ったターン、自分は悪魔族モンスターしか特殊召喚できない。

 

 

「墓地の《DDバフォメット》を蘇生」

 

 

・《DDバフォメット》

星4/闇/悪魔族/攻 1400/守 1800

(効果)→1ターンに一度、自身以外の『DDモンスター』のレベルを1〜8の好きな数字に変更できる。

この効果を使ったターン、自分はDDモンスターしか特殊召喚できない。

 

 

「なるほど、雪ノ下はあのコンボをやる気か」

「あのコンボ……?」

「見てれば分かるぞ、もう仕上げだ」

 

「私は、《DDバフォメット》に、《DDナイト・ハウリング》をチューニング!!」

 

バフォメットが4つの星へと変化して宙へ飛び、それをリングとなったナイト・ハウリングが取り囲む。

 

そして、カッと閃光が走った。

 

「闇を切り裂く咆哮よ。疾風の速さを得て、新たな王の産声となれ!!」

 

雪ノ下がディスクに叩きつけるようにカードを置いた。

同時、フィールドに溢れ出した光から、白き鎧を纏った王が現れる。

 

「シンクロ召喚!!生誕せよ!《DDD 疾風王アレキサンダー》!!」

 

 

・《DDD 疾風王アレキサンダー》

星7/風/悪魔族/攻 2500/守 2000

(効果)→このカードが既に場にいて、DDモンスターが召喚、特殊召喚された時に発動できる。墓地のレベルを4以下のDDモンスターを蘇生する。

 

 

「1ターンで融合とシンクロを同時に……!」

「融合とシンクロだけではないわ。この二人の効果をもう一度読み直すことね」

「な、なんだと!?」

 

「ヒッキー、まだ終わりじゃないってどういうこと?」

「……その通りの意味だ、由比ヶ浜。ヒントは、テムジンの効果だ」

「テムジンの効果……あっ!」

 

「《DDD 烈火王テムジン》の効果発動。このカードが既に場にいて、DDモンスターが特殊召喚された時、墓地のDDモンスターを蘇生できる……」

「あぁっ!!」

 

柔道部長が気づいたように叫び声を上げる。

しかし、もう既に何もかも遅い。

 

「私は墓地の《DDバフォメット》を特殊召喚。そしてこの瞬間、《DDD 疾風王アレキサンダー》の効果も発動。……説明しなくてもわかるわよね?」

「あ、あぁ……っ!」

「墓地の《DDナイト・ハウリング》を特殊召喚!」

 

「これでまたシンクロ召喚をするの……!?」

「いや、それは違う。良く場を見てみろ由比ヶ浜。《DDバフォメット》の効果を、あいつはまだ使ってない」

「DDバフォメットの効果……?」

 

「《DDバフォメット》の効果を発動!私は《DDナイト・ハウリング》のレベルを、4にする!」

 

《DDナイト・ハウリング》レベル3→4

 

「……あっ、そうか!これで……!」

「レベル4のモンスターが二体、だ」

 

「私は二体のモンスターで、オーバーレイ!!」

 

二体のモンスターが光輝く球体となって空へと跳ね、螺旋を描きながら上昇していく。

そしてその螺旋が完全な点になった時、激しい爆発が起こった。

 

「この世の全てを統べるため、今 世界の頂に降臨せよ!エクシーズ召喚!生誕せよ、ランク4!《DDD 怒濤王シーザー》!!」

 

 

・《DDD 怒濤王シーザー》

星4/水/悪魔族/攻 2400/守 1200

(効果)→①素材を一枚切って発動する。このターンに破壊されはモンスターをバトルフェイズ終了時に、可能な限り蘇生する。次のスタンバイフェイズ時、自分は蘇生したモンスターの数×1000のダメージを受ける。

②このカードが場から墓地に送られた時、『契約書』カードをサーチする。

 

「融合、シンクロに続き、エクシーズまで……!?」

 

雪ノ下の場に並ぶのは、名高い三大召喚法のそれぞれのモンスター達。

中々精悍な風景である。

 

「ゆきのん、凄い……!」

「まあ、あの布陣自体は大した強さはないんだけどな。でも、【DD】でこれやると気持ち良いよなぁ」

 

 

・【DD】

主に墓地を利用しての大量展開を狙う悪魔族テーマ。

 

様々な召喚法を扱えるが、優秀なサーチ魔法や、多数の融合サポートカードの存在から、融合を軸にして回すのが一般的。

 

制圧を重視したいならば、シンクロやエクシーズの比重を増やしていくことになるだろう。

 

初手は余程手札が良くない限りあまり動けないが、一度墓地が肥えた時の爆発力は眼を見張るものがあり、数々のバーンデメリットを持つカードも《DDD 神託王ダルク》の存在によりメリットにできるため、回り始めたら止めるのは困難。

 

弱点は、手札の消費が激しいデッキなため、ドロー1枚で逆転……なんて状況にはほとんどならない事。

つまり、劣勢には弱めという事である。

 

また、墓地利用を多用する関係上肥えるまで動きづらく、除外にも弱い。

 

 

「私は、《DDD 烈火王テムジン》で、あなたの《戦士ラーズ》を攻撃!」

「ぐぅ……!」LP8000→7600

「更に二体のモンスターでダイレクトアタック!」

「ぐわああああああ!!」LP7600→2700

 

ダメージを喰らい、柔道部長は大きく仰け反りながら悲鳴をあげる。

……なんでも良いけど、あいつリアクション大きすぎだろ。これただの立体映像よ?

 

「私はカードを一枚伏せ、ターンエンド」雪乃手札3→2

 

雪ノ下が冷たい笑顔を浮かべながらターンを終了する。

その顔には、勝利に対する絶対的な自信があった。

 

「……くっ、俺のターン、ドロー!」部長手札4→5

 

「俺は《ゴブリンドバーク》を召喚!その効果により、手札の《H・C エクストラ・ソード》を特殊召喚!!」

 

 

・《H・C エクストラ・ソード》

星4/地/戦士族/攻 1000/守 1000

(効果)→このカードをエクシーズ素材にして召喚されたエクシーズモンスターの攻撃力は1000上がる。

 

 

「これでレベル4モンスターが二体か……」

「来るよゆきのん!」

 

本当に来るぞユイトラル!

 

「俺は二体のモンスターでオーバーレイ、現れろ、《機甲忍者ブレード・ハート》!」

 

 

・《機甲忍者ブレード・ハート》

ランク4/風/戦士族/攻 2200/守 1300

(効果)→素材を一枚切る事で、このターン二回の攻撃ができる。

 

 

ブレハか。二回攻撃のできる強力なモンスターではあるが、この盤面で出すのはどうなんだ……?

 

「このカードの召喚時、エクストラソードの効果発動!《機甲忍者ブレード・ハート》の攻撃力は1000上がる!」

 

ブレードハート攻撃力2200→3200

 

「これでお前の全てのモンスターの攻撃力を超えたぁ!!俺は《機甲忍者ブレード・ハート》で、《DDD 烈火王テムジン》を攻撃!」

 

「あっ馬鹿!」

 

そんな事したら逆効果だぞ……!

 

「ふっ……」LP8000→6800

 

雪ノ下がライフを減らしながらも不敵に笑う。

それに怒ったのか何なのか、柔道部長は更にアレキサンダーにも追加攻撃を加えようとする。

 

「《DDD 疾風王アレキサンダー》に攻撃!!」

「そう。では、そのタイミングで《DDD 怒濤王シーザー》の効果を発動させてもらうわ」

「なに!?」

 

シーザーの効果、バトルフェイズ終了時に、このターン破壊されたDDモンスターを蘇生する……!

 

「アレキサンダーは破壊させてあげるわ……」LP6800→6100

 

しかし、全てのモンスターが戦闘を終了した時、シーザーの効果が起動する。

 

「バトルフェイズ終了時、破壊されていた《DDD 烈火王テムジン》と《DDD 疾風王アレキサンダー》を墓地より特殊召喚!」

「お、俺の攻撃が、無意味に……」

 

もちろん、全くの無意味ってわけではない。確かにライフを減らしている。無意味では、ない。

 

しかし、DDに対して戦闘破壊ってのは基本的に悪手。効果での破壊ですら奴らは墓地が肥えたと思うだけな時すらある。

 

あの部長が取るべき手は、破壊を伴わぬ除去カードでシーザーを飛ばす事だった。ランク4使いならば、他のモンスターもいたろうに。

 

「あなたのエンドフェイズ、私は《戦乙女の契約書》を発動」

 

 

・《戦乙女の契約書》

永続罠

①1ターンに一度、手札から《DD』または『契約書』カードを一枚墓地へ送り、場のカード一枚を破壊する。

②相手のターンのみ、自分フィールドのモンスターの攻撃力を1000上げる。

③自分スタンバイフェイズ時、1000のダメージを受ける。

 

 

「手札を一枚墓地へ送り、あなたのモンスターを破壊する」雪乃手札2→1

「そ、そんな……!」

 

雪ノ下の使った永続罠により、機甲忍者は破壊される。

これで柔道部長の負けがほぼ確定したわけだが、俺は他の事が気になって仕方がなくなってしまっていた。

 

……バトルフェイズにその永続罠を使っていれば、そもそも奴の攻撃で受けるダメージを0にする事もできた筈ではないのか?

 

「雪ノ下、なんでわざわざそれをエンドフェイズに使った?」

「あら、説明しなくてはいけないかしら?二度と私に挑もうとも思わないように、『本気を出さなくても私はあなたを倒す事なんて訳無い』……という事を思い知らせるためよ」

「……そうか」

 

なるほど、雪ノ下はそういうプレイングスタイルを取るのだろう。

カードの勝利だけでなく、精神での勝利も追求する。

 

……しかしそれは、紛れも無い慢心だ。

 

確かにそのデッキは強い。

雪ノ下のプレイングも悪くない。雪ノ下雪乃の頭脳を考えれば、当然の事だろう。

しかし、油断は良くはない。所詮これはカードゲームなのだ。運も大きく関わってくる。

そういう慢心で、足元を掬われる事だってありえるのだ。

 

「……」

 

まあ、それを俺がどうと言う権利も無いのだが。

 

 

× × ×

 

 

「うおー!やれー!」

「トドメをさせー!」

 

激しい歓声。

ハッとして上を見ると、いつの間にか疎らではあったがアリーナに人が集まってきていた。

 

なるほど、学年一の有名人雪ノ下雪乃がデュエルをしているのだ。噂を聞いて寄ってくる輩がいても不思議ではない。

 

しかし、もうデュエルも終わるところだ。今来たばかりの人にしてみれば、かなり不満なことではあろうが。

 

「私は三体のモンスターで、ダイレクトアタック!!」

「うわあああああああああああああああああ!!」LP

2700→0

 

攻撃を食らって何故か後ろに吹き飛ぶ柔道部長。

雪ノ下はその男を見下す様に立ち、手を組んで切れ味良く言い放つ。

 

「『DDD』とはつまり、『Different Dimension Demon』……意味は、『異次元を支配する王』。……これが、王の力よ」

 

「……ぶっほぉあ!?」

「ヒッキー!?」

 

雪ノ下の語りに、つい噴き出してしまう。

いや、無理だって。あんなん反則だって。堪えらんないって。

 

「……何かしら?」

 

俺の声は当然聞こえていたのか、雪ノ下がギロリとこちらを睨みつけてくる。

ひきがやの こうげきりょくが さがった !

 

「い、いや、なんでも……」

「そう?私の気のせいじゃなければ、今のはこの私を馬鹿にしたような笑いだったと思うのだけれど」

「気のせいだろ。絶対気のせい」

 

俺はそう誤魔化した。が、顔にでも出ていたのか、雪ノ下の顔は更に不機嫌になっていく。

 

だっていきなりあんな事言うなんて反則だよゆきのん……。笑うなって言う方が変だよ……。

 

 

雪ノ下の不機嫌に反応してか、俄かにアリーナの観客がざわめき出す。

 

あの男が雪ノ下雪乃を馬鹿にした。

学校一の決闘者を。

あのなんでもない男が。

 

内容を予想するなら、こんなところだろうか。

まあ、その反応は正しい。誰だってプロ野球選手を馬鹿にする野球少年がいたら突っ込む筈だ。

 

「……そういえば、あなたは他人とのデュエルを受けるようになったんですってね?」

 

不意に、雪ノ下が俺にそう問いかけてくる。

 

その質問に、返事はいらなかった。何を意味しているかなど、最早聞くまでもない。

 

静かにデュエルディスクを構える。移動の時、密かに持ってきていたのだ。

 

俺がアリーナに降り立つと、更に観客達はざわめいた。

 

愚かにもあの男は、雪ノ下雪乃に挑むつもりだぞ。

馬鹿な、勝てる筈がない。

余程の自信家か、ただの阿呆か。

 

そんな声を聞き流し、俺はデュエル場の中心まで歩く。

そこには雪ノ下が、ポカンとした顔で待っていた。

 

「……驚いた。本当に来るなんて思わなかったわ」

「だな。俺も自分がこんな場所に来るようになるなんて信じられねえわ。……ただまあ、今日他人とのデュエルの味ってのを占めちまってな。また味わってみたくなっちまったんだ」

「……あなた、姉さんとのデュエルはノーカウントなの?」

「あっ、いや、その……。あの人以外とのデュエルをな。うん、そういう意味だ」

 

つい自分が今日初めてデュエルをした風に言ってしまったが、この世界ではそういう事になっているのを忘れてた。

 

「……そう。何にせよ、あなたがデュエルをしてくれると言うのならこれ以上突っ込むつもりもないわ。私はただ、やれればいいんですもの」

「そうだな。二人の決闘者がアリーナに集まる……勝負でしょう。おい、デュエルしろよ」

 

言いながら、俺はデッキをディスクに嵌める。

今回使うデッキは、【ガガガブラマジ】ではない。

一段上の、4軍だ。

 

「良いでしょう。そのデュエル、受けるわ」

 

刃○ネタはともかく後半の言葉は伝わったようで、雪ノ下も臨戦態勢に入る。

 

二人の間にピリピリとした空気が走り、周りの人間の声が更に大きく、しかし俺の耳には遠ざかっていくように聞こえる。

 

 

何分ほどそうしていただろうか。

 

俺達の緊迫感、集中が最大にまで達したところで……。

 

「「決闘(デュエル)!!」」

 

どちらともなく、俺達は同時にそう言い放った。

 

 

× × ×

 

 

「……うん。驚いたよ。雪乃ちゃ……、雪ノ下さんと比企谷がデュエルするなんてさ」

『…………』

「動画?うん、撮るよ。メールで送れば良いよね?元々それを伝えるために、電話したんだからさ」

『…………』

「じゃあ、とくと見るといいよ。あなたの唯一の『友達』が、どれ程変わったのか……」

 

 

 

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