みかんのあっけない最期を見たくなかった俺は、みかんの方を見なかった。だがしばらくたってもみかんの残骸が降りてくる様子がない。
このまま考えていてもしょうがないのでおそるおそるヤツの手を見た。
…おっ?おお!! みかんが無事にヤツの手の上でまだ生きている!!とりあえず俺は安堵した。
ヤツはどういうわけかみかんを手に乗せたまま考え込んでいる。みかんの方はこのあとどうなるかという恐怖で震えている。
それから約数秒経っただろうか。ヤツはみかんを再び俺の隣に置いたのである。食べる気は一旦はなくなったことは確かか…?ヤツが何を考えているかは全くわからないが、とりあえず俺とみかんは助かったらしい。
~~~~~~~~~~~
みかんside
恐かった…本当に死ぬかと思った。ついに主人が僕を食べるのだと悟った時から震えが止まらなかった。なんでかはわからないけど、主人は僕を食べるのを止めた。
今回は無傷で終わったけど、次はただじゃ済まないんだろうなぁ…。 もちろん自分がいつか食べられるか、もしくは腐って捨てられるかのどっちかだってことがわかっていないわけじゃない。それでも痛いのは嫌だ。たぶんそれは隣のりんご君も同じ…はず。
隣を見るとりんご君が心配したような、どこか安心しているような表情をして僕をみている。
『大丈夫!僕はなんともなかったよ』
………と言いたいが、僕はヒトと違って果物だから気持ちはあってもりんご君にそう言うことはできない。それが少し悲しく感じた。
~~~~~~~~~~~
りんごside
みかんが恐怖のいりまじった少し悲しげな表情で俺の方を見ている。何かを俺に言いたいのだろうが、俺達果物は会話を交わすことはできない。強いてできるとすれば、様子を伺うことだけだ。
ひとまずみかんが生きて戻ってきたことは嬉しかった。やはり隣に何かがいるのはどんな生き物でも何かしら影響があると思うんだが、どうだろう?そんな事を考えてるうち、またヤツが部屋に戻ってきた。
今度は何をしようというのか。またみかんは震えだした。今更俺はヤツなんてどうでもいいのだけど、みかんを悪意がないとはいえ怖がらせてしまっているのはちょっと腹立たしさを覚えた。
なんにせよ、ヤツがどんな行動を取るのか見ていることしかできない。ただ部屋に入ってきただけならそれが一番ありがたい…
が、そうはいかなかったみたいで。ヤツは俺とみかんの両方ともを掴み、キッチンへ向かい出した。やばい。これは詰む。食べるのを止めたんじゃなくてただ違う食べ方を思い付いただけなのね。今度こそ俺とみかんはジ・エンドかな?
キッチンまではすぐそこなので、考え事をしてるうちすぐについてしまった。そしてヤツは包丁を取り出した!
絶体絶命だ。みかんはもう真っ青になりそうな顔をしていた。実際は全く青さのないオレンジ色をしてるけどね。ま、どうしようもないんだよみかん。どうしても逆らえない物ってある。たぶんみかんだけじゃなくて俺も共にフルーツポンチにされるだろうから、ともかく落ち着け。
はぁ~。再び俺も腹をくくらないとな。いずれ昇天することはわかってたけど、2回目の決意となると1回目ほどは強くしにくい。この短時間で起きた出来事が、俺の心境に変化を与えてしまった。自分でもわからないがなんかまだ終わりたくない。また助かんないかなぁとか思い始めてる。時計を見ると針は午前4時を指していた。微妙な時間だなと思いつつも、俺はそんな淡い期待を抱いていた。
終わった~。展開考えるのが大変でしたwwそろそろ限界になってきたので次回で最終回かもです。読んでくださった方、ありがとうございました(^-^ゞ