ダンジョンで限界を超えるのは間違っているだろうか   作:らぐいん

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皆さんこんにちは。

第二話です。どうぞ


第二話

  

「おはよう!いい朝だね!」

 

「おはようございます。ヘスティア様」

 

 晴れてヘスティア・ファミリアに入ることになった僕は、この世界初めての朝を迎えた。

 ヘスティア様は朝から元気だ。

 

「運のいいことに、今日バイトが休みなんだ。今日は君の仕事について話したら、一緒に買い物に行こう!」

 

 仕事、いきなり仕事だ。わかってはいたがやはり気後れしてしまう。労働して金を稼ぐなんてもう少し先だと思ってた。

 

「僕がすぐできる仕事なんて、見つかるでしょうか」

 

「そこは大丈夫だよ。ミノル君には冒険者になって、ダンジョンに行ってもらおうと思ってるんだ」

 

 ダンジョン。この街だけにあるという迷宮か。確か中のモンスターを倒して、そのモンスターから魔石を取り出して稼ぐんだったか。

 だが少し待ってほしいと思ってしまう。

 

「すみません。ヘスティア様。実は僕、モンスターどころか動物一匹すら殺したことがないんです。そんな僕が、モンスターを倒せるとは思えません」

 

「うん。不安なのは確かにわかる。本当はボクだって、ミノル君に危険なことはさせたくないんだ。だけど君にはとてつもない才能がある。それは神であるボクが保証するよ」

 

「ですが・・・」

 

 それでも言い淀んでしまう。選択できるような立場でないことはわかっていたつもりなのに。

 

「それに、ボクは君にはダンジョンが向いていると思うよ。昨日の話を聞く限り、君にはとても高い向上心がある。君の成長のためにはダンジョンに潜るのが一番効率がいいんだ」

 

 そこまで言われると、できるような気がするから不思議だ。それに成長にため、か。今までは勉強をしていても、それで本当に力がついているのか不安なことが多々あった。だが、今はそれを目で見て確認できる。それを考えるとすごく魅力的な気がする。

 実は冒険者という響きには引かれるものもある。しょうがないよね。

 

「わかり・・・ました。確かにこのままじゃ、ただのごくつぶしですもんね。ただ、武器とかどうしましょうか。そういうのは凄く高そうなイメージなのですが」

 

「ふっふっふ。よくぞ聞いてくれた!実はいつ眷属ができてもいいように、1万ヴァリスも貯金があるのだよ!」

 

 どうだい。褒めてもいいんだよ。と言わんばかりに大きな胸を張っているヘスティア様。

 その姿をもう少し見ていたい気もするが、言わなければならないことがある。僕はできるだけ申し訳なさそうな顔を作って言う。

 

「すみませんヘスティア様。僕には1万ヴァリスがどのくらいの価値かわからないんです・・・」

 

僕がそう言うと、ヘスティア様は見るからに残念そうな顔をした後、説明をしてくれた。

 

「うん、そういえばそうだったね。えっと、ボクがアルバイトで売ってるじゃが丸君というスナックがあるんだけど、それが大体40ヴァリスだよ。後は、酒場の高めの定食が300ヴァリスってところかな。これで大体わかるかい?」

 

 うーんと、露天で売ってるスナックが40ヴァリスか、日本だと200円くらいか?ちょっと安いかな?でもそれで計算すると定食が1500円ってことになる。こっちは高い気がする。まあ全部の値段が同じくらいという保証もないし、大体4~5倍が日本円って考えていいかな。合ってはいなくても大きく外れてはない、と思う。じゃあ貯金が1万ヴァリスってことは、大体5万くらいか。正直反応に困る額だが・・・

 チラッとヘスティア様を見る。誇らしげだ。此処は凄く驚いておこう。そうしよう。

 

「大体わかりました。一人で1万ヴァリスも溜めるなんて凄いです。僕は感動しました!」

 

 笑顔でそう言う。だが僕の予想とは裏腹に、すごく不満そうな顔だ。どうしたのだろうか。

 僕が答えにたどり着く前に答えが出てきた。

 

「ミノル君、今嘘をついたね!ボクにはわかるんだよ!」

 

 あ、完全に忘れていた。

 

 

 

 

 

 あの後、何とかヘスティア様の機嫌を直し、僕たちは買い物に出かけた。

 始めて教会を出た僕の感想は、異世界すごい!とかじゃなく、うわこの教会ボロ過ぎだろ、だった。なんか残念だ。街並みの感想としては、ファンタジーの世界観に合った中世のヨーロッパ風といったところだ。後は、すごい高い塔が立っている。あそこにダンジョンがあるのだろう。電気などはやはり通っていないらしい。

 

「まずは、武器と防具を買いに行こうか!やはり冒険者にとっては最重要品だからね。いいものを買わないと。ミノル君は使いたい武器はあるかい?」

 

「そうですね。何も使ったことないのでよくわからないですが、やはり剣は使ってみたいですかね。後は、リーチの長い槍とかですかね」

 

「いいね!ミノル君も男の子だからね!かっこいい武器を使わなきゃ!」

 

それにしてもこの神様ノリノリである。よほど眷属ができたことがうれしいのだろう。っと、どうやら店に着いたようだ。自分の身を守るものだ、真剣に選ばないと。そんなことを思いながら、僕とヘスティア様は店の中に入っていった。

 

 

 

 

 

「うー、まさかあんなに高いなんて・・・情けない神様でごめんよ・・・」

 

「大丈夫ですよヘスティア様!ちゃんとナイフと防具を買うことはできたんですから!」

 

 なるべく明るい声で僕は言う。ナイフは3600ヴァリス、防具は5000ヴァリス。これから僕の生活必需品を買うとなるとギリギリの値段だ。買えただけでも良かったと思うべきだろう。

 

「これで明日からはバンバン稼ぎますから!・・・稼げるかな?いや、稼いで見せます!任せといてください!」

 

「うぅ、こんな頼れる眷属を持てるなんてボクは幸せ者だよ」

 

 なんて大げさなことをヘスティア様は言う。やばい、自分からハードルを上げてしまったと後悔もした。が、それ以上にこの神様の幸せそうな顔をみたいと思った。

 

「じゃあ、気を取り直して、次の店に行きましょう!」

 

「おー!」

 

 

 

 

 

「あれは、一体・・・」

 

 バベルの最上階から街を眺めていたフレイヤは思わずつぶやいていた。あの魂はこの距離からでもわかるほどに異常で、異質だった。別にきれいな色をしていたわけではない。普段なら気にも留めない、雑草と同じような魂。だが、あの魂は間違いなく、()を放っていた。見ていると、どうしようもなく引き込まれそうになる。そんな淡い光を。

 これまでの神生で、あんなものは見たことがない。聞いたこともない。

 

「フレイヤ様、どうかなされましたか?」

 

 そばに仕えていたオッタルが話しかけてくる。

 

「あら?どうしてかしら?」

 

「いえ、とてもうれしそうな顔をしてらしたので」

 

 どうやら知らず知らずのうちに顔が笑っていたようだ。だが、それも仕方のないとこだろう。ここまで興奮したのは、いつ以来だろうか。まるで、新しい玩具を手に入れた子供のようだと思いながら、光の消えた先をずっと見ていた。

 

 

 




読んでいただきありがとうございました。

今回も設定の話を少し。

魂についてですが独自解釈を含んでいます。

私の解釈では、ダンまちにおける魂は、神の目で見ることで、見えるものだという認識です。つまり魂そのものに光はなく、神の目によってやっと色を得るものだという考えです。

えーっと現実世界で例えると、太陽の光によって僕らは自分の色や形を認識できますよね?つまり、ここでは神の目が太陽の代わりだというとを言いたいわけです。

光っている魂については、銀魂のオマージュです。パクリではないと信じたい!!

後、今回でわかったと思いますが、主人公は完全にベル君の位置にいます。つまり、ベル君は出てきません(重要)

次回も読んで下さるとうれしいです。ではでは。
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