黒き英雄達のレコンギスタ(ガンダム Gのレコンギスタ×最弱無敗の神装機竜) 作:okura1986
最弱無敗アニメの第二話Bパート、原作小説一巻の終盤がメインになっています。
前回以上に人を選ぶ展開かも……。
ちなみにリーシャ虐める元帝国兵の設定は原作、漫画版準拠になっています。
時間は幻獣(アビス)の襲撃を告げる鐘がなる一時間前、城砦都市(クロスフィード)の郊外にある森林、そこで城塞都市の警備を担う軍の制服を着た。目つきの悪い紫髪の男が、この世界には合わない背広にネクタイ姿の男と話していた。
「貴様ぁ……この前のアレの失態はなんだ!? 貴様らに高い金を払ってアレを使ったというのに、学園のメスどもにあっさり奪われてしまったんだぞ!?」
「……こればかりはこちらの落ち度としか言いようがありません。よもや乗り込んでプログラムを書き換える者が存在するとは……」
青筋を立てて怒る紫髪の男に対し、背広の男は深々と頭を下げて謝罪を行う。
「お詫びと言っては何ですが、今回の件は我々の落ち度ということでお金は全額返済し、補償として別の兵を派遣させていただきます」
「別の兵……? 信用できるのか?」
「はい、今回は自立型の自動人形ではなく、その道のプロをご用意させていただきます」
予想外の大盤振る舞いに、紫髪の男は外面は不機嫌を装いながらも、内心は小躍りするほど喜んでいた。
「ふ、ふん……今回はこちらの兵やアビスも使わせてもらうからな。せいぜいそのビジネスとやらをしっかりこなせ」
そう言い残し、紫髪の男はその場を去っていった。それと入れ替わりで、今度は銀髪に灰と蒼の瞳を持つ少女が現れる。
「おーおー……散々な言われようだったなビジネスマンさんよぉ? あんなのに頭下げるなんて、俺だったら速攻ぶっ殺してたぜ?」
「ヘイズ様、いえいえ……これも主の大いなる目的の為でございます。イレギュラーの出現には対策を立てております」
「それがさっき言っていたその道のプロって奴か……信用できるのかよ?」
ヘイズと言われた人物の問いに対し、背広の男は不敵に笑って答えた。
「ええ……主のご友人が推薦する、腕利きのMS乗りですから」
☆ ☆ ☆
時は戻り場所は新王国第四機竜格納庫、そこには学園のドラグライド使いが集まり、教官らから城塞都市郊外に現れた大型幻神獣について説明していた。
「第六遺跡から現れた大型アビスは現在王都に向かって侵攻している! 既に常駐している警備隊が防衛に向かっているが第一、第二の砦は突破され残りは第三のみ! 現在王都にも救援を要請しているが事態は一刻を争う! 騎士団各位は幻神獣の迎撃に当たれ! 以上だ!」
教官らの説明が終わり、リーズシャルテらが騎士団の面々が慌ただしく出撃の準備に取り掛かる。そんな彼女達を眺めながら、ルクス、クルルシファー、アイリ、そしてベルリ達は自分達の状況を整理していた。
「留学生の私や騎士団じゃないルクス君とアイリさん、そしてベルリ君は留守番になるわね」
「幻神獣ですか……授業で話は聞いていましたけど、ドラグライド隊でも止められないなんて……」
幻神獣(アビス)……この世界にある遺跡(ルイン)から現れる異形の怪物であり、各所で多大な被害を生み出す天災のような存在だと、学園の授業を聞いていたベルリはそう認識していた。
「王都からの援軍が来れば、ほどなく鎮圧できると思いますが……出撃してはダメですからね兄さん、ベルリさん」
「わ、わかっているよ」
「ええ? 僕にも釘を刺すの?」
「私、一応王都からあなたの監視を任されておりますので」
アイリの指摘にワザとらしく肩をすくめるベルリ。すると彼らの横をリーズシャルテが通り過ぎていった。
「行ってくるぞ! 留守番は頼む!」
そしてティアマトを接続したリーズシャルテは格納庫の外へ飛び去っていく。それを見送ったベルリは少し真剣な表情をしていた。
「どうしたのベルリ君……? 考え事?」
「ええ、どうしてGセルフは、あの時無人のまま皆を襲ったのかなって……誰があんなことをしたのかなと思いましてね。そもそもアレは僕のいた世界で僕が使っていたMSです。まったく違うこの世界に、ほぼ修復された状態で持ち出されるなんて……それに知らない自立型プログラムも組み込まれていましたし」
「これまで遺跡で発見された文献を見る限りでは、こちらにもそういった技術の存在は確認されていません……得体のしれない何者かが介入していると?」
アイリの答えと問いに、ベルリは腕を組んでうーんと頭を悩ませたあと、顔を上げた。
「僕の貧相な想像力じゃ、これから何か起こるかなんて解らないよ。あえて挙げるなら何が起こっても不思議じゃないってとこかな。だから……思いつく限りの準備はしとこうかなと思う。」
☆ ☆ ☆
数分後、城塞都市より数キロ離れた場所、騎士団はそこで直径十数メートルはある巨大なスライム状の幻神獣と対峙していた。
「これが例の幻神獣……このまま進ませれば町が飲み込まれてしまう。早めに決めるぞ!!」
そう言って騎士団の先頭に立つリーズシャルテはキャノンを構え、エネルギーを砲身に集中させる。
「いきなり撃つんですか!?」
「ああ! やってみなくては解らんからな!!」
怯える他の騎士団のメンバーを尻目に、リーズシャルテはキャノンのトリガーを引く。キャノンから放たれたエネルギー砲はスライムのどてっぱらに直撃し、直撃した部分はそのまま爆発四散する。四散した粘液は地上の草木や地面に付着し、ジュッとそのまま触れたものを溶かしてしまった。
「奴の粘液に触れるな! ドラグライドの障壁でも防ぎきれんかもしれんぞ!! 距離を取り次は全員の一斉砲撃で奴の核を撃ち抜く!」
リーズシャルテは騎士団各位に指示を送りながら、フォーメーションをとり一斉砲撃の構えを取る。
だが次の瞬間……ピィィィィィと耳を劈く様な笛の音が辺りに響き渡り、リーズシャルテたちは思わず怯んでしまった。
「な、なんだ!?」
「リーシャ様! 幻神獣が!!」
その時、突然スライムは不自然な挙動を見せ、そのまま自爆し辺りに粘液を飛び散らせた。
「!? まずい!!」
騎士団はすぐさまリーズシャルテを守るように障壁を展開する。そして爆風が収まった後、リーズシャルテはすぐさま状況確認を行った。
「被害状況は!?」
「騎士団総員、まだ動けます!!」
「よし、なら武器がない者は退避しろ! まだ何が起こるか解らな……」
「ほう、随分と王女ヅラが板に付いてきたな、リーズシャルテよ」
「!?」
突然の声に、リーズシャルテは声がした方角を見る。そこには騎士団ではない、新王国軍の警備部隊に所属するドラグライトが幻神獣がいた個所に浮遊していた。
「その服、王都の警備部隊の……何故こんなところにいる!?」
「だが貴様はそのような器ではない。偽りの王女よ」
突然現れたドラグライドを操るしわがれた声の男は、リーズシャルテの声を遮り不遜な笑みを浮かべる。
「お前、一体何を……!!」
「それに私は新王国の者ではない。アーカディア帝国近衛騎士団長ベルベット・バルドが私の名前です」
「……!!」
その場にいた騎士団全員が、目の前に現れたベルベットという男が、先ほどの幻神獣を引っ張り出し帝都復権を目論むクーデターを起こしたのだと理解し、すぐさま臨戦態勢に入る。
「成程……辻褄は合うな、だが自爆の不意打ち如きで私達を倒せるとでも?」
「倒せるとも……さあ孵れ、卵よ」
そう言ってベルベットは角のような笛を取り出し、勢いよく音を鳴らした。
すると先ほど爆散したスライムの粘液から、黒い龍の姿をした別の幻神獣が次々と孵ってきた。
「ちょちょちょなにこれ!? コレ全部幻神獣!? ざっと50近くいるわよ!!」
「私達2体以上と戦ったことないのに……!」
圧倒的戦力差に絶望する騎士団の面々、しかしリーズシャルテはすぐさま自分を奮い立たせ、騎士団の面々を鼓舞する。
「諦めるな! もうすぐ新王国からの援軍が来る! ここで奴らを食い止めるぞ!! ノクト……お前は学園に戻ってこのことを伝えろ!!」
「Yes、了解しました」
そう言ってノクトは学園に向かって飛び去っていき、リーズシャルテたちはベルベットや幻神獣と向き合った。
「さあ遊んでやるぞ、反逆者共!!」
☆ ☆ ☆
数分後、学園内にいたフィルフィは、遠くから聞こえる幻神獣の笛の音を聞き取った。
「笛の音が……聞こえる」
「フィルフィ、何かあったの?」
すぐ傍にいたベルリが彼女に問いかける。
「うん、多分皆危ない」
「そっか、じゃあ行ってみるしかないか」
そう言ってベルリは、万が一の時の為工廠から学園の中庭に移動させていたGセルフに乗り込もうとしていた。辺りにはGセルフを見に来た学園の女子生徒や教員が集まっており、教員の一人がコックピットに乗り込もう取るベルリに声をかけた。
「いいのかベルリ・ゼナム君!!? それの力を借りても!? 君は生徒とはいえ命を掛けることは……!」
「この前のルクスと姫様の決闘! Gセルフがめちゃくちゃにしちゃった罪滅ぼしですよ!! 幻神獣がここをめちゃくちゃにしたら僕も困りますし!!」
そう言ってベルリは爽やかな笑顔を残してコックピットに乗り込み、外の生徒たちに向かってマイクを使って呼びかけた。
『飛び立ちます!! 離れないと吹き飛びますよぉ!!』
そう言われて教員たちは慌ててGセルフから離れる。Gセルフは腰を落とすと大気圏用ブースターから推進材を吐き出し、一気に大空へ飛び出した。
その様子をフィルフィはその場から動かずに眺めていた。
一方、その様子を少し離れた場所で見ていたルクスは、何かを決意した表情でその場を離れようとする……が、アイリが立ちはだかった。彼らは既に帰還していたノクトから情報を受け取っており、急を要する事態だということは理解していた。
「一応聞きます兄さん……何をするおつもりですか?」
「……ベルと一緒にリーシャ様たちを助けに行く」
「ダメです!!! あのワイバーンは防御できても幻神獣は倒しきれませんし! もう一方の黒い方の剣は使えない!! 兄さんにできることなんてないんです!!! 私たちの目的を忘れないでください!! ここで……死ぬつもりですか!!?」
「……」
ルクスは何も言わず、自分の胸元で泣きじゃくるアイリの頭を優しく撫でた。
「……大丈夫だよアイリ、僕は死なない。それに……僕の事を必要だって言ってくれた人と……初めてできた友達を見捨てるなんてできないよ」
「兄さん……」
ルクスの生い立ちを知っているからこそ、アイリは彼の口から出た二人の人物がいかに大きい存在か理解した。そして涙を拭うとそっとルクスから離れ背を向けた。
「あの機竜の調整はしてあります、私なりに調整しただけですが……」
「ありがとうアイリ」
そう言ってルクスはベルリの後を追おうとする。すると彼の目の前にクルルシファーが立ちはだかった。
「クルルシファーさん、止めないでください。僕は……」
「いえ、私も連れて行ってほしいの」
クルルシファーの意外な返答に、ルクスとアイリは驚く。
「えっと……ユミル教国に命令されたんですか?」
「いえ、私の興味本位よ、君と……あの“ガンダム”の戦っている姿をもっと見れば……」
「「ガンダム?」」
クルルシファーから聞いたことのない単語が飛び出し、ルクス達は首を傾げる。しかしその単語を聞いて驚いたのは、喋ったクルルシファー本人だった。
「あ、あら……? 私何を言って……」
「大丈夫ですか? もしかして具合が悪いんじゃ……」
「い、いえ問題ないわ、それより早くベルリ君を追いかけましょう」
釈然としていない様子のルクスをよそに、クルルシファーは自分のソードデバイスを握り締めて出撃の準備を始める。
(私、なんであれをガンダムって呼んだのかしら……もしかして私は、あれを知っている……?)
☆ ☆ ☆
同時刻、リーズシャルテら騎士団は、数で押してくる幻神獣の攻勢に苦戦を強いられていた。
「シャリス! ティルファー! そっちは無事か!?」
『すまない姫……今私は仲間に助けられて撤退を始めている』
『私の方も限界みたい……』
「そうか……無理はするな。早く撤退して城塞都市の教官たちに援軍に出てくれるよう伝えてくれ。私は……笛を持つ親玉を討つ」
リーズシャルテは、上空で高みの見物を行うベルベットをにらみつける。そして騎士団が撤退したのを確認すると、機体の限界を引き出しながら、幻神獣の中を強引に突破しながらベルベットに突貫する。
(幻神獣は無差別に人を襲う習性がある。それをしないということは、あの男が持つ笛で操られているということ。つまりあの男さえ倒せば……!!)
「いけ!! セブンスヘッズ!!」
リーズシャルテはティアマトの砲撃をベルベットたちに向けて放つ。しかし砲撃はベルベットを掠めるだけだった。
「ふ、その程度の攻撃……!?」
ベルベットはリーズシャルテの狙いが、砲撃による撃墜ではなく自分への突貫だということに気が付いた。
「いいだろう!! その挑戦受けて立つぞ!!」
ベルベットはリーズシャルテの疲労も鑑みて自分が負けるはずがないと確信していた。だがその時……ベルベットの眼前にリーズシャルテが投擲した剣が飛んできた。ベルベットはすぐさまそれを切り払う。リーズシャルテはその隙を見逃さなかった。
(ソードデバイスは普通操縦桿としての役割しかないが、それでも障壁を破ることぐらいのことは出来る!! 取れる……!!)
リーズシャルテはそのままベルベットに切りかかる。ベルベットの体勢ではその攻撃を回避することは不可能。
「残念だったな雌犬」
しかしベルベットはその攻撃を、目にも止まらぬ速さで切り払い、リーズシャルテの剣を砕いた。
「そんな……!? うわあああああ!!!」
リーズシャルテはそのまま地上に墜落し、ベルベットはそのまま彼女の元に降り立った。
「貴様……いったい何を……!?」
「クイックドロウ……肉体と精神の制御を重ねることにより目にも止まらぬ攻撃を放つことができる絶技……貴様達雌犬どもに下った五年間、苦痛に耐えて会得したものだ」
(くっ……! まさかこんな技を隠していたなんて……機体も動かない。このままでは……!)
その時、リーズシャルテは空の向こうから複数のドラグライトがこちらに向かって飛来してくるのを目撃する。
(あれは……王都からの援軍!!? これなら……!)
この状況を打開する希望を見出すリーズシャルテ、しかしベルベットはそんな彼女の心境を見透かしてかあざ笑うかのように語り掛ける。
「まさかお前……あれが王都からの援軍だと思っているのか?」
「何……!?」
リーズシャルテはその時初めて、飛来してくる100機以上のドラグライドの部隊が旧帝国のパーソナルカラーである灰色の塗装をしていることに気付き、絶望の底に叩き落された。
「反乱軍……!? 幻神獣もまだ数十体も残されているのに、このままでは……!」
「ははははははははは!!! いい顔だな王女リーズシャルテよ!! いや……我が帝国に寝返った奴隷だったな!!? 伯爵家に捨てられたお前を暗殺者として育てるために帝国が拾ってやったのに! クーデターが成功して新しい偶像に仕立て上げられるとは……新王国とは酷い国だな!!」
「き、貴様……何故そこまで知って……」
「まだわからぬのか? 雌犬よ」
ベルベットはそのままリーズシャルテに近付き、彼女のスーツを掴み乱暴に胸元から下腹部辺りを破り捨てた。その露わになった肌の下腹部には、黒い紋章が刻み付けられていた。
「ッ……!」
「まだわからぬのか雌犬、貴様にその紋章を刻み付けたのは私なのだぞ」
リーズシャルテはこの時初めて、目の前にいる男が、かつてクーデターの際帝国に捕らわれ、クーデターの首謀者である父に見捨てられ、命を助けてもらう代わりに帝国に臣従を誓う証を示す為、この下腹部の印をつけた張本人だということに気付いた。
「お前……!」
「悔しいか雌犬!!? だが我らはそれ以上の屈辱を貴様らに味あわされたのだ!! これから貴様の体を八つ裂きにし、その死体を新王国の城に投げ入れてくれる!」
ベルベットはそのまま、リーズシャルテの露わになった胸元に剣先を突き立てようとした。
その光景を見て、リーズシャルテはこれから訪れる死の恐怖に顔を歪めそうになる。しかしすぐにベルベットを睨み付けながら不敵な笑みを浮かべ、手元にあったもう一本のソードデバイスをベルベットに投げつける。ソードデバイスはベルベットの頬を掠め、つーっと赤い血を流させる。
「き、貴様……!!」
「殺される前に王女として最後の忠告をしておくぞ、力を得たなどと寝言をぬかすな。おまえはただ誰かにうまい事言われて乗せられた愚か者に過ぎない。貴様程度に国を亡ぼすなどできんさ」
「きっ……さまぁ!!!」
リーズシャルテの挑発に軽々と乗せられ激昂したベルベットは、手に持った剣を振り上げた。
その光景を見て、リーズシャルテの目に一筋の涙が流れた。
(ああ、私はこれから殺されるのか……結局最後まで王女らしくできなかったなぁ。せめて……せめて最後は……)
彼女の脳裏に、銀髪の少年の優しい笑顔が浮かび上がる。そして彼女はこれから訪れる死を受け入れ、瞳をぎゅっと閉じた……。
『姫様!! 隠れてください!!』
「「!!?」」
その時、リーズシャルテたちの元に機銃掃射が放たれ、周辺の地面をどんどん抉っていく。
「な、なんだ!!?」
ベルベットは驚きてその場を離れる。それとすれ違いでその場にベルリが駆るGセルフが飛来し、そのままリーズシャルテを拾い上げた。
「Gセルフ……!? ベルリ・ゼナムか!?」
『間一髪でしたね!! ルクスじゃなくてすいません!!』
「ななっ!!? べ、別に私はあいつの事なんて……!」
コックピットからのベルリの言葉に、リーズシャルテは先ほどの悲壮な決意は完全に吹き飛び、顔を真っ赤にし慌てふためく。そして……とっさに下腹部の印を隠した。
「お……お前、見たのか? 私の印を……」
『え? それおしゃれか何かじゃないんですか? それより乳首も見えているから隠したほうがいいですよ』
「お前ええええええええええええ!!」
今度は怒りで顔を真っ赤にしながら胸元も隠すリーズシャルテ。一方突然のGセルフの乱入に慌てふためくベルベットは、すぐさま援軍のドラグライト隊に指示を送る。
「くそ! あの機械人形があちら側に付くとは……貴様ら早く攻撃しろ!! 大きいとはいえこちらは数で勝っている!! 攻撃を集中させれば……!!」
だがベルベットらの攻撃が始まる前に、ベルリはGセルフのビームライフルで幻神獣を次々と吹き飛ばしていった。
「ギアアアアア……!!」
ビームによって一瞬で焼き消されていく幻神獣、それを見たリーズシャルテはため息交じりにベルベットと反乱軍に語り掛ける。
「コイツに挑むのはやめておけ。私の武装程の威力はないが、こいつには障壁どころかお前たちを簡単に焼き消すほどの武装を持っている。おまけにいくらでも撃てる膨大なエネルギーもある。勝ち負けに問わず殆ど生き残れんぞ」
すると反乱軍の多くが、リーズシャルテの言葉と幻神獣を一瞬で焼き消したビームライフルの威力を目の当たりにして完全に怖気づき、逃亡または戦意を喪失し動きを止めてしまった。
「き、貴様ら何をやっている!!? 戦え!!」
兵たちは戦意をなくし、幻神獣たちは次々と数を減らしていく。先ほどまでの優勢がウソのような窮地にベルベットは狼狽する。それを見たベルリは深いため息をついた。
『……貴方のような人、僕もたくさん見てきましたよ。力ばっかり振りかざして、弱者にばかり威張り散らして、戦火ばかり広げて……友達の言葉を借りるなら、あなたは所詮玩具をもらってはしゃいでいる子供に過ぎないんですよ。いや……貴方だけじゃない。ルクスのお父さんも、帝国のお偉いさんも似たようなものだったんでしょう。滅んで当然ですよそんな誇りも品格もない幼稚な国』
「き、き、き、貴様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
自分達の誇りを踏みにじられ、血管から血が噴き出しそうなぐらい怒り狂ったベルベットは、そのままGセルフに向かっていく。
だがベルリは淡々と、Gセルフの腕を振り上げさせた。
『少なくとも……ここにいる仲間想いの姫様は、そんな国よりもっといい国を作りますよ』
「ベルリ……」
振り上げられたGセルフの腕は、向かってきたベルベットを、まるで鬱陶しい虫を叩き落とすかのように振り下ろされ、彼を地面に叩きつけた。
「がばっ……!!」
ベルベットの機体は物理的負荷により大破し、本人も大量の血を吐いて戦闘不能に陥る。それを確認したベルリはすぐさま統制を失った幻神獣を見据える。
『あとはアレの掃除か。姫様、落ち着いたら下ろしますんで!』
「わかった! 遠慮なくやってしま……!?」
その時、リーズシャルテは、上空に光り輝く魔法陣のようなものが出現していることに気が付いた。
「なんだアレは……!?」
【次元座標確認、“ジェネレーションシステム”起動します】
次の瞬間、魔法陣の中から10機のエメラルドグリーンの細身のMSが出現する。そしてタイミングが少し遅れて、その十機のMSの中心に、巨大な剣を肩に担いだオレンジと白のカラーリングを施されたMS……ガンダムが現れた。
『な、なんだあの機体……!?』
「ベル!? お前もあの機体の事は知らないのか!?」
『あんなの見たことないですよ! キャピタルアーミィもアメリアもトワサンガもビーナスグロゥブもあんなの使っていません! まさか新型……!?』
その時、突如現れたガンダムからベルリのコックピットに通信が入る。少し年季の入った男の声だった。
『お前か、そのガンダムの持ち主だった奴ってのは?』
『何ですかアナタは!? どこの軍の人です!!?』
『俺か? 俺は傭兵だよ。しっかしまあ……お前の機体、クルジスのガキが乗っていたのに似てんなぁ』
その時、地面に落下していたベルベットが、鼻血を撒き散らしながら下品に笑う。
「ぎゃははははははは!!! お前らはもう終わりだ!! 俺にはこいつらの力がある!! 雌犬共々八つ裂きにされるんだ! お前たちは……!」
次の瞬間、相手ガンダムは左腕に固定装備されていたハンドガンで、ベルベットを粉々の肉塊に変えてしまった。
「うぎゃああああああ!!!」
『ああすまん、お前さんの身の安全は契約に入っていないんだわ。頭に血が上ってこっちの約束事を破ろうとしたしな。』
仲間であろうベルベットを躊躇いなく吹き飛ばす相手ガンダムに、ベルリとリーズシャルテは言葉を失う。そして相手ガンダムに乗る男はベルリ達との話を続ける。
『ま、俺もこの体が治ったばかりで本調子じゃない……俺を殺そうとしたソレスタルなんたらの機体にそっくりなお前のガンダムで、憂さ晴らしとリハビリさせてもらうぜぇ!!』
そのガンダムは、肩に担いでいた大検を振り回し、剣先をGセルフに向けた。
『さあ始めようじゃねえか!! 異世界のガンダム同士の戦いって奴をよぉ!!!!』
☆ ☆ ☆
「アリー・アル・サーシェス、元はモラリア共和国の民間軍事会社“PMCトラスト”に所属する傭兵であり、私設武装組織ソレスタルビーイングとの戦いで半身を失い、つい最近再生治療を終えたばかり、彼の駆るガンダムスローネツヴァイはソレスタルビーイングから鹵獲し、そのまま彼が使用している物……いやあ、負担した再生治療費と大破したスローネの修復費、随伴に持ってきた彼の戦闘データ入りMD搭載済みの中古のイナクト、合わせるととんでもない額になりましたよ。まあその分彼には働いてもらいますがね」
ベルリ達のいる戦場からだいぶ離れた場所にある、廃棄された砦の一室……そこでスーツ姿の男は、目の前にいるヘイズに得意げに話していた。
「ほほう……あれが“黒歴史”の一部に存在したと言われている兵器かよ。だがベラベラ喋っていいのかぁ? お前とパイロットを殺してタダでアレを手に入れることだってできるんだぜぇ?」
ヘイズの挑発的な薄笑いに対し、スーツ姿の男は笑みを崩さず話を続けた。
「いやー、実は過去にもあなた方のような悪巧みを持つお客様がいらしてましてね。そういった無用なトラブルを避けるために、私達はあえて喋るようにしているんですよ。我々の戦力を」
その時、スーツ姿の男の背後に、複数のMSが映し出されているホログラムが展開される。
「その気になればこの世界を鉱物だけの惑星に変えることだってできちゃうんですよねえ、下手な気は起こさない方がいいですよ?」
「そうしないのは……他に優先する目的があるからぁ?」
ヘイズは物怖じせず、スーツの男との話を続ける。対してスーツ姿の男は、にこやかな笑顔の奥に潜む鋭い殺気を放ちながら、その問いに答えた。
「私達はこの世界の“女神”が欲しいだけです。決してあなた方の目的の邪魔は致しません。なのでどうか大人しく優良なお客様……いえ、私達の脚本で動く演者でいてくださいな」
☆ ☆ ☆
同時刻、ベルリの駆るGセルフは突然現れたガンダムスローネツヴァイと10機のイナクトに苦戦を強いられていた。
『もー!! 何なんですかあなた達は!? 突然現れてこんな事を!!』
「ベルリ! 一旦私を下ろせ!! このままじゃやられるぞ!!」
『そういうわけにはいきませんよ! だってこいつらの狙いは……!』
次の瞬間、一機のイナクトがGセルフに……というより、Gセルフの手の上にいるリーズシャルテに掴みかかった。
『くっ!!』
ベルリはGセルフの体をひねりそれを回避し、そのまま空いている方の手に持つシールドでイナクトを殴りつけた。
『こいつらの狙いは多分姫様です!! 下ろしたら攫われますよ!』
「何……!?」
ベルリは自分を取り囲むMS隊が、自分に銃を向けず素手で掴みかかってくる、というよりGセルフの腕にいるリーズシャルテを狙っているということに気付き、彼女を下ろさずに戦うことを選択する。
『とにかく隙を見て離脱します!! 落とされないでくださいよぉ!!』
「わ、わかった!!」
『お姫様を庇っている暇があんのかい!!? 王子様よぉ!!』
その時、Gセルフの頭上からッスローネツヴァイが大剣を振り下ろしながら襲い掛かってくる。
『おわっ!!』
ベルリはそれを後ろに下がることで回避するが、体勢を崩してしまう。
『隙だらけなんだよぉ!! 行けよファング!!』
するとスローネツヴァイは背中から複数の剣のような武装を飛ばす。オールレンジに展開された武装の剣先からは赤いビームが放たれ、Gセルフの肩や背中に直撃した。
『なああああああ!!』
「あの機体……私のレギオンと似た武装を持っているのか!!?」
『その機体はともかく、パイロットの生死は問われていないんでね!! おらお前らも加勢しろ!!』
スローネツヴァイと10機のMSだけでなく、一度は戦意を失った反乱軍や、制御を失った幻神獣すらもGセルフに攻撃を集中させていく。
(……これはもうダメかも)
複数の攻撃にさらされ、ベルリは一瞬自分が命を奪ってしまった者たちの顔が脳裏に浮かぶ。しかしすぐに……その幻想を打ち消した。
(すみません……まだそちらには行けません! 姫様を守らなくちゃ!!)
Gセルフは地上に降り、リーズシャルテを守るようにしゃがみ込んだ。
『観念したかぁ!? いっちまえよ異世界のガンダム!!』
それを見たスローネツヴァイは地上に降り、しゃがみ込むGセルフに向けてハンドガンのビームを放った。
爆炎が巻き起こる。しかしそれはGセルフが破壊されたものではなく、駆け付けた青いドラグライド……ルクスが展開した障壁によるものだった。
「遅くなってごめんベルリ! 姫様も大丈夫ですか!?」
『「ルクス!!」』
次の瞬間、障壁を展開したルクスのワイバーンは、スローネツヴァイの攻撃の負荷に耐え切れずバラバラに砕け散った。
「すみません姫様、せっかく治してくれたのに……」
ルクスは少し寂しそうな笑みを浮かべながら、自分の腰に掛けていたもう一本の黒いソードデバイス素早く手を掛けた。
それを見たスローネツヴァイのパイロットは、不敵な笑みを浮かべてルクスに話しかける。
「てめえは……確かあの野郎が言っていた最弱のお人よし王子様か? 兄貴にいい様に利用された道化野郎なんだってなぁ?」
ルクスはそんな言葉に一切耳を貸さず、手に持った黒いソードデバイスを天にかざす。そして詠唱を始めた。
「顕現せよ神々の血肉を喰らいし暴竜、黒雲の天を断て。≪バハムート≫」
次の瞬間、ルクスの体に光の粒子が纏われ、黒き鱗に赤き目をした禍々しい竜を思わせるドラグライドが彼の体に装着される。
「バハムート……コネクト・オン」
ルクスの新たな姿を見て、リーズシャルテは惚けながら思わず、彼の持つもう一つの名を呼んだ。
「黒き……英雄?」
『え? それって確か帝国を滅ぼした……』
その時、Gセルフの元にクルルシファーの駆るファフニールが降り立った。
「ベルリ君大丈夫!?」
『ちょうどよかった! 姫様をお願いします! Gセルフはまだ戦えますんで!!』
「わかったわ。無理はしないでね!」
クルルシファーはすぐさまリーズシャルテを抱えてその場から離れる。それを確認したベルリはGセルフにビームライフルを持たせる。一方スローネツヴァイのパイロットはすぐさま全体に指示を出した。
『オラオラお前らビビってんなよ!! 死ぬ気で抑えやがれ!!』
すぐさまMSと反乱軍のドラグライドの混成部隊がルクスのバハムートとベルリのGセルフに襲い掛かってきた。
「ベル、やれる?」
『大丈夫だよ、まだ死ぬつもりなんてないからね!』
「それじゃあ僕が突貫する、大きいのは君が仕留めてくれ」
『わかった』
攻撃を受けるまでの短い時間で、阿吽の呼吸で互いに指示を出し合うルクスとベルリ、そしてルクスは詠唱を始める。
「時を喰らって加速しろ、バハムート、リロードオンファイア!」
刹那、ルクスのバハムートは襲い掛かってきた三機のバハムートの推進力を破壊し、MS二機のビームライフルの銃口を破壊した。そのスピードは目で追えず、まさに神速と呼ぶに相応しい速度だった。さらにそのスピードをルクスは制御しており、敵味方問わずその絶技を見て驚嘆していた。
『あの黒いソードデバイスはいったい……』
ベルリはルクスが次々と破壊していくMSに止めを刺しながら、彼の力が一体何なのか疑問を感じていた。
『あれが兄さんの正体です。ベルリさん』
するとそこに、ノクトのドラグライドに連れられてこちらに向かっているアイリから通信が入ってきた。
『姫様が言っていた“黒き英雄”の事? つまりルクスは黒き英雄自身で、自分で自分の国を……』
城下町の人から聞いた、帝国が崩壊し新王国が設立された顛末……1200機の帝国のドラグライドをたった一人で全滅させた黒き英雄の逸話……それが今目の前で戦っている友人自身の事だということは、ベルリ自身想像することは出来なかった。
一方ベルリは自分の間合いに入るドラグライドや幻神獣、MSを次々と無力化していき、その数を減らしていく。するとそこにスローネツヴァイのファングが飛翔してきた。
『ほー! この世界にトランザムの真似事をする奴が居たとはねえ!! だがこいつを避けきれるか!!』
ルクスの間合いでファングからビームが放たれようとする。彼はそれよりも早くファングを切り裂いて見せた。
『まだまだ弾はあるんだよぉ!!』
それでもファングは数多く射出されており、そのすべてが正確にルクスに狙いを定めていた。しかしそれらは、Gセルフの頭部に内蔵されていたバルカン砲に撃ち落とされていった。
『まだ僕がいますよ!!』
『ちっ!! このガキどもめ……!!』
一方、クルルシファーによってベルリとルクス達のいる戦場から離れた場所に下ろされたリーズシャルテは、二人の戦いの様子を熱いまなざしで見つめていた。するとそこにノクトのドラグライドに抱えられたアイリが降り立った。
「ご無事でしたか、姫様」
「ああ、お前の兄と、ベルリに助けられた……」
「ええ、しかし……」
一同は遠方のベルリとルクスの戦いぶりを目に焼き付けていた。
「あの数をたった二人で押し切ろうとするなんて、とんでもない子達ね」
「兄さんは今度こそ皆を守るため、自分の信念を貫く為、これまで鍛え続けていましたから」
「ああ……」
リーズシャルテはアイリの話を聞きながら、ルクスとベルリを見て呟いた。
「二つの閃光……黒き英雄と白き英雄か」
決着の時はすぐ傍に迫っていた。反乱軍はすべて無力化され、残っていた幻神獣は全滅、MSもすべて破壊され、残りはファングをすべて打ち出したスローネツヴァイ一機だけだった。
『まいったぜ……まさかあれだけの戦力差を覆されるとはな』
「降伏してください。僕は誰の命も奪いたくありません」
ルクスの降伏勧告に、スローネツヴァイのパイロットは一笑に付した。
『そういうわけにはいかねえな!! お前の首にはでっけえ金が掛かっているんでね!!』
次の瞬間、スローネツヴァイはルクスに向かって大剣を投げつける。しかしそれはGセルフの横からのキックで弾かれた。そしてルクスは神速のスピードでスローネツヴァイとの距離を詰め、ルクスをひるませた隙に放とうとしていた左腕の内蔵ハンドガンを破壊した。
「これであなたの武装は全部破壊しました。もう一度言います。降伏してください」
するとスローネツヴァイのパイロットは観念したのか、コックピットで点を突き抜ける程の大笑いをした。
『ははははは!! なるほどなあ!! 確かにテメーは甘ちゃんだよ!! だがなぁ、そういうことやっているとまたいつか痛い目見るぜ!!』
その時、上空に再び魔法陣が現れ、そこから放たれた光はスローネツヴァイを照らした。
『リハビリにしちゃ楽しかったぜ! こっちも契約分の働きはした。次ももっと楽しい戦争をしようぜ! 黒き英雄さんよぉ!!』
やがて魔法陣と光と共に、スローネツヴァイは何処かに消え去っていった。ルクスはそれでも、しっかり前を見据えて、自分の胸のうちの決意を宣言した。
「僕は英雄でも、帝国の王子でもありません、ただ皆を守りたいだけの、最弱無敗の機竜使いです。」
すると、いつの間にかGセルフから降り、ルクスの後ろに立っていたベルリがてかれた表情で話しかけてきた。
「とりあえず……あとは軍の人に任せて帰ろっか。もうへとへとだよ」
「あはは……そうだね。これ使うとものすごく疲れるから……」
ルクスとベルリは緊張の糸が切れどっと押し寄せてきた疲労のあまりその場に座り込んだ。そして自分達を迎えに来たリーシャたちの姿を確認し、そのまま地面に大の字に寝転がった……。
☆ ☆ ☆
数日後、アティスマータ新王国の王都ロードガリアの城の中にある王の執務室で、新王国の女王ラフィ・アティスマータは、部下からある報告を聞いていた。
「戦死者の遺体が戦場から消えた? どういうことですか?」
先日の巨大幻神獣の襲撃は、王都の軍人から多数の死者を出しており、これから埋葬などの手続きをしようとした矢先に、部下からの不可解な報告を受けた女王は、訝し気な表情になる。
「ベルリ・ゼナムの報告によると、敵はリーズシャルテ様を生け捕りにしようとしておりました。ですが……目的はそれだけではなかったようです」
「こちらの兵を減らし、その死体を奪うことが目的だったと……何のために?」
「……奪われたのはすべて女性のドラグライド乗りの遺体でした。考えたくはありませんが……旧帝国が行っていた実験と何か関係があるのかもしれません」
「……引き続き捜索の方をお願いします。アーカディア兄妹からも話を聞かなければなりませんね」
一つの戦いは終わりを告げる。しかしそれにより起こった犠牲は、他の地を蝕む病魔となるとは、彼女達はまだ知る由もなかった。
Q:なんでこんなに投稿が遅れたの?
A:いやあ艦これ2016年春イベは強敵でしたね。アイオワさん可愛い。
というわけでこの作品もようやく、リーシャ編終了という節目を迎えられました。ベルリのおいしいところ総取りと見せかけてルクスも大活躍という感じを目指してみましたがどうでしょうか?
アニメはとっくに終わって二期の音沙汰もありませんが、原作や漫画の方はまだまだ続いていますので、Gレコ共々この作品が販促になればいいなと思っています。
途中、思いっきり他のガンダムキャラが出ていますので、かなり人を選ぶ内容になってんだろうなと思いつつ、これからも好き放題書くので覚悟してくださいね(笑)
次回はクルルシファー編、彼女の設定はこの作品の設定に大きく関わっていますので、なるべく早く続きを書けたらいいなと思っています! ではまた!