昌弘については上手くまとめられませんでした。すいません。
あと余談ですが来週から始まる3月のライオン、主役の河西さんはじめ、オルフェンズ出演キャストが結構多くてびっくり。河西さんは三日月以外はあまり(ジョジョ3部にちょっと出てたくらいしか)知らないので観てみようかな。猫もかわいいっぽいし。
ってあれ?櫻井さんが主人公の担任役?(声的に)マッキーがミカの担任・・・?いかん、オルフェンズのキャラで学園ものとか妄想してしまった・・・。
「トウガ・・・っ!?」
後方から接近して来るグシオンに反応が遅れ、しまった、と思ったその瞬間。自分とグシオンの間に割って入った機体に昭弘は驚いた。その機体、トウガの青いグレイズ改はドッキングしているブースターの推力で自分の後ろ、グシオンの前に強引に割り込むと正面からぶつかった。否、自分の盾になったのだという事はすぐに理解出来た。
「はは・・・ほら兄貴、アンタの仲間が1人死んだよ。いずれ俺もアンタもああなるんだよ」
「くっ・・・昌弘、お前・・・」
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「っ・・・はっ!」
あっぶなっ!衝撃で一瞬意識トびそうだった!慣性制御が追い付かなかったんだな。急いで状況を確かめる。クタンのアームを前に出していたからか、グレイズ本体のダメージは軽微だ。
「けぇ~っ!さっきからチョロチョロと邪魔くさい!あの白いヤツといい、本当にうっとおしいネズミだよ!」
接触通信で聞こえてくる声。正面モニタには、ひしゃげたアームを押し退けてこちらに手を伸ばそうとするグシオンの姿。
「まあいいわ。コイツを人質にして・・・」
「冗談じゃない!」
腰の右側サイドアーマーに懸架しているショートスピア(アミダさんの百錬に壊されたバトルアックスの柄を削って作った即興品)をグシオンの腕装甲の隙間に突き込むと、両肩のガトリングをグシオンの頭部に向けて発射する。
わずかに怯んだ隙にアームを切り離して距離をとり、ブースターに固定してる滑腔砲2門同時発射で牽制する。
そこに三日月のバルバトスが太刀を手にグシオンを追って来た。バルバトスの斬撃をかわすとグシオンはこの場から離脱する。
「三日月!昭弘はまだ動けない、アイツを抑えるの手伝って‼」
「うんわかった。・・・別にアイツは殺(や)っちゃっても良いんでしょ?」
「え・・・ああ、構わない」
僕も左側のサイドアーマーから太刀を抜くと三日月と一緒にグシオンを追う。
グシオンの姿を捕捉すると滑腔砲を射つが、遠距離射撃は脅威でないと見てか、回避行動をとる様子は無い。反転してハンマーを両手で握ってこっちに突っ込んで来た。
何とか回避出来たが・・・小回りが利かない。クタンのサブスラスターはアームに内蔵されてたから、切り離した今は推力が直進に偏ってしまっているんだ。滑腔砲も残弾が少ない。切り離して機体背部のスラスターに切り換える。うん、こっちの方が動きやすいな。
スラスターを噴かしてグシオンに接近し太刀を左下から右上へと斬り上げる形で振るうと、グシオンの胸部装甲に薄く傷が出来た。一歩、いや半歩分程間合いを詰めきれなかった?
三日月がグシオンに斬りかかる。装甲を斬るのは難しいと踏んでか、間接やカメラアイ等、装甲で守れない部分に狙いを絞ったようだ。上手くダメージを与えている。
僕はもう一度、グシオンの胸部装甲を狙って太刀を振るう。
斬る事は不可能では無い筈、太刀の鋭さ、強度に不足は無い。太刀を振るうモーションパターンは先生の動作をトレースしたものが組み込まれている。なら問題は僕の方、間合いの取り方、タイミングだろう。
「これならどうだ!?」
さっきより少しタイミングをずらして振るった太刀はグシオンの胸部にさっきより深い傷を付けた。もう一度振るうと、少し浅いものの更に傷が付く。
そこに三日月の攻撃がグシオンの腕を捉え、ハンマーを弾きとばした。
「よし!」
「こいつの使い方、解ってきた」
僕もコツが掴めてきたみたいだ。三日月が装甲の隙間を、僕は装甲を狙って斬りつける。傷だらけになっていくグシオン。
しかしただやられっぱなしでも無い。バルバトスの太刀を腕で受けたグシオンがバルバトスの腕を掴む。
『クソッ!ふざけんなよ‼オマエら楽しんでるだろ!人殺しをよお!!』
「はあ?」
「寝言は寝て言えよ」
そう言うお前は弱いもの虐め大好きマンだろ。グシオンの頭に蹴りを入れると、三日月もグシオンを蹴って離脱する。クダルの暴言は言い掛かりも良いところだが、三日月の口からは否定の言葉は無い。少なくとも僕は楽しんでいるつもりは毛頭無いし、三日月もその筈・・・だよな?原作知識込みで三日月の心情は読み取るのが難しい時があるから・・・。
グシオンは苦し紛れにバスターアンカーを射つ。しかし本来対艦攻撃用の火器であるそれはMSに使うには大振りというか、回避し易い。三日月は手近なデブリを盾にして防いだ。更に別のデブリを投げつけて出来た隙を突いてグシオンの胸部装甲の傷に太刀を突き立てた。
「まあいいか、コイツは死んで良いやつだから」
通信越しに聴こえた三日月の呟きに寒いものを感じながら、僕はパージした装備の回収に回る旨を三日月に告げてその場を離れた。
ブースターや武器を拾ってから昭弘の所に戻ると、ブルワーズの母艦制圧が完了したらしく、昌弘の機体と他に2機のマン・ロディがラフタの百里とアジーの百錬に促されて武装解除していた。
「昭弘、話はついた?」
「あ・・・いや、まだ・・・」
どうやら昌弘を納得させられないままだったらしい。
「そうか、まあ、これから時間はとれる。落ち着いてからゆっくり話せばいいさ」
そう言ってから、昭弘と別れて先にイサリビに戻ると、通信でオルガに同行する旨を伝え、手早く着替えると刀を持ってオルガと一緒にランチでブルワーズの母艦に向かった。
「ダンテ!」
「団長・・・トウガも一緒か」
オルガに呼ばれたダンテがこちらに顔を向けた。僕を見て一瞬表情に陰りが差したようだけど、今はそれよりも、だ。
「これで全部か?」
「ああ・・・団長、こいつら・・・」
そこにはブルワーズの少年兵の生き残りが集められて座り込んでいる。人数は20人くらいか。原作だと10人程だったけど、その倍の数が生き残れたのは幸いだ。オルガはダンテの肩を叩くと警戒する少年達に近付き、しゃがみこんで声をかける。
「火星は良い所でもねえが、ここよりはマシだぜ」
「え?」
「本部の経営も安定してきたしな。飯にもスープが付くし、毎日とはいかねえが新鮮な野菜も食える」
オルガの言葉に、一番手前に座っている、頬に傷痕のある少年、アストンが怪訝な顔をする。
「兄貴に話はつけてある。コイツらはうちで預かる」
「団長・・・」
少年達は「預かるって・・・?」「どういう事だ?」と口々に戸惑いの声を上げる。
「どうして・・・」
「ん?」
「俺達はさっきまでアンタ達とやり合ってた。なのに・・・」
「それが仕事だったんだろ?なら仕方ねえ。それとも、お前らやりたくてやってたのか?」
「違っ・・・くっ、俺は今まで何も考えて来なかった。自分じゃ何も・・・だって俺達は・・・」
アストンの悲痛な言葉にダンテやチャドの表情が曇る。彼らも同じ、上の命令に服従するしか無い立場だったからだろう。
「ヒューマン・デブリ。宇宙で生まれて、宇宙で散る事を怖れない、誇り高き、選ばれたやつらだ。鉄華団はお前達を歓迎する」
オルガの言葉にアストンもデルマも、他の子供達も泣き出す。
それを横目に僕はチャドに持っていた袋を差し出す。
「これは?」
「歳星で買っておいたチョコレートの詰め合わせ。泣き止んだら配ってあげてよ。甘い物は気持ちを落ち着かせる効果がある。それに、見たところ満足に飯も食べさせてもらってないみたいだしさ」
「ああ・・・ありがと、な」
「この子達に僕が出来る事は今はこれくらいだからね。オルガには敵わないけどさ」
オルガは彼らの心に救いをもたらしたと言えるだろう。僕のはほんの些細な施しに過ぎない。
「さあて、キッチリ賠償金を払って貰おうか、ブルック・カバヤン?」
「・・・名瀬・タービン・・・!」
ブルワーズ母艦のブリッジ。その艦長席に座る名瀬さんの前には、その席の本来の主だったブルワーズの首領、ブルック・カバヤンが床に座らされ、忌々しげに名瀬さんを見上げている。
「何が所望だ?兄弟?」
「そうですね・・・艦一隻とMSを全部」
「はあっ!?おい、そりゃ吹っ掛けすぎだろ・・・うっ!」
オルガの要求に不満を漏らすブルックの襟首を掴みオルガが睨みをきかす。
「不満ならアンタの肉を切り売りしたって良い。脂肪が多すぎだろうが、犬の餌ぐらいにはなるだろ」
「ヒッ、ひぃ~っ」
折れたな。けどそれだけじゃちょっとね・・・。
「オルガ、それじゃあちょっと足りないよ。他に取っとかないといけない物がある」
「あん?」
「情報だよ。・・・ねえ、ブルックさん。アンタ、何でクーデリアの身柄を狙ってきた?誰の差し金?」
「うっ・・・それは・・・」
「アンタらごときがクーデリアの身柄を確保したって、それで利益を得るような手管は無い。あったら海賊なんかやってないでしょ?加えてテイワズ直参の名瀬さんに上から目線で喧嘩売るからにはテイワズが怖くない程のデカイ後ろ盾がいるって事になる。その後ろ盾がクーデリアを欲しがってるんじゃないですか?」
「・・・」
「図星みたいですね。加えて推測だけど、その後ろ盾も、クーデリアを確保するのが条件って所かな。アンタが今強気に出られないのがその証拠だ」
「ぐぬぬ・・・その通りだよ!ギャラルホルンがバックに付いてくれりゃ怖いもん無しだ。そうなりゃ好き勝手に暴れられる筈だったんだ!」
「ギャラルホルンだと!?」
「成る程な・・・デカいバックが付いたかとは思ったがギャラルホルンとはな。道理でえらく上から目線の物言いだった訳だ」
ギャラルホルンの名が出た事に驚くオルガと名瀬さん。僕は原作知識で知っていた事だが、これでこの情報は僕が知っていてもおかしく無い事になったわけだ。
「ギャラルホルンの人間が、直接アンタらに接触してきたんですか?」
「・・・んなわけねえだろ。使いだってちょび髭の男が接触して来たんだよ。お前らの行く航路のデータと、結構な額の前金を受け取った。女1人かっさらうだけで前金の倍の報酬とギャラルホルンの後ろ盾が手に入るとなりゃ、そんなボロい仕事受けねえ馬鹿はいねえだろう?へへ・・・ぶぎっ!」
そう言ってニタニタ笑うブルックにムカついたので、つい刀の柄尻をブルックの鼻っ面に叩き込んでしまった。豚みたいな見た目に違わぬ豚のような悲鳴を上げるブルック。
いけないいけない。感情まかせに無抵抗の相手に暴力振るうのは卑劣な行為だし、刀の柄に鼻汁が付いてしまった。汚いなあ。
「と、いう事だけど、どうするオルガ?」
「賠償金の内容は変わらねえ・・・ああ、艦1隻とMS全部って言ったが、MSは武器弾薬やナノラミネート装甲の塗料なんかも併せて全部だからな。間違えるんじゃねえぞ」
「げえっ!?・・・ぬあ~っ!畜生、わかったよ!」
そうして話がついたという事で、この後について話す為ハンマーヘッドの応接室へ移動する。ビスケットとユージン、シノにおやっさんも合流した。僕の顔を見てシノは沈痛な面持ちで、
「すまねえ・・・」
と謝ってきたので、陸戦隊のメンバーにやはり死者が出てしまったのだと察しがついた。
「今回の件、意外な裏が判ったがまあ予定は変わらねえ。これからコロニーへ向かう」
「ブルワーズの所有する資産は艦2隻、修理可能なMSが10機、といった所ですね」
「ああ揃いも揃って異常な程装甲が分厚いMSばっかだ。ま、中身は無事なのが多いがな。特に、あのグシオンなんてのは出物だぜ」
「どうします?そのMSは鉄華団で維持を?」
「そうだな・・・」
「賛成、あれはうちで使うのが良いと思う」
「何でだよ?売却して資金の足しにするのも有りだろ?」
僕の意見にユージンが疑問の声を上げる。
「あれは金に換えてしまうには惜しいくらいに貴重かつ強力な機体だよ。厄祭戦を終わらせた最強のMSの一機。バルバトスの兄弟みたいな機体だしね」
「は?兄弟?」
「あれ、着ぶくれしてるしフレームにも手が入ってるみたいだけど、基はバルバトスと同じガンダム・フレームだよ。つまりバルバトスの予備パーツの流用が利くし、阿頼耶識で動かす前提で設計された機体だからうちの戦力にはうってつけだ。僕はあれを昭弘に使って欲しいと思ってる」
原作通りにね。と内心で考えながらグシオンの運用を主張する。
「そういえば、昭弘はどうしてる?」
「部屋で弟と話してるみてえだ。ずっと離れていた上に再会したら敵同士だったんだし、色々あんだろ・・・」
簡単にはいかないよな。理屈じゃない気持ちの問題だし。
「ああそうだ。出発前に、今回の鉄華団側とブルワーズ側両方の死者を弔うために、葬式をしたいんだけど」
「葬式?」
僕の提案にオルガが怪訝な顔をする。原作だと昌弘の件からメリビットさんが提案してたけど、この流れだとそうならなそうだから僕から提案する。
「良い考えだと思いますよ。私の産まれたコロニーでも、死者はお葬式で送り出すの。魂がきちんとあるべき場所へ戻れるように。そして無事に生まれ変われるように」
「なんすかそれ?うさんくさ」
僕の提案に賛成するメリビットさんにオルガが気に入らない態度で返す。
「良いじゃねえか。葬式ってのは昔は重要な物だったらしいぜ。葬式を挙げる事で、死者の魂が生きてた頃の苦痛を忘れるなんて話もある」
「それにブルワーズのヒューマンデブリの子達を受け入れるなら、彼らの死んだ仲間も弔ってやるべきだと思うんだよ」
殺した側の僕達がそんな事をするのは偽善かもしれないけど。
「でも・・・」
「俺やりてえ。少しでもあいつらが、痛みを忘れられるなら、葬式やりてえ」
「シノ・・・」
「そうと決まりゃあ、俺らも手を貸すぜ」
結局はオルガが折れるような形で葬式を行う事が決まり、鉄華団のメンバーは準備の為イサリビに戻る。オルガは不満そうだが、メリビットさんに任せてしまおう。
ダンテから聞いたところ、ブルワーズ艦制圧の戦闘で陸戦隊に死者3名、負傷者2名の被害が出たらしい。
そして、イサリビの艦首上部に、鉄華団のメンバーと名瀬さんにアミダさん、ブルワーズから引き取った子供達が集まっている。
「こうやってここに立つってのは妙な気分だな・・・っておい、何でそのオッサンも連れて来てんだよ?」
僕の隣にクランクさんが立っているのを見咎めたユージンが僕に訊いてくる。
「いやまあ、作業を手伝ってもらったついでというか・・・クランクさん、お願いします」
「ああ」
クランクさんが抱えている布包みを解く。
「何だそりゃ?」
「花・・・?」
「鉄板やワイヤーの切れ端を継ぎ接ぎして作った、鉄の花だよ。花でもあればっておやっさんが言ってたから造花でもと思って」
「オメエもちったあ考えた訳だ」
「一応、言い出しっぺなもんで」
そうおやっさんに返す。けどカプセルにはもう一杯だし、花が少し大きいから入らない。仕方が無いのでカプセルに入れずに宇宙に流す事にしてカプセルを閉じる。
「よーし、じゃあ始めっか。オルガ!」
名瀬さんがブリッジのオルガに声をかける。ブリッジにはオルガとチャド、ライドと回復して歩けるようになったタカキ、それにアトラにメリビットさんやクーデリアとフミタンもいる。
「よし、皆祈ってくれ。・・・死んだ仲間の魂が、あるべき場所へ行って、そんでもって、きっちり生まれ変われるようにな」
オルガの言葉に応じて皆目を閉じて祈りを捧げる。
そして宇宙を流れて行くカプセルと鉄の造花。
「弔砲用意・・・射て」
弔砲が2発上に向けて射たれ、宙で弾けるように青白い花を咲かせた。
「ああ・・・これは・・・」
「すっげー綺麗!!」
「花咲いた、花!!」
宇宙に咲いた氷の花にはしゃぐ年少組の子供達。
おやっさんの方を見ると、ユージンにヤマギのアイディアで水素を使って細工したのだと説明している。
「消える・・・」
氷の花はほんの僅かな時間しかその輝きを保てない。子供達はずっと咲いていれば良いのにと惜しんでいる。
「儚いものだな・・・」
クランクさんがそう呟いた。
「生まれ変わりとか、そんなのデブリの俺達には関係無いのに」
「おい昌弘・・・」
昌弘が呟いたのを、アストンが諌める。
「そんな事ねえよ・・・何時か死んじまっても、また生まれ変わって、そんで帰って来るんだよ。俺達の家に」
「兄貴・・・」
「今はここが、鉄華団が俺達の家だ。俺達で護っていくんだ」
式が終わると事後処理の為に再びハンマーヘッドの応接室へ。今度は三日月も一緒に来ている。
「では、これで売買手続きは完了ですね」
「おう、お疲れ」
「ありがとうございました・・・その、鹵獲品の事だけじゃなくて・・・葬式の事も・・・」
「気にすんなよ兄弟、じゃあな。・・・アミダ」
名瀬さんは立ち上がると隣のアミダさんの腰に手を回し・・・僕らがいるのも構わずキス、それもディープなのを始めた。
うわあ、生々し過ぎる!
「・・・ちょっ、何いきなりイチャついてんすか!?」
ユージンが驚きと困惑の混じった声を上げる。全くですよ、せめて僕らが退室してからにしてください!
「ん?知ってるか?人死にが多い年には、出生率も上がるんだぜ」
「はあ?」
「子孫を残そうって判断すんだろ。そうすっと隣にいる女がめちゃくちゃ可愛く見えてくる」
「可愛いのはいつもだろ?」
「そりゃもちろん。いつも以上にさ」
アミダさんとそんなやり取りの後再びディープなキスを再開する。だから僕らが退室してからにしてくださいよ!
「な・・・成る程・・・」
ビスケットが赤面しながら呟く。いや成る程じゃない!
「か、帰るよ皆!お邪魔しちゃ悪いし!ほらオルガ!」
「お・・・おう。それじゃ、失礼します」
「失礼しまーす!」
慌ててオルガ達を促して退室し、イサリビに戻るのだった。
その後、イサリビの通路を歩いていると。
「あれ、フミタン?クーデリアさんは一緒じゃないんですか?」
「御嬢様は少し、思う所があるようですので」
「はあ・・・ああ成る程」
そういえば三日月のキス事件があったっけ。
「フミタン、服が濡れて・・・というか汚れてますけど・・・?」
「ええ・・・先程少し、年少の子が泣いていたもので」
「ああ、慰めてくれたんですか?それはありがとうございます」
そうか、子供の涙とか鼻汁が付いちゃったんだな・・・。
「大丈夫ですか?服もですけど、その、何て言うか・・・」
「ええ、お気になさらず。私、子供は嫌いでは無いですから」
そう言ったフミタンの顔には柔らかい笑みが浮かんでいて・・・ハッ?い、いやいや何を考えているんだ!?嘘だろ、フミタンが、可愛く見えるだと・・・!?いや美人には違い無いけど、可愛いは違うだろ。第一フミタンはノブリスのスパイであって・・・それにいつもは無表情なのに何でそんな表情・・・。
「どうかしましたか?」
「っ!?い、いえ、何でも、何でもありませんよ?大丈夫です。もう休みますから、失礼します」
そう言って、逃げるように部屋に帰った。
おかしい。これはおかしい。きっとあれだ。名瀬さんとアミダさんのディープキスにあてられているんだ。あんな生々しいの見ちゃったから影響受けちゃってるんだ・・・。
うああ、こんなの想定外だ、どうしよう・・・。
えーと、今回の最後の所、恋愛描写とか初めて書くんで自信ありません。あんな出来でも書いてて超恥ずかしかったです。
これでブルワーズ編終了、やっと1クール分終わりました。
次回からコロニー編に入ります。
あ、そろそろリベイク買わなきゃ。