話は変わりますが捕捉情報(ネタ元は鉄血日和#6)。
ドルトの組合員ですが、ドルト2で最初にオルガ達と話した眼鏡の男はオハギ、ちょっと厳つい顔の男はマン・ジュー、本社前でクーデリアの腕に抱かれる形で死んだ女性はタルト、という名前だったそうです。そしてナボナ、サヴァラン・・・。
アトラ「ドルトの人達はみんな・・・スイーツなお名前だったんだね」
クランクさんと一緒にフミタンを連れてホテルに向かうと、三日月とクーデリア、アトラやオルガ達が既に集まっていた。
クーデリアはフミタンに気付くと彼女に歩み寄る。
「フミタン・・・私・・・私、また何も出来なかった・・・私の目の前で沢山の人達が・・・なのに・・・!」
「お嬢様・・・やはり変わらないのですね、あの頃から何も・・・」
「え・・・?」
「責めている訳ではありません。覚えていますか?火星のスラムでの事を・・・」
クーデリアにフミタンは語りかける。多分、自分の今の気持ちを正直に話す決意をしたのだろう。
「三日月、アトラ、少し離れよう。僕達が立ち聞きして良い話じゃない」
「あっ、そうですよね。行こ、三日月」
「うん」
僕は三日月とアトラを促して二人から離れると、ヤマギの側で座り込んでいるサヴァランに話し掛ける。
「ドルト本社前まで行ってきましたよ。ギャラルホルンは自作自演でテロをでっち上げて大義名分を作った上で組合の人達を虐殺しました。それは他のコロニーにも拡がっています」
「なんて事だ・・・ナボナさん・・・俺は何も出来なかった・・・」
「ナボナって人は生きてましたけど、上手くギャラルホルンから逃げられるかは判りません。一応伝えましたよ」
「くっ、うう・・・」
嗚咽を漏らすサヴァラン。
「貴方にはしばらく僕達と同行してもらいます。こちらに弓引いた落とし前はつけてもらう」
そう言ってオルガの方に状況を聞きに行く。
「イサリビと連絡は出来ない?」
「ああ、回線をギャラルホルンに押さえられてる」
「ん・・・ダメ元で宇宙港まで行ってみる?」
「・・・それしかねえか・・・」
「けどよ、街ん中はギャラルホルンがうろついてんだぞ?」
「ここでじっとしてても時間を潰すだけでどうにもならねえ。何とかやつらの目を掻い潜って行く」
「くっそ勘弁しろよ・・・」
「こうなったら腹括れよ、ユージン」
危険な賭けにぼやくユージンにシノが発破をかける。
僕だって分の悪い賭けは好きじゃないけど今は他に動きようが無い。上手い事原作通りに報道クルーに遭遇するのを祈るしか無い。
3階のエレベーターがまだ動いていたのでそちらに向かったが、エレベーター前の待合室までは行く事が出来たものの、やはりギャラルホルンによって封鎖されていた。
「どうするオルガ?これじゃイサリビに連絡とれたとしても・・・」
「・・・」
その時、待合室のモニターにギャラルホルンと組合側のコロニー外での戦闘が映し出された。
しかし組合側のMSやランチは攻撃はおろか回避行動すらとれずに撃墜されていく。
「組合側の武装勢力って、あのおっさん達の仲間なんだろ?」
「交戦っていうか、なぶり殺しだね」
「MSもランチも攻撃、回避どっちもろくに出来てない。多分スラスターや武器に細工されてたんだ。」
「細工ってどういう事だ?」
「今回の騒動はギャラルホルンとドルト本社の手の内だって事。ドルト本社は待遇改善を訴える組合の人達が疎ましい、ギャラルホルンはデモとか他の所でも起こされると面倒だから見せしめが必要、だから組合側にわざと使い物にならない武器を流した上で挑発して暴動を起こさせる。そしたら組合の人達はMSやランチでコロニーの外に飛び出すけど弾は出ないしスラスターはすぐガス欠になる。計器上は異常無しに見えるよう細工してあればチェックしても簡単には気づけない。ギャラルホルンは大義名分を掲げて武装しているようで実際は丸腰同然あの組合の人達を殺して見せて、立派に働いてますってアピールも出来るし、ドルト本社はどこかから仕事の無い人達をかき集めて人手を補充すれば元通り。仕事が無くて食うや食わずの人達なら待遇が悪くてもしばらくは大人しく働くだろうしね、CGSの頃の僕達みたいにさ」
「んだよそれ!?汚ねえだろ!」
「なあオルガ、なんか出来る事ねえのか?俺達に」
「出来る事って何だ?」
「だから何か手伝うとか、一緒に戦うとかよ・・・」
「駄目だ。何度も言わせんな」
「テイワズの指示ってのはわかるけどよお・・・見て見ぬふりってのは・・・」
「おっさん達言ってたじゃねえか、俺達の事騎士団ってさ!英雄で希望の星なんだぜ!?」
「駄目だ!俺達の仕事は依頼主を無事地球に届ける事だ」
「そうだよ、ここまで来て目的を果たせなかったら・・・」
「クーデリアさんはどう思いますか?」
「え?」
「トウガさん?」
「依頼主本人の考えも聞くべきだと思うよ。クーデリアさん、団長が言った通り僕達は貴女を地球に送り届けるのが仕事です。その為にこのコロニーを離れる事を第一に行動するという事で良いですか?」
「それは・・・」
「僕達は正義の味方じゃありませんから、最優先すべきは依頼の遂行です。その為なら今起こっている暴動鎮圧を装った虐殺を無視して動く。それで良いですか?」
「そんな・・・それは」
「下手に介入すれば地球に行く手段を失う可能性が高い、その危険を考えれば当然の判断です。納得頂けますか?」
クーデリアにここでの騒動に介入しないように言いくるめる風を装いつつ煽る。クーデリアが立ち上がってくれないと正直詰みだ。この先モンタークの協力を得る事も出来ないだろうし。原作と違ってフミタンが死んで無いから、クーデリアが立ち上がる気になるように後押ししないと。
「私は・・・私はこのまま地球へは行けません」
「お嬢様?」
「フミタン、貴女の言う通り、私はあの時から変わってないのかも知れない。あの時私は『その場限りの施しは救いでは無い』という貴女の言葉を聞けなかった。助けたい、何かしてあげたいという気持ちだけで浅はかに行動してしまった」
「それは・・・私が言ったのはそういう事では・・・」
「それでも、例え愚かな考えだとしても、私はここで起きている事を無視する事は出来ない」
「おい、解ってんのか?ここで騒ぎを起こしちまったら・・・」
「解っています。それでも・・・ここの人達も火星の人達と同じです。虐げられ踏みつけられ、命まで・・・それを守れないなら・・・立ち上がれないならそんな私の言葉など誰も聴いてくれる筈が無い」
「て、依頼主のお言葉だけど?」
原作とは少しの違いはあるものの、クーデリアはここで起きている事を放っては置けないという答えを出したので、オルガ達に話を振る。
「あ・・・ほらな、お嬢様だってこう言ってんだよ!」
「ここでやんなきゃカッコ悪いだろ」
「ちょ・・・ちょっと待った。そんな簡単に・・・」
クーデリアの言葉に勢いづくシノとユージンを諌めようとして、チラリとサヴァランの方に視線を向けるビスケット。
オルガは三日月の意見を問う。
「ミカ、お前はどう思う?」
「俺はオルガの決めた事をやる。けどこのままやられっぱなしってのは面白くないな。それに・・・」
一旦言葉を切ると三日月は僕の方を向いて口を開く。
「トウガも、本当はこのまま知らない振りは嫌だって思ってるでしょ」
「う・・・バレたか。まあ正直な気持ちを言えばね」
というかここで派手にやっておかないとマクギリスの目を引く事が出来ないかもで、そうなったらこの先詰む可能性が高いし。
「はあ・・・ったくお前ら・・・まあどのみちこのままじゃらちが明かないしな。やるか!」
「よっしゃーーっ!」
「そう来なくっちゃな!」
「まあ、待っていても捕まるだけだしね。それに、兄さんはあの人達を守ろうとしてたんだし」
そう言ってビスケットはサヴァランに歩み寄る。
「兄さん、兄さんがギャラルホルンに売り渡そうとしたクーデリアさんや俺の仲間達が、兄さんの守ろうとした人達の為に危険を冒して動こうとしています。その事を少し考えてみてくれませんか?」
「ビスケット・・・」
「本当に良いのか?このコロニーはギャラルホルンでも最大最強を誇るアリアンロッド艦隊の管轄だ。いくらお前達でも・・・」
クランクさんが相手の強大さを警告して来る。
「やるだけやってみましょう。正義の味方を気取るわけじゃ無いですけど、昔の言葉にもありますし。義を見てせざるは勇無き也ってね」
「・・・そうだな。俺も正直今回のギャラルホルンのやり方は思う所がある」
「でしょう?」
と、やる気になったは良いものの、民間のエレベーターは全て封鎖されてしまっていた。
「メンテナンス用なら・・・」
そう話していると角から人影が。
「あ・・・貴方達は・・・」
それはドルト本社前で別れたナボナさんだった。
「ナボナさん!」
「サヴァラン?何故君が鉄華団の皆さんと一緒に・・・?」
「あ・・・それは・・・」
「ちょっとトラブルがあって、同行してもらっています。それより貴方は何故ここに?」
「組合の仲間と合流しようとしたんですが、ギャラルホルンから逃げ回る内にここに・・・」
「おーい、君達!!」
「誰だ?」
「あれ?あの女の人さっきニュースで・・・」
僕達に声を掛けてきたのはドルトの報道スタッフだった。
「君あの時デモ隊の中にいた子だよね?」
「私ですか?」
「良かったら少し話を聞かせてくれないか」
「悪いけど先を急いでんだ」
「そういうこと」
クーデリアに話を聞きたいというディレクター?らしき男性にオルガが拒否の意思を示す。
「いや少しだけでも良いんだ。個人的には今回の報道は一方的過ぎると思ってる。どこまで出来るかわからないが君達労働者の声も出来るだけ伝えたいんだよ」
「だから急いでるって・・・」
「待ってください」
苛立たしげに取材を拒絶しようとするオルガをクーデリアが制止した。
「私の声を届けてくださるというのなら望むところです。その為に火星から来たのですから」
「火星?」
「あんたは?」
「クーデリア・藍那・バーンスタインと申します」
「クーデリアって・・・」
「おい!勝手に・・・なっ?」
「まあまあオルガちょっと落ち着いて」
ビスケットがオルガの肩を掴んで制止し、僕もオルガを宥めにまわる。
「報道スタッフなら専用ランチを持ってる筈だよ。報道用の専用回線もね」
「つまり僕達にとっても渡りに船、好都合だよ」
「・・・!」
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ハンマーヘッドの艦橋
「本気なんだな?」
『ええ、すんません兄貴、依頼主の希望で俺達は一番派手なやり方で地球を目指す事になっちまった』
「ここまで事が大きくなっちまった以上、テイワズとして名の売れてる俺達は出て行けねえぞ。オヤジにまで迷惑がかかっちまうからな」
『わかってます』
「そうか。まっ腹括ったんなら根性見せろや」
『はい!』
「ってことだが、お前はどうする?」
そう言って名瀬は後ろに立つ昭弘に顔を向けた。
その後、格納庫で出撃しようとする昭弘をラフタが呼び止める。側にはアジーと昌弘もいる。
「やっぱり行くの?」
「そりゃあそうでしょ」
「んー・・・やっぱり私ダーリンにもっかいお願いしてこようかな・・・」
「やめときな」
「でもさ外すんごい数なんだよ!?」
「名瀬だって辛いんだ。あんただってわかってるだろ?」
「でも・・・」
「こいつを仕上げてもらっただけでもタービンズには感謝してもしきれねえ。こいつの初陣、派手に飾ってやりますよ」
「兄貴・・・」
「心配すんな昌弘、ここで待っててくれ」
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報道スタッフの人達の専用ランチにたどり着いた僕達、三日月は一人ノーマルスーツを着て宇宙に出て、バルバトスを運んでくるおやっさんとの合流ポイントに向かう。
「彼は一人で大丈夫なのか?」
「心配いらねえよ」
「しかし・・・」
「丸腰のランチだけで飛び出していくわけにはいかねえだろ」
一人宇宙に出た三日月を心配するディレクターにオルガが答える。
「あの・・・このコロニーで働く人達の事を、出来るだけ教えていただけませんか?」
「え?」
「どういう事です?クーデリアさんは私達の事を・・・」
「何か誤解されているようですが、私はこのコロニーの事を何も知らないのです。地球に行く途中で立ち寄っただけで」
「待ってください。私達は鉄華団の皆さんが運んできた武器はクーデリアさんから贈られた物だと・・・」
クーデリアの言葉にナボナさんが怪訝な顔で問い返す。ああ、この誤解も解いておかないとな。
「ナボナさん、貴方達は騙されてたんですよ。クーデリアさんの代理人を騙るノブリス・ゴルドンに。クーデリアさんをギャラルホルンに殺させる為の火種として」
そうして僕はクーデリアとナボナさんに今回ノブリスが仕組んだ事を説明した。
「そんな・・・私達はそんな事の為に・・・利用されていたなんて・・・」
「そういう事ですか・・・ですが、何故トウガさんがその事をご存知なのですか?」
「え・・・あ、フミタン、フミタンが話してくれたんです」
「フミタンが?」
「い、いえ私は・・・」
「その事は後で説明します。今は知るべき事があるでしょう?」
危なかった。何とか誤魔化せたかな・・・て、何故フミタンは僕を睨んでいるのだろうか?嘘はついてるけど、別にフミタンを悪く言った訳じゃ無いし・・・。
そして、三日月がバルバトスで戦闘(虐殺)に介入、その隙にイサリビとの合流ポイントにランチを発進させる。
三日月はアリアンロッド所属のグレイズ相手に優勢に立ち回る。が、そこに新たな乱入者が現れる。
ガンダムキマリスと紫のシュヴァルベ・グレイズ、ガエリオとアインがバルバトスに攻撃を仕掛ける。キマリスのスピードには三日月も苦戦している。
バルバトスがシュヴァルベから僕達の乗るランチを庇って攻撃を敢えて受けた。しかしそれでアインはランチに狙いを変えた。
あの野郎、こっちは非武装の報道用ランチだぞ!
三日月はキマリスに翻弄されこちらに対応出来ない。
「ひぃ~!!」
「ちっ!!」
報道の人達が悲鳴を上げる。舌打ちしたのはユージンか。
しかしそこにちょうどイサリビが到着、シュヴァルベの前を遮ってくれた。その隙にランチは着艦出来た。僕とシノは急いでノーマルスーツに着替えて格納庫の自分の機体に乗り込む。
出撃準備が出来た所でブリッジのオルガから通信が入る。
『トウガ、シノ!出られるか!?』
「ああ、行けるよ!」
『こっちもいつでも行けるぜ!ん?』
シノにはヤマギからも通信が入っているのだろう、ヤマギはシノを特に気にかけているから。
『へっ氷の花咲かせんのは当分先だぜ!ノルバ・シノ、流星号!行くぜおらぁ!!』
そう言ってシノは先に発進して行った。おやっさんとライドが顔を見合わせて「流星号?」と呟いているけど、僕も出ないといけないのでスルーする。
「トウガ・サイトー、グレイズ改、行きます!」
発進すると接近して来たグレイズに散弾砲を射って牽制し周囲を索敵する。・・・いた!!アインのシュヴァルベとシノの流星号だ。スラスターを噴かして加速する。
「シノどいて!」
「あ?うおっ!?」
流星号を避けつつシュヴァルベの肩を蹴りつける。
「シノはイサリビの護衛にまわって!」
「は?そいつは俺が・・・」
「シノは初乗りでしょ!?それに・・・」
太刀を抜いてシュヴァルベに斬り掛かる。シュヴァルベは左腕のクローで受け止めた。
「こいつには用がある!悪いけど譲れない!」
『クランク二尉の機体のみならずコーラル司令の機体まで・・・貴様らあ!!』
リアクターの波形パターンでこの機体がコーラルが乗っていた物と気付いたか。けどこっちも言いたい事はある!
「アイン・ダルトン!非武装の報道ランチを攻撃しようとするとは、情けない男なんだな!」
『何!?俺の名を・・・!?』
「MSで戦闘用MWを攻撃するのは卑怯で、非武装のランチを攻撃するのは卑怯じゃ無いのか!?自分達は何をしても許されるとでも思っているのか!?」
太刀の刀身を下げて斬り上げる。これは避けられた。アインはライフルをバトルアックスに持ち換えて斬りかかってきた。
太刀で受け、捌く。
『ふざけるな!クランク二尉やコーラル司令を手にかけたばかりかその機体を奪った貴様らが!』
「先に仕掛けたのはそっちだろうが!何十人も殺しておいて、反撃されたら被害者面して、怨念返しにこんな所まで追い掛けて!そんな事クランク二尉は望んでいない!」
『き・・・貴様に!クランク二尉の何がわかる!!』
アックスとクローでの連続攻撃、捌くのが難しくなってきた。一旦距離をとろうと機体を上昇させる。
アインが追撃、斬り上げるようにアックスを振るう。僕はリアスカートに装備していた片刃式ブレード(名瀬さんとアミダさんに頼んで一振り譲ってもらった)を抜いて受け止めた。
「わかるさ。あの人と言葉を交わしたからな。あの人はお前や他の部下の事を気遣っていた。僕達にもあの人なりに善処しようとしていた」
『そうだ!そんな人を、その善意を踏みにじって貴様らは・・・!』
アインの攻撃が激しさを増す。機体の出力はシュヴァルベの方が上だ。パワーで押されると不味い。
「踏みにじってるのはお前だろうに!」
正面から対するのは止めた。絡め手で行かせてもらう。こっちが相手に優っている点は阿頼揶識の有無だ。それを活かす。
AMBACとスラスターの併用で機体を動かしシュヴァルベの背後を取ると、背部のブースター接続部に片刃式ブレードを差し込むように突き立てる。
『何っ!?』
「まずは機動力を削ぐ!」
ブレードを握る手を動かし背部のスラスターを剥ぎ取る。推進バランスが崩れて動きにくくなる筈だ。それから戦闘力を奪えば・・・。
『ぬああっ!くっそー!!』
『特務三佐殿!?くっ!』
「あっ!?おい待・・・うっ?」
シュヴァルベはこちらを振り払い、三日月と戦っているキマリスの方へ向かう。追おうとしたが他のグレイズが攻撃して来た。
「くそっ、邪魔を!」
スラスターを噴射して一気に接近、グレイズの胸部に太刀を突き込み停止させる。
『トウガ!こっちに戻ってくれ!敵が集まって来やがった』
「・・・了解、すぐ行く」
出来ればアインをシュヴァルベもろとも捕獲したかったが無理だったか。せめてと思い、剥ぎ取ったシュヴァルベの背部ブースターを拾うとイサリビに向かう。
イサリビの近くではシノがグレイズ二機相手に戦っていた。
一機がシノからイサリビに狙いを変更したらしくイサリビに向かってバズーカを構えた。散弾砲を射って牽制し、一気に接近すると逆手持ちにした片刃式ブレードを胸部に突き立てた。
シノも相手取っていた一機を倒したようで、二人揃ってイサリビの甲板に着地した。
『助かったぜトウガ』
「いや、こっちこそ、僕が戦っている間イサリビを護ってくれてありがとう」
そこに三日月のバルバトスと昭弘のグシオンリベイクが合流して来た。
『トウガ、シノ、大丈夫?』
『ああ、今んところはな』
「問題はこれから、かな」
ギャラルホルンの艦隊がイサリビを包囲している。グレイズもかなりの数が展開している。
『すげえ数だな』
『逃げてえ~~』
『逃がしてもらえるもんならね』
身構える三日月達。
『私はクーデリア・藍那・バーンスタイン。今テレビの画面を通して世界の皆さんに呼び掛けています。私の声が届いていますか?』
クーデリアの声が通信を介して聴こえて来る。始まったようだ。
『皆さんにお伝えします。宇宙の片隅、ドルトコロニーで起きている事を。そこに生きる人々の真実を』
さて、クーデリアの周りの状況は原作と少し変わっているけど、上手くいくだろうか?
今回の戦闘の捕捉。
トウガはアインを出来れば生かして捕らえてクランクに会わせてやりたいのとついでにシュヴァルベのパーツ欲しさからコックピットへの攻撃を避けています。阿頼揶識使ってるのにアインに勝てなかったのはそれも理由の一つです。アインの腕もシュヴァルベを乗りこなせる程向上しているのもあります。