梅原さんや内匠さんが出演されていると知って観始めたタイガーマスクWももう3クール目の終わりが近付いて来ています。
しかし梅原さんはW主役の1人なので良いとして、内匠さんが演じるマイクに残り3話で見せ場はあるのだろうか・・・?
まあ内匠さんは7月から放送開始のナイツ&マジックで演じる役が活躍するの確定だし・・・。
今回は雌伏編以来のオリジナルのサブタイトルになっています。原作通りのサブタイは合わないように思えたので。
あと今までとは違う事もやってみていますが・・・如何なものでしょうか?
地球降下に成功し、ミレニアム島へ上陸した鉄華団。しかし殿を務めたトウガは戻って来ず、またギャラルホルンの追撃も考えられる状況ではオルガ達には安堵や喜びの感情は湧かず、周囲を警戒しながらも粛々と資材の運搬作業を行っていた。
「やっと地球に着いたってのによ・・・くそっ」
「シノ!しっかり周り見張ってろよ!ギャラルホルンにはもうこっちの位置は掴まれてんだからな!」
「ああ・・・わかってるよ」
作業を手伝いコンテナを運ぶ足止めてを止め、フミタンは空を見上げて呟いた。
「・・・」
「フミタン?」
足を止めて空を見上げるフミタンに、彼女の少し前を歩いていたクーデリアも足を止めて振り返る。
「自分が守るからそばにいろと言っておいて、自分が離れて行ってそのまま・・・勝手な人です」
「それは・・・」
「判っています。私達をここにたどり着かせるために最善を尽くした結果なのでしょう・・・それでも・・・何故でしょう、私に言ったあの言葉は信じたいと思えて。なのに・・・」
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僕はモンタークと二人きりで交渉した時に、状況によっては殿のMSが降下船に戻れなくなる可能性があるのでその時に備えて回収の手筈を整えておくように頼んでいた。そしてモンタークはそれに応えてくれていた。
僕を狙って接近して来たグレイズリッターをモンタークのグリムゲルデが阻み、その間に大型ブースターを装備した二機ののロディ・フレーム機が地球の重力に捕まっていた僕の機体に取り付きワイヤーを巻き付ける。
そして上空から百里のカスタムらしき機体がワイヤーを引っ張って僕を引き上げ、ロディフレームはスモークグレネードで敵の目を眩ましてその隙に離脱するという方法で僕は彼等に連れられギャラルホルンから逃れた。
その後ランチに収容されて、僕を引き上げたMS達の母艦、装甲強襲艦メリクリウスに乗せられ、この艦の主、ジャンマルコ・サレルノ・・・タントテンポの輸送部門を仕切る人物と面会する事になった。
メリクリウスは民間企業の立場とモンターク商会の口利きで現在共同宇宙港ユトランド2に入港している。
「まさか、タントテンポの幹部が直々にお出ましとは驚きました」
「ギャラルホルンにケンカを仕掛けた馬鹿の顔を見てみたくてな」
「元を辿れば先に仕掛けて来たのはあっちの方です。僕達は降りかかる火の粉を払いながら仕事をしているだけですよ」
「それで危うく殺される所だった奴が言うじゃねえか」
「それを助けてここまで連れてくるなんて危険な仕事を引き受けてくれたのは何故です?」
「モンターク商会の提示した報酬がなかなかでかい額だったからな」
モンタークめ、よほど僕達に恩を売っておきたいらしい。けど確かジャンマルコの関心事は戦いと女だった筈じゃ?
「・・・あなたは金や権力には興味が薄いと聞いていましたが?」
「そこは今のウチにも事情があるって事だがよ・・・お前らのせいでもあるんだぜ?」
タンポテンポは前の代表が殺されてその娘が跡を継いだばかりだ。トップの代替わりに前後して組織が荒れるのは世の常だが・・・。
「僕達のせいでもあるって言うのはどういう事ですか?」
「ドルトでお前らが起こした騒動は他のコロニーにも影響してるんだよ。当然アバランチにもな。俺も今は頭目の後見人だからな。前以上に働いて見せねえと示しがつかねえんだよ」
「はあ・・・ドルトでは僕達も巻き込まれた側なんですが」
「ハッ、てめえらがそう言っても世間様は聞いちゃくれねえよ。特に面子を潰されたギャラルホルンはな」
「それはまあ・・・ごもっとも?なんでしょうね」
僕からすれば自作自演で虐殺やってる方が悪いと思うんだけど、そういうやり方が結果的に犠牲を抑えられる、という考え方もあるという事か。
「まあ、世間話はこの辺にしとくか。モンタークの船もこっちに着いた。今後の事をお前と話したいとよ」
「わかりました。あまり時間の猶予もありませんし早く地球に降りる段取りをつけないと」
カルタ・イシュー率いる地球外縁軌道統制統合艦隊が鉄華団への雪辱の為に動く筈だし。
そうして案内された先は何故か格納庫で、そこにはモンタークと・・・。
「これは・・・(アインの)シュヴァルベ・グレイズ!?」
「こちらで回収して運んできた。通常のグレイズより扱いは難しいが、阿頼耶識を使えばある程度使いやすくなるだろう」
少し前に自分がコックピットを潰した機体との再会ときた。
「これを僕に?」
「幸いコックピット以外の損傷は軽微だ。君が使っていたグレイズも損傷している。どうせならこのシュヴァルベにコックピットブロックを移植してはどうかと思ってね」
確かにこの機体、スラスター推力、リアクター出力とも高く、扱いこそ難しいが高性能、正直欲しいがその前にだ。
「・・・パイロットはどうした?」
「死んでいたよ。コックピットを潰されていたのだから当然だが・・・ああ、そういえばこんな物を持っていたな」
そう言って透明樹脂製の小袋に入った徽章を出して見せた。やっぱり持ってた。見せて欲しいと言うとモンタークは小袋に入れたまま徽章を僕に手渡した。
「これ、預かって良いか?元の持ち主を知っている。僕からその人に返したい」
徽章を一通り確認する素振りをして見せてモンタークにそう問いかける。
「元の持ち主とは、ギャラルホルン火星支部の人間かな?」
「そうだよ、前に世話になった事があってね・・・。本部長のコーラルってのは汚職をしてたらしいけど、僕の知っている人は真面目で善い人だったんだ」
アインは終らせるしか出来なかった。せめてこれだけでもクランクさんに渡したい。自己満足なんだろうけど。
「ふむ・・・まあ、良いだろう。好きにしたまえ。それで、MSの方はどうする?」
「ん・・・せっかくだし、使わせて貰おう」
「では作業をさせよう。ジャンマルコ、事前に申し入れた通りこの艦の設備を使わせていただく」
「おう、それでよ、こっちの今まで使ってた方のグレイズはどうするんだ?」
ジャンマルコが僕が使っていたグレイズの処遇について尋ねてきた。欲しいの?貴方もうグレイズのカスタム機持ってるでしょ。
「あ~・・・そうですね、タントテンポにお譲りします。盗まれたアスタロトの替わりとは言えないまでもロディ・フレームよりは良い機体だと思いますし、アスタロトが戻って来るまでの繋ぎに使わせては?」
「てめえ・・・何で知ってる?」
『前』に事故死する少し前に小説で読んだから、なんて事言える訳無いからな。誤魔化そう。
「僕もガンダムには思う所がありまして、情報を集めてたんですよ。所在が判ってたアスタロトは悪用される事は無いと思っていたら盗まれたらしいと情報がはいりまして。個人的には木星圏の闇ルートが怪しいと思ってます。うち(鉄華団)も鹵獲したMSをテイワズ経由で転売してますし。そうだ、アルジ・ミラージに伝えてください。鉄華団のガンダムは仇じゃないから狙ってこないように、と」
「お前あのガキの知り合いか?」
「知り合いとは言えないですね、僕の方が一方的に知っているだけです。彼の家族の仇が見つかる事を祈る、とも伝えてください」
そう言った僕を見るジャンマルコの目は『コイツ胡散臭え』と言っているようだ。目は口ほどにものをいうって本当だね。でももっと胡散臭いのがここにもう一人いるよ!
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一夜明けて、ミレニアム島内の倉庫で雪之丞が三日月立ち会いでバルバトスを整備している。
「よおし、追加したスラスターもまだ使えるし、他も例の商会からもらったパーツで充分足りるな。後は・・・」
「火星で動かした時に比べれば上等、やれるよ」
「まあ、そうだがなあ・・・」
「トウガがいなくなった分、頑張らなきゃ」
「そうだな・・・」
三日月だけでなく鉄華団の誰もがトウガが居なくなった事を大きな損失と思っている。単純に考えてMS一機を失った事は鉄華団の戦力的に痛手と言える。そしてそれ以上にトウガの不在が団員達の心情に影響していた。
オルガは努めて動揺を表に出さずにいるし、ビスケットもそれを察して何も言わない。シノはいつもの陽気さが無い。昭弘は黙々と作業を行っている。タカキやヤマギは今出来る事、やるべき事に意識を向けている。ライドはタカキ程上手く意識を切り替えられずにいるが、仕事を投げ出すような事はせずにいる。
トウガからすればバルバトスをより良い状態で地球に降ろす為に殿役を買って出た訳で、その点では彼の目論見は成功と言って良い。だがその反面、彼の不在(死んだと思われている)は鉄華団に影を落としていた。
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「ミレニアム島への降下は出来ない!?」
「君の予想通り、地球外縁軌道統制統合艦隊が鉄華団追撃に動いている。既にミレニアム島へ降下出来るコースは艦隊に封鎖されつつある」
「言われて見ればそれくらいはするよな・・・船の手配は?」
「クーデリアから依頼されるという君の予想に合わせてオセアニア連邦内に用意してある。そちらに向かうか?」
「時間的に厳しいけど他に方法は無さそうだな。明朝には攻撃が開始されるだろう。急いで準備を・・・」
「急ぎたいのは解るが、少し待ちたまえ。シュヴァルベのコックピットの換装と整備にも少し時間が必要だ」
「く・・・なら僕も作業を手伝いに」
「少し落ち着いたらどうだ。君1人居なくても心配はあるまい。たとえ数の差があろうと実践経験の少ない相手に負ける鉄華団では無いだろう」
「負けなきゃ良いって話じゃあ無いだろ!・・・いや、大局的視点で言えば間違ってはないかもしれない。けど・・・」
「だが今動くのは不可能。それに君も休息は必要だろう」
「・・・解った。機体のコックピット換装が終わるまで休ませてもらう。作業が終わる頃に連絡を寄越してくれ」
モンタークに背を向けて部屋を出ると、あてがわれた部屋に向かう。コックピット交換だけならあと二時間もあれば終わるだろう、仮眠をとったら格納庫に行こう。
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「いーやいやいや、良く来てくださった。儂が蒔苗東護ノ介だ。待ちわびておったよ」
夕方、オルガ、ビスケット、クーデリア、フミタン、そしてメリビットの5人は蒔苗東護ノ介の滞在している屋敷に招かれて来ていた。そこで彼等はドルトの一件のその後について聞かされた。
クーデリアの演説をきっかけにドルトの労働者達が地球と対等の権利を得た事、それによって一時的にせよアフリカンユニオンの生産力が低下する事は、ミレニアム島を領内とするオセアニア連邦(とその他の経済圏)にとっては好都合な事であるため、その呼び水となった鉄華団とクーデリアをギャラルホルンに渡すような事はしないと蒔苗は語った。上機嫌な蒔苗の様子はクーデリアやオルガ達の警戒心を少しばかり緩ませた。特にビスケットはドルトの顛末を痛快と笑うその態度に、これならドルトから連れて来てしまったサヴァランの事も何とかしてもらえるのでは、と期待した。
しかし本題の交渉に話が移ると、そんな淡い期待も吹っ飛ぶような難題を突き付けられる事になってしまった。
曰く、蒔苗は現在失脚しており何の権限も無い。故にアーブラウ代表に返り咲くためにアーブラウの代表指名選挙の行われるエドモントンに出席する必要があるので、アーブラウの首都、エドモントンまで連れて行って欲しいというのである。
しかしアーブラウを追い出された身の蒔苗が歓迎されるとは言えず、しかも対立候補のアンリ・フリュウにはギャラルホルンが後ろ楯に付いているため、この依頼を受ければギャラルホルンとの衝突は避けられない。
しかも、一旦話を持ち帰って団内で相談するとオルガが言い掛けたとたんに蒔苗は態度を一変、オセアニア連邦が鉄華団をギャラルホルンから護っている今の状況も自分の一存でどうにでも出来ると恫喝して来たのである。
結局は考える猶予を与えたのはどう考えようと答えは1つという意味だろうか。
オルガとビスケットは宿舎に戻ると他の団員達にこの事を説明、その直後クーデリアは、自分が鉄華団に依頼したのはここまで。後は自分の仕事、鉄華団は自分達の道を進んで欲しいと自らの意志を伝えた。
そこに、イサリビでの陽動役として別行動をとっていたユージン達から連絡が入り、イサリビとハンマーヘッドがオセアニア連邦に匿われている事を知らされる。蒔苗からの依頼について名瀬に相談するオルガを残し、ビスケットはドルトの顛末を報せようとサヴァランに会いに行った。
「そうか・・・ドルトの、生き残った人達の状況は良い方向に向かっているんだな・・・」
「はい・・・」
ビスケットから話を聞いたサヴァラン、しかしその顔に歓びの表情は無い。ドルトを離れてから食事は殆ど摂っておらず、さらに睡眠不足でもあるらしく、元々細かった顔はげっそりと頬はこけ、目の下には隈が出来ていた。
「俺がしていた事は一体何だったんだろうな・・・」
「兄さんは、ドルトの人達の事が大事だったんですよね?だからあそこの人達の為に良かれと思って行動していたんでしょう?それこそ形振り構わず、必死になって」
「そのつもりだった。自分の行動はきっと仲間達の為になる、そう信じていた。・・・だが事は思い通りには運ばず、お前達にも迷惑を掛けて、結果はどうだ。クーデリアやお前達が動いてくれなければもっと酷い事になっていただろう」
「それは・・・」
「俺もナボナさんも、自分の手に余る物を背負い込んで無理をし過ぎたのかもしれない。逃げ出して何か小さな幸せを見出だす事も出来たんじゃ無いかと今は思う。だが一度大きなうねりに飲まれてしまったら、もう抜け出せなくなっていた・・・。ビスケット、俺のようにはなるな」
「兄さん・・・?」
「他人に振り回されず自分の道を自分で見付けて歩いて行くんだ。家族や仲間を大切に、堅実な幸せを掴んでくれ。俺にはこんな言葉しかお前に贈ってやれない。至らない兄貴で本当に済まない」
「そんな、そんな事言わないでください。俺は・・・本当に感謝してるんです。兄さん、俺は今16歳です。クッキーとクラッカは9歳になりました。俺達3人こうしていられるのは兄さんのお蔭なんです!だから・・・」
サヴァランは項垂れたまま無言だ。
「俺達の仕事はもうすぐ終わるんです。そうしたら一緒に火星に帰りましょう。テイワズに頼めば兄さんの事もきっと何とかしてもらえる。そうして、婆ちゃんとクッキーとクラッカと、皆でこれから先の事を話し合いましょう」
その後、ビスケットを呼びに来たオルガと二人で砂浜に移動すると、オルガは自分の決意をビスケットに伝えた。
「俺は決めた。蒔苗の話を受けるぜ。どっちを選んでもリスクがあるってんなら、上がりはデカイ方が良い。そう思わねえか?」
「・・・」
「ビスケット?」
「もういいじゃないか、目的は達成したんだ。あとは皆で火星へ帰ろう。テイワズに頼めば、装備は無理でも俺達だけなら・・・」
「それだけじゃ駄目だ。火星で細々とやっているだけじゃ俺達はただのちょっと目端の利いたガキでしか無い。いずれまたいいように使われるだけだ。のし上がってみせるんだ。テイワズからも蒔苗のじじいからも、奪えるものは全部奪って・・・」
「やめてくれ!ここまで来れただけで充分じゃないか!」
語気を荒げるビスケットに驚くオルガ。
「仲間の事をもっと考えてくれ。皆を危険な目にあわせずに火星に帰る方法はきっとあるはずだ」
「俺が仲間の事を考えてねえってか?」
「そうじゃない。また危険な道をあえて選ぼうとするのはやめてくれって言っているんだ!」
「考えた上での事だ!どう動くのが俺達の将来の為になるのかって」
「昨日トウガさんがいなくなったばかりじゃないか!その上にまた無理をして、今度は誰が犠牲になるか・・・こんな事続けて将来も何も・・・」
「だからこそだ!!トウガや他の死んでいった連中、それに見合う上がりを手に入れなきゃ、それこそアイツ等の犠牲が無駄になっちまう!」
「そんな・・・少なくとも、トウガさんはこんな事望まないはずだ!」
「それでもだ!もう決めた事だ。前に進む為に!!」
「だったら!!」
鉄華団を降りる、という言葉を口に出しそうになって、しかしビスケットは思いとどまる。ギリギリの所で彼を押し留めたのは、以前トウガに掛けられた言葉だ。
『オルガを支えて欲しい』『オルガの重石になれるのは君しかいない』 タービンズとの最初の接触の前にそう言われた。そして自分は出来る限りの事はすると応えたのだ。鉄華団を降りる事は、あの時の言葉を反故にする事に思えた。
「何だよ?」
「っ・・・僕は、少なくとも今は賛成出来ない。少し考えさせてくれ。オルガももう一度考え直してくれ。皆の命がかかった重大な事なんだから」
そう言ってビスケットは歩き出す。今は自分も冷静になれない。オルガと話し合うにも時間が必要だった。
「ビスケット!おい!・・・いくら考えたってなあ、俺の答えは変わらねえぞ!!」
後ろから聞こえてくるオルガの言葉にも、今は応える気になれなかった。
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少し寝過ぎた。いつもならとっくに目が覚めていたはずなんだけどな・・・疲れが溜まっていたのだろうか。急いで格納庫に行くともう整備は終わっており、降下船への積込が行われていた。
モンタークのクルーザーももういなくなっていて、モンターク商会の人間が数名残っているだけだった。
「これからオセアニア連邦領内の港に直接降下。その後港に停泊している船に荷物を移してからミレニアム島へ向かいます。最速なら明朝には島が見えるくらいの位置まで行ける見込みです」
「解りました。よろしくお願いします」
タイミング的にはギリギリか。
「船はミレニアム島にはあまり近付けません。ギャラルホルンに捕捉されてしまいますから。可能な限り近づいたら貴方には単独で島に向かってもらいます。その為に一番大きい荷物には、追加のタンクをとりつけてあります」
「了解しました」
「では搭乗を・・・ああ、船ではなく荷物の方に、です」
いちいち『荷物』と言い換える必要はあるのだろうか?まあ、おおっぴらにMS運んでますとは言えないだろうけど。
まあそんな事はどうでも良い。やっと地球に降りる事が出来るんだからな。
何としても、明日は原作通りにはさせないようにしないと。
原作のミレニアム島で鉄華団が喪ったものはあまりにも大きい。それを知っている僕はそれを防がなければいけないんだ・・・!
今回は公式外伝『月鋼』よりジャンマルコに出張して来てもらいました。時期としては一期終了直後、ダディ・テッドの墓参りから帰ってアスタロトが盗まれた事を知った矢先にモンターク商会から依頼を受け、部下とハクリ兄妹連れて急行して来た。という事にしています。少々強引な気もしますが。
トウガのグレイズに取り付いてワイヤーを付けたのがハクリ兄妹のハクリ・ロディ、ワイヤーでトウガのグレイズを牽引した百里のカスタム機はカッリストです。確かジャンマルコの配下だったと思いますので登場させましたが・・・。