こんなに頑張っているのになんで俺にはヒロインがいないんじゃー 作:夜遊
今回から新章『佐天編』開始します!!
人間は喜んだり、悲しんだり、笑ったり、泣いたりする生き物だ。
僕、小野町仁は今呆けていた。
理由は簡単。
昨日、僕はとあるメイドさんが追っていた事件を半ば強引に引き受けた。
ボロボロになりながらも、その事件は解決し、メイドさんから感謝の言葉の手紙を貰った。
しかし
事件を解決したのは僕ではなかった。
犯人達のアジトに最初に居たのは別の人物。
そいつが事件を解決した張本人だった。
夜遊我世。
そのサラリーマンはそう言った。
彼との会話中何故か突然、意識を失い、気が付けば今日を迎えていたのだ。
あの男は何者だったのか?
何が起きたのか?
気になる事は山ほどあるが、それ以上に僕は……。
むっちゃ恥ずかしかった!!
何!?
何なの!?
これ?!
カッコつけて頑張った挙げ句に、他人が解決してました!?
イヤイヤ!!
確かに何もしなかった訳では無いですよ!?
ちゃんとアジトを通報しましたよ!?
でもさぁ!!
もっとこう、頑張った!!って胸を張れる事もしたかったじゃん!!
何かした分余計質悪いわ!!
……そんなことを悶々と考えていると気が付けば放課後になっていた。
「はぁ……切ない」
「何が切ないって?コミヤン」
「うぉ!?」
目の前に現れたのは青髪ピアスだ。
「あんまり驚かれるとショックやで」
「悪い、悪い」
周りを見ると他のクラスメイトはほぼ教室に居なかった。
「で、何か用か?」
「つれへんなぁ…折角例の物が手に入ったのに」
例の物?
僕は記憶を掘り起こしてみた。
そしてある1つの可能性に思い立ったのだ。
「まさか……アレか!?」
「フッフッフ……」
不敵な笑みを浮かべ、青髪ピアスが出して来たのは何の変哲の無い紙袋だった。
しかし中には包装されたそれが入っている。
「そうや、苦労したでぇ」
中身を確認するまでもない。
数週間前、僕は青髪ピヤスにとある頼み事をした。
一般市場には出回る事が無い、幻の名作。
文明時代、それも科学技術が外と比べて2、30年は進歩している学園都市で、それは映像ではなく、雑誌でありながらそのジャンルでキングの称号を獲得している正に奇跡の中の幻とまで言われている。
『イチャイチャパラダイス!!~僕と彼女達の霞な生活~』
エロ本だった。
普通では手に入る事は無いそれを青髪ピアスは入手するルートを確立させつつあった。
それを聞いた僕は青髪ピアスに頼み込み、彼にそれを回して貰う約束を取り付けたのだ。
それの為に、僕の財布は大分軽くなったが、それが与えてくれるであろう恩恵を考えると不思議と損した気持ちにはならなかったのだ。
最近、色々有りすぎてすっかり忘れていたが、今正にその本が目の前にある。
現在、僕の部屋にはその類いの物は諸事情により、跡形もなく無くなってしまったが、それは今日の本がくれる恩恵をより引き立てる為のスパイスだったのだろう。
気が付けば先程まであった悶々とした気持ちは吹き飛び青髪ピヤスの手を握っている僕がいた。
(今日はパッピーデーだぜ!!ヒャッホーイ!!)
今思い返してみたら、それは完全なるフラグだと言う事に僕は気付いていなかった。
時間は二章終了してすぐになります。
では!
ご意見、ご感想、その他ありましたらおねがいします!!