こんなに頑張っているのになんで俺にはヒロインがいないんじゃー   作:夜遊

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今回、ようやくヒロインが登場します!!


佐天編、私達似た者同士ですね!!

僕、小野町仁と言う人間はどうやら幸せな事があった時、惚けるクセがあるようだ。

 

そして惚けている間の自身の記憶力は著しく低下する事を知った。

 

惚けている間にどうやら僕は一人の少女に会っていたようだ。

 

「いやー本当にありがとうございます!!小野町さん」

 

とあるファーストフード店。

 

僕は目の前に座りお礼を言う少女との出会いを真剣に思い出していた。

 

青髪ピアから渡された、お宝本の入った袋を手に帰宅途中、小腹が空き、ファーストフード店に入った事は覚えている。

 

で?

 

確か……えーと。

 

前に並んでいた、女の子が会計の時に金額が足りないことに気が付いたようで困っていた。

 

うん、うん、で?

 

基本的に悪役よりの本質を持っているいつもの僕なら見過ごしていたことだろうが、ウキウキアゲアゲだった僕は特に考えもせずに困っていた彼女と店員の間に入り、こう言ったのだ。

 

「僕が払いますよ」と。

 

で、今こうして女の子と二人で食事をしていると言う奇跡に近い状態が完成したのだ。

 

いや、何で?

 

「すみません。今度代金お返しします」

 

少女は佐天涙子と名乗った。

 

 

 

 

 

「でさ!!そいつの決め台詞が『その幻想をぶち殺す!!』なんだよ!!」

 

「アハハ!!そんな人居るわけ無いじゃないですか!!」

 

数十分後、僕と佐天さんは互いの友人の話で盛り上がっていた。

 

「いやいや、だったら涙子ちゃんの頭から花が生えている友達の方があり得ないって!!」

 

「本当に居るんです!!仁ちゃんの方があり得ないって!!」

 

そして何故か互いにちゃん付けで呼び合う仲に発展していた。

 

「まぁ、そう言っても悪い奴とか嫌いな奴じゃないんだよ、むしろ親友?」

 

「あ、私もそうなんです!!お互いを信頼しているから笑えるみたいな」

 

「わかるわかる!」

 

ともかく、過程はどうあれ、僕は佐天涙子と言う女子中学生と仲良くなったのだ。

 

「私達似た者同士ですね!!」

 

会話が一段落した時に急に彼女はそんな事を言い出した。

 

「そうかな?」

 

「お互い親友って呼べる人がいて」

 

「うん」

 

「笑いのツボも似ていて」

 

「そうだね」

 

「歳も近いですね」

 

「それは無いじゃないかな?」

 

聞けば彼女中学1年らしい、高校生の僕とは「歳も近い」とは言えないと思う。

 

そんなツッコミをした所、彼女は

 

「そうですね」

 

と言い、笑った。

 

その笑顔は僕としては少し眩しい感じがした。

 

何故なら彼女は僕と似た者同士と言っていたが、僕はそんなことは思っていなかったのだ。

 

僕は正義の味方側の悪役だ。

 

色で区切るなら正義は白色で悪は黒色。

 

僕はどちらかと言うと灰色になる。

 

極端に仕分ければ僕は白では無く、黒になってしまう。

 

つまりは悪だ。

 

しかし彼女は、純白の中の白。

 

正義の味方と言ってしまえば大袈裟になるが、決して悪ではない。

 

そもそも悪をまだ知らないのだ。

 

彼女の笑顔はそんな白が溢れ出ているようなそんな印象を持ってしまったのだ。

 

「あ、でも、通っている本屋は同じですね」

 

「え?」

 

「だってほら!!」

 

彼女は紙袋を持ち上げた。

 

一瞬、僕の物かと焦ったが、僕の紙袋は足元に置かれたままだ。

 

「実はさっき本屋で本を買ったんです、欲しい本があったんで!!」

 

その為にお金が無くなっちゃったんですけどね。

 

と苦笑いを浮かべる涙子ちゃん。

 

「残念だけど、これは友達の奴に借りた物なんだよ」

 

「あぁ、そうなんですか」

 

「ネタは尽きたかな?」

 

いつしか、共通点を探すゲームになっていた。

 

「うーん、あ!!仁ちゃんってレベル0なんですよね?」

 

「まぁね」

 

「私もなんです!!ほら共通点があった!!」

 

正確には学園都市が管理している図書にカテゴリーされているデータ上の話になるのだが、まぁいいか。

 

「ところでそんなに共通点を探してどうするの?」

 

「え!?え、えーと……その」

 

何気ない疑問を、聞いてみたら急に黙ってしまう彼女に僕は頭に疑問符が出てしまった。

 

「どうしたの?」

 

「言いません!!仁ちゃんの馬鹿!!」

 

何故罵倒されたのだろうか?

 

 

 

 

 

その後、事件が起きた。

 

「わ!!もうこんな時間?!」

 

時計を見れば最終下校時間ギリギリになっていたのだ。

 

話に夢中で気が付かなかった。

 

とにかく、僕達は慌てて身仕度を済ませ急いでファーストフード店を出た。

 

「あ、あの!仁ちゃん……」

 

帰り道少し早歩きで帰宅途中別れ道の近くで突如涙子ちゃんが話掛けて来た。

 

「何?」

 

夕焼けの赤い日の為か彼女の顔はどこか赤らんで見えた。

 

「また会ってくれませんか!?」

 

どこか上ずった声でそんな事を言う彼女が可愛く見える、不思議だ。

 

「いいよ、今日の代金お返して貰わないとね」

 

「う、!!」

 

「冗談冗談、連絡先交換する?」

 

「は、はい!!」

 

互いの連絡先を交換し、僕らは別れの挨拶もほどほどにそれぞれ帰路に着いた。

 

もし、もしもだ。

 

この時僕が手に持っていた紙袋を確認していれば、あんな事態にはならなかったのではなかったのだろか?

 

少なくとも僕が巻き込まれる可能が僅かでも無くなったのではなかったと本気で後悔した。

 

結果だけを言わせて貰うと、彼女と僕の紙袋がいつの間にか入れ替わっていたのだ。

 

つまり、

 

女子中学生にエロ本が渡ってしまった!!

 

 

 




少し強引な展開でしたが、如何でしたでしょうか?

ちなみに、作者が佐天涙子を呼ぶ時は『佐天さん』です。
誰かに『仁ちゃん』と呼ばせたかったんで、片方がちゃん付けだともう片方もちゃん付けがよくね?って考えで小野町仁は『涙子ちゃん』と呼んでいます。

とにかく、今回の小野町仁は気持ち悪かったですね。

ご意見、感想等々お待ちしています!!
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