こんなに頑張っているのになんで俺にはヒロインがいないんじゃー 作:夜遊
頑張ったらできた。
「いやー退院した次の日にまた事件に巻き込まれるなんてかみやんの不幸属性が移ちゃったんじゃないかにゃー」
「……」
「ぶっちゃけ驚いたぜよ!!まさか現場にコミヤンがいるんだもん!!しかもこの件に巻き込まれたみたいだし!!」
「……」
「どうしたのにゃー?コミヤン、元気ないぜよ?あ!!まさか車酔い?」
「違ぁぁぁぁぁぁぁう!!」
現在の話をしよう。
僕は今、キャンピングカーに乗せられて何処かに連れて行かれていた。
そして
「何でお前が出てくるんだよ!?土御門!」
何故かクラスメイトの苦しみ土御門元春が居るのだ。
「コミヤン、コミヤン」
宥める土御門。
「まずは話しておかないといけないだけど、実は僕ちゃんスパイなんだぜ!!」
「ちょっと待って」
いかん、初っぱなから理解出来ない。
「学園都市には様々な理由から裏へ落ちる人間がいる、そんなやつらの溜まり場がこの――」
「待った!!それって僕が聞いたら不味い話なんじゃないのか!?聞いたら引き返せない系の危ない話!!」
正直に話すと関わりたくねぇー!!
聞きたくねぇー!!
こっちとしてはまだ、まともで平凡な生活を送りたいんだよ!!
「まぁ聞きたくないならいいぜよ、でもコミヤン」
「なんだよ?」
「学園都市の裏側に身を置いているから俺には色々情報が入って来る」
「この際、その『裏側』の事は聞かないよ」
「それでいい、でだ。ぶっちゃけるとコミヤンの事はある程度把握しているだぜ」
「……はぁ?」
ある程度とはどの位なのだろう。
「具体的にはあの事故を知っている」
「……」
あの事故。
僕が少しだけ化け物の仲間入りした出来事の事か。
「……って事は」
「あぁ、コミヤンの体がどうなっているのか、そしてコミヤンのねぇちゃんの事も知っている」
「……」
全部か
何で黙っていたんだ、なんて聞きたくなかった。
聞けなかった。
あの事故は誰にも知られたくなかったし、それ以上に姉の話は話したくない。
それに土御門も土御門で何か訳があるのだろ。
僕なんかが踏み込んではいけない何かを。
互いの過去に触れない方がいいのだ。
「まぁその話は置いておくぜ。問題は『今』だ」
そう、僕や土御門の過去に何が起きたか、それは先送りしなければならない。
「何が起きている?」
どうやら、誘拐されているのは佐天涙子だけではない。
もしかしたら僕が考えている以上に事態は大きいのかもしれない。
「コミヤンの考えているように今、学園都市各所で誘拐事件が多発している」
「犯人は?」
「スキルアウト『フロッグ』のリーダー、長谷部差鉄と言う男だ」
「『フロッグ』?」
「コミヤンもスキルアウトと一言で言っても様々なタイプがいるのは知っているよな」
スキルアウト。
レベル0の無能力者の集まりであるが、なにも彼等は1つの組織ではない。
学校に行かないからスキルアウト。
ゴミをポイ捨てするからスキルアウト。
夜な夜な遊ぶからスキルアウト。
犯罪をしたからスキルアウト。
人を傷付けたからスキルアウト。
それら全てを総括してスキルアウトと言うのだ。
「『フロッグ』は最近設立されたまだまだ小さな組織だ」
「そいつ等が誘拐を?」
「あぁ、週に何人かを誘拐し、身代金を請求している」
「なんだがショボくね?」
誘拐は立派な犯罪だが、組織を作ってまでする事なのだろうか?
なんだか事態の緊急性が急に下がったみたいだ。
「楽観は出来ないぜ」
「わかっているよ」
緊急性が下がったと言っても、今回は人が死んでいる。
その目撃者として涙子ちゃんは誘拐されているのだ。
「違うぜ、コミヤン」
「え?」
土御門の言葉に疑問符が出てきた。
「事態はコミヤンが考えている以上にヤバい」
どういう事だろう?
「コミヤン、まずは根本的な所からだ、何故『フロッグ』は誘拐事件を起こしている?」
「お金が欲しいんだろ?」
「正解、次の問題だ。何故金が必要なんだ?」
「……遊ぶ金欲しさ、とか?」
「違うぜ、それなら最も簡単で楽な方法が沢山ある、例えばカツアゲとかな」
「じゃあなんだよ?」
「資金集め」
「何のだ?」
「『フロッグ』のメンバーはどいつも、武装派の人間ばかりだ」
「……武装派?」
ちょっと待てよ?
武装派が集まって出来ている組織なら自然とその組織は武装派な組織にならないか?
資金集めって事は
何かを買う為に金が必要、もしくは何かを作る為に金が必要なのでは?
ではその『何か』ってなんだ?
武装派の欲しい物。
それってつまり、
「……武器?」
「正解だ、やつらは今特殊な武器を大量に製作している、その材料費の為の資金集め、その資金集めの為の誘拐事件」
「待った!!待った!!武器を製作している?ってそれじゃまるで」
「まるで争い事の下準備みたいだと」
土御門が僕の言葉を引き継いだ。
「まさかフロッグの目的って」
「フロッグは武装派の組織だ。やつらはこの学園都市にテロを起こそうとしているのだぜ」
そこで、僕らを乗せていた、キャンピングカーが止まった。
目的地についたようだ。
「コミヤン、俺の仕事はテロリストの排除だ」
「コミヤンはどうする?」
このままいくとかなりの話数になりそうな予感がして来ました。
また次の話が出来ていない状況ですので更新は2、3日開きます。
では!
ご意見、感想、指摘、ありましたら御願いします。