こんなに頑張っているのになんで俺にはヒロインがいないんじゃー   作:夜遊

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たくさんの感想ありがとうございます!!


病院編、もそもそ

「小野町……いや……仁……私は貴様を……す…す、」

 

ふ、吹寄!?そんな急に…

 

「ちょっと待ったー!!同級生だがなんだが知らないけど!!仁ちゃんは私のものなんだからね!!」

 

る、涙子ちゃん!?

 

「な!?いや!私の方が彼と長い時間を過ごしている!!」

 

クラスメイトだからね。

 

「大切なのは時間じゃない!!その人をどれだけ好きかと言う事なんだから!!」

 

マジでか!?

 

「だったら私が一番ね、ねぇお兄さん?」

 

く、雲川?!……いや、お前はそれほど僕の事好きじゃないだろ?

 

「ふんっ!!それでも私が勝っているわ!!それに私はあなた達にはない武器があるのよ!!」

 

どうした!?吹寄?!お前はそんなキャラじゃないだろ!?

 

「それは私への挑戦状と受け取っていいんだな?」

 

うん……頑張れ!!雲川は頑張れ……うん。

 

「私だって!!まだまだ成長できるもん!!」

 

そうだね、中学生らしからぬサイズだもんね。

 

あ、あのー…皆さん?

 

落ち着いて……

 

「「「黙ってて!!」」」

 

すいません!!

 

「そもそも問題は貴様が1つしか無いことだ」

 

え?!

 

「そうだよ!!ここは均等に別け合わないと!!」

 

ちょ!?

 

「そー言う事だからお兄さん」

 

ひっ!?

 

み、皆さん?!

 

何各々刃物を持って何を?!

 

「「「バラバラになりなさい!!」」」

 

う、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――

 

――――ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……あ、ぁぁ……あ、あれ?夢……かぁ……」

 

こうして僕の入院生活二日目の朝を迎えた。

 

 

 

 

 

そもそもの原因は昨日のカエル顔の医者の話だ。

 

あれが原因で昨日の夜は余り眠れず、やっと寝たと思ったら変な夢まで見てしまった。

 

そもそも彼女らが僕を好きになるのだろか?

 

そもそも僕が人に好意を持たれるのだろうか?

 

そもそもこれはカエル顔の医者の予想であって、

 

そもそも本当に何にも無かったら、ただの痛い人になる訳で、

 

そもそも……

 

そもそも…………

 

そもそも………………

 

そもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそもそも

 

「もそもそもそもそもそもそ……」

 

「何一人でもそもそ言っているんだ?お兄さん?」

 

「うわっ!!」

 

いかん、考えすぎて口に出していた!?

 

「って……雲川!?」

 

「はーい!!お兄さん!!お見舞いに来たよ!!」

 

そこには可愛いメイドさん……もとい、雲川鞠亜が若干冷めた目で僕を見ていた。

 

「何その格好?」

 

「可愛いでしょ?」

 

何故か、ナース姿で。

 

 

 

 

 

「何でナース服?」

 

「あれ?嫌いだった?お兄さんこういうの好きだと思ったんだが?」

 

くるりと、その場で回転しながら言う雲川。

 

ナース服……?

 

あれってナース服って言うのだろか?

 

いつからナース服が黄色と黒でカラーリングされるようになったんだ?

 

しかも、綺麗に着こなしているのも不思議だ。

 

そんな彼女に僕は

 

「いや、若干痛い」

 

「……」

 

ボコッ!!

 

……殴られた。

 

「痛てぇ!!何しやがる!!」

 

「ひどいぞ……こっちはプライドを傷付けてこんな格好していたのに……謝って!!」

 

「まずは殴った事について謝罪しろ!」

 

こっちは一応怪我人だぞ!?

 

「ふーんだ!!」

 

部屋の隅で膝を抱えて、背を向ける雲川。

 

「つーか、何で居るんだよ?」

 

「……」

 

「おーい?」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……ごめんなさい」

 

「うん!!いいぞ!!」

 

めんどくさいヤツだな!?

 

沈黙に耐えきれず、謝ったが釈然としない!

 

「で?何で居るんだよ?」

 

「だからお見舞いだって」

 

「それは聞いた。本音は?」

 

「……お兄さん、本当に私の事信用していないんだね?」

 

当たり前だ。

 

こいつは可愛いが、胡散臭い所もある。

 

以前、こいつはどうやってか麻薬を所持していた。

 

それが出来るって事は、こいつ自身『裏側』に何らかの立ち位置を持っている筈なのだ。

 

そんなやつを信用する程、僕はお人好しではないのだ。

 

「……せっかく今日は気合い入れた下着を穿いてきたのにぃ?」

 

「ありがとう!来てくれて嬉しいよ!!……ハッ!?」

 

「うわぁ……言っておくけどパンチラとか期待しないでね」

 

お人好しではないが、下心には勝てないのが僕だ。

 

「ま、まーいいや、でも本当にお見舞いに来ただけか?」

 

「しつこい男は嫌われるぞ?」

 

「うっ!!……もうどうでもいいや」

 

災厄、こいつに何か頼まれても断ればいいだけか。

 

「そうだ」

 

雲川が机に置いてあったバスケットから何かを取り出した。

 

どうやら雲川が持ってきて置いていたようだ。

 

問題はそこじゃない。

 

雲川が取り出したのは、

 

ナイフだった。

 

「ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

瞬間!!

 

僕はベットから飛び出し、床に頭を擦り着けた!!

 

「?!ど、どうしたの!?お兄さん?!」

 

これは夢か!?

 

さっきの夢の続きか?!

 

実はまだ寝ているとか!!

 

いや!!違う!

 

だってさっき雲川に殴られた時、無茶苦茶痛かったもん!!

 

これは現実?

 

余計やだ!!

 

だったらまだ夢の中の方が百倍いいや!!

 

「お、お兄さん?」

 

「……あれ?」

 

いつまで経っても何も起きない。

 

恐る恐る顔を上げると

 

「何しているの?」

 

手にナイフを持ち、もう片方の手に林檎を持った可愛いメイドさん……じゃなくナースさんが呆れ顔で立っていた。

 

「じゃ、ジャンビング土下座の練習」

 

その後、雲川の見舞品の林檎を美味しく頂きました。

 

 

 

 

 

「そう言えばさ、雲川」

 

「なんだい?お兄さん?」

 

林檎を食べながら、ふと、気になっていた事を訪ねてみた。

 

「お前さ、僕の事どう思っている?」

 

「ブホッ!?」

 

「汚な!!」

 

こいつ盛大に吹き出しやがった!?

 

お陰でこちらの顔中林檎だらけだぞ!!

 

「お、お、お兄さん!?何でいきなりそんな直球!?」

 

「ん?いやなんとなくだけど?」

 

正直、一度しか会っていないこいつがわざわざお見舞い何てしてくる何て企みかそれこそ『そう言った』感情があるのでは無いかと期待してしまう。

 

なんか企みは無いみたいだから、もしかしたら『そう言った』方を期待してしまうのだ。

 

まぁ、さっきの夢を見た後だからこんな質問が出たのかもしれない。

 

「で?実際どうなの?」

 

「お兄さん……何か今までに見たこと無いくらい違うベクトルで残念だね」

 

「残念言うな!!」

 

「そ、そうだな……うん!!よし!!」

 

雲川が何か気合いを入れている。

 

「お!!告白か!」

 

「違う!あ、いや……告白になるのか?」

 

「いヤッホーい!!」

 

「だから違うって!!その……最初に言っておくけどお兄さんの事は恋愛対象にしていないよ」

 

「……え?」

 

「だから私、雲川鞠亜は、お兄さん、小野町仁を恋愛対象にしていないよ」

 

「わざわざわかりやすく詳細に言い直すなよ!!」

 

「でも嫌いじゃないよ」

 

「ハイハイ」

 

「お兄さん……好きじゃないとわかった途端態度が変わったね」

 

「そうか?」

 

「目に見えてわかるぞ……むしろむかつく位」

 

そうなのか?

 

自分の事だから良くわからない。

 

「えーと……少し昔話をしてもいいかな?」

 

「昔話?」

 

コホン、と軽く咳払いをして雲川は切り出した。

 

「うん……」

 

「いいけど……?」

 

雲川は一度椅子に座り直し、真面目な顔をしてこう切り出した。

 

「あのね……実は私、引きこもりだったんだ」

 

 

 

 

 

 

 




まずは、上でも書きましたが、たくさんの感想本当にありがとうございます!!
皆様の感想が日々の糧となり、この作品が作られています。

あと、多くの誤字脱字報告ありがとうございます……。いやマジで、恥ずかしいです……。一応見直しとかはやっておりますが、作者は大部分をその場のノリで書いているのでかなかな無くなりません。

機会があれば速めに修正をさせて頂きます、

恐らく、確実にこれからも見苦しい箇所が出て来ると思いますが、そのときはまた謝ります。

さて、ここまで見ていただいている読者の皆様はすでにご存知だと思いますが、これがこの作品の主人公(笑)、小野町仁です。

彼は悪い意味で裏表の無い性格で、色々と残念な人格の持ち主なんで、他の作者様が書かれている格好いい主人公達とは人間性が月とスッポンの様なでかい差があるんです!!

あ、

わかっていると思いますが、スッポンがこっちですよ。


今回の物語は実験的に少し今までと構成を変えさせてもらいます。これまでは主人公視線で物語を書いてきましが、次回は別の人物の視点から物語を語らせてみたいと思っています。

実験的な事なので、いくつかお見苦しい点はあると思いますが、ご了承下さい。

では次回またお会いしましょう!!
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