こんなに頑張っているのになんで俺にはヒロインがいないんじゃー 作:夜遊
逃げる!!
現在、僕、小野町仁は斎藤誠と共に宇宙エレベーター『エンデュミオン』の内部を逃走していた!
追っ手は化け物と化した歩夢だ!!
何故に先程まで優勢だった僕らが、逃げているのかと言うと、
「クソッ!!BB!」
発砲音に似た音を轟かせながら発射されたBB。〈弾数6〉
しかし!
「Girrr!」
それは歩夢に届く寸前で歩夢の体から放電される電気により消し炭にされてしまう!!
「なんだ!何です!?何ですか!?」
「クソッ!!『W.A.L4』!」
今度は斎藤誠が能力を発動し、近くに有った休憩用ベンチを吹き飛ばす!!
って!『W.AL.4』!?
何それ?!
と言うかそれって!!
僕の困惑を無視して吹っ飛ばされたベンチは歩夢に激突!
したかと思ったが、やはりと言うか先のBBと同様に空中で分解され、細々した部品に成り変わっていた!!
「クソッ!!『電気分解』……いや『電気崩壊』と言った方が適格か!?」
僕らはこの短時間の逃走劇で今の歩夢の攻撃方法を解析していた。
電気崩壊。
自分に向かって来るありとあらゆる物体を高電圧の電気により分解、崩壊させる能力。
しかも、厄介なことに恐らくその発動時間は無制限だろう。
何故ならば高電圧の電気を発生するのに必要な電力は学園都市全域の電波や電線を介した全ての電子機器から供給しているに違いないからだ!!
このままでは話は僕らだけではなく学園都市に住む全住人にも被害が及ぶ恐れがある!
「ほraほら!!doした!逃げてiruだけか!?aあ?」
「うるせー!!クソッ!!なんか無いのか!?」
「……無理だな」
隣を走る斎藤誠がそんなことを呟いた。
「今のアイツを相手取るのは俺らじゃ無理だ、アイツは今学園都市全ての電力を手にいれた!!勝てない!!」
「妙に諦めが早いじゃないか?」
「貴様はこの状況を引っくり返す策を何か持っているのか?持っていないだろ?強大な敵を前にして奇策や強運で場を乗りきるのはあり得ない事だ!!」
「だったら諦めるのか?」
「冗談じゃない」
ここで斎藤誠は笑った。
そう言えばこいつが笑った事なんて初めて見たな。
「確かに『勝てない』だが『逃げる』算段は付いている」
「マジか!?どうやって!?」
「こうやってだ!!」
斎藤誠は僕に向けて手を向ける。
ん?
まさか!?
「『W.AL.4』!」
「テメェ!!」
こいつまさか!?
僕の思考よりも先に斎藤誠の掌から風が噴出された!!
先程のベンチを吹き飛ばすように僕の身体は突風により、飛ばされる!!
風の音に紛れながら、斎藤誠の声が聞こえた。
「精々、俺が制利を助け出す時間は稼げよ?」
こいつ!!
この状況で!!
裏切りやがった!!
僕は飛ばされる!!
「おiおi?!なんDa!なんでsu?何ですka?!」
歩夢はそんな僕をまるで迎えるかのように両手を広げる。
(あの高電圧の電気を生身で受けたらどうなるんだ!?)
決まっている!!
先程のベンチ同様に分解されるのが目に見えているじゃないか!!
「ちくしょう!!」
僕は飛ばされる身体を無理矢理捻りながら両手に残っているBBを全て発砲した!
「それは効かneって!」
歩夢の言う通りだ!!
BBは歩夢に被弾することなくヤツの身体に触れる寸前で消し炭に替わる!!
だが!!
「あa?」
突然歩夢と僕の間に何かが降り注いだ!!
それの正体は、天井にぶら下がっていた照明ライトだ。
僕は先程のBBの数弾を歩夢ではなく天井に向けて発砲していたのだ。
この宇宙エレベーターの内部の電灯が壁に埋め込まれているタイプで無くて助かった。
何はともあれ、僕はようやくただの瓦礫と化した照明ライトにぶつかる事で歩夢にぶつかるという最悪の事態を回避した訳だが、
身体に照明ライトの破片やら何やらが無理矢理に身体に埋め込まれてしまい、涙が出てきた。
(さ、斎藤誠は?!)
この事態を引き起こした張本人の姿は既にどこにも無く、完全に彼が僕を裏切り、吹寄を救う為にこの場を退いた事は明白だった。
ちくしょう!!
そして、この場には、僕と僕のクローンである歩夢二人しか存在しない。
狩る者と狩られる者、その二人しか存在しない世界だ。
「あれこれ、死んだんじゃね?」
僕はこれから学園都市全ての電力を手にいれた化け物に一人で戦わなければならなくなった。
更新が遅れて申し訳ありません!!
最近、風邪を引いてしまいまして…、皆さんも体調には気を付けてください。
さて、次はいつになることやら。