こんなに頑張っているのになんで俺にはヒロインがいないんじゃー   作:夜遊

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やっと、終わり!!


御坂妹編、Blood Bullet Villain

小野町仁は化け物である。

 

これまでの彼は化け物の力を十二分に発揮していなかった。

 

それはなぜか?

 

純粋に、

 

ただ純粋に小野町仁は化け物になることを認めていなかったのだ。

 

彼は自身が言うように正義の味方側の悪役だ。

 

好きな事は平和。

 

より正確には自分自身の平和である。

 

では彼の言う平和とは何なのか?

 

結論としては小野町仁は平凡な人生がそれに当てはまっていた。

 

そして、化け物の力は平凡とはかけ離れた存在だったのだ。

 

しかし、この時ばかりは違った。

 

決定している死を前にして、小野町仁は受け入れた。

 

いやこの場合はすがったと言うのだろう。

 

生き残る為に彼は自身が嫌っている化け物の力に恥も外聞も無く、受け入れて、すがって、飲まれたのだ。

 

そして、新たな力が発現した。

 

 

 

 

 

アユムは考える。

 

小野町仁の指先に彼の攻撃方法である血液の弾丸が何故出現したのかを。

 

まだ小野町仁に戦う意志が残されているのか?

 

違う。

 

小野町仁はすでに手遅れだ。

 

戦う意志があるのならばもっと前、少なくても左腕を切断された時に行動しなくてはおかしい。

 

何故だ?

 

そして、アユムは考えた。

 

「……自殺ka?もうそれsiか無いよna」

 

苦しむのならば自分の手で終わらせる。

 

それならば納得できた。

 

「いいzo、もうお前niは興味ha無くなったからな」

 

「最後Da、俺が看取ってyaるよ」

 

小野町仁はそれを聞き、本当に聞いているのかはわからないが、行動したのだった。

 

彼は血液の弾丸を自分のこめかみに向けそして、

 

発砲音によく似た音を轟かせながら発射した。

 

 

 

 

 

静寂。

 

この静寂の中アユムは考える。

 

小野町仁は死んだ。

 

幕引きは自殺と言う呆気ないものだったが、それでもアユムの心の中では歓喜に満ち溢れている。

 

その感情は歩夢から引き継いだものなのかも知れないが、アユムにはその感情は自分の事のように嬉しかった。

 

次第にそれは大きさを増していき、しまいにはアユムの口から笑い声として溢れ出てくる。

 

それが終るとアユムは考える。

 

次はどうするか?

 

手始めに殺そう。

 

あの風を出すレベル不定の男を、次は人質にしている女を。

 

その次は?

 

この建物を出て近くに、最初に会った人間を殺そう。

 

その次は?

 

その次は?

 

その次は?

 

その次は?

 

その次は?

 

そう繰り返していき、学園都市全ての人間を殺害したら?と言う所まで考えた時である。

 

アユムは考えるのを止めた。

 

理由は簡単だ。

 

アユムの耳に何かの音が聞こえたからだ。

 

何が這うような音。

 

アユムは再び考える。

 

何の音だ?

 

まだこの建物の中に誰か居るのか?

 

それとももう一人の侵入者が来たのか?

 

それともこの戦闘の音を聞き付け誰かが様子を見に来たのか?

 

そこでアユムは再び考えるのを止めた。

 

今度は違和感があったからだ。

 

音は1つではない。

 

この場全ての方向から音が聞こえる。

 

既にアユムの近くにその音の発生源が居ても可笑しく無いのだが、アユムには誰の気配も感じられなかった。

 

その時である。

 

アユムは気が付く。

 

音の発生源は人ではない。

 

それは、あるいはそれらはそこら中に撒き散らした小野町仁の肉片やら血液からだった。

 

小野町仁の肉片やら血液はまるでアメーバの様に意思を持っているかの様に蠢き進んでいた。

 

それの向かう先。

 

それは小野町仁の死体だ。

 

(……まさka)

 

まるで元に戻るかの様に、全ての肉片やら血液が小野町仁の死体に向かっていき、そして遂には彼の死体の中に侵入し始めた。

 

(……Maさか)

 

右腕や両足といった大きな部分がくっついた時には小野町仁の死体は完全に傷1つ無い綺麗な身体になっていた。

 

なっていた。

 

小野町仁の死体は傷さえも無くなり代わりに傷や肉片が繋がった繋ぎめには黒い渦が蠢いている。

 

その渦の正体を考えるよりも先にアユムは驚く。

 

「カハッ!!」

 

小野町仁が息を吹き返したのだ!!

 

小野町仁はゆっくりと立ち上がる。

 

先程までバラバラだったと思えない程にスムーズな動きだ。

 

そして小野町仁は自分の身体に起きている現象を理解していた。

 

「危なかった……本当にヤバかった……そして、『ヤバイ』。本当に『ヤバイ』。こんな力、『化け物の力』は『ヤバイ』」

 

「……あの時no、最後に自分ni撃った弾丸……『完全治癒能力』なのか!?」

 

小野町仁が自殺するために撃った弾丸は自身のダメージを完全に回復する為だったとアユムは予測し忌々しく吐き出す。

 

しかし、

 

「『違う』……『半分違う』」

 

小野町仁はそれを否定した。

 

「BBは……化け物の力は『進化した』。僕の……俺の欲望を叶える為に『進化した』んだ……これは最早『最悪』な能力だ……」

 

小野町仁は答えているが半分は自分に言い聞かせる様に喋る。

 

「『進化したBB』がこんな……『回復する』だけの能力だと思っているのか?……違う……『これから終るんだ』」

 

小野町仁の身体に蠢いている傷跡が変化した黒い渦が彼の体を這う様に動き出した。

 

それらの向かう先は小野町仁の頭部。

 

正確には小野町仁が言う『進化したBB』が着弾した右のこめかみだ。

 

そこにも黒い渦が蠢いている。

 

全ての渦がそれに吸い寄せられるかの様に這い、1つになっていく。

 

「『Villain』……『Blood Bullet Villain』……俺はこれからこの最悪の能力を『BB-V』と名付ける!!」

 

小野町仁の身体に有った全ての渦がこめかみの渦と1つになり、ついにはその渦が小野町仁の右手の向かい動き出した。

 

「だからどうsiた!!『新しい能力』?!『進化した能力』!?関係無iだろう!貴様no攻撃は全部!!いやどんな攻撃出さえ俺には届かnaい!!」

 

「じゃぁ試してみるか?このBB-Vが本当にお前に防げるのか!!最後の勝負だ!!歩夢!!」

 

両者の叫び声と同時に小野町仁の右手に移動していた黒い渦が小野町仁の右手から発射された!!

 

渦はBBの様に真っ直ぐには飛ばず発射と同時に地面に落ちたが、今度は地面を這う様に進み、アユムに向かい蠢き出した!!

 

アユムは身体から電気を放電し、今までと同じ様に渦を崩壊させようとする。

 

しかし、

 

バチッ!!

 

電撃は確かに渦を直撃した。だが、渦は崩壊しない!

 

変わり無くアユムに向かい進行を続けている!

 

「何!?」

 

「無駄だ……無駄なんだ!!これは『結果』!誰かが負わなくてはならない『結果』!決定している『結果』は何者にも『壊すことが出来ない』!!」

 

その言葉を聞き、アユムはこの能力の正体を予測した!!

 

そして、初めてアユムはこの行動を取る!!

 

つまりは逃走!!

 

もしもアユムの予測した能力ならば、彼は絶対にこの能力を『受けてはならない』!!

 

アユムの逃げる方向に渦は一定の速度を保ったまま蠢き追尾していく!!

 

「この場にha……oれと奴しか居なi……クソッ!!自動的にoれに来るのか!?」

 

アユムは逃げる!!

 

逃げながらも電撃を放電し、渦の崩壊を試みるが依然変わらず渦は崩壊しない。

 

「クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!ふざけるna!なんだ!!この能力は!?」

 

そして、ついに

 

「……ちkuしょう……!!」

 

アユムの足に渦が触れてしまった。

 

「ちくsiょう!!」

 

アユムは渦をはたき落とそうとするがまるで霞みを払うが如く渦は取れない。

 

「ちくしょうおぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

渦は蠢くのを止め、そして弾けた!!

 

その瞬間!!

 

アユムの身体は霧散に散ったのだ!!

 

まるで、そう先程までの小野町仁がそうだった様に左腕や両足、胸の心臓までもが飛び散る!!

 

「………『BB-V』……『生命が受けたダメージを別の物体に負わせる能力』……『他人を犠牲にしてでも生き残りたい』そう願った為に発現した『悪役』の能力……」

 

小野町仁は呟く。

 

そのまま彼は倒れ込んでしまった。

 

そして小野町仁は気を失った。

 

 

 

 

 

こうして、悪達の長い夜の戦いは幕を下ろしたのだった。

 

 

 

 

 




ようやく悪達の戦いが終わりました。

次回はエピローグです。

小野町仁の新しい能力はあとがきにて詳しく話そうと思います。

では次回!
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