こんなに頑張っているのになんで俺にはヒロインがいないんじゃー 作:夜遊
目が覚めると病室にいた。
「……………あれ?」
「起きたかい?」
目を覚ますと声を掛けられた。
白衣を身につけた医者がそばにいる。
なんと言うか…失礼だが蛙によく似た医者が。
「君は川で血まみれになっていた所を偶然通りかかった通行人に発見されたんだよ」
「……ちなみにその人の性別は?」
「ん?男性だったかな?」
ガッデム!!
またフラグを逃した!!
最悪だー!!
頭を抱えたかったが体が動きにくい。
よく見れば、身体中に包帯がぐるぐる巻きになっていた。
「しかし、運が良かったね、君が運ばれてきた時は驚いたよ、何しろ全身が切り傷で一杯だったし、皮膚には小石が三十個位突き刺さっていたんだ、全て取り除くのに苦労した、あと出血が酷かったから発見があと少し遅かったら命はなかったよ」
「うわぁ…あぶねぇ……」
「そろそろ行くけど無理に動かないで寝ていなよ」
医者が部屋から出て行った、その足音が遠ざかったのを確認して僕は部屋に干してあった服を来て、病室から抜け出した。
「寝ますとも……全部終わったらね」
吹寄を助けに行きあのストーカー野郎を殴ろう。
さぁ復讐の始まりだ。
まずはあのストーカー野郎を見つけないとな、計算したら、僕が目を覚ましたのはあれから三時間位経っている。
今更街中を走り回ったって見つかる筈がない。
「ヒントが欲しいな……」
そうヒントが欲しい、ヒント、ヒントヒント―……
「ねぇー!!」
いや、よく考えろ!!一から順にだな……
まずは手紙だ、無理だな、あのストーカー野郎自分で直接郵便受けに入れていたみたいだし。
写真?駄目だありきたりな場所過ぎてわからない。
あとは顔か。無理だ、探しきれない!!
この街何人の学生がいると思っているんだ!!
「だーもう!わかっているのはうちの生徒って事だ…け…か…よ?」
あれ?待てよ?顔がわかっていて同じ高校?
(確かうちの高校生徒の資料なかったか!?顔写真付きの!!)
学園都市の学校は能力開発の為に外側の学校よりも正確に生徒の資料を作成保管していたはずだ。
当然顔写真付きで。
「よし!!」
学校に行こう。
まぁ生徒の資料なんつー個人情報満載な物は厳重に保管されている訳で、しかも時間的に教師も居ない、普通に入手不可能だった。
だからまぁ…その……盗みました!!
「ヤバイ!!セキュリティ高すぎ!!これ捕まったらどうなるんだ!?やっぱ前科持ち!?ヤバイ!!なんで人助けして前科者にならなきゃならないんだ!!さ、最悪だーー!」
体の傷を忘れながら僕はわりと全力で警報が鳴り響く学校から離れた、その手に一枚の資料を握りしめながら……
斉藤誠、それがストーカー野郎の正体だ。
つーか隣のクラスなんだ。
「よーし、行くか!!」
現在僕は今斉藤が住む部屋の前にいる。
このドアの向こうに吹寄がいる。
待っていろ吹寄!
「ってあら?」
室内に人の気配が無い。
ドア横の窓にも光がないし、インターホンを押しても誰かが動く様子もない。
まさか……
「誰も居ない?」
おかしい、他にアイツは隠れる場所なんてあるのか?
もう手元にヒントは無い、ここで行き詰まりなのかよ!?
……………………………よし、もう無茶苦茶に犯罪犯してやる!!
僕はドアノブを掴み思いっきり引き抜いた。
「力があるって便利」
ドア内の鍵の構造を無茶苦茶にし、ドアを強引に開け室内に浸入をはたす。
「なんだ……これ?」
一見したら代わり映えにない普通の部屋。
しかし
室内には不気味な箇所があった。
壁一面に貼られた吹寄を隠し撮りした、大量の写真だ。
その光景は異常を上回り、狂気の領域に達していた。
「……マジで危ないなあの男」
僕は室内を物色し始めた。
しかし、何も見つからない。
「くそっ!なんか無いのか!?」
ここが最後のヒントだ、ここで駄目なら諦めるしかない。
「なんでもいい。何か……あれ?」
何かに気付く。
机の上にはあのピンクの便箋や写真があった。
写真を手に取りよく見る。
何か違和感がある。
(なんだ……何が引っ掛かるんだ?)
写真は吹寄が下校する姿を収めた物だ。
しかし、よく見ると…… やっぱり吹寄って胸が凄いな顔も綺麗だしって違う、違う………あれ?
「あぁ!!」
僕は壁に貼られた写真を再度確認する。
「これも!!これも!!これも!!みんな正面から撮られた写真だ!!」
普通隠し撮りした写真は後ろ姿がほとんどだ、だがこの写真は正面から撮られたもの、前からカメラを持った人間が近づいたら怪しまれるはずだ、なのに写真の中の吹寄はそんな警戒をしていない。
(どうゆうことだ?)
前から撮られたのに気が付かった?
いや、偶然ならまだしもこんな数十枚写真を撮られていたら嫌でも気付く!!
前から撮れて気が付かない場所。
普段気にしない方向。
「上から撮影した?」
そうだ!!上からなら撮影しても気づかない!!
普段から上を向いて歩く人間はいないから。
「上から、上……ビルの中から?!」
上から撮れた写真を全てはがし横に並べる、すると上空から撮影した写真は全て同じ向きで撮影されていた。
「ここって大通りだよな?確かあそこ工事中のビルがなかったか?」
マンションや会社が並んだ通りに確か何故か工事が中断して中途半端に建っているビルがあったはずだ。
確かな感触を持ちながら僕は真実に近づいていた。
補足として、小野町仁の身体はとある事情で化け物染みています。だからドアノブを壊す事ぐらい簡単なんです。
クライマックスも近いて来ました。
またよろしくお願いします!!
ご意見、感想、等々ありましたら書いて下さい。