問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ?【リメイク版】   作:夜叉猫

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お待ちの皆様大変遅くなりましたっ!!(>_<)
ハイスクールD×Dの方ばかりに力を入れていて全然更新しなくて本当にすみませんっ!!(>_<)

それでは早速本編の方をどうぞ♪(*´ω`*)


〜誇りだそうですよ?〜

Side 夜鶴

 

 

 

―――――二一零五三八零外門。

 

 

 

俺たちは、【フォレス・ガロ】のコミュニティを訪れる道中、【六本傷】の旗が掲げられた昨日のカフェテラスで声をかけられていた。

 

「あー!昨日のお客さん!もしや今から決闘ですか?!」 

 

「にゃにゃっ!にゃんにゃにゃんにゃ」

 

昨日のカフェテラスで働く猫耳少女が来て元気を振りまきながら話しかけてくる。そして、それに対して三毛猫が得意気に返事を返す。

このやり取りを見ていると異言語を理解する能力の必要性にかられるのは気のせいだろうか?

 

「ボスからもエールを頼まれました!

ウチのコミュニティも連中の悪行にはアッタマきてたところですっ!

この二一零五三八零外門の自由区画・居住区画・舞台区画の全てでアイツらやりたい放題でしたからっ!!!

二度と不義理な真似ができないようにしてやってください!!!」

 

お盆を胸に抱きながら、ハイテンションな猫耳少女は言葉を続ける。

この反応を見ると、ガルドが、そして【フォレス・ガロ】がどれだけ嫌われているのかがよくわかる。

 

「え、えぇ。

……勿論叩き潰してあげるわ」

 

飛鳥が苦笑い気味に答えた。

あまりのハイテンションっぷりに押されたのだろう。

 

「おお!心強いお返事だ!!」

 

満面の笑みを浮かべて返す猫耳少女。 

だがしかし、急に声を潜めてヒソヒソと呟き始めた。

 

「……実は皆さんにお話があります。

【フォレス・ガロ】の連中、領地の舞台区画ではなく、居住区画でゲームを行うらしいんですよ……」

 

「居住区画で……ですか?」

 

黒ウサギは不思議そうに呟いた。

俺は先程から新しく出てきた言葉に疑問を持ってしまったので黒ウサギに聞くことにした。

 

「黒ウサギ、さっきから出てきてる【~区画】って何なのかな?」

 

「あ、皆様は知りませんでしたね……。

簡単に説明させていただきますと、【居住区画】は傘下に置いているコミュニティのメンバーが住む場所、【舞台区画】はギフトゲームを行う為の専用の場所、【自由区画】はここのような商売などをするための場所でございます」

 

「へぇ……結構いろんな場所があるんだな」

 

十六夜が興味深そうに唸った。

 

「し・か・もっ!!傘下に置いているコミュニティや同士を全員ほっぽり出してですよ!!」

 

「それは確かにおかしい話ね……」

 

「なんで全員なんだろう……」

 

飛鳥と耀は顔を見合わせ、首を捻った。

 

「でしょでしょ!!何のゲームかは知りませんが、とにかく気を付けてくださいね!!

何だか嫌な予感がするので……」

 

俺たちはその情報を聞くと、再び【フォレス・ガロ】の居住区画を目指して歩み始めた。

後ろをチラリと振り返って見ると猫耳少女は笑顔を浮かべ、手をぶんぶんと振りながら俺たちを見送ってくれているのが見える

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「あっ、皆さん!見えてきました……けど……あれは……」

 

黒ウサギは疑問の声をあげた。

それもそうだろう。

何故なら――――

 

 

 

 

 

「これって…………ジャングル?」

 

「えぇ……紛れもなくジャングルね」

 

「疑う間もなくジャングルだよ……」

 

「…………居住区画にコレってアリ?」

 

「一応アリじゃねえのか?ガルドって虎なんだろ?」

 

「で、ですがあり得ません!

【フォレス・ ガロ】の居住区画は普通の居住区だったはずです!!

それに……この木は……」

 

 

 

―――――俺たちの目の前に広がるのは木々に囲まれたまるでジャングルのような居住区画だったのだから。

 

黒ウサギは樹木に手を当てながら顔を歪める。

ジン君も同じように顔を歪めて何処か焦りの色が見えた。

眼前に広がるジャングルの樹木はまるで生き物のように脈を打ち、触ってみると、肌を通して胎動の様なものを感じさせた。

そもそも動いているだけでも普通じゃないのがわかる。

 

「やっぱり………【鬼化】してる?いや、まさか……」

 

ジン君がそう呟きながら考えるように腕を組んだ。

 

「にゃ、にゃにゃぁ~!!にゃにゃ~っ!!」

 

そんな時、頭上から三毛猫の悲鳴のような鳴き声が聞こえてくる。

ふと、視線を上に向けてみると三毛猫が木に絡め取られて動けなくなっているのが見えた。

 

「……なんで捕まっているんだい……」

 

「にゃぁ!にゃにゃにゃにゃーにゃ!!」

 

ジタバタと動く三毛猫。

それが可哀想になった俺は未だに誰も助けようとしない三毛猫を救出すると、そのまま頭の上に乗せてあげる。

 

「にゃあ~……にゃにゃにゃ~にゃ」

 

「……ちょっと待っててね」

 

こうも話の内容が分からないとなると不便でしかないため、俺は新たな能力を作る。

 

「【創造者の娯楽(クリエイター)】発動。

作成能力内容指定…………。

 

創造(クリエイト)】―――――

 

―――――【万物の声(ボイス・チャンネル)】」

 

創ったのは勿論あらゆる生物の声を翻訳する能力。これで三毛猫と会話することができるだろう。

 

「ごめんね、もう大丈夫だよ?」

 

「『ホンマ、助かったわありがとうなぁ』」

 

「いやいや、可哀想だったからね。

当然だよ」

 

「『にしても、旦那の頭は落ち着くなぁ……

なんや、エエ匂いがするわ』」

 

「あははは、それはどうも。

いつでも乗せてあげるよ」

 

「『ホンマかぁ!?ならまた乗せて貰いたいわぁ』」

 

俺が三毛猫との会話を楽しんでいると、十六夜たちが【契約書類(ギアス・ロール)】を見つけたと声をあげた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

『ギフトゲーム名 【ハンティング】

 

・プレイヤー一覧

久遠 飛鳥

春日部 耀

ジン=ラッセル

 

・クリア条件

ホストの本拠内に潜むガルド=ガスパーの討伐 

 

・クリア方法

ホスト側の指定した武具でのみ討伐可能。 

指定武具以外は【契約】によってガルド=ガスパーを傷付ける事は不可能。

 

・敗北条件

降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

・指定武具

ゲームテリトリー内にて配置。

 

宣誓

上記を尊重して、誇りと御旗の下、【ノーネーム】はギフトゲームに参加します。

 

【フォレス・ガロ】印』

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「―――――ガルドの身をクリア条件に………指定武具で打倒?!!」 

 

「こ、これはまずいのです!」

 

黒ウサギとジン君が慌て始めた。

飛鳥はそんな二人を見て眉をひそめる。

 

「……このゲームはそんなに危険なの?」

 

「いえ、ゲームそのものは単純です。

……問題はこのルールです。

このルールでは飛鳥さんの【ギフト】で彼を操ることも、 耀さんの【ギフト】で傷をつける事も出来ない事になります………!!!」

 

ということは此方のアドバンテージがひとつ無くなったということかな……。

これはちょっと厳しそうだね……。

 

「これは【恩恵(ギフト)】ではなく【契約(ギアス)】によってその身を守っているのです……。

これでは【神格】でも手が出せません!

彼は自分の命をクリア条件に組み込むことで皆さんの力を克服したのですよ!!!」

 

「へぇ……そりゃ面倒だな。

……ルール内容を先に決めておくべきだったな?御チビ様?」

 

十六夜の言葉にジン君は悔しそうに唇を噛んでいる。

確かにルールを相手任せにするなんて自殺行為に等しいだろう。

もしかしたらかなりの不利なルールになるのかもしれないからだ。

しかし、そこまでジン君に気を回せというのは厳しいモノがある。

ジン君はジン君なりに頑張っていたのだから。

 

「出来レースが一転……敵は命懸けで五分に持ち込んだってわけか。

……観客にしてみれば面白くていいけどな」

 

「……十六夜君も言ってくれるわね……

まぁ、【指定】武具となっているのだから何らかの形で指示されているのでしょう?」

 

飛鳥は黒ウサギに質問した。

その顔には負ける気は微塵も無いと見える。

 

「Yes!そう考えていただいて結構ですよ!」

 

「なら問題は全くないわ。 

むしろあの外道のプライドを粉砕するためには、コレぐらいのハンデを着けたほうが丁度いいわね」 

 

「し、しかし!!」

 

「大丈夫。私も頑張るから」

 

飛鳥と耀は互いの顔を見つめ不敵に笑った。

 

「この勝負に勝てないと俺の作戦は成り立たねぇ。

だから、負ければ俺はコミュニティを去る。

予定の変更はないぞ。いいな御チビ?」

 

「……分かってます。絶対に負けません」

 

俺の隣では十六夜がジン君にそう告げていた。

 

「さぁ、行きましょうか。

ゲーム開始よ!!!」

 

飛鳥がそういうと、三人は敷地内へ足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「―――――なぁ黒ウサギ、暇潰しは何かねぇのか?」

 

十六夜が突然そういった。

確かに長い時間待っているがそんなに暇では無いよ?

 

「『あぁ~……旦那に抱かれるのも気持ちエエなぁ~』」

 

「そう?なら、今度はもっと良いことしてあげるから楽しみにしていなよ」

 

「『ホンマかいな!なら楽しみにさせて貰うわ~』」

 

「無茶言わないで下さい!!」

 

黒ウサギは困ったように叫んだ。

 

 

 

 

 

―――――ウォォォォォオンッッ!!!!

 

 

同時に、屋敷がある方から獣の咆哮が響いてくる。

声の種類からしてアレはおそらく……。

 

「!!!……今のは……」

 

「虎になった春日部だな」

 

「なるほど…………って違いますよ!!!」

 

黒ウサギは一瞬納得しかけたものの、持ち前のツッコミスキルで切り抜けた。

 

「じゃあ虎を従えたお嬢様だな」

 

「地味にありそうなことを言わないで下さいっ!!!」

 

「じゃあアレだ御チビだ」 

 

「ボケ倒すのもいい加減にしなさいっ!!」

 

スパァンと、ハリセンで叩かれる十六夜。

毎回だけど良い音がなるものだ。

 

「『あのにーちゃん失礼やなぁ!!

お嬢があんな声出すわけないやろっ!!』」

 

「確かにあれは十六夜が悪いよね……」

 

三毛猫もあの言葉には怒ったようだ。

と、そんな中十六夜は目を輝かせながら、黒ウサギに近づきたずねる。

 

「俺たち見に行ったら不味いのか?

【審判権限】とそのお付きってことでよ」

 

その内容からよっぽど暇なのがわかる。

すると、黒ウサギは自らの耳に手を当てながら喋り始めた。

 

「黒ウサギの素敵耳はここからでも大まかな状況は分かってしまいます。

ですから、最初の【契約書類】にないかぎり見学は許されません」

 

十六夜はこの言葉にたいして、ため息をひとつつくと、わざわざ聞こえるような声で不満を露にした。

 

「……黒ウサギ……マジ使えね……」

 

「聞こえないように言って下さいっ!!

わりと本気で凹みますからっ!!」

 

黒ウサギはウサギ耳を左右に振り、情けない声で十六夜に言った。

 

「『ウサ耳の姉ちゃんも苦労しとるの~』」

 

「まぁ、八割方十六夜のせいだけどね……」

 

俺はその光景を見ると、つい苦笑いしながら三毛猫に答えてしまった。

 

 

 

 

 

―――――しばらくすると、辺りがいきなり明るくなり、周りのまがまがしい雰囲気も無くなる。 

 

「あっ……十六夜さん!夜鶴さん!!」

 

「……一気に明るくなったな」

 

「ゲームが終わったのかな?」

 

俺たちがそう呟くと、門についていた【契約書類】が消え去った。

この様子だと、やはり飛鳥たちが勝ったのだろうと分かる。

そして、黒ウサギに飛鳥たちの所へ案内して貰おうと顔を向けると、そこには血の気が抜けたような顔をした黒ウサギがいた。

 

「……黒ウサギ?一体どうしたの?」

 

「た、大変なのですよっ!!

耀さんが耀さんがっ!!!」

 

ウサギ耳を激しく動かし慌て始めた黒ウサギに俺は叱咤する。

 

「落ち着くんだ黒ウサギ!

耀ちゃんがどうしたんだい……?」

 

肩を掴み黒ウサギの目を見詰めながら、何が起きたのかそして、黒ウサギ自身を落ち着かせるように俺はゆっくりと聞く。

 

「は、はい……実は先のギフトゲームで耀さんが怪我をしたようなんです……」

 

「チッ……!最悪の予想が的中しちまったな……」

 

十六夜はそう呟くと猛スピードで跳んでいった。

俺も、黒ウサギを抱き抱えて十六夜に続いて行く。

 

 

 

耀は案外早く見つけることが出来た。

ジン君が傍に居り、俺たちに叫んで自らの場所に呼んだのだ。

 

「大丈夫かい耀っ!?」

 

「あぁ……夜鶴……大丈夫って、言いたいけど……正直もう泣きそう……」

 

既に最低限の応急処置はしているのだが明らかに耀の顔色は悪い。

先程は俺に軽口を叩いてくれたのが俺や黒ウサギ、十六夜を思ってのことだろう。

 

「すぐコミュニティの工房に運びます!

……あそこなら治療器具が揃っていますし」

 

黒ウサギがそう言っているのだが今の耀の状況は悪すぎる。

長時間の流血による貧血そして肋骨にも達する程の深い切り……いや裂き傷。

 

「『お嬢ぉ~!!!!』」

 

三毛猫も耀の傍に駆け寄って行き、心配そうに鳴いている。

 

「まて黒ウサギ……今此処で春日部を治療出来ないとアウトだ……。

これは傷が深すぎる……」

 

「そ、そんなっ!!!」

 

十六夜の冷静な診断を聞き、絶望したような表情になる黒ウサギ。

 

「……もう手遅れだって言うんですかっ!!!」

 

黒ウサギは涙を目に溜めながら十六夜を睨む。

すると、十六夜は笑いながら黒ウサギの言葉を否定し始めた。

 

「オイオイ黒ウサギ……

誰も『諦めろ』なんて言ってねぇだろ?」

 

「じゃあどうすれば良いんですか……。

……黒ウサギは治療系の【ギフト】なんて……」

 

黒ウサギは下を向いて項垂れた。

しかし、そんな黒ウサギを見た十六夜はニヤリと笑いながら口を開く。

 

「オイオイ黒ウサギよ、このコミュニティには一人【規格外】が居るのを忘れてねぇか?」

 

「……っ!!!」

 

十六夜の言葉を聞くと、黒ウサギはパァッと笑顔になり、俺の方を向いて来た。

そして俺の手を掴むと必死な表情を浮かべて懇願する。

 

「夜鶴さんっ!!!耀さんを助けて下さい!!!」

 

「そんなの当たり前だよ?

ちょっと待ってて……直ぐに創るから……」

 

俺は黒ウサギを少し下がらせた。

もともと頼まれ無くてもやるつもりだったけれど、こうやって黒ウサギに改めて頼まれるとやる気がさらに出るというものだ。

 

「【創造者の娯楽(クリエイター)】発動。

作成能力内容指定…………。

 

創造(クリエイト)】―――――

 

―――――【神を癒したもう者(ラファエル)】!」

 

俺が今回創ったのは回復に特化した能力。

故に事、治癒に関しては治せない傷モノなどない。

 

俺は耀に近寄ると、すぐさま【神を癒したもう者】を発動させる。

緑の淡い光と黄色の柔らかい光が耀の傷を包みこむ。

―――――すると、耀の傷はたちまち塞がり、心なしか表情も安らかになった気がする。

 

「……うん。もう大丈夫。

黒ウサギ、傷は癒したけどまだ疲労があるだろうから、【ノーネーム】の工房に運んでくれないかな?」

 

「Yes!!

夜鶴さん……ありがとうございます!」

 

「俺は当たり前の事をしただけ……じゃ納得しないよね……。

うん。どういたしまして」

 

互いにニコリと微笑むと、黒ウサギは地にクレーターを作る勢いで駆け出して行った。

チラリと目線を下げると、ジン君と目があった。

すると、ジン君は申し訳なさそうに頭を下げた。

 

「どうしたの?ジン君」

 

「僕は……何も出来なかったんです……。

耀さんを護ることも……飛鳥さんを援護することも……」

 

悔しそうに哀しそうにジン君は唇を噛んだ。

そんなジン君に十六夜はなんの感情を込めるわけでもなくただ事実を事実として告げた。

 

「だけど御チビ様たちは勝ったんだろ?

【お前らが勝った】……なら御チビにも要因があった。

少なくとも春日部が夜鶴が来るまで持ちこたえたのは御チビの的確な処置のおかげだろ?」

 

「しかし……!!」 

 

「なら、君は十六夜の作戦を棒に振るのかい?」

 

俺の言葉を聞いたジン君は沈んだような表情になる。

 

「僕は……僕は……」

 

少し視線を上げたジン君は【フォレス・ガロ】に旗印を奪われたコミュニティのメンバーが集まる場所を見た。

焚き火を囲む彼らには暗く沈んだ雰囲気が漂っている。

ジン君はハッとした表情を浮かべると拳を握り締めた。

 

「……やります。

僕の名前が全面に出ていれば万が一の時、みんなの被害も軽減できるかもしれません……。

それに―――――」

 

ジン君は暗く沈んだ雰囲気のコミュニティメンバーを見ると泣きそうな顔で呟いた。

 

「【名】と【旗印】のない辛さはよく知っていますから……」

 

「かっこいいこと言うようになったねジン君」

 

「ヤハハ!言うようになったじゃねぇか御チビ様」

 

俺は優しく、十六夜はくしゃくしゃとジン君の頭を撫でた。

ジン君は恥ずかしそうに頬を染めているが気持ち良さそうである。

 

「さぁ……行こうか」

 

俺がそういうと、十六夜はジン君の肩を抱き寄せて沈んだ雰囲気のコミュニティメンバーの方へ歩み寄った。

 

「今より【フォレス・ガロ】に奪われた誇りを、この【ジン=ラッセル】が返還するっ!!」

 

俺は皆の視線を集めるように大きな声で宣言した。

いきなりたくさんの視線に晒されたからか、ジン君は一歩後ずさった。

 

「ジン君」「御チビ」

 

俺と十六夜はジン君の左右の肩を押してあげる。

 

「聞こえなかったのか?

お前たちが奪われた誇りである【名】と【旗印】をガルドを倒したこの【ジン=ラッセル】が返還すると言ってるんだ!」

 

十六夜は尊大な態度で高らかと言った。

その言葉を聞いたコミュニティメンバーは顔を明るくそして騒ぎだした。

 

「静まれっ!!

列を作り我らが【ジン=ラッセル】の前に並べ!!

それすらも出来ない者は畜生にも劣る塵芥でしか無いぞ!!!」

 

俺は騒ぐコミュニティメンバーにそう叫んだ。

すると、彼らはゆっくりと列を作り始めた。

それを見た俺と十六夜はもう大丈夫だと思い、傍を離れた。

 

 

「何だが面白そうなことを考えているようね?」

 

遠くから【旗印】の返還を見ていると飛鳥が俺たちに近づいて来た。

 

「さて……なんのことかな?」

 

「ふふふっ……分からないなぁ」

 

俺と十六夜は笑いながらはぐらかすように口を開いた。

 

「全く……次は私も混ぜなさい?」

 

飛鳥はそういうと綺麗に笑った。

うん。十六夜がお嬢様って言うのもわかるくらい高貴な雰囲気が出てるなぁ……。

 

「勿論分かってるよ飛鳥」

 

俺と飛鳥が話していると、十六夜がまた大きな声で喋り始めた。

おおっと、俺も行かないと!

 

「【名】と【旗印】を返還する代わりに、お前らにいくつか頼みたいことがある!!

お前らの旗を取り戻した【ジン=ラッセル】の事を、今後も心に止めておいて欲しい。

そして『【ジン= ラッセル】の率いるコミュニティが【打倒魔王】を掲げたコミュニティ』であることを覚えておいてほしい!!!」

 

十六夜の言葉を聞いたコミュニティメンバーは騒ぎながらも、俺たちに注目してくれる。

 

「知っていると思いますが俺達のコミュニティは 【ノーネーム】です。

【魔王】に奪われた【名】と【旗印】を奪い返す為に今後も【魔王】とその傘下と戦うことはあるでしょう。

しかし、組織として周囲に認められないとコミュニティは存続できません。

だから覚えておいて欲しい、 俺達は『【ジン=ラッセル】の率いる【ノーネーム】』だということを……」

 

俺が言い終わるのとほぼ同時にジン君の背を十六夜が押す。

ジン君はハッとした様子で俺たちの前に一歩足を出した。

 

「……【ジン=ラッセル】です!

今日を境に聞くことも多くなると思いますがよろしくお願いしますっ!!」

 

ジン君がそう良い終わると、辺りから歓声が上がった。 

ジン君の顔には今や【ノーネーム】のリーダーとしての雰囲気が微弱ながら浮かんでいたのを俺は知っている。

 

「……まずは第一段階達成だよ?」

 

「あぁ……。次は俺の番だな」

 

十六夜はそういうと、歓声の上がる空をニヤリと笑いながら見上げた。

 

 

 

 




本編の方は如何でしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪

さてさて、最近Twitterを始めたばかりの私なのですが……難しいですね……(苦笑)
それと、フォローしてくださった皆様ありがとうございます♪(*´ω`*)

次回はハイスクールD×Dと問題児を同時に更新できればいいなぁと思っていますっ!!(>_<)

それでは今回はここまで!
また次回お会いしましょう♪
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