問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ?【リメイク版】 作:夜叉猫
今回は原作に入る前の話としては最後ですっ!!(>_<)
修行シーンを書いても良かったのですが、早く原作に入りたかったので……(苦笑)
さて、それでは本編の方をどうぞ♪
Side 三人称
―――――修行を開始しておよそ10年。
しかしその10年という時間が全て修行に使われていたかと問われれば―――――それは否だ。
何せ少年は、3年も過ぎた辺りから能力を使いこなせるようになっていたのだから。
本来なら修行はしなくていいはずだが、少年は使いこなせるようになった事を
そしてオーディンもまた、少年が能力を使いこなせるようになったというのを隠していることを、
「―――――ねぇ、
「何ですか??」
オーディンと呼ばれた少女は少年に向かって優しい笑みを向ける。
「俺はそろそろ行こうかなって思ってる」
「えっ……」
少年の言葉に何処か悲しそうな表情を浮かべる少女。
「能力も使いこなせるようになったしね」
「……そ、そう……ですか……」
呟くようにそう言った少女は、悲しそうな表情を消し、笑顔を浮かべる。
「で、では!
そろそろ
そう言って立ち上がった少女は、あの時と同じく、指を鳴らす。そして少年の前に広がったのは10年ぶりの真っ白な空間。
「…………」
「…………」
2人を沈黙が襲う。
互いに何かを言いたい。そう言った様子は見えるものの、なかなか言い出すことが出来ない。そう言ったじれったさがその場を満たしていた。
「「あ、あの!」」
沈黙の後、2人の言葉が重なる。
「お、オーディンから先にどうぞ?」
「い、いえ!あなたから先に!」
互いに相手の言いたいことを先に聞きたいらしく、遠慮のしあいが続く。
「……じゃぁ、俺から言わせてもらうね?」
先に折れたのは少年の方だった。
「俺たち、10年も一緒に居たのにさ―――――互いの『本当の名前』知らないよね?」
「そ、それは……」
言い淀む少女。
少年はその様子に何か理由があるのは薄々気がついていたという表情を浮かべた。
「オーディンが頑なに俺のことを『あなた』って呼ぼうとしてたのは気付いてた。
それに……オーディンって言うのは本当の名前じゃないんだよね……?」
「……気付いてたんですか……?」
驚いた様子の少女。
何故バレたのかが分からないという表情を浮かべていた。
「気付いたのは3年を過ぎた辺りだけどね?
俺がオーディンと呼ぶ度にほんの少しだけ、表情が悲しげになるんだ。
だから、確証は無かったけどそうなんだろうって思ってた」
「…………」
「……理由、聞いてもいい?」
無言で俯く少女に少年は尋ねる。
少女は時折顔を上げて口を開こうとするが、声が出ない。何かを躊躇っているように、言葉が纏まらないのだろう。
「……じゃぁ、一つだけ教えて?
―――――俺のこと、嫌いかい?」
苦笑い気味の表情を浮かべる少年は心配そうにそう聞いた。
すると、先程までは悩んでいた少女が顔を上げて大きな声で言う。
「そ、そんなこと!……あ、ありません」
「そっか……良かった……」
少年は自らに何かを言い聞かせるように頷くと、しっかりと少女を見つめた。
その表情は心なしか赤く染まって見える。
「―――――ねぇ、
この10年間一緒に居たけどさ、凄く、楽しかった。
強くなったから?―――――違う。
能力を使いこなせるようになったから?―――――違う。
心置きなく過ごせたから?―――――違う。
違う。全部違うんだ。
俺はただ―――――」
少年は柔らかに微笑む。
「―――――神様と一緒にいれたからたのしかったんだよ?」
「っっ!!?」
少女はその言葉に顔を真っ赤に染めた。
そんな少女に向かって少年は片手を伸ばす。
「―――――大好き。
俺は神様が大好きだよ?」
少年の、突然の告白。
少女の瞳から、1粒、また1粒と涙が流れた。
「っ?!
ど、どうしたんだい!?
ま、まさか……そんなに嫌だったのかい……?」
悲しそうに表情を歪める少年だったがボロボロと大粒の涙を零す少女に心が痛んだのだろう、少女の美しい白髪を優しく撫でて何とか泣き止んでもらおうと四苦八苦する。
「ちっ、ちがう……です……っ。
……う、うれし、くてぇ……。
だめ、だって……おもって……たから……っ!」
「嬉し……かった……?」
少年はその言葉にぽかんと、間抜けな表情を浮かべた。
「はい……っ!」
少女は泣きながらも美しく笑った。
「―――――私も、あなたが大好きです……っ!」
少女があまりにも綺麗に泣いているから、少年は思わずその横で笑った。
少女が泣き止んだ頃には、2人の距離は近づいていた。
「ねぇ、神様。
今更だけど自己紹介しようよ」
「そうですね……これからは……その……こ、恋人ですしね……っ!」
顔を赤く染める少女を愛おしげに見つめる少年。
2人は向かい合って10年越しの自己紹介をする。
「俺は『
これから末永く宜しくね?大好きだよ」
「私は『オーミ』。ただの神です。
これからもずっと一緒ですよ?大好きです」
2人は互いに顔を近づけて、やがて―――――唇を重ねた。
―――――閑話休題。
「さて!
晴れてこ、恋人になれたわけですし!
此処は明るく行きましょう!
私もやっと悔いもなく送り出せます!」
「そう言えば俺は転生するんだったね……すっかり忘れていたよ」
告白という出来事で、夜鶴は他のことを何処かに置いてきてしまっていたようだ。
「大切なことですからねっ!
忘れないで下さいっ!」
「ごめんごめん。
以後、気をつけるよ」
そう言い合う2人は笑っていた。
「さて、まずは夜鶴が転生したい世界を教えてくれますか?」
「分かったよ。
じゃぁ、【問題児たちが異世界から来るそうですよ?】の世界に転生させてもらえるかな?」
「了解しました。
……あ、そうでした!
あの……夜鶴?ひとつ相談何ですけど……」
オーミはモジモジとしながら言う。
「なんだい?オーミ」
「そ、その……夜鶴の能力に私を召喚するってモノを……付けてもいいですか……??」
恥ずかしそうに提案するオーミ。
夜鶴は初めはきょとんとした表情を浮かべていたものの、すぐに暖かな笑みに変わって口を開いた。
「勿論、良いよ。
むしろこちらから頼みたいくらいだよ」
「本当ですか!
よ、よかったぁ〜……これであちらの世界に転生しても会いに行くことができますっ!」
嬉しそうに笑うオーミ。
そして、早速と言わんばかりに光の玉を作り出し、それを夜鶴の胸に押し込んだ。
「これで準備完了ですね♪
それでは早速転生の準備に取り掛かります!」
そう言ったオーミは瞳を閉じて両手を夜鶴に向けた。
すると、その両手には暖かな光が宿り、そしてそれは夜鶴の方へ移ってゆく。
それが準備だったのかオーミは瞳を開けて口を開く。
「先程の能力、絶対に使ってくださいね……?
呼んでくれないと拗ねちゃいますから」
「ふふふ……分かってるよ」
そう言って、夜鶴はオーミを抱き寄せた。
「それじゃぁ、行ってくるね?オーミ」
「はい。行ってらっしゃいです。夜鶴」
そして夜鶴は移ってきた光と完全に一体化し―――――
―――――その姿を消し、転生を果たした。
本篇の方は如何でしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪
今回の話なのですが、リメイク前のものでは無かった完全に新しい話となっていますっ!!(>_<)
もし、修行中の話も見たい!
という方がいらっしゃいましたら、番外編という形でゆっくりと更新しようと思うのですよ♪
それでは今回はここまで♪
また次回お会いしましょう♪(*´ω`*)