問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ?【リメイク版】 作:夜叉猫
修学旅行中の夜叉猫なのですよ〜っ!!(>_<)
やっと一段落したので更新できました……。
遅くなってごめんなさいですっ!(>_<)
それでは早速本編をどうぞ♪(*´ω`*)
Side 夜鶴
「……な、なんであの短時間の間に【フォレス・ガロ】のリーダーと接触してしかも喧嘩を売るなんて状況になったのですか!!?
しかもゲームの日取りは明日っ!?
それも敵のテリトリー内で戦うなんて!
私たちに準備している時間もお金もありませんよ!!
聞いているのですか!!御二人ともっ!!」
俺と十六夜、黒ウサギが箱庭に戻って来た瞬間に黒ウサギは、絶叫する。
どうやら久遠さんと春日部さんが何かをやらかしてしまったようだ。
「「腹が立って後先考えずに喧嘩を売った。今は反省はしているが後悔はしていない」」
「黙らっしゃい!!このおバカ様方っ!!!」
またも黒ウサギの伝家の宝刀ハリセンが火を噴く。
放たれたハリセンは久遠さんと春日部さんの頭を寸分のズレもなく真芯で叩いた。
「うわ……ありゃ痛そうだ」
十六夜がヤハハと笑いながら言った。
確かあれ以上の威力のハリセンを十六夜は受けた筈なんだけどなぁ……。
「でも、どうしてこんなことになったの?」
俺は一番真面目そうな少年に話を聞いてみることにした。
「は、はい。
話すと長くなってしまいますが、まずこれだけは言わせてください。
―――――彼らは決して許されないことをしたんです」
憤怒の表情をその顔に浮かべる少年に何かを感じたのか十六夜が話を聞き出し始めた。
「ちょっと内容を説明してくれよ。
俺たちにだって聞く権利位はあるだろ?」
「も、勿論です!
……実は――――」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「――――と、言うことなんです」
話の途中、ジン=ラッセルと名乗った少年は、これまでの話を丁寧に分かりやすく説明してくれた。
―――――曰く、【フォレス・ガロ】というコミュニティは人質を取り、脅迫することでゲームに勝利していた。
―――――曰く、ゲームに勝利した暁には、相手のコミュニティを自らのコミュニティに取り込んでいた。
―――――……曰く、人質は既に……殺されていた。
話を聞いている最中にも俺の腹の中は煮えくり返っていた。
この世界では、そのような事も、出来てしまうのか……と……。
「……確かにお気持ちはわかりますが……
……まぁ【フォレス・ガロ】が相手なら十六夜さん1人でm……「俺は出ねえぞ?」……エェッ……?」
十六夜の発言にすっとんきょうな声をあげて振り返る黒ウサギ。
「エェッ?じゃねえよ。
この喧嘩はコイツらが売ったんだ、俺が手を出すのは無粋ってもんだろ?」
「だ、駄目ですよ!!コミュニティの仲間同士協力しn……「あら、分かってるじゃない。貴方なんて参加させないわ」……もう好きにしてください……」
ウサギ耳をへんにょりさせて若干涙目の黒ウサギ。
「元気出して黒ウサギ。
俺もできるだけ協力するから……ね?」
頭を優しく撫でて、黒ウサギを励ます。
すると黒ウサギは、涙目で俺を見上げてきた。
あざといと言うかなんというか……しかし、これを天然でやってのけるのだからおそろしい。
「あ、ありがとうございますぅ~っ!!!
夜鶴さんだけが黒ウサギの救いですよ~!」
感極まって俺に抱き着く黒ウサギ。
俺の胸板では黒ウサギのたわわに実った果実が押しつぶされていた。
―――――そんな時、十六夜がわざとらしく咳払いをして話を始める。
「ん゛ん゛っ!!……で、黒ウサギ。これから俺たちはどうするんだ?
コミュニティに戻るのか?」
「……あぅっ!!?
……い、いえ……あ、ですが!ジン坊ちゃんは先にお帰り下さいませ!
黒ウサギたちは【サウザンドアイズ】に行って参りますので。
皆様方のギフト鑑定をお願いしないと……」
ニヤニヤしながらこちらを見てくる十六夜たちの視線を受けながら、恥ずかしそうに黒ウサギは答えた。
「【サウザンドアイズ】?……予想するにコミュニティの名前か?」
「YES、詳しいお話は歩きながらでも……」
黒ウサギが早口でそう言って先程のことを誤魔化そうとしているのだが、流石は【問題児】と呼ばれるだけのことはある。
―――――そうは問屋が下ろさないようだ。
「……誤魔化そうとしてるね飛鳥」
「そのようね春日部さん」
「ヤハハ。なんだやっぱり夜鶴に惚れちまったのか?」
コソコソとしかし確実に聞こえる声で黒ウサギに言った。
……黒ウサギの苦労は何か不幸な【恩恵】でも与えられてるんではないだろうか……?
「うにゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
黒ウサギは、髪を朱色に染めてその場でうずくまってしまう。
しかし、そんな事は関係ないと言わんばかりにその周りを十六夜たちが取り囲む
「あら、やっぱりそうなのかしら?十六夜君?」
「あぁ。黒ウサギは、夜鶴にご執心だ」
「分かりやすいね。黒ウサギは」
「あぅあぅ……ぁうぁうぅ……」
容赦ない問題児たちの口撃により黒ウサギは、更に赤く染まり、頭から湯気をたてていた。
黒ウサギの胃に穴が開くのも時間の問題かもしれない……。
―――――閑話休題。
「……そろそろ【サウザンドアイズ】について説明させて頂きますね」
復活した黒ウサギとともにジン君を除いた五人で【サウザンドアイズ】へ向かっていると、黒ウサギが喋り始めた。
「そういえば【サウザンドアイズ】について話を聞いていなかったな」
「YES!【サウザンドアイズ】は特殊な瞳のギフトを持つ者達の群体コミュニティです。
箱庭の東西南北・上層下層の全てに精通する超巨 大商業コミュニティでして……。
幸いこの近くに支店がありますし」
「へぇ……。
ちなみにギフトを鑑定すると何かメリットがあるのか?」
「自分の力の正しい形を把握していた方が、引き出せる力はより大きくなります。
皆さんも自分の力の出所は気になるでしょ う?」
十六夜たち三人は自分の【ギフト】に興味があるようだ。
俺は【ギフト】そのものというより【ギフトネーム】の方が気になっている。
と、そんなことを考えていると飛鳥が街路樹を指差して疑問を口にした。
「桜の木ではないわよね?
花弁の形が違うし、真夏になっても咲き続けている桜があるはずがないもの」
「いや、まだ初夏になったばかりだぞ。気合の入った桜が残っていてもおかしくないだろ?」
「……?……今は秋だったと思うけど」
「冬じゃなかったかな?確か寒くてベッドで寝ていたからね」
話の噛み合わない俺たち四人は互いに互いを見ると首をかしげた。
そんな俺たちを見ていた黒ウサギは、微笑みながら説明をしてくれる。
「皆さんはそれぞれ違う世界から召還されているのです。
元いた時間軸以外にも歴史や文化、生態系などに所々違う箇所があるはずですよ?」
「へぇ?【パラレルワールド】ってやつか?」
「近いですね。正しくは【立体交差並行世界論】というものなのですけども……
……今から【立体交差平行世界論】の説明を始めますと一日二日では説明しきれないので、またの機会ということに……」
「へぇ……黒ウサギって物知りなんだね」
「い、いえいえ……そんなこと無いのですよっ!」
照れているのか頬を染めている黒ウサギ。
このような反応を見せるから、面白がって十六夜たちがからかっているのではないだろうか?
「あ!あれがそうなんじゃないかしら?」
飛鳥がひとつの大きな建物を指差して黒ウサギに質問する。
「YES!あれがコミュニティ【サウザンドアイズ】の支店でございます」
飛鳥の指差す先を見れば、青い生地に向かい合う2人の女神が記されている旗が見えた。
おそらくあれが【サウザンドアイズ】の旗印なのだろう。
そんな旗印を下げる建物には割烹着姿の女性店員が掃除しているのが見えた。
黒ウサギは滑り込みでその店員さんにストップをかける。
確かに日も暮れているから慌てるのもわかるのだが、あの建物に入るのには時間制限でもあるのだろうか。
「まっ」
「待ったは無しです、御客様。
うちは時間外営業をやっていませんので」
涼しい顔で黒ウサギに対応する女性店員。
押し入ろうとする客への対応は御手の物らしい。
「なんて商売っけのない店なのかしら」
「ま、全くですっ!閉店時間の5分前に客を締め出すなんて!」
「文句があるならどうぞ他所へ。
貴方方は今後一切の出入りを禁じます。
簡単に言えば【出禁】です。【出禁】」
「【出禁】!?これだけで【出禁】とか御客様舐めすぎでございますよ!?」
騒ぐ黒ウサギを冷ややかな―――――侮蔑するような眼で見ている。
更に店員さんは見下したかのような声で対応し始める。
「なるほど……【箱庭の貴族】であるウサギの御客様を無下にするのは失礼ですね。
中で入店許可を伺いますので、コミュニティの名前を宜しいでしょうか?」
「……うぅ……」
何も言えない黒ウサギを悪そうな笑みを浮かべて見ている店員さん。
……この店員さんは俺たちが【ノーネーム】だと言うことを知っているようだ。
「……俺達は【ノーネーム】ってコミュニティなんだが?」
「……ほほぅ。
ではどこの【ノーネーム】様でしょうか?
宜しければ、旗印を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
意地悪な口調で黒ウサギを精神的に追い詰めていく店員さん。
―――――俺の中で何かが切れる音が響いた。
「あ、あの……その……わ、私たちには「……キミ……何様なんだい……?」よ、夜鶴さん?」
俺は黒ウサギの隣まで行くと、店員さんの前に立つ。
「なんで御座いましょう?
先程も申し上げしまたが、文句があるならどうぞ「……そんなに……」……なんですか?」
店員さんは台詞を遮られたからか、少し不機嫌になっているようだ。
しかし、そんなことは関係ない。
俺のこの怒りは冷めない。
「そんなにも【名】が重要かい……?
そんなにも【旗印】が重要かい……?」
俺は店員さんをじっと見詰め視線を外さない。
「【サウザンドアイズ】は大きなコミュニティなんだろうね。
……だけどね?」
眉をひそめ怒りの表情を浮かべる。
「キミに俺たち【ノーネーム】を……黒ウサギが心から大切にする【ノーネーム】を馬鹿にする権利は無い……っ!!!!」
「……ひっ!!」
俺の怒りの叫びに店員さんは小さな悲鳴をあげる。
十六夜たちも怒りを燃やす俺を見て驚いている。
「もし……もしそれでもまだ考えを改めないというのなら……」
―――――俺はキミを無事で済ませる自信が無いよ。
自分でも驚くほどに低く、冷たい声がでる。
しばしその場が沈黙に支配されるが、俺の睨みが無くなり、いつも通りの雰囲気を出せば幾らかは皆の表情から硬さが取れるのがわかった。
「まぁ……覚えてお「いぃぃぃぃぃぃやっほぉぉぉぉぉう!!久しぶりだなぁぁぁぁ黒ウサギぃぃぃぃぃぃっ!!!!」……」
もの凄い声と共に【サウザンドアイズ】の建物の中から和服を着た白髪の幼い少女が爆走してきた。
そしてそのまま黒ウサギに抱き着くと勢いを殺すことなく空中を吹き飛び、反対側の浅めの水路へポチャンと入水した。
……なんか……今凄い光景を見た気がする。
「……おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか?
それなら俺も別バージョンで是非頼む」
「……あ、ありません」
「なんなら有料でも良いぜ?」
「や、やりません……」
十六夜がとても輝いた笑顔で店員と会話しているのだが、如何せん内容が残念だ。
それにしても……店員さんをちょっと怖がらせ過ぎたかな……
「し、白夜叉さま!?どうして貴女がこんな下層にいらっしゃるのですかっ!?」
「そろそろ黒ウサギが来るような予感がしておったからに決まっておるだろうに!
それにしてもやっぱり黒ウサギは触り心地が違うのぉ~!!
ほれ、ここが良いか?!ここが良いのかっ?!」
白夜叉と呼ばれた白髪の少女は水に濡れながらも黒ウサギの豊満な胸に顔を埋めたり揉んだりを繰り返していた。
……なるほど、分かった。……ただの変態のようだ。
「ちょ、ちょっと白夜叉様っ!?
だ、駄目です!離れて下さいませっ!!」
黒ウサギは、胸に張り付いた白夜叉を引き剥がすと、十六夜に向かって全力投球した。
「夜鶴っ!!ほれ、プレゼントだぁっ!!」
十六夜はボレーシュートの要領で俺の方へ白夜叉を蹴り渡してきた。
「おおっと……」
そこそこの勢いで飛んでくる白夜叉を優しく勢いを殺しながらキャッチし、抱きとめる。
「大丈夫?怪我は無いかい?」
「う、うむ。別段問題は無い。
……じゃが!!そこのおんし!飛んできた初対面の美少女をボレーシュートするなぞ私も予想出来んかったわ!!一体何様じゃ!!」
「十六夜様だぜ。以後宜しく和服ロリ」
ふむふむと白夜叉は首を振ると俺を見て口を開いた。
「私を優しく抱き止めてくれた上に、今、現在進行形で脇から手を通して持ち上げておるおんしはなんと言うのじゃ?」
「俺は不知火 夜鶴だよ。宜しくね白夜叉ちゃん」
俺はそういうと白夜叉を地面に降ろした。
「あ、貴女はこのお店の人?」
「うむ、そうじゃぞ。
コミュニティ【サウザンドアイズ】幹部の【白夜叉】様じゃよご令嬢。
仕事の依頼ならおんしのその年齢の割に発育の良い胸をワンタッチ生揉みで引き受けてやるぞ?」
「え、遠慮しておくわ……」
久遠さんは引き吊った笑みを浮かべて白夜叉を見ていた。
白夜叉は俺たちを順番に見回すと黒ウサギを見詰める。
「ふふん……。おんしたちが黒ウサギの新しい同士か。
異世界の人間が黒ウサギを連れてワシの所に着たと言うことは……そうか!
―――――遂に黒ウサギが私のペットに!!」
「なりませんっ!!
どのような事からそのような話になるのですかっ!!」
「白夜叉ちゃん。あんまり黒ウサギをからかわないであげてよ。今日は疲れてるだろうからね」
「わはははは!そうかそうか。それはすまんかったの夜鶴。
さて、おんしらは話があって来たのであろう?
話なら店内で聞くとしよう」
そういった白夜叉は店内を指差した。
その表情にも、声音にも、見下すような色は見えない。
俺は少しだけ【サウザンドアイズ】というコミュニティを見直した。
「よ、宜しいのですか……?
彼らは名も旗も持たない【ノーネーム】のはずです。
我らが【サウザンドアイズ】の規定では……」
「【ノーネーム】だとわかっていながら名を尋ねるなどというマネをした性悪店員に対する侘びだ。
身元は私が保証するし、ボスに睨まれても私が責任を取る。いいから入れてやれ」
シュンとした態度で店員さんはうなずいた。
俺たちは順番に店内に入っていった。
俺は入る前に落ち込む店員さんに近づいていき、頭を撫でる。
「……さっきはごめんね?」
「あ、頭を撫でないで下さいっ!!」
「あはは……ごめんごめん。
でも、さっきは本当にごめんね?
まさかあんなに怖がらせるとは思わなくてね……」
「い、いえ。あれは私も悪かったので……。
……さぁ、早く行かないと置いて行かれますよ?」
「あ、そうみたいだね。
ありがとう。また今度御詫びするよ」
そういった俺は十六夜たちの後ろを追いかけて行った。
「すまぬな。生憎と店は閉めてしまったのでな、私の部屋で勘弁してくれ」
俺たちが入った白夜叉ちゃんの部屋は、和室で何かのお香を焚いているのか安心する良い香りがしてくる。
十六夜たちもその香りを気に入ったのか顔に柔らかい表情が浮かんでいる。
上座にゆっくりと座った白夜叉ちゃんは俺たちを捉えると話し始めた。
「改めて自己紹介をしておこうかの。
私は四桁の外門、三三四五外門に本拠を構えている【サウザンドアイズ】幹部の【白夜叉】だ。
この黒ウサギとは少々縁があってな、コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸している器の大きな美少女だと認識しておいてくれ」
「はいはい。お世話になっております本当に……」
黒ウサギの投げやりな答えに自然と笑顔が出てくる。
おそらく会う度にセクハラされているのだろう。
「……外門って何?」
こてんと首を横に倒した春日部さん。
少しは予想がつくのだが、如何せん情報が少ない。どうせなら詳しく聞いておきたいものだ。
「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。
外壁から数えて七桁の外門、六桁の外門、 と内側に行くほど数字は若くなり同時に強大な力を持ちます。
箱庭で四桁の外門ともなれば、名のある修羅神仏が割拠する完全な人外魔境ですよ」
なるほど……。
おおよそ考えていたものと同じだが、階層の数が予想外だったな。
すると、春日部さんが上空からみた箱庭を思い出したのか、自分の考えを言った。
「……超巨大タマネギ?」
「いえ、超巨大バームクーヘンではないかしら?」
「そうだな、どちらかといえばバームクーヘンだ」
「年輪がちょっと多すぎるけどね……」
「ふふふ……うまいことたとえる。
その例えなら今居る七桁の外門はバームクーヘンの1番薄い皮の部分に当たる。
さらに説明するなら東西南北4つの地区の区切りの東側にあたり、外門のすぐ外【世界の果て】と向かい合う場所になる。
あそこにはコミュニティに所属こそしていないものの強力な【ギフト】を持った者たちが棲んでおる―――――その水樹の持ち主などな……」
白夜叉ちゃんが含みを持った声でそう言った。
十中八九、あの蛇神のことを知っているのだろう。
「……して、一体誰が、どのようなゲームで勝ったのだ?
知恵比べか?それとも勇気を試したのか?」
「いえいえ、この十六夜さんがココに来る前に蛇神様を素手で叩きのめしてきたのですよ!!」
黒ウサギはとても得意気にその話を語った。
しかし、十六夜からは特に嬉しそうな雰囲気は感じない。
「なんと!?クリアではなく直接倒した と!?ではその童は神格持ちの神童か?」
「いえ、黒ウサギはそうは思えません。
もし神格持ちなら一目見れば分かるはずですし……」
「む……それもそうか。
……しかし神格を倒すには同じ神格を持つか、互いの種族によほどのパワーバランスの傾きがある時だけのはず……。
種族の力でいうのなら蛇と人ではドングリの背比べだぞ?」
「神格ってなんだ?」
「神格とは存在を種の最高ランクまで押し上げる、簡単に言えば強化系の【ギフト】です。
例えばですが蛇に神格を与えれば巨躯の蛇神に、人に神格を与えれば現人神や神童になります。
神格を持つことで自分の他のギフトも強化されますから、箱庭の上層を目指すコミュニティの多くは神格を手に入れることを第一目的としている んですよ」
【神格】か……どうせならゲットしておきたいものだね……。
「ところで白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いだったのですか?」
「知り合いも何も、アレに神格を与えたのはこの私だぞ。
……まぁ、もう何百年も前の話しだがの」
そう言いながらからからと笑う白夜叉ちゃん。
さらっと神格を与えたと言ったが、という事は彼女は神格を与える側にいるということ……つまりは、それ相応の実力があるということになる。
「へぇ……?じゃあ、お前はあの蛇神(笑)より強いのか?」
「ふふん、当然だ。
私は東側の【
この東側四桁以下のコミュニティでは並ぶものがいない、最強の【主催者】なのだからの」
白夜叉ちゃんは胸を張って答えた。
すると、十六夜たち三人の問題児が立ち上がり、白夜叉ちゃんを獰猛な眼で睨んでいた。
「つまり、貴女のゲームをクリア出来れば私達のコミュニティは東側で最強のコミュニティという事になるのかしら?」
「無論、そうなるのぅ……」
「そりゃ景気のいい話だ。
―――――探す手間が省けたぜ」
十六夜たちの視線に闘争心が籠められると、白夜叉ちゃんは愉快そうに笑った。
「抜け目ない童達だ。
依頼しに来ておきながら、私にギフトゲームで挑むと?」
「え?ちょっ、御三人様!?」
「よいよ黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えているんだからな」
「あら、ノリが良いじゃない」
「ふふふ……まぁの。
……ところで夜鶴。おんしはせんのか?」
白夜叉ちゃんはのんびりと座る俺を見ると不思議そうに聞いてきた。
十六夜たちもこちらを見ている。
「なんだ夜鶴。お前怖じけ付いたのか?」
「あら、案外弱虫なのね夜鶴君」
「……弱いんだね」
「あははは……酷い言われようだね……。
……まぁ、俺も参加させて貰うけど……」
「夜鶴さんまでっ?!!!」
黒ウサギはまたも涙目になっていた。
ごめんね黒ウサギ。
俺も彼女の、白夜叉ちゃんの実力を知りたいんだ。
「でも、これだけは言っておくよ三人とも。
―――――キミたちは直ぐに敗けを認めることになる」
俺のこの言葉に三人は眉を動かした。
まぁ、お前ら敗けるなんて言われたらそりゃそういう反応になるよね。
「ふふふ……そろそろ始めようか。
――――しかし、ゲームの前に1つ確認しておくことがある」
白夜叉ちゃんは自分の着物の袖から、一枚の見たことの無いようなカードを取り出す。
描かれていたのは【サウザンドアイズ】の旗印である双女神の紋である。
カードに注目していると突然カードが光りだした。
白夜叉ちゃんは壮絶な笑みを浮べながら俺たちに問いた。
「おんしらが望むのは【挑戦】か?
――――もしくは【決闘】か……?」
途端に辺りは暗転し、見覚えのない場所へと風景を変えた。
鬱蒼と繁る美しい草原、白い地平線を覗く広大な陸地、青々と力強く生えた森林の傍にある物静かな湖畔。
そして最終的に俺たちの捉えた世界は―――――
―――――白銀に染まる白い雪原と凍り付いた湖畔、そして……水平に廻る太陽の世界だった。
「……なっ?!こ、こいつは……っ!?」
廻る太陽は白。
白銀に染まる大地に反射された太陽の光は、まるで白夜叉ちゃんを照らすスポットライトだ
「今一度名乗り直し、問おう」
十六夜たちはこの現象と驚き、そして感動していた。
かくいう俺もこの風景には感動した。
「……私は【白き夜の魔王】
―――――太陽と白夜の星霊・白夜叉。
おんしらが望むのは試練への【挑戦】か?
それとも私と対等な【決闘】か?」
笑みとともに向けられた双女神の描かれた扇子は、先程よりも大きく見えた。
「……ふふふっ♪」
俺は誰にも気付かれないように小さく笑った。
白夜叉ちゃんには悪いけど俺の実験に付き合って貰わないとね……。
本編の方は如何でしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪
さてさて……先にも言いましたが修学旅行に来ているのですが……やっぱり寒いですねっ!!(>_<)
重ね着でモコモコです(笑)
皆さんも寒さに負けないように頑張ってくださいっ!!(>_<)
では、今回はここまで!
また次回お会いしましょう♪(*´ω`*)