~ある日の帰り道~
一色「ねえ、先輩?」
八幡「・・なんだよ?」
一色「もしも不老不死になれるならなりたいですか?」
八幡「・・・断るな。」
一色「えーっ!何でですか!?ずっと生きてられるんですよ!!」
八幡「あのなぁ不老不死なんていいことのほうが少ないぞ。たとえば・・」
一色「ストーップ!本当に夢のない先輩ですねぇ・・目が腐りすぎて夢も見れなくなったんですか?」
八幡「・・目の腐りは関係ないだろ。俺にだって夢くらいあるさ。それは・・専業主婦だ!」
一色「うわっ、それは遠回しに私と結婚して専業主婦になりたいって言ってるんですか?結婚までは魅力的ですが私は家で疲れて帰ってくる旦那さんを待つほうがいいのでごめんなさい考えを改めない限り無理です。」
八幡「・・毎度毎度よくネタが思いつくよなお前も。それよりもうすぐお前の家だろ?」
一色「本当だ!ここまでで大丈夫ですよ。また明日せーんぱい♪」
八幡「それは遠回しに明日も手伝えって言ってるんですか?ごめんなさいかえって撮りためたアニメ消化しないといけないので無理です。」
一色「それ私のまねですか気持ち悪いのでやめてください。いや本当に。」
八幡「・・・俺泣いてもいいか。」
一色「まあまあ、本当に感謝してますから。それではお疲れさまでした。」
八幡「・・ああ、それじゃあ。」
空一面に雲が広がっていて、どんよりとした空気。その中で交わされるいつものような会話。まさかあんなことになるなんて・・
~一色家~
一色「もうこんな時間か・・そろそろ寝ようかな?」
寝る前に日課である日記を書くとしよう
5月15日(木)
今日は先輩と一緒に帰った。先輩は不老不死についてとても否定的だったけど私はそうは思わない。だってずっと大好きな人と一緒にいれるから。そしてその相手が先輩なら・・・
一色「ふふっ♪おやすみなさい先輩♪」
こうして私が眠りについてからどれほど経ったのかあるいはほとんど時間は経過していないのか私は気づいたらよくわからない空間にいた。それは言葉で形容することがとても難しい場所だ。色は白?無色?なんといえばいいのだろうとにかくそこに一つの人影と私だけがあることだけは理解できた。だけどおかしい。体は動かないし声も出せない。怖いよ・・
一体あの人影は何なの?すると突然頭の中に声が響いた。
??「そなたが望むものは何だ?一つだけなら叶えてやろう。」
私は変な夢でも見ているのだろうか?本当に何でも叶えてくれるのか。おそらくここで何か言わないと私はずっとこの空間から出られないのだろう。ならばいっそ・・・
ここで無難な願いにしてこの悪夢から脱出しておけばよかった。だけど私は一つ思い出してしまった前日のあの人との一幕
一色「・・・不老不死にしてください。」
・・あれ声が出た?そんなことを考えていると・・
??「わかった。永遠の命を望むか・・・しかしそれなりの覚悟はあるのか?」
まるであの先輩みたいなことを言う神様?ですね・・
一色「・・・はい。」
??「それならいい。ならそなたが目を覚ませばもうそなたは不老不死になっている。後悔はするな?」
・・・本当に私はバカだった
チュンチュン
もう朝なのか・・・変な夢を見たせいで全然眠れた気がしない不老不死なんてあるはずないのにね。先輩とあんな話をしたからあんな夢を見ちゃったのね。今日も学校あるんだからあんな夢は忘れて準備でもしようかな・・・
一色「行ってきまーす!」今日も辺り一面には雲。最近天気悪いなぁ・・・
それから私は無事高校卒業、大学卒業、結婚、出産、子育てと順調に人生は進んでいった。しかしあるとき気づいてしまう。
八幡「俺はもう60近いおっさんなのにお前は本当に老けないな。というか出会ったころと全く変わらん。」
一色「・・・そうですね。」
そう、私はなぜだか年を取らないのだ。おかしい。でもこんなこと先輩には相談できない。だから私は一人で病院に何度も行った。やはり原因はわからない。まさかあの時の夢は・・私はとんでもないことを・・・
そしてまた20年ほど過ぎ先輩が私の前からいなくなってしまった。私は変わらない。ナンデ?
そして無情にも時間は過ぎ自分の子供もいなくなり私の知り合いはみんないなくなってしまった。どうして・・・会いたいよ・・あなた、みんな。・・そうか、いっそのことこの睡眠薬を一気に飲み干してしまえば・・
今行きます、あなた、みんな。
次に目が覚めた時私は高校生の時の朝に帰っていた。これは夢を見ているの?それとも私の見ていた夢から覚めたの?わからない。日付は5月16日(金)だ。確かこの日は先輩とあの話をした次の日・・どうやら夢ではなかったみたいだ。なんとかしなきゃ。もうあんな人生はごめんだ。うん?足元に何か紙が落ちてる。
??「君は事の重大さに気付いたみたいだね。その呪いの解き方を特別に教えてあげよう。それは君の好きな人にこの呪いを肩代わりしてもらうことだよ。それじゃあ頑張れ♪」
・・・うそでしょ。この呪いを解くには好きな人、つまりは先輩にこの呪いを肩代わりしてもらわなければいけないってこと?そんなの・・・私はどうすれば。無理だよ・・・