【完結】僕はドラコ・マルフォイ   作:冬月之雪猫

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第六話「ヴァレンタイン」

 フレデリカ・ヴァレンタインが去って行く。結果を出すには時間が掛かると言い残して……。

「あの小娘。使い続けるのは危険だな」

 アリアナ・ダンブルドアの肖像画を見つめながら、アバーフォース・ダンブルドアは呟いた。

「あれの心は狂気に穢されている。まともな人間が理解出来る思考ではない。いつなんどき、考えを一変させるか分からんぞ」

 言われなくても、誰もが気付いている。

 彼女を信じてはいけない。

 私達の常識や倫理、損得勘定さえ通用しない。

 最後まで裏切らないかもしれないし、ある時唐突に、何の先触れも無く裏切る事もあるだろう。

 その時、私達にはどうして裏切ったのか最後まで理解出来ない筈だ。

 それだけは理解出来る。

「なにか、保険が必要だな」

 誰かが言った。

「……一つ、心あたりがある」

 ダリウス・ブラウドフットは言った。

「あの女には一つだけ弱味になり得る存在がいる」

「弱味になり得る……? それはドラコの事? まさか、ドラコを人質に取るつもり? 本末転倒じゃない」

「それが出来たら苦労は無い。俺が言っているのはヴァレンタインの身内の事だ」

「身内って、親族の事?」

 確か、彼女は両親と不仲だと聞いた。それが偽りである可能性も確かにあるけど……。

「恐らく、お前が想像している顔触れの中にヤツの弱味となるような者はいない」

「なら、誰の事を言っているの?」

「そもそも、奴の両親を名乗るアドルフ・ヴァレンタインとエドナ・ヴァレンタインの間に実子はいない」

「実子はいない……?」

 なら、フレデリカはなに?

「表向き、死喰い人に襲われた親戚の娘を善意で引き取った事になっている」

「……なっている?」

「当時の資料の中にはヴァレンタイン家の事件についても記載があった。だが、事件当時の現場写真を見て、奇妙な部分が目についた」

「それは?」

「闇の印が無かったんだ。死喰い人は自らの引き起こした惨劇の舞台に必ず髑髏の御旗を掲げていた。それがこの家には無かった。これはその事から推察した事なのだが、アドルフとエドナは自分達で親戚のシド・ヴァレンタインの邸宅を襲撃し、その娘を拉致した可能性がある」

「どうして、そんな事を?」

 まさか、娘が欲しいから?

「理由は分からない。だが、そう考えるに至る根拠が幾つかある。まず、一つ目は闇の印。アレは死喰い人と一部の魔法使いにしか作り出せない特別なものだ。二つ目はエドナ・ヴァレンタインの体質。彼女は生来子供を産めない体だったらしい。三つ目はヴァレンタイン夫妻の人格。彼らは双方共に苛烈な性格をしている。フレデリカ・ヴァレンタインを幼少期に虐待し、自殺の一歩手前まで追い詰める程な。他にも悪評を数え上げればキリがない。そういう者達が子供を欲しいと思った時、どんな行動に出るか……」

「で、でも、子供が欲しいと思って手に入れたのなら、どうして、虐待なんて?」

「犬猫を欲しいと思う心理と同じだ。一時、その愛らしさに心を奪われても、実際に育てたり、世話をする段階になって鬱陶しいと感じたり、面倒に感じる者は少なくないだろ? その感情を人間の子供に当て嵌めただけだろう」

「でも、それは全て推測でしょ?」

「ああ、推測だった」

「だった……?」

 引っ掛かる物言いだ。

「数ヶ月前。思えば、ドラコ達がヴォルデモートから政権を奪いとった後の事だ。ヴァレンタイン夫妻が殺害されている。恐らく、彼女が殺したのだろう」

「え……?」

 殺した? 両親を?

「家を調査した仲間が夫妻の手記を見つけた。そこに推測を裏付ける内容が記載されていた」

「そんな……」

 ダリウスは私を見つめた。

「俺と一緒に来てくれるか?」

「私……?」

「ああ、マグル生まれのお前さんに来てもらえると心強い」

「ど、どういう事?」

 ダリウスは言った。

「フレデリカ・ヴァレンタインには実の姉がいる。彼女は惨劇の難を逃れ、マグルの世界で生きてきた」

 一枚の写真を取り出し、私に見せてくる。

 そこにはフレデリカをそのまま成長させたような綺麗な女性が写っていた。

 ただ一点。頬に刻まれた大きな切り傷だけが彼女の美貌を損なっている。

「リーゼリット・ヴァレンタイン。この戦争状態を引き起こした立役者の一人、ワン・フェイロンと行動を共にしていた探偵社の一員だ。彼女の居場所は捕捉している。現在、ジェイコブ・アンダーソンという少年と行動を共にしている」

 ワン・フェイロン。今やその名を知らぬ者は魔法界にもマグルの世界にも殆どいない。

 世界でもっとも多くの魔法使いを殺したマグル。魔法使いの憎悪を一身に集める男。

「ドラコもリーゼリットがフレデリカの姉である事には気付いている筈だ。手を出していないのはそれだけ慎重に扱う必要があると判断したからだろう。だからこそ、チャンスは一度切りだ。俺達が接触したと知れば、さすがに放置していられないだろうからな」

「説得……、か」

 確かに私が一番の適任だ。子供で、マグル生まれで、女。他の誰がやるより、相手を刺激しにくい。

「ハーミィ。私も……」

「ううん。ここは少数で動いた方がいいと思う。だから、ルーナは待ってて」

 心配そうに表情を翳らせるルーナを慰めながら、私はダリウスからリーゼリットのプロフィールを聞いた。

 ただのマグルと侮ってはいけない。彼女はフレデリカと同じく魔法使いの才能がある。その才能を魔法学校に通わずに『身体能力強化』という方向性で伸ばしたようだ。

 時折、存在する。呪文を使ったり、特別な道具を使わなくても、魔法以上の現象を起こす事が出来る特異な能力の持ち主。

 身近な所では、『ハリー・ポッターとヴォルデモートの関係性を予言した』シビル・トレローニー教授などが該当する。

 

 数時間後、私はダリウスに『付き添い姿現し』してもらって、ロンドンの繁華街にやって来た。

「あのアパートメントの一室に二人がいる」

 魔法使いの家とは比べ物にならないけど、マグルの世界の建物としては古めかしい感じのアパートメントをダリウスは指差した。

 そこから丁度出てくる二人の男女の姿が見える。

「あの二人?」

「ああ、タイミングが良かったな」

 近づこうと歩き出した瞬間、リーゼリットと目があった。

 此方は物陰に隠れているし、距離だってあるのに、彼女は私をまっすぐに見つめている。

「見つかった!?」

 話には聞いていたけど、それにしても目が良いなんてレベルじゃない。

 驚いている内に彼女達の姿が見えなくなってしまった。

「クソッ、逃げられたか――――」

「――――誰が逃げたって?」

 鳥肌が立った。気が付くと、真後ろにスカーフェイスの女が立っていた。

 その手には二本の杖が握られている。片方は――――、

「私の杖!?」

「よう、クソ野郎。久しぶりだな」

 杖をポケットに仕舞いこむと、代わりに拳銃を取り出してリーゼリットはダリウスに向けた。

 拳銃の知識なんて殆どないけど、撃鉄が上がっている。つまり、後は引き金を引き絞るだけで銃弾が出る状態になっているという事。

「待って! 私達は戦いに来たわけじゃないの!」

「お嬢さん。空気を読もうぜ。発言権はこっちにある。無駄口叩くつもりなら、その口を縫っちまうぜ?」

 私には押し黙る事しか出来なかった。

「それで? 今更、どの面下げて現れやがった? フェイロンに面倒な事を吹き込みやがって……」

「その口振りから察すると、お前さんはヤツの考えに賛同していないわけだな?」

「質問はこっちがする。それとも、眉間に風穴を空けられたいのか?」

「……俺達がここに来た理由は一つだ。取り引きがしたい」

「取り引き……? いいぜ、言ってみな」

 ダリウスは慌てたり、怯えたりする素振りも見せず、堂々としている。

 さすが、百戦錬磨の闇祓いね。

「お前さんを妹と引き合わせる。代わりに、妹さんに対する抑止力になってもらいたい」

「……おい、クソ野郎。尻の穴を二つにされたいのか?」

「冗談言ってる顔に見えるか?」

「私の妹は十六年前に死んだ。殺されたんだ。お前達に!」

 あまりの怒気に私は口を挟む事が出来ない。

 完全に萎縮してしまっている。

「違う。お前さんの両親を殺したのは俺じゃない。まあ、魔法使いという点では正解だけどな」

「犯人を知ってるって口振りだな」

「知っている。犯人の名前はアドルフ・ヴァレンタインとエドナ・ヴァレンタイン。お前さんの父親であるシドの兄夫婦だ」

「……アドルフとエドナか」

「言っておくが、復讐を考えているなら無駄だぞ?」

「お前には関係無い」

「そういう事じゃない。夫妻は既に殺されている。お前さんの妹の手で」

「……なんだと?」

 銃声が鳴り響いた。ダリウスの右肩から血が吹き出す。

「もう一度言ってみろ。次は眉間を吹っ飛ばす」

「……嘘じゃない。お前さんの妹、フレデリカ・ヴァレンタインは生きている。今は戦争を止める為に一緒に行動しているが、精神に異常をきたしている。育ての親を殺す程度に……」

 再び、銃声が響いた。

 今度は腹部だ。早く治療しなければ危険な場所に銃弾を撃ち込まれながら、ダリウスは皮肉気な笑みを浮かべている。

「それで気が済むなら、俺を殺しな。だが、俺を殺すからには、そっちの嬢ちゃんの話を聞いてもらう」

「何を言っているの、ダリウス!?」

 思わず悲鳴をあげる私にダリウスは微笑みかける。

「……ちなみに嬢ちゃんはマグル生まれってヤツだ。パパもママも魔法使いじゃない。痛くてこわーい、歯医者さんだ」

「黙れ」

 リーゼリットが撃鉄を起こした。

 今度こそ、ダリウスが殺されてしまう。そう思ったら、体が動いていた。

「止めて!!」

 ダリウスとリーゼリットの間に体を滑り込ませる。

 すると、リーゼリットと目が合った。

「……ぁ」

 リーゼリットの目が大きく見開かれ、体を震わせ始めた。

「……お前さん。さっきから俺に釘付けだったよな。やっぱり、妹と同い年の女の子が相手だと強く出れないか?」

 リーゼリットは泣きそうな顔でダリウスを睨みつけた。

「卑怯者!!」

 銃声が響く。だけど、銃弾は私達から大きく擦れて、近くの建物の壁を穿った。

「卑怯者!!」

 そのまま、リーゼリットはダリウスを殴りつけた。

「卑怯者!! 卑怯者!! 卑怯者!!」

 何度も何度も殴りつける。

「リズ!! さっきの銃声は――――」

 その時、アパートメントに取り残されていたジェイコブ・アンダーソンがやって来た。

 目の前の惨状を見ると、慌ててリズを抑える。

「ど、どうしたん、リズ!?」

「離せ、ジェイク!! このクソ野郎!! この卑怯者!!」

「だ、ダメだ。そいつが死んじまう!!」

 ジェイコブに羽交い締めにされると、あれほど荒れ狂っていたリーゼリットが顔を覆って泣き始めた。

 彼女なら、彼の事なんて簡単に振りほどける筈なのに……。

「……よう、ジェイコブ。助かったぜ」

「動くな」

 リズから銃を奪い、ジェイコブはダリウスに向けた。

「止めたのはリズを人殺しにさせない為だ。妙な動きをしたら撃つ」

「おお、怖い。安心してくれ。杖は彼女に奪われた。今の俺には何も出来んよ」

「なら、袖のところを捲って見せてみろ」

 ジェイコブの言葉にダリウスは口笛を吹いた。

「さすが探偵だな」

 袖口には奪われた筈の杖があった。

「な、なんで!?」

 私は思わず叫んでしまった。

「……油断させる為に獲物(にせもの)を敢えて奪わせる。常套手段だよな。クソ野郎」

「油断と言ってくれるな。安心させる為だ。俺達は敵じゃない」

「武器隠し持って、敵じゃねぇも何もあるかよ!」

 ジェイコブの言葉にダリウスは微笑んだ。

「そうだな。その通りだ」

 ダリウスは杖を放り投げた。

「なんなら、裸になってやろうか? それなら、安心出来るだろ?」

 本当に脱ぎだそうとするダリウス。

 ジェイコブは舌を打った。

「……何の用でここに来た?」

「この戦争状態を止める為だ」

「お前等が仕向けた事だろ」

「違う。少なくとも、俺は違う」

 ダリウスはまっすぐにジェイコブを見つめた。

 私にはどうしたらいいか分からない。杖がないと何も出来ない。

「何が違うってんだ?」

「俺はこんな事、望んじゃいない。人が無闇に、無差別に殺し合うなんて状態はな……」

「なら、何が出来るってんだ? 止められるってのか? この戦争を!」

「止めるさ。その為に動いてる」

 ……これじゃあ、あの忌まわしい地下に居た頃と変わらない。

 抗いたいのに、無力で何も出来なかった。今も……。

「ぅ……」

 ダリウスが呻いた。顔色が悪い。

 当たり前だ。彼は肩と腹部を銃で撃たれている、

 今まで平気な顔でお喋りが出来た事の方が不思議だ。

「ダリウス!! は、はやく、癒者に見せなきゃ!!」

「――――いい、このまま死なせろ」

「何言ってるの!?」

 ダリウスは正気を失ってる。

「いいわけないでしょ!! この人達とは話にならないわ!! はやく、お医者様に見せなきゃ!! あなたが死んじゃう!!」

「……耳元で大声を出すな。傷に響く。それより、俺には構うな。これが誠意ってヤツだ」

「誠意ですって!?」

 あまりの言い草に私は壁を殴りつけてしまった。

「冗談じゃないわ!! まさか、そのつもりで来たの!? もういい!! あなたを死なせるわけにはいかないもの!!」

「……ハーマイオニー」

 ダリウスは私の頭を撫で付けた。

「冷静になれ。これが最善なんだ」

「どこが最善だっていうのよ!?」

「……ダンブルドアが死に、ヴォルデモートが討ち取られた。その時点で俺には分かってた」

「何を……」

「時代は移り変わっていくものなんだって事」

 分からない。私にはダリウスが何を言いたいのかサッパリ分からない。

「旧時代の遺物は新世代の礎になるのが最後のお勤めって事さ。なあ、ジェイコブ」

「……なんだ?」

 今にも死んでしまいそうなダリウスにジェイコブも感情を抑えているみたい。

「俺の命を対価として渡す。だから、世界を救って欲しい」

「……俺に何を望むんだ?」

「大した事じゃない。離れ離れになった姉妹が感動の再会を果たした後、幸せに生きられるように支えてくれるだけでいい」

 ダリウスは蹲って、肩を震わせながら泣くリーゼリットを見つめた。

 その視線の意図を悟り、ジェイコブは目を見開いた。

「生きているのか!?」

「ああ、生きてる。だが、彼女にはストッパーが必要だ。元々、ドラコの傍に居たからな」

「……相当ヤバイ女に成長しちまってるわけか」

「そういう事だ……っと、そろそろヤバイな」

 ダリウスは立っていられなくなり、よろけた。

「っと」

 その体をジェイコブが支えた。

「へへ、優しいねぇ。このまま、看取ってくれるか?」

「看取らねぇよ。ここまで体を張られちゃ、疑えねぇさ。オーケー。アンタの事だけは信じるよ」

「……そっちの姉ちゃんが納得しないさ。俺の命でも、その姉ちゃんの御機嫌を取れるなら上出来なんだ。このまま――――」

「冗談じゃねーよ」

 ジェイコブは舌を打った。

「テメェなんかの命、リズに背負わせられるか。ただでさえ、いっぱいいっぱいになってる」

「……なら、どうすんだ? 俺の身を張った説得は単なる撃たれ損か?」

 二人が睨み合う。その間にも彼らの足元には血溜まりが大きくなっていく。

「リズはそんなに物分かりの悪い女じゃない。アンタがここまでしたんだ。分かってくれるさ」

「俺が騙してる可能性は? 内心じゃ、ヘラヘラ笑ってるかもしれないぜ?」

「……よく、そんな顔でペラペラ喋れるよな。本当に何もしなくても死なないんじゃないかって誤解しそうになるぜ?」

「へへ……。死ぬ寸前まで俺の口は止まらねぇよ。っと」

 ダリウスは血の塊を吐き出した。

「……内蔵やられてんじゃねーか。治せるのか?」

「生きてりゃな」

「なら、さっさとお前の所の医者に診てもらえよ」

「駄目だな、それは。リーゼリット・ヴァレンタイン。彼女から答えを聞くまでは」

「俺が聞いといてやる。お前の命より、俺の言葉の方が伝わるよ」

「……すっげー、傷つくな」

「そういうもんだろ?」

「……そういうもんだな。けど、それもダメだ」

「なんでだ?」

「遅かれ早かれ、お前等の所にドラコの刺客が来る。フレデリカの姉がリーゼリットである事をヤツも知っているからな。だから、何が何でも返事を聞く必要がある」

「……それを先に言えよ」 

 ジェイコブは溜息を零すと、ダリウスを座らせた。

「5分寄越せ。おい、そこの女」

「わ、私!?」

「お前しかいねーだろ。お前も魔法使いなら、なんか応急処置とか出来ないのか?」

「……簡単になら」

「なら、やってやれよ。死なれたら面倒だ」

「……わかったわ」

 なんか、一々言い方が乱暴な男の子だ。

 だけど、気にしている余裕なんてない。

「ダリウス。腹部の傷を見せて」

 私はジェイコブがリーゼリットに話しかけている姿を横目で見ながらダリウスの傷を治療した。

 

 それから5分。ジェイコブは宣言通りにリーゼリットから答えを引き出した。

「――――二つ条件がある」

「言ってみろ」

「一つは俺達の命の保証。もう一つはフェイロンを止める為に力を貸してもらう」

「オーケー。俺の命に換えても、お前等の事は守ってみせる。フェイロンについても……、言われなくても協力するさ。出来る限り、穏便に」

 話がまとまったみたい。果たして、私は来た意味があったのだろうか?

 何とか一命だけは取り留めたダリウスと二人のマグルを引き連れて、私は魔法界に舞い戻った。


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