東方停止風   作:シュガーライト

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どうも、シュガーライトです!!

第5章も山場!
長い1日の最後の騒動。

それでは、本編をどうぞ!!



第30話 権現

 

「……ッ! 痛った……」

 

「当たり前だ! 傷は浅くないっての!」

 

「ーーーはい。これでとりあえずは大丈夫です」

 

「……ありがとう。ごめんな、包帯巻くの手伝ってもらって」

 

「いいですよこれぐらい」

 

「そっか。……よ」

 

 

少し体を動かしてみる。

さっきスペルを使って応急処置して包帯を巻いたとは言えやはりまだ痛みは残っていた。

 

 

「あんまり動かない方がいいって! 傷口が開くかもしれないぞ」

 

「はぁ……そうみたいだな」

 

 

幻に言われた通り、ちょっとの間は安静にした方が良さそうだ。

 

 

 

「……それにしても、一体何者なんだろうな?」

 

「ん?」

 

「結を襲った奴だよ。お前と戦った妖怪もそいつらの仲間だったんだろ? 何か聞けなかったのか?」

 

 

幻がそう聞く。

すると座っていた結も気になるのかこちらに視線を向けた。

 

 

「……戦いが終わった時にはもうあの妖怪は話せる状況じゃなかった。結局何も聞けなかったよ」

 

「そうですか……」

 

 

少し残念そうに結が呟いた。

 

 

「……ごめん」

 

 

「え? どうして謝るんですか?」

 

「……?」

 

「風真が無事だったのが何よりですよ」

 

 

結は言った。

その時の表情は笑顔だった。

 

 

「……そっか」

 

 

風真はそれ以上何も答えなかった。

その顔はいつも通りに。

……だが、ほんの少し、二人は気がつかなかったが風真の表情は寂しそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そういや、今日の晩御飯はどうしたんだ?」

 

「あ、それなら……」

 

「俺が作ったぜ!」

 

「………え?」

 

 

幻が笑っている。

その手には、少しおかしい色をした料理を持って。

 

 

「……嘘、だろ?」

 

「私も手伝ったんですよ?」

 

 

結も誇らしげにそういっている。

そしてその光景を見た風真は決意した。

 

 

(……これは、二人にいつか料理を教えないとな)

 

 

その後、風真家では悪戦苦闘しながらこの料理を三人で食べたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーそして同時刻。森の奥地。

誰も近寄らないようなこの場所に、その男と妖怪達はいた。

 

 

権現(ごんげん)様!!」

 

 

一人の妖怪が洞穴の中で叫びながら走る。

 

 

「やかましいな! 叫んでんじゃねえぞ!」

 

 

『権現様』と呼ばれたその男は、椅子に座りながら叫んでいた妖怪に訴えた。

 

 

「も、申し訳ありません……!」

 

「わかったらいい。それで、一体どうした?」

 

「はっ! 先日停楽風真と戦えと命じられていた妖怪ですが、先ほど停楽風真に敗れたそうです!」

 

「……!」

 

その言葉を聞いて、権現が反応する。

 

「ふっ、やっぱり負けたか」

 

「……! 知ってて行かせていたんですか?」

 

「いくら俺の能力を貸していたとはいえ(・・・・・・・・・・・・)あの妖怪が勝てるなんて思っていないさ」

 

「ならどうしてあの妖怪に?」

 

「停楽風真の力をこっちで見極めるためだ。

……その妖怪の死因は?」

 

「それが……どうやら妖怪の死因は外傷ではない見たいです。妖怪の体の機能が完全に停止していたそうで」

 

「……なるほどな」

 

 

その言葉とともに権現がニヤリと笑う。

 

 

「……考えられるのは二つだ。一つは停楽風真が『停止する程度の能力』を使って妖怪の機能を停止させた可能性。そしてもう一つが『停止する程度の能力』に代償がある可能性だ」

 

 

言葉は続く。

 

 

「正直停楽風真に妖怪の体の機能を止める程力があるとは考えにくい。という事はあの妖怪は変化する程度の能力で停楽風真の能力に能力を変化させてその後何らかの代償を受けたと考えるべきだな」

 

 

そう結論付けた。

 

 

「あの妖怪は役割を果たせた訳だ。停楽風真の能力を利用するのは止めといた方がいいって事がわかったからな」

 

 

気分がいいのか、軽い声でそう言った。

 

 

 

「あの『少女』はどうしましょう?」

 

「美咲結に関しても問題は無い。どうやらあの少女は幻想郷に残るみたいだからな」

 

 

笑みを浮かべながら語る。

周りの妖怪はキョトンとしていた。

 

 

「さっきわかった事だが、どうやら美咲結はあの少女の家にいるそうだ」

 

「……! わかっているならどうしてあの少女を連れ去ろうとしないんですか?」

 

「馬鹿か? 今、あの少女を襲えばあの少年達や妖怪の賢者、博麗の巫女達と戦闘になるだろ。

俺たちはまだ『計画』の下準備も何もまだ終わってねえ。今敵に回すのは面倒なんだよ」

 

「なるほど………でも美咲結を自由にさせといて本当に大丈夫なんで?」

 

「それも大丈夫だ」

 

 

権現はあっさり答えた。

 

 

「恐らく連中は美咲結の『能力』の本質に気がついていない。もし気がついていればあの妖怪の賢者が何か行動を起こしていたはずだ。だがそれが無いところを見ると気がついていないという事だ」

 

 

権現はなおも笑いながら言っていた。

 

 

「連中が気づいていない以上、美咲結は今はほっておいても大丈夫だ。時期が来たらゆっくり回収すればいい」

 

 

そう言うと、周りの妖怪達も納得した表情だった。

 

 

 

 

 

 

ーーーその時だった。

 

 

 

 

「大変です!! 権現様っ!!!」

 

 

また別の妖怪が同じように洞穴内で叫んできた。

 

 

「……やれやれ、今日はやかましい日だな。

一体何の騒ぎだ!!」

 

「そ、外で……」

 

「外で?」

 

「しゅ、襲撃されています!!」

 

「……何だと?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー権現がその報告を受けた同時刻

洞穴の入り口前では……

 

 

「畜生、何なんだてめぇ!!」

 

「お前らこの黒い物体に気をつけろ!!」

 

「なっ!? うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

「ーーーやれやれ、私は君たちの主に会いに来ただけだって言ってるだろ?」

 

 

 

妖怪達が黒い物体と格闘し、大混乱となっていた。

 

 

 

ーーーそしてその中心。全身真っ黒な服を着、周りに黒い物体を浮かべている少年がそこにはいた。

 

 




いかがだったでしょうか?

次回、二人はお互い何を語るのか?

それでは次回もお楽しみに!!
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