慣れてないからか、日常編を上手く書けないですが、暖かい目で見てもらえればありがたいです。
それでは、本編へどうぞ!!
第32話 人里の寺子屋
「……紫様? 先ほどから一体何を調べているのですか?」
藍が聞く。その視線の先には色々な資料を広げて調べ物をしている紫の姿が。
いつもなら仕事を藍や橙に任せ自分は寝ていたりする紫だが、今はそんな面影は欠片もない。
紫は調べ物をしながら答える。
「結を幻想郷に連れてきた者。幻想郷と行き来する事が出来るような人についてよ」
「すると、それはその者についての資料ですね」
答えながら藍がその資料を手に取る。
「……内容は一緒……って事は紫様はその者について大体の目星はついているのですか?」
「ええ、あの時接触する事は出来なかったから確証は無いけど、幻想郷に外の人を連れてこれる人は限られるからね」
紫は苦い表情で言って紫は手に持ってあった『神軍異変』と書かれている資料を机の上に置く。
「……影雲空も、結を連れてきた奴もこの幻想郷で何かを企んでいる。仕掛けてくるのは1年、5年、10年後、もしかしたらよりも先かもしれない。けど、いずれ間違いなく何かしてくる。
……悔しいわね。今は何も出来ないなんて」
影雲も、その人物も、紫の能力では見つけ出す事が出来ないため、現状こちらからはどうする事も出来ない。
紫の声は、その事に対する悔しさが滲み出ていた。
紫が藍の方を向き直し話を続ける。
「……あと、私が気になっている事が一つ」
「他に何か調べているのですか?」
「ええ、それは………
………風真についてよ」
紫は、そう静かに言った。
「……紫様は、影雲空のあの言葉が気になっているのですか?」
「ええ、あの時言っていたでしょう? 『あの少年は私と同じ者を見てきた。同じ悪意を受けてきた』と」
紫は続けて。
「考えてみれば私達は、『お人好し』って事と『プリンが好き』って事以外、あの少年について何も知らない。
……影雲空が風真についてそう言った以上、調べる必要はあると私は思うわ」
言い終わった後、紫の目の前にスキマが開く。
紫は藍に。
「……数日間ここを空けるわ。藍、ここをお願いね」
「……わかりました。お気をつけて」
そう伝えた後、紫はスキマの中に入り次の瞬間スキマが閉じ、紫はこの場から消えていった。
ーーー数日後。
「弾幕ごっこ……? 何にそれ?」
「ああ、幻想郷の遊びだよ! やっぱりここに住むのならこれは出来ないとな!」
ーーー風真家。
今、リビングにて幻が結に弾幕ごっこについて説明しようとしている。
ちなみに風真は、怪我の具合が良くなったため、いつも通り人里に買い物に行くための支度をしていた。
「弾幕という事は、何かを打つの?」
「そうそう、例えばこんなのだ!」
そう言うと幻は手のひらに青白い弾幕を作った。
風真はその様子を見ながら、扉の方に歩き出す。
「それじゃ、買い出し行ってくる」
「む、了解〜〜」
「風真行ってらっしゃい♪」
ドアノブに手を握る。
リビングの方から声が聞こえてくる。
「それで、どうやって弾幕って出すの?」
「ああ、これをパーンってやってファーンって出す!」
「……え?」
「(………結、頑張れ)」
風真は心の中でそう思いながら家を出た。
「毎度、ありがとうな、にいちゃん!!」
店から出る。
もう最近になると、食品を扱っている店のほとんどの人と顔見知りになってきている風真。
今となってはもう人里の買い物は週間になってきていた。
「たまには幻とかにも買い出し行ってもらわないとな〜」
滅多な事がない限り買い出しに行こうとしない幻の事を考えながら店を回る風真。
そして十分後……
「ふぅ……いろいろ買ったし帰るか」
そんなこんなで、いつも通りいろいろと店を回り、今日のご飯を買って帰ろうとする風真。
と、そこで。
「……ん? あれは……」
風真の目線の先。そこには……
「あ、あたいもう帰りたい……」
「駄目だよチルノちゃん! 先生だって謝ったらきっと許してくれるよ!」
建物の前で、何かに怯える様子の緑の妖精と氷の妖精が。
「何やってんだ? 二人共こんな所で」
「あ、風真さん」
「あ〜風真だ!! 弾幕ごっk」
会ってすぐさま弾幕ごっこを申し込もうとしたチルノ。が、その言葉が言い終わる事はなかった。
「「ーーーー!!」」
「なっ!?」
「ーーーお前ら、遅刻だぞ!!」
建物から出てきた人に頭突きを食らわされ話を続ける所ではない妖精二人。
その一部始終を見てびっくりしている風真。
「全く……ん?」
「………あ、どうも……」
頭突きをかました人は風真に気づいたようで、風真は会釈する。
「いたた……痛いよけーね!!」
「もう、チルノちゃん! 遅刻してごめんなさい『先生』」
「反省したならよろしい、教室に入りなさい」
「わかりました! 行こうチルノちゃん!」
「うん! またね風真〜!」
元気に建物の中に入っていった大妖精とチルノ。
「それで? 君は?」
「あ、停楽風真です」
珍しく口調が敬語になっている風真。
「敬語じゃなくてもいいよ。 私は上白沢慧音だ。ここで寺子屋の教師をしている」
「寺子屋……? 学校の事か?」
「まあ、そうだな」
「……人里には結構来ているけど、寺子屋があるなんて全く気がつかなかったな」
「そうか? 結構わかりやすいと思うが?」
「ま、ここに来る理由のほとんどが買い出しの為だからな」
そう言って食材の入った袋を見せる。
「なるほど、若いのに偉いな」
「ま、俺しか家事できる人はいないからな」
「そうか。で、風真はどうして寺子屋に寄ったんだ?」
「チルノと大ちゃんを見かけたから寄っただけだよ」
「そうか。っと、そろそろ授業が始まるから私はこれで」
そう言って、慧音は寺子屋の中に入ろうとする。
その間際。
「何か困ったり知りたいことがあったら私に言ってくれ、私の知っている範囲で力になるよ」
そう言い残し、寺子屋に入っていった。
「さて、それじゃそろそろ俺も……」
寺子屋を後にしようと歩き出そうとする。
が、その足が止まる。
「……今日は、人里では滅多に見かけない人を見かける日だな」
目線の先。
ーーーそこには今度は、紅白の巫女と白黒の魔法使いの姿が。
いかがだったでしょうか。
次回は、以前、生きる死神さんの『東方無集録』とコラボさせて頂いた時の風真目線の番外編となります。
風真「生きる死神さんに失礼のないようにな」
幻「ってかコラボさせて頂いてから随分経ってるよな!?」
わ、わかってるよ……
生きる死神さん、遅くなって申し訳ありませんでした!!
で、では、次回もお楽しみに!!!