東方停止風   作:シュガーライト

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どうも、シュガーライトです!

今回は風真vs幻の後編となっております。
勝つのは果たしてどっちか!?

では、前回の続きからどうぞ!!


第36話 宴会 〜弾幕ごっこ〜 後編

 

ーーーあれから数分が経過。

一進一退の攻防、お互いに一歩も譲らない。

 

しかし、

 

 

「……ッ!」

 

 

幻は冷静に弾幕を風真の嫌がるような打ち方をしている。

優勢で心に余裕があるからか。

……いや、優勢であるからこそ油断出来ないからだろう。

何であれ風真は攻めあぐねていた。

 

「(さて、どうしたものか……このままじゃ幻のペースだ)」

 

風真は避けつつ弾幕を打ちながら思考を巡らせる。この流れを変えるために。幻に勝つために。

 

「(やられっぱなしは癪だ! そろそろ俺のターンだ!)」

 

 

片や、幻の方も。

 

「(そろそろ何か仕掛けてくるな……受けて立ってやるぜ!!)」

 

対峙している相手に対して迎え撃つ覚悟を決めていた。

 

 

 

 

 

 

 

「(凄い……!)」

 

二人の弾幕ごっこをここまで見てきて、結はずっと見入っていた。

 

「(本当に二人共凄い……! これが弾幕ごっこ…!)」

 

弾幕ごっこの迫力、一瞬も気を抜けない緊迫感を間近で感じその凄さをわかることができた。

 

「綺麗……」

 

思わず口から出た。

それは、色鮮やかだから綺麗と言ったわけではなく。

風真と幻の打ち合い、スペルカードによる攻防。二人のお互いの攻防が結にはとてもかっこよく綺麗に見えた。

 

「いつか私もやってみたいな……」

 

これもまたふと口に出していた。

綺麗でかっこいい弾幕ごっこをいつか私もやってみたい。

結はこんなことを考えながら二人の弾幕ごっこを見ていた。

そんな結の様子を見ていた霊夢は微笑みながら魔理沙らと話していた。

 

 

「それにしてもこれは良い戦いだぜ! こりゃどうなるんだ?」

 

「さあ? でも本当凄い戦いね。こんな弾幕ごっこは滅多に見れないわよ」

 

「ーーーふむ、停楽風真と柊幻が弾幕ごっこか、これはなかなか珍しい組み合わせだな」

 

「ん? ってあんたいつの間に?」

 

二人で話していると後ろから声が聞こえたため振り向く。

そこには九本の尻尾を持つ人物。八雲藍の姿があった。

 

「あんた一人? 紫のやつ宴会だってのに一向に姿を見せないんだけど」

 

「紫様はある調べ物をしていて幻想郷を留守にしてる。まあすぐに帰ってくるとは思うが……」

 

「ふーん、調べ物ね〜」

 

「紫のことだし何か企んでそうだぜ」

 

「え? 紫さんが何かするつもりなんですか?」

 

「いや、今回は紫様は何も企んでないはずだ……っとどうやら風真が何か仕掛けるみたいだぞ」

 

紫の話で少し盛り上がっていた所、藍のその一言を聞き三人は再び二人の戦いに意識を向けた。

 

 

 

 

 

 

霊夢達が再びこちらを見た瞬間。

風真は、弾幕が飛んできているにも関わらずその足を止める。

そして、

 

「ーーー行くぞ、幻」

 

「……!」

 

幻に対し、にっこりと笑いながら。

 

「幻風『ファントムエア』」

 

風真はスペルを宣言した。

瞬間。風真が立っているところを中心に風が吹く。

それはそよ風程度の小さな風であった。

 

「(何だ……? 一体どういうスペルだこれ?)」

 

警戒しながらも幻は弾幕を放つ。

それに対し風真は。

 

「………」

 

「……え?」

 

「風真のやつ、何で避けようとしないんだぜ!?」

 

一切、動こうとしなかった。

当然弾幕は真っ直ぐ風真に向かって飛んでいく。

そして次の瞬間。

 

 

「な……!」

 

 

……確かに当たった、当たったのに。弾幕はまるでそこには誰もいないかのように風真の体をすり抜けていった。

 

「(あれは偽物? じゃあ風真はどこに!?)」

 

先ほどまで立っていた所にいた風真は音もなく消えていた。そして周りに風真の姿が無くなっていた。

 

「ッ……! あいつ一体どこに行った?」

 

姿を消した風真を探す為に周りを見果たす。

 

 

「風真さんは、一体どこに!?」

 

「あれ〜お兄ちゃんが見えなくなった?」

 

「これは……紅霧異変の時に私相手に使った透明になるスペル?」

 

「ねえ大ちゃん、何でみんな驚いてるの?」

 

「風真さんが消えたりすり抜けたりしたからじゃない?」

 

「そーなのかー」

 

ギャラリーも風真

ーーーだが、

 

「(……まだ、驚くのは早いぜみんな!)」

 

風真のスペルはこれだけでは終わらない。

 

幻が風真を探していると突然、つむじ風が巻き起こった。

つむじ風は周りの砂を巻き上げ視界を遮る。

そして、次の瞬間。

 

 

「な、なんじゃこりゃ!?」

 

「風真が……増えた!?」

 

砂煙の中から風真が出てきた。そう、風真が沢山。

よく眼を凝らしてみると、わずかに風真の姿が透けて見えることがわかる。

 

「これは幻の風、さあ本物はどこでしょうか?」

 

「ッ……! わかるか!」

 

偽物の風真の姿が透けて見えると言ってもそれは姿をしっかり見ればの話。大量にいる風真を一人一人確認する暇はない今、本物を見分けることはほぼ不可能であった。

 

「さ、行くぞ!」

 

その掛け声と共に風真達は幻に攻撃し始めた。

ある風真達は幻に向かって突撃し、ある風真は幻に向けて弾幕を放つ。一部の風真は戦闘放棄してプリンを食っていた。

 

「ご、ごちゃごちゃしててわけわかんねぇ!!」

 

統一のない風真の攻撃に慌てながらも幻は対処する。

風真達の体に弾幕が当たると風真の姿が消えていく。偽物達の弾幕を避けながら幻は少しずつ風真の数を減らしていく。

 

「(くっ……! 弾幕の密度がえげつねぇ……守護弾がまだ残っているとはいえこれはやっべぇな)」

 

風真が増えたことに比例して飛んでくる弾幕が増える。これには流石の幻も厳しいと思われたが……

 

 

「(……あれ?)」

 

ふと、幻はあることに気がついた。

 

「(守護弾が消えてない?)」

 

弾幕ごっこではありえない人数から弾幕が飛んでくる為(イメージは弾幕アマノジャクの不可能弾幕並み)、流石の幻でも避けきることは難しい。本来なら守護弾が幻を守って消えていてもおかしくない。しかし守護弾の数が減っていないということは……

 

「(つまり、飛んできてる弾幕も全て幻ってことか!!)」

 

試しに飛んできている弾幕に守護弾を当ててみると、風真の弾幕は軌道を変えることもなく守護弾が消えることもなくただ真っ直ぐに飛んで行った。

 

「そういうことか、ってことはこの弾幕は全部無視してーーー」

 

その言葉をいい終わる前に、一つの弾幕が守護弾に当たり軌道を変えて飛んで行った。当たった守護弾は音もなく消えていく。

 

「今のは本物……!? てことは本物の風真が撃ったやつか!」

 

飛んできた方向を見てみるが風真だらけでわけがわからない。

弾幕は休みなく飛んできていた。

 

「偽物の中に本物を混ぜるとか、無茶苦茶厄介だなおい!」

 

毒吐きながらも弾幕を避けていく。

しかしたまに飛んでくる本物の弾幕に残り少ない守護弾に当たり少しずつ消えていく。

 

「(っち、面倒くせぇな! こうなったら!)」

 

このままじゃまずいと思った幻は、ポケットからスペルを一枚取り出す。

 

「消えろ偽物共! 重力『オーバーグラビティ』!!!」

 

スペル宣言と同時に幻が手を地面にかざす。

その瞬間、幻を中心にとてつもない重力がかかった。

 

「………!」

 

風真の偽物は重力に押しつぶされると、その形が保てなくなり音もなく消えていった。飛んできていた弾幕も同じく、その姿を消す。

幻のスペルが終わり、残ったのは範囲外にいた数人の風真を残すのみとなった。

 

「……まじかよ」

 

「はぁ……はぁ……どうだ!」

 

「(……やっぱ一筋縄ではいかないよな………………けど、まだ作戦通り!)」

 

そう思うと、風真は動きを止める。

そして、

 

「……『ファントムエア』解除」

 

風真自ら、自身のスペルを消す。

風真から、再び小さなそよ風が吹いてくる。そよ風に当たった偽物は姿を消し。

 

 

「……!?」

 

 

風真の真の狙いがその姿を現した。

 

 

「……何、あれ……?」

 

「幻の周りに……あれは風の…球体?」

 

 

ギャラリーは突然現れたそれにまた驚く。

幻の周りには、いつ仕掛けられたのか、赤色と青色それぞれ色が違う風の球体が浮かんでいた。

 

「一体、いつの間に!?」

 

「俺の偽物に気をとらわれている時だよ」

 

「嘘!? いや今さっきまでなかっただろ!?」

 

「『ファントムエア』は幻を見せ本物を『隠す』スペル。『ブラインドエア』みたいに完璧に見えなくすることは出来ないけど、ま、俺の偽物の相手に夢中になってたらそら気がつかないわな」

 

「……してやられたってことか」

 

「そういうことだ!」

 

そういうと風真はスペル宣言する。

 

「磁風『マグネティックエア』!!」

 

風真の腕から赤色の弾幕と青色の風の弾幕が放たれる。

弾幕は真っ直ぐに幻に飛んでいく。

 

「これぐらい……!」

 

幻はその弾幕をあっさりと躱す。躱された赤色の弾幕は空中に浮かんでいる赤色の球体に向かっていく。

すると。

 

「うお!?」

 

弾幕と球体が近づくと、磁石のように反発し幻の方に帰っていく。幻はそれを辛うじて躱した。

 

「これは磁力……!」

 

「そ、これは磁力の風。両極は反発し対極は引きつけ合う!」

 

青色と青色が近づくと反発し赤色と青色が近づくば引きつけあう。

急に弾幕の軌道が変わったりと滅茶苦茶に不規則に動き回る弾幕に翻弄される。

 

「っ……! くっそ!」

 

「ふふふ、さらに『反転』!」

 

風真が叫ぶ。すると急に浮かんでいる球体の色が反転する。

弾幕の軌道がさらに変わり幻をどんどん追い込んでいった。

 

 

 

「……それにしても本当、風真の発想って凄いわね〜」

 

「え?」

 

「どういうことだぜ?」

 

「だって普通『磁力の風』何て思いつく? 『消える風』とかだって」

 

「自分の能力をよく理解していることなんじゃないか?」

 

「そういうことなのかねぇ……」

 

 

 

 

「(くそぉ〜このままじゃやばいな……)」

 

幻は避けながらどう対処するかを考えている。不規則に飛び交う弾幕にどうしても対処が遅れ、ただでさえ残り少ない守護弾が削られもう残っていなかった。

 

「(ッ……! こうなりゃ当たる前に近づいてぶち当てる!)」

 

被弾を恐れた幻は風真へと急接近する。風真のこのスペルは不規則に動き相手を翻弄するがその分弾幕の密度はそれほど狭くはない。

幻は辛うじて弾幕を避けつつ風真へと近づていく。

 

 

 

 

 

ーーーしかし、幻は気がつかない。

その行動も、風真の計画通りであることに。

 

 

 

「な……!?」

 

風真はとの距離がたった五メートルほどまで近づいた時、風真のそれは発動した。

 

「体が…動かねぇ……!」

 

風真を目前に幻の動きが止まった。

 

「え!? 何で幻の動きが!?」

 

「どういうこと何だぜ!? 『停止』にしたってあいつ体に触れてもないだろ!?」

 

「あ、もしかしてあれ!?」

 

騒然とする中、霊夢が幻の足元を指差す。

そこには、どこか魔法陣みたいなものを幻が踏んでいるのが見えた。

 

「罠符『ムーブトラップ』 かかったな幻!」

 

「ま、まさか…?」

 

「ご想像通り、それを踏むと体の動きを『停止』される。そして!」

 

周りを破茶滅茶に飛んでいた弾幕が幻に向けて飛んできた。

 

「動きが止まってる以上、避けることも出来ない!」

 

「!? やばーー!」

 

「くらえーーー!!」

 

 

動きを止められた幻に避けることが出来ない。風真の一撃が幻に炸裂した。

 

 

 

 

「ふぅ…やっと、一発か……」

 

「ってて……畜生やられた〜」

 

「さ、このまま勝たせてもらうぞ!」

 

「何を〜! 勝負はこれからだっての!」

 

 

「……風真も幻も、お互いに残機は一つ、スペルも残り数枚……」

 

「これが、最後の攻防になる!」

 

 

場に緊張が走る。

先に動いたのは残りスペルが一枚多い幻だった。

 

「行くぜ! 鏡符『ウインドウミラー』!!」

 

スペル宣言と同時に幻の後ろに手鏡ぐらいの大きさの鏡が大量に出現する。そして幻が一個の弾幕を空中に浮かべる。

すると鏡に写った弾幕の虚像が浮かび上がり風真に向けて飛んできた。

 

「………!」

 

風真は弾幕を躱しながら手のひらに風を溜める。

弾幕は真っ直ぐ飛んできていた。

 

 

「これで最後だ! 風符『風神様の息吹』!!!」

 

風真は立ち止まると手に溜めていた風を一気に放出した。その風は特大のレーザーとなり幻の弾幕を蹴散らしながら真っ直ぐと飛んでいく。

 

 

「ああ、受けて立つ! 鏡符『魔鏡の光砲』!!!」

 

スペル宣言と同時に幻の目の前に円形の額付き鏡が現れる。

そしてその鏡から眩しいぐらいのこれまた特大の光輝くレーザーが放たれた。

 

二つのレーザーがぶつかった瞬間、とてつもない衝撃が起こる。

 

 

「「うおおおぉぉおおおおおおおお!!」」

 

 

二人は負けじと叫ぶ。互いのレーザーは押し負けないとぶつかり合う。

 

 

「「負けるかぁぁっぁあああ!!!」」

 

 

持てる力を全て出し切りながら勝つために力を振り絞ぼる。

……そして、

 

 

 

「ーーーー!!」

 

 

全てを出しきった攻撃は、押し合いのすえ大爆発を起こし風真と幻の姿は砂煙に消えていった。

 

 

「前が見えない!」

 

「どっち!? どっちが勝った?」

 

「砂煙が晴れてきたよ!」

 

 

だんだんと視界が開けてきて、二人の姿が見えてきた。

そこには、

 

 

 

ーーー大の字で倒れている風真と、ふらふらで倒れそうになりながらも何とか立っている幻の姿があった。

 

 

「はぁ…はぁ…俺の…勝ち…だぜ」

 

そう呟くと、幻も地面に倒れ伏した。二人共力を使い果たした為もう動くことも出来なかった。

だが、二人のは満足そうな表情を浮かべていた。

 

 

「くっそ、負けた〜、次は俺が勝つ!」

 

「へへっ、いいや、次も俺が勝つぜ!」

 

 

「いや〜凄い戦いだったな〜、こっちまで熱くなってきたぜ!」

 

「どうだった結?」

 

「凄かった!! 二人共かっこよくて、いつか私もやってみたいと思ったよ!!」

 

「そう。……んじゃ、今度また神社に来なさい。出来るように教えてあげるから」

 

「本当に!? ありがとう霊夢!!」

 

 

「風真さんも、幻さんも強かった……私もこれから頑張らないと」

 

「ふふ、妖夢ったら……」

 

 

そんなこんなで、風真と幻の弾幕ごっこは接戦の末、僅差で幻の勝利で終わった。

その後、他の人達の弾幕ごっこは行われ、この宴会は賑やかに行われていき、賑やかなまま終わり迎えたのであった。

 

その時、風真は藍が少し時々不思議そうな表情をしているのを見たり少し変な感じがしたそうだが、この時は別に気にすることはなかったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー宴会終了後、

藍は誰もいない草原に一人立っていた。

 

「……お久しぶりです」

 

「ん? あああんたは紫の式だね、流石もう気がついたのかい」

 

藍以外誰もいないはずの草原。しかし藍以外にもう一人、別の声が聞こえていた。

 

「紫は? 今日の宴会にはいなかったじゃないか」

 

「紫様なら調べ物で今は幻想郷にはいません。今日の宴会は貴女が?」

 

「まあねえ、これで仲間が幻想郷に帰って来てくれたらいいんだがねえ」

 

その声と共に、声の主が姿を現す。

見た目ははっきり言って子供っぽく、腰には瓢箪が下げられてあり頭には角が生えている。

 

「そのうち皆も気がつき、止めに来ると思いますよ?」

 

「その時はその時、むしろ『鬼』の私としては止めに来てほしいねえ〜。ひさびさに真剣勝負がしたいし」

 

鬼と話した少女は指を鳴らして笑っていた。

 

「ふふ、それじゃあ私はそろそろ帰るとするよ。また次の宴会(・・・・)で」

 

そういうと、少女の姿は霧のように消えていったのであった……




いかがだったでしょうか?

今回スペルの描写を考えるのが難しかった……
新スペルが殆どだったし……
流石にもう一気に新スペルは出さないようにしたいですね〜

次回からようやく萃夢想の異変解決になっていくと思います。
恐らくシリアスが増えていくかな〜って感じですね。

それでは、次回もお楽しみに!!
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