今回の話は前回の話から少し時間が経ったところから始まります!
それでは本編をどうぞ!!
追記
5月9日に修正しました。
ーーー風真が幻想入りしてから二週間。
……とりあえず、二週間の間の風真について話そう。
あの後、風真は紫(と言うか紫の式)に森の中に家を作ってもらった。
家はなかなか大きく、風真が過ごす分には申し分ない。(てか、一人で住むには大きすぎる。三人ぐらいで丁度いいぐらい)
おまけに妖怪に襲われないように魔除けの術式をかけてもらっている。
……はっきり言って、人一人住むには十分過ぎる。
この家を建ててもらった際、風真が。
「な、何だか申し分ない……」
と、言ったぐらいである。
風真はもともと一人で過ごしていたため家事関連は大体でき、一人で生活することは出来た。
ちなみにお金に関しては、人里にて店の手伝いをすることで何とかしていた。
そして暇な時は、弾幕(もとい霊力のコントロール)の練習をしていた。
そんなこんなで二週間。
現在、風真は……
「……どうしようか、これ」
風真が呟く。
その目線には、ボロボロになっていた服が。
ーーーそう、風真は今、まともに着れる服がなかったのだ。
「さすがに、こんな服を着続けるのはまずいよな……」
以前、その服を見ながら風真が呟く。
というもの、ボロボロの服を着て人里を歩いていると周りの人の注目を浴びてしまうのだ。もちろんいい意味ではなく。
「……買いに行くか」
思いついたら即実行! と、言った感じにすぐに家を出て人里に向かっていった。
「うーん、何かこれじゃないんだよな〜」
風真がそう言いながら服屋を出る。
人里を見て回るが、気に入ったものは余り見つからない。
基本的には風真はファッションには興味はないが、ここは
「どっかいい所は無いかな………ん?」
呟きながら歩いていたが、急に歩くのを止める。
その目の前には、一つの店が立っていた。
「こんな所に店が……しかも和服屋」
その店は外見はボロボロで立っている場所も人里でも結構端の方で、正直余り繁盛してそうには見えなかった。
……だが、
「とりあえず、見てみるか!」
気になれば、どんどん行こうとするのが風真の性格。これは変わらない風真の人間性だった。
「ごめんください……あれ?」
店に入るものの、レジには誰も居ない。
周りを探してみるが、人影は見当たらなかった。
「……? 今日は休みか?」
一瞬そう思ったが、店自体は開いているためそれは無いだろうと考え直す。
少し疑問に思ったが、気にせず服を見ることにした。
「へぇ……着物って以外と良いな」
店に飾ってある着物を見てそう言う。
風真は着物を今まで着る機会はなく、それどころか実物すらも見たこともなかったが、それでもなお良いなと思った。
と、その時。
「あら、お客さんだ! いらっしゃい〜」
女の人が声をかけた。
「レジを開けててごめんなさいね〜〜。店にお客さんが来るのなんて久しぶりだったから」
「はぁ……」
「ふふ。とりあえずゆっくりしていってね〜」
店員さんはそう、どっかで聞いたような言葉を言って、レジに座った。
風真は改めて着物を見ていく。
……そして、そこにそれはあった。
「……! 綺麗…だ……」
思わずそう風真は呟く。
風真の目の前には、羽織が一着飾られてあった。
その羽織は全体的に綺麗な紫で、袖の所には風の模様が描かれてあった。
「……それはね、『雄風の羽織』って言うのよ」
「え?」
羽織をずっと見ていると、店員さんが後ろから風真に近づいてきてそう呟いた。
「……懐かしいわね。この羽織を見るとあの人の事を思い出すのよ」
「あの人……?」
「ええ、私が大好きだった人の事よ」
店員さんは、そうほんの少し寂しそうにそう言った後、風真の方を見て何か考えた後に言った。
「……ねぇ? 君、少し私の昔話の相手になってくれないかしら?」
「……?」
「いや、ちょっと昔の事を思い出しちゃったから。お客さんにこんな事を頼むのもおかしな話だけどね」
「……いいですよ。俺もその話聞きたくなったし」
「……! よかったわ。じゃ、少しずつ話していくわね」
店員さんは、ゆっくりと話始めた。
「その羽織はね、さっきも言ってた大好きだった人が着ていた羽織なの」
「へぇ……」
「その人が言っていた話だとね、その羽織はある一族が作った特別性で、いろいろと不思議な能力があるそうなの。
……まあ、私にはよくわからなかったのだけどね」
にこやかに、店員さんが話す。
風真は、それを静かに聞いていた。
「あの人は、とても優しくてそれでいて私や、人里の事をずっと守ってくれたの」
「へぇ…………店員さんはその人事が本当に大好きだったんだな」
「……!? あ、改めて言われるとちょっと恥ずかしいわね」
風真が聞くと店員さんがそう、顔を赤くしてそう答えた。
……と、風真は一つ疑問に思い、店員さんに聞いてみた
「あれ? その人は今どこにいるんだ?」
「……その事は、丁度今から話そうと思ってた所よ」
店員さんは答える。
……少し寂しそうに。
「……ある日、人里に妖怪の群れが襲いかかってきたの。あの人はその妖怪に立ち向かって言ったわ」
「……! もしかして、その時に……?」
「ううん、あの人は妖怪達を倒し、また私達を助けてくれた」
店員さんの声は普通に、だけど表情は暗いままだった。
「その後、あの人はその妖怪の主を倒しに行った。
……あの人は消えてしまったわ。この羽織だけを置いて」
「……そう、なのか」
「もし、あの時、あの人を私が引き留めていたら、いなくなる事もなかったのかもしれないわね」
店員さんがそう、悲しそうに、後悔が混じった声でそう言った。
その話を聞き、風真は考え込む。
ーーー店員さんの話は、風真の『過去』の事に少し似ている。
「もし、あの時こうしていれば……」と、何度考えた事だろうか。風真は何度も何度もそう繰り返し考えた。
……だが、どんなにそう考えようが『過去』は『過去』。それは決して変えることの出来ない事。それぐらい、風真もこの店員さんもわかっていた。
「これで、私の話は終わり。
……ごめんなさいね? こんな話の聞き手になってもらって」
「いや、いいですよ」
風真が言う。
店員さんはそんな風真を見ながら少し考えて、そしてある事を話し出した。
「……ねぇ? もし良かったらこの羽織を貰ってくれないかな?」
「え!?」
突然の提案に驚く。
「……駄目かな?」
「いやいやそんなことは無いんだけど、……でもその羽織は店員さんの大切な人の羽織なんだろ? いいのか? 俺なんかが貰っちゃって」
「ふふっ、いいのよ」
店員さんは微笑みながら言った。
「私ね、もうこの店を閉めようと思っててね。誰にも使って貰えないより、君みたいな人に使ってもらえる方が私も、きっとあの人も嬉しいと思うわ」
「……そうなのか?」
「ふふふ。ま、私の話を聞いてくれたお礼と思ってくれたらいいよ」
店員さんは笑顔でそう言った。
風真は、その顔を見て。
「……ありがとうございます! 大事にします!」
笑顔で、そう答えた。
……そしてその風真の様子を。
「(……本当、あの人にそっくり…だ)」
何処か懐かしむように、店員さんは見ていた。
「ありがとうございました!!」
風真がその和服屋を出る。
……その店の着物を着て、その上に紫の羽織を着ながら。
後日、その服屋に立ち寄ってみたが、その服屋さんはもう閉まってあった。
……そして、その服屋でくれた羽織は後に風真の助けとなるのだが、それはまた先のお話。
やっと風真くんの服装が決まった……!
……え?そろそろ東方停止風の停止の意味を教えろだって?
そ、そのうち明らかになります(汗)
それでは、次回もよろしくお願いします!!