現在時刻は夕方、人質の身の安全を考える以上突入を悟られるわけにはいかない。闇とともに紛れて敵を討つ他ない。それゆえトウカ達は夜になるまでテーマパーク付近で待機しておくことになった。今すぐにでも助けに行きたいが安全のための仕方ない措置である。
「トウカー、夜まで退屈だよぉ………」
「パフェ頼んでもいいから大人しく待ってろ、あっ、俺はこのDXツインパフェを頼む」
「いやなんて物を頼もうとしてるのよ、今から人質救出に行くのにそんなゴツいもん頼んでんじゃないわよ!」
ちなみにこのDXツインパフェ、通常サイズの6倍である。
「作戦の直前に甘いものを取るのは体に良いんだ。集中力が高まり疲労を回復させる効果も持つ」
「限度があるでしょうが!作戦前にデカイパフェ食べる奴なんか見たことないわよ!」
「ラムとロムが捕まっている建物をずっと見張ってるから普通の糖分補充では足りん」
「見張ってるって………こんな場所から見えるわけないでしょう!?」
トウカは特殊な人間のため目を望遠モードに切り替えることができるためかなり離れた距離にいるこの場所からでも建物の入り口を見ることができる。
「目が望遠モードになってるんだ。分からないか?」
「分かんないわよ、あんたがバカということ以外分かんないわよ」
ノワールの冷ややかな目を物ともせずトウカはDXパフェを食べながら見張りへと戻る。
「はぁ、あんたが常識人だと少しでも思った私がバカだったわ」
「まあまあ、トウカは食生活以外ほとんど常識人だから」
「あんたもあんたでプリン頼んでんじゃないわよ」.
「まあ作戦前ですし、好きにさせて差し上げましょう」
そういうベールは大人にコーヒーを飲んでいる。しかもブラックコーヒー、こんな所もいちいち大人である。
「ベールはよく飲めるよねブラックコーヒーなんて」
「トウカさんは飲まないですの?」
「コーヒーは気分だな、ブラックだったり普通に砂糖を入れたり、うん?そういえばネプギアもブラックコーヒーを飲むんだったな」
「いや…………これブラックコーヒーじゃないから……」
ユニがこめかみをピクピクと動かして爆発寸前だが、ネプギアは何を怒ってるのかわからずオロオロしていた。
「どうしたのユニちゃん?何か嫌なことでもあった?」
「嫌なこととかそういう問題じゃないわよ!なによそれ!あんたが飲んでるそれ!」
ユニが指差すものを見てみると、ネプギアが手元に持っているコーヒーだった。ネプギアもベールと同じくブラックコーヒーを頼んでいたはずなのだが、何故か真っ白いものが山のように乗っている。
「なにって、ブラックコーヒーだよ?」
「どこにブラックの要素があるのよそれ!?もはや白い何かになってるじゃない固形物じゃない!?もうブラックじゃなくてホワイトのコーヒーじゃない何かでしょ!?」
ネプギアはキョトンとしているが、辺りは軽く退いている。
「誰からそれがブラックコーヒーだって教わったのよ!?」
「トウカさんが飲んでるのを見て………」
全員の目がトウカへと向く、しかしトウカはそんなこと知らないと言わんばかりにパフェを平らげていた。
「あれは武具改造に忙しかった時糖分が欲しくて食べに行くのが面倒だったから手近にあるものが砂糖とコーヒーしかなかったから適当に飲んでただけだ」
「いや、そんな事するならもう砂糖直に食べてたほうが早いじゃない!?」
そんな中でもネプギアは何がおかしいのかわからずコーヒーを飲んでいた。
◆◆◆
現在、ベールが誘拐犯と交渉しに行ってるが………おそらく相手はロリコン、効果は薄いだろうな。
ちなみに俺の役割は広場で敵の逃走の阻止、だがネプテューヌ達は優秀だ。俺の出番はないだろう、ネプテューヌとネプギアの役割は俺とそんなに変わらんが。
「っで、どうしてこうなった?」
突如として目の前にドラゴンらしき何かが降ってきた。ベールのやつ………交渉しに行ったんじゃないのか。
「幼女何が何でも守る、それが紳士のジャスティス!」
気持ち悪い舌をヨダレだらけにして……流石の俺も気持ち悪いぞ。
「ラム!ロム!」
「「トウカ!!」」
ラムとロムが駆け寄ってくる。怖い思いをさせてしまったようだ。
「遅くなったな二人共、俺がきちんと見ていればこんなことには」
「ううん!みんな助けに来てくれたでしょ!?」
「全然、大丈夫だよ」
2人の頭を撫でてやる。たくさん怖い思いをさせてしまった。
「活きの良い幼女………やっぱり幼女は最高だぜ!」
「なんだあれは?」
「知らない!」
「気持ち………悪い!」
ドラゴンなのか?それとも別の生き物なのか………いや、そこはどうでもいいな。
「悪いがおかえり願おうか、この二人は女神の妹だ。手を出せばどうなるかくらいわかるだろう?」
「知らん!俺は幼女を愛でるために生きているのだ!男に興味はない、痛い目を見る前に消えろ!」
「痛い目を見るのはてめぇだ」
後ろを見ると、心底怒った表情を浮かべたルウィーの女神、ホワイトハートことブランが居た。
「人の大事な妹に、舐めた真似してくれたな、この変態野郎」
「遅かったな」
「うるせぇ、ぶん殴るぞ」
八つ当たりするな。
「変態?それは褒め言葉だ!」
「そうかい、なら誉め殺しにしてやるよ!」
ブランが女神化しホワイトハートを姿を変えドラゴン?に向かい斧を振り下ろす。変態と言われて喜ぶのか………よく分からなんな。世の中は分からないことだらけだ。
「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「その辺にしておけ」
俺はブランの斧を防いだ。これ以上やるとどこかに吹っ飛んで行きかねない。
「なにしやがる!止めるんじゃねえ!」
「まて、お前がいくら殴ろうと喜ぶだけだ」
もっと別の方法じゃないと懲りないだろう。
「じゃあお前が殴れ!」
「だから殴る事から離れろ」
四女神の中でも一番頭脳派じゃなかったのか。
「一つ心当たりがある」
こいつを痛い目に合わせるならあれが一番だろう。
◆◆◆
プラネテューヌ刑務所、ここにはたくさんの犯罪者が入れられている場所で軽犯罪房から凶悪犯罪房まである。
「トウカ様、おはようございます」
「ああ、おはよう」
「トウカ様!こちらにはどういったご用件で!?」
「少し所長に用事があるんだ、案内してもらえるか?」
「「「「「畏まりました!」」」」
厳つい看守の間をネプテューヌたちは戦々恐々としながら通り抜けているが、看守たちは俺に敬語を使っているから害はない。思い出すな昔のことを…
「で、どうするの?」
とりあえず俺たちはプラネテューヌまでドラゴン?を連れてきた。ここの看守長へ合わせるためだ。
「入るぞ」
そこには一人の少女………と言っていいのか分からんほど小さい女の子の様な人物が踏ん反り返っていた。
「何ですかトウカさん、あなたが頼みごとなんて珍しい」
「久しぶりだなコーエー」
プラネテューヌ刑務所の所長コーエー、こいつとは長い付き合いだ。
「このドラゴン?をお前の監視下において欲しい」
「何ですかこれ?」
「うぉぉぉぉぉぉぉ!?幼女所長キタコレ!」
ピクッとコーエーのこめかみが動く。あーあ、第一段階突破だな
「何ですかこの気持ち悪いドラゴンは………こんなの僕に面倒見ろと?」
「嫌なら独房にぶち込んでおいてくれても構わない、頼む」
「トウカさんにそう言われたら断れないの知ってるでしょう………………」
「美幼女の照れ顔最高!やっぱり幼女は最高だぜ!」
ぶちんっ、という音が聞こえてきた。やってしまったな。
「幼女幼女……………うるさいんだよ!」
「ぐはぁ!」
ドラゴン?に鋭い蹴りが入り壁へとめり込んだ。こうなっては誰にも止められない。
「さっきから聞いてりゃ幼女幼女って、いいか!?良いこと教えてやるよ!」
(ねえ、あの子確実に怒ってるけどなんで?どう見ても幼女だよ?)
(そう見えるだけだ)
そう、あいつは幼女ではない。
「僕は男だ!目をかっぽじってよく見ろ!さらにもうとっくに成人して毎日酒飲んでんだよ!」
「えっ?」
「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」
あいつは幼くもなければ女でもない。男でもうとっくに成人しているのだ。
「う、嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「嘘じゃないんだよ!たく………トウカさん、こいつは僕の好きにしても構わないんですよね?」
「構わん、あとは頼むぞ」
俺はネプテューヌ達に刑務所を出ることを伝える。
「あいつはどうなるのよ………」
「世の中には知らない方が良いこともある」
げんなりした表情でノワールが問いかけてくるが俺は答えない、あれは知らない方がいいからな。
「おい野郎ども!新人だ、可愛がってやれ!」
厳つい看守たちがわらわらと所長室に入っていく、その手には警棒、ああ………あれをするのか。
「あれ、どうなるんですの?」
「厳つい男たちに泣いても喚いても袋叩きにされると言えばわかるか?」
その瞬間全員の顔から血の気が失せる。女神の妹をさらってあれくらいで済むなら安いものだと思う………いや、これから気に入らないことがあるとすぐ袋叩きにされるのだから極刑になっていた方が良かったかもな
「いやぁァァァァァァァァァ!」
俺たちはあのドラゴン?の叫び声を聞きながら刑務所から出ていくのだった。
刑務所には妹たちはいません。子供がいくようなところじゃないしね!