ネプテューヌの保護者的な感じの男   作:煉獄姫

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今回はネプギアちゃんの回になります。
ちなみに、ゲームでトウカはネプテューヌと遊ぶ時、少しSっ気が出ます。


ネプギアの心

「トウカー!仕事終わったよー!遊ぼう!」

 

ネプテューヌが教会でトウカの部屋に入ったところ、そこでは既にネプギアがトウカの膝で眠っていた。

 

「何やってんの…………」

「いや、実はな」

 

仕事の相談事があったらしく、しばらく相談に乗り一緒にその仕事を終えたと思ったらいつの間にかネプギアが眠ってしまっていたのだ。起こすのもかわいそうかと思ったのでそのまま仕事をしていたのだという。

 

「私だったらすぐ起こすくせに」

「お前は普段寝てばかりだからだろうが」

 

ネプテューヌはすこし拗ねるがトウカはいつもの事のようにスルーする。

 

「遊ばないのか?」

「遊ぶけどさ………」

 

そう言うとトウカは膝の上で眠っていたネプギアをソファーに寝かしつけ上から普段着ているコートを掛ける。

 

「さて、今日は何をするんだ?」

「今日は前々から言ってたゾンビゲームだよ」

 

ネプテューヌが取り出したのは前からやりたいと言っていたZ指定のゾンビゲーム、マルチプレイにも対応しているものだ。

 

「長丁場になりそうだな」

「そうなんだよね〜お菓子も何も買ってないよ」

「買いに行くか、どうせ明日は休日だ。徹夜でもするんだろう?」

「さっすがトウカ!分かってるじゃん!」

 

そう言って2人が外に出ようとした時、トウカが動きを止めた。

 

「どうしたの?」

「いや…………」

 

トウカの服の裾をネプギアが寝ぼけて掴んでしまっていて動けないのだ。

 

「もう、ネプギアは甘えん坊だなぁ」

「お前が言えるのか?」

「私はお姉さんだから良いの!」

 

お姉さん、というフレーズをトウカは否定したかったがそんなことをしている場合ではないのでネプギアの手を離して行こうとするのだが、離れない。

 

「何してんのトウカ、早く行こうよ!」

「いや、ネプギアが離れてくれん」

「何言ってんのさ、ほら早く」

 

ネプテューヌがトウカを引っ張るとそれにつられてネプギアの体も動いてしまう。かなり強い力でトウカを掴んでいるようだ。

 

「ほんとだ………どんだけ強い力で裾掴んでるの?」

「仕方ない、手を直に解くしかないな、頼むぞネプテューヌ」

「私がやるの?」

 

訝しげな表情を浮かべながら仕方なさそうにネプテューヌがネプギアの手を解こうとするが一向に解ける気配はない、それほど強く握りしめているらしい。

 

「全然解けないよ!?ネプギアってこんなに力強かったっけ!?」

「はぁ、普段からこれくらいの力を出してくれればいいんだがな」

 

仕方がないためトウカは近くまで行きネプギアの手を優しく解いていく。

 

「ふう、これでいいだろ……う」

「…………ネプギア、本当は起きてるんじゃない?」

 

手を解いて出て行こうとすると、今度は腕にしがみついて離れない。がっしりと力強く掴んで離れないのだ。

 

「はぁ、ネプギアが起きるまで行けそうにないな」

「そうだね」

 

二人は仕方がないため座りなおす。ネプギアが起きるまでゲームをしようということになったからだ。

 

「何時間くらいで起きるかな?」

「昼寝なんだから2時間ほどで起きるだろう」

 

そうしてネプテューヌはトウカの膝に座りゲームをし始めるのであった。

 

◆◆◆

 

トウカさんは私が生まれたときからずっと一緒にいて、いろんなことを教えてくれた。たまに怒ることはあっても、すぐに許してくれる優しい人、トウカさんはお兄さんであり、先生でもある、これからもずっと一緒にいてほしい人、本当は凄く甘えたいけれど、それはダメだ。

なぜならトウカさんはお姉ちゃんと一緒にいる時が一番楽しそうだから、二人の時間を邪魔しちゃいけない。それは当たり前だと思う、だってお姉ちゃんとトウカさんはずっと一緒に居るんだもん、二人の間に割って入ることなんかできない。本人たちはそんなつもりないんだろうけど、私は2人の中に入ることはできない。

 

(どうしよう……………)

 

お姉ちゃんが予想した通り、わたしは実は起きてます。いけない事だってわかってるけど………我慢できなかった。行って欲しくなかった、そばにいて欲しかった。お姉ちゃんに………取られたくなかった。

 

(二人の邪魔しちゃった………)

 

心の中に罪悪感が湧く、二人に悪いことしちゃったのはわかるけど………私はトウカさんに隣にいて欲しかった。振り向いて欲しかった、構って欲しかった。トウカさんの心の中に少しだけでも私への気持ちを持って欲しかった。ただ、それだけの淡い………なんだろう?この気持ちは

 

「ちょっと、置いてかないでよトウカ!?」

「すまんなネプテューヌ、このハシゴは一人用なんだ」

「ねぷぅ!?協力プレイしてるのに協力する気ゼロだよ!?っていうか手榴弾上から投げないで!巻き込まれちゃうじゃん!!」

「ゾンビが多いからな」

「この人やばいよ!殺す気満々だよ!?」

「さて、ゾンビが来るといけないな、ハシゴは落としておくか」

「私まだ登ってなぁぁぁぁぁい!」

 

トウカさんとお姉ちゃんは楽しそうに………いや、協力プレイなのにトウカさんが勝手に進んでお姉ちゃんをゾンビの大群に放ったらかしてる地獄絵図が広がっていた。協力プレイの欠片もない。

 

「弾無くなっちゃった!!トウカ弾ちょうだい!?」

「すまん、俺も弾切れだ」

「捨てたよね!?今メニュー開いて捨てたよね!?」

「言いがかりだな、ただボタンを間違えただけだ。それよりもマシンガンの弾ならあるぞ?」

「それで良いから早く!!ナイフも限界だよ!!」

「おっとボタンを間違えてリロードしてしまった」

「何してんのさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

………………お姉ちゃん、本当の敵はゾンビじゃなくてトウカさんだと思うよ。そんな漫才にも似た事をやっていると、お姉ちゃんのキャラクターはゾンビに食べられて蘇生待ちになった。

 

「もう!トウカのせいで死んじゃったじゃん!」

「人のせいにするな、人間はナイフ一本あれば生きていけるんだ」

「そんな格言的なことはいいから早く助けて!」

「おやゾンビの大群だ、じゃあの」

「トウカ完全におふざけモードに入ってるよね!?じゃあのなんて言わないもん普段!トウカのおふざけモードはおふざけのレベルを超えるから話し進まないよ!!」

 

こんな風に、トウカさんは普段ふざけないのにお姉ちゃんと一緒にいる時だけ子供のように遊ぶ、こんな一面を見られるのは私達だけだと思う。私も、あんな関係になれたらいいのにな。

 

「ネプテューヌ………言いたくないが、お前はこのゲームに向いてない」

「その言葉ブーメランだから、協力プレイなのに協力しないトウカが悪いんじゃん!!」

「やれやれ、そうやってすぐ人のせいにする。お前の悪い癖だぞ」

「ああああああもう!言い返せないからむかつくぅぅぅ!」

 

そうやってお姉ちゃんは飛びつき、トウカさんは微笑みながら軽く受け流している。本当に仲良いな二人とも。そろそろ起きようかな、これ以上二人の邪魔しちゃいけないや

 

「ううん、あれ?私…………」

 

ちょっとわざとらしいかもしれないけど……バレるよりいいよね。

 

「ネプギアぁぁ、聞いてよ!トウカがひどいんだよ!協力プレイなのに殺しにかかってくるんだよ!」

「だからプレイ前に言ったんだ。付いてこれるかとな」

「そんな赤い弓兵みたいな感じで言ってない!!」

 

二人は痴話喧嘩のようなものを目の前で続けている。この二人はずっとこのままなんだろうな、私も………きっとこのまま一歩踏み込めずに居るんだろう。

 

「ならネプギアも加えよう、これで良いだろう?」

「望むところだよ!さあネプギア!やるよ!」

「え?私もやるの?」

 

私に気を使ってくれているのだろうか?

 

「わ、私はいいよ………」

「ほう、ゾンビゲームが怖いのか?」

「ち、違いますよ!」

 

怖くなんかないもん、ほんとだもん。

 

「ネプテューヌ、どうやらネプギアはゾンビが怖いらしい。普段は大人びた雰囲気を出しているが、やはり中身は子供だな」

 

トウカさんは私を少しバカにするような感じでそういった。これにはさすがに私も少しムッとする。本当に怖くなんかないんだから!

 

◆◆◆

 

「はぁ、はぁ………」

 

結局、ネプテューヌとネプギアの二人はトウカには敵わずゾンビに食べられまくった。途中から対戦プレイに変えて二人掛かりで挑んだが、やはりトウカには勝てなかった。

 

「やはりネプギアはホラーゲームが苦手のようだな」

「に、苦手なんかじゃ………」

「ネプギア、涙目になりながら言っても説得力ないよ?」

「皆さーん!夕食ですよー!」

 

イストワールからの声が聞こえてくる。夕食が出来たようだ。

 

「ネプテューヌ、お前は先に行って待ってろ。たまには一番最初に行ってイストワールを驚かせてやるといい」

「さすがのいーすんもそんなことでビックリしないよ〜」

 

そう言ってネプテューヌはキッチンへと一足先に向かう。もちろんイストワールの驚いた声が聞こえてきたのは言うまでもない。

 

「私達も行きましょうか」

「ネプギア」

 

トウカはネプギアの頭を撫でながらいった。

 

「言っておくが遠慮なんてしなくていいんだ。お前は家族と同じなんだからな」

 

その言葉を聞いたネプギアは驚きを隠すことができない。どうしてトウカがそれを知っているのか、それが分からなかったからだ。

 

「どうしたんですか、そんな急に」

「ずっとお前は俺とネプテューヌに遠慮していただろう?」

「そ、そんなこと………」

 

無い、と完全に言い切ることができない。そう言ってしまえばこれまでと何も変わらないからだ。

 

「…………俺には親がいない」

「えっ?」

 

突然、トウカが自分の話をし始めた。トウカのことを何も知らないネプギアは黙ってその話を聞いていた。

 

「親もいなければ兄弟もいない、気が付いた時にはもう剣を握っていた。そうしなければ生きられなかったからだ」

「トウカさんの子供の頃って…………今からどれくらい前なんですか?」

「俺が子供の頃はネプテューヌの三代前の女神の時代だ」

 

ネプギアは考えてみるが見当もつかない、ネプテューヌですら数百年女神を務めているのに、それより三代も前など何百年、何千年前の話なのか、それは想像もつかない

 

「その頃の戦争は少し前まで続いてた守護女神戦争なんて生易しいものじゃない、生きるか死ぬか、国を挙げての殺し合いだった」

 

それこそ血で血を洗う戦争、人が死なない日などなかった。そんな過酷な時代だったのだ。

 

「そんな中で生きていたから本当に過酷だった、人だって殺したし盗みもした。そして捕まった」

 

昔のプラネテューヌ軍に捕まり、殺されそうになったところをイストワールに救われたのだという。その時の言葉をトウカは未だに覚えている。

 

(子供を殺そうとするとは何事ですか!!!)

 

あの時のイストワールが一番怖かったという。

 

「それから俺は教会で育てられた。二人の幼馴染と一緒にな、その二人は俺に仲良くしてくれたが…………俺は少し遠慮していたんだ。二人の間に突然割って入るのはいけないんじゃないかとな」

 

ドクンッと、ネプギアの心臓が跳ね上がる。全てトウカには分かっていたのだ。自分が遠慮していることも、本当は二人の仲に入りたいということも。

 

「そしてある時、その遠慮がバレてしまったんだ」

「どうなったんですか?」

「二人から思いっきり殴られたよ」

 

トウカは軽く右の頬を摩る。あの時の二人の剣幕はどんなモンスターよりも恐ろしかった。

 

「散々怒られた後泣きながら聞かれたよ、お前は私たちのことを赤の他人だと思ってるのかって」

 

赤の他人に気を使うのは仕方ない、でもどうして一緒に暮らしてる私たちに遠慮するんだ。そう言われた時のことを思い出していた。

 

「だから、遠慮なんてしなくていいんだ。お前が俺のことを嫌いなら構わないがな」

「嫌いなんかじゃありません!!」

 

突然、ネプギアは声を荒げてそう言った。

 

「私、トウカさんの事は大好きです!ずっとずっと一緒に居たいって、甘えたいって、でも………私なんかが、私なんかがトウカさんとお姉ちゃんの間に入るなんてダメです!だって、二人はずっと一緒にいたんでしょ?女神になるずっと前から!そんな二人の間に…………私なんかが入っていい訳ないじゃないですか!!」

 

心の中にあった全てを吐き出した。その時ネプギアは遠慮など微塵も存在しなかった。その言葉に、トウカはネプギアをそっと抱き寄せた。

 

「ならどうして俺の裾を掴んで放さなかった?」

「……………………それは」

 

何も言えなかった。そうしているうちにトウカはネプギアをさらに強く抱きしめる。

 

「だから、これからは甘えていいんだ。ネプテューヌの様に」

「でも………私………」

「お前はネプテューヌの妹なんだ、お前が俺に甘える理由はそれだけでいい、それだけで………充分なんだ」

 

ネプギアはトウカの胸の中で泣いた。これまであった遠慮や建前など、そこには存在しなかった。

 

◆◆◆

 

「それで?どうしてお前は俺のベッドに居る?」

「えっと………あはは………」

 

夜、今日はどうしても泊まっていけとネプテューヌに言われたため仕方なく教会にある自室に泊まることになったのだが……何故かネプギアが居た。まだ先ほどのことを気にしているのだろうか?

 

「笑いませんか?」

「笑わん」

 

話を聞いてみると、先ほどやったゾンビゲームの影響で一人で眠れなくなったらしい。

 

「ふっ……」

「あー今笑ったー!笑わないって言ったのにー!」

 

あれだけ怖くないと豪語しながら結局怖いのか

 

「だから言いたくなかったんです……………」

「怒るな怒るな、それならネプテューヌの所へ行ってくるといい」

「嫌です、罰としてトウカさんは今晩私と寝てください」

 

なんの罰なんだ……?

 

「笑わないって言ったのに笑った罰です!」

「まて、その罰は不当だ。再審を要求する」

「再審なんてありません!ほら、そんなところにいると風邪ひきますよ」

 

そう言って当然のようにネプギアは俺のベッドの中に入っていく。はぁ………何を言ってもダメのようだ。俺はベッドの中に入る。

 

「狭くないか?」

「そうですね………ちょっと狭いですね」

 

そう言うとネプギアは俺に抱きしめてくる。寝返りが打てない。

 

「こうすれば大丈夫ですよ」

「おい……………ネプギア、くっつき過ぎだ。胸が当たってるぞ」

「しっ、知ってますよ!トウカさんのエッチ!!」

 

いや、寝づらいんだこの体勢は。

 

「あの、これからトウカって呼んでといいですか?」

「構わん、なんならお兄ちゃんでもいいぞ?」

「そ、それは恥ずかしいです」

 

もとより冗談のつもりだ。

 

「なら俺はそろそろ寝る、おやすみ」

「はい」

 

俺は瞼を閉じて眠りについた。

 

「おやすみなさい………お兄ちゃん」

 

そのか細い声は、トウカの耳には入らない。




少しでもネプギアちゃんを可愛く描けたかな?
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